英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
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〜カレイジャス・ブリッジ〜

 

「か、艦長……後何度撃てばいいんですか………!?」

「も、もう止めようよ〜!こんなの”虐殺”だよ〜!」

一方その頃ブリッジで次々と撃破され、絶命し続ける貴族連合軍の兵士達を見て表情を青褪めさせたブリッジで様々な役割を務めている士官学院生達がトワに問いかけたが

「辛いのはわかるけど後ちょっとだけ頑張って!トリスタ方面からの援軍が止まった時がトリスタや士官学院を奪還できる最大のチャンスだから!」

艦長席に座っているトワは激励の言葉をかけた。

「で、でも………」

トワの激励の言葉を受けても士官学院生達は顔色が優れていない様子で顔を下に俯けた。

「泣き言を言うな!リィンは自分の手で貴族連合軍の兵士達を殺し続けているんだぞ!?なのに俺達が弱音を吐く訳にはいかないだろうが!」

「アラン君…………」

一方歯を食い縛って端末を操作し続ける砲術士を務めている士官学院生は戦意が落ちている士官学院生に激励の言葉をかけ

「アランの言う通りだ……それに”戦争”に関わる以上、命のやり取りをする事も俺達もわかっていてカレイジャスに乗船したはずだ。」

航海士を務めている士官学院生も砲術士を務めている士官学院生に続くように呟いた。

 

「二人の言う通りだ……貴族連合の兵士達の命を奪ってでも士官学院を……トリスタを取り戻すと決めた時にこうなる事はわかっていたはずだ。辛いとは思うが今だけは耐えてくれ!ここを乗り越えれば士官学院の奪還はもうすぐだ!」

「アンゼリカ先輩…………はい……!」

「マカロフおじさん、後少しで助けるから待ってて……!」

そしてアンゼリカの激励の言葉で立ち直った士官学院生達は再びそれぞれの役割に戻り

「みんな……――――援軍が止まるまで引き続き、ヴァリマール達の援護砲撃を行います!総員、奮起してください!」

「イエス・マム!!」

アンゼリカ達を見回したトワは号令をかけて士官学院生達の士気を高めた。

 

「兄様……」

「リィン……」

「リィンお兄様……」

モニターでヴァリマールの様子を見守っていたエリスやアリサ、セレーネは辛そうな表情をし

「……会長、必死で身体の震えを抑えているね。」

「……無理もない。自分の指示で多くの兵達の命を人としての姿を残さない状態で奪っているのだからな……」

「……………………」

身体の震えを必死に抑えながら指示をし続けているトワを見て呟いたフィーの言葉を聞いたラウラは重々しい様子を纏って呟き、サラ教官は重々しい様子を纏って黙り込んでいた。

 

(すみません、皆さん……ッ……!)

「セドリック…………」

トワ達の様子を身体を震わせながら辛そうな表情で見守るセドリック皇太子の様子に気付いたアルフィン皇女は心配そうな表情をしていた。

 

〜東トリスタ街道〜

 

「リィンさん………」

”紅き翼”の作戦内容を知り、”紅き翼”が不利になった際いつでも加勢する為に正規軍や鉄道憲兵隊と共に街道付近まで進軍したクレア大尉は辛そうな表情でヴァリマールを見つめ

「……ッ……!中将閣下、やはり我々も彼らに加勢し、貴族連合軍の陽動を引き受けるべきです!本来トリスタの防衛部隊と戦う役割は軍人の我らです!まだ学生の彼らにこれ以上の重荷を背負わせる訳にはいきません!」

唇を噛みしめてヴァリマール達の戦いを見守り、ついに我慢の限界に来たナイトハルト少佐はクレイグ中将に加勢の許可を求めた。

「ならん!この戦いは”紅き翼”の戦力のみで行われる事……彼らの旗色が悪くならない限り手出しは無用と、セドリック殿下に”勅命”されたのだから、”勅命”を受けた以上皇家に忠誠を誓う我ら軍人はそれに従うまでだ!」

「しかし!」

クレイグ中将の指示を聞いても、リィン達の為にも従え切れないナイトハルト少佐は反論を続けようとしたが

「ナイトハルト少佐………少佐のお気持ちもわかりますが、今回の作戦に大切なご子息も参加なされている中将閣下のお気持ちも考えてください……」

「……………………」

クレア大尉の指摘を聞くと辛そうな表情で黙り込み

「すまない、エリオット……士官学院の皆よ………!私達が不甲斐ないばかりにまだ学生のお前達にこのような重荷を背負わせてしまった……!」

唇を噛みしめ、拳を強く握りしめて身体を震わせながら戦場を見つめるクレイグ中将をクレア大尉と共に見つめた。

 

「貴様らもこの戦いをよく見ておけ!我ら軍人の不甲斐なさで学生の彼らにこのような重荷を背負わせてしまった戦いを!そして辛い想いを抱えて貴族連合の兵達を殺し続けている彼らの為にも必ず明日の帝都奪還作戦を成功させるぞ!」

