英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
[全1ページ]

同日、14:00――――

 

ウォレス准将率いる帝都防衛部隊の降伏、そしてヘイムダルの奪還はトリスタに待機している”紅き翼”の面々にも伝えられていた。

 

〜カレイジャス・ブリッジ〜

 

「―――以上の事からしてウォレス准将が無血開城した為、正規軍、貴族連合軍双方共に被害を出さずにヘイムダルを奪還しました。ただ先程も説明しましたようにカイエン公や残りの貴族連合の部隊、そして貴族連合によって人質にされた貴族の家族の方々の行方は不明です。」

「そうですか…………問題はまだまだ残っているという事ですね。」

「ですがとりあえずこれで内戦を終結させた事にもなりますわ……」

モニターに映るクレア大尉の報告を聞いたセドリック皇太子は重々しい様子を纏って呟き、アルフィン皇女は安堵の表情で呟いた。

「それにしてもまさかウォレス准将が自