「イエス・コマンダー!!」

そしてクレイグ中将の号令に正規軍の兵士達はそれぞれ答えた。

「…………ドミニク少尉。今回の戦いが終わるまでの間だけ、鉄道憲兵隊の指揮権を貴女に預けます。もし彼らの旗色が悪くなれば、すぐに鉄道憲兵隊の指揮を取って彼らに加勢してください。」

「ク、クレア大尉……!?一体何をするおつもりですか……!?」

するとその時、クレア大尉が鉄道憲兵隊の部下に指示をし、クレア大尉の突然の指示に部下が困惑の表情をしているとクレア大尉はライフルを取り出した。

 

「クレア大尉!?まさか殿下の”勅命”を無視して、加勢するつもりか!?」

クレア大尉の行動を見てすぐに察したクレイグ中将はクレア大尉に尋ね

「―――いえ、私は”Z組の協力者”―――”クレア・リーヴェルト個人として”今も彼らの”協力者”として、戦い続けているパント卿達同様パント卿達と共に戦うだけです。」

クレア大尉は静かな表情で答えた後戦場に向かって走りだした。

「!―――中将閣下。今だけバレスタイン教官やライサンダー教官同様”トールズ士官学院の教官として”、”紅き翼”の加勢をする事をお許しください!お叱りや罰は後で幾らでも受けます!」

「待て、ナイトハルト!」

クレア大尉の行動を見て加勢する理由を思いついたナイトハルト少佐は鞘から剣を抜き、クレア大尉に続くようにクレイグ中将の制止の言葉を無視して戦場に向かって走りだした。

「ちゅ、中将閣下……我々はどうしますか………?」

「我らはこのまま待機だ。我らはあの二人と違って、”部外者”だからな。フフ、こういう時にまで柔軟性を身に着けるとは、これも二人が”Z組”やトールズ士官学院に関わった影響かもしれぬな……」

二人の行動を見て迷っている部下達に指示をしたクレイグ中将は苦笑しながら戦場へと向かうクレア大尉とナイトハルト少佐を見守っていた。

 

「オォォォォ――――ッ!!」

「ギャアアアアァァァア――――ッ!?」

「リィン君、もういいよ!トリスタ方面からの援軍は止まったよ!」

ヴァリマールが機甲兵を一刀両断して操縦者ごと真っ二つに斬ったその時カレイジャスからトワの声が聞こえ

「セイッ!―――後は私達に任せて貴方方は悲願を叶えなさい!」

ヴァリマールに続くように槍でアハツェンを破壊して操縦者達も殺害したリアンヌはヴァリマールに指示をした。

「はい……!―――ヴァリマール、カレイジャスに戻るぞ!」

「承知――――」

「お、おのれ……!逃がしてなるものか……!ガッ!?」

カレイジャスに戻ろうとするヴァリマールの行動を見たシュピーゲルの一体が銃口をヴァリマールに向けたがヴァリマールの背後から放たれた狙撃で頭が撃たれた事で怯み

「喰らえっ!!」

「ガアアアアアアアア―――――ッ!?」

ヴァリマールの背後から現れて跳躍して闘気を纏った剣で頭を一閃したナイトハルト少佐の攻撃を受け、ナイトハルト少佐の刃は装甲を貫いて操縦者にも届いて操縦者を絶命させた!

 

「ナイトハルト少佐!?それにクレア大尉も!まだ俺達は不利になっていないのにどうして加勢をしたんですか……!」

二人の登場に驚いたリィンは二人に問いかけたが

「―――勘違いするな。私は”士官学院の教官として”この戦いに参加したまでの事。自分は軍人だが、お前達の教官でもあるのだからこの戦いに参加する”義務”がある。」

「私はクレア・リーヴェルト個人として”Z組”の皆さんに力を貸しているだけです。ですから今だけは”軍人としてではなくZ組と縁がある個人として”この戦いに参加しているのです。」

「ナイトハルト少佐……クレア大尉…………」

二人の説明を聞くと複雑そうな表情で黙り込んだ。

「―――行け!エレボニアを救う為にもお前達は悲願を叶えるべきだ!」

「後は私達にお任せ下さい!」

「はい!ありがとうございます……!」

そしてナイトハルト少佐とクレア大尉の言葉に頷いたリィンはヴァリマールを操作してカレイジャスに向かい、ヴァリマールが甲板に降り立つとカレイジャスはトリスタ方面へと向かった!

 

説明
第64話
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コメント
本郷 刃様 単純な腕力じゃなく精神的にも強くなったでしょうね K'様 というか本来なら原作でこうあるべきなんですけどねぇ。戦争なんですし(sorano)
終戦後にPTSDを発症しないかちょっと心配。ともあれ皆、軍人として生きることがどういうことかを心の底から実感したことでしょう。(K')
ようやくリィン達が強くなったという実感が出てきましたね、他の士官学院生の心も強くなるでしょう・・・(本郷 刃)
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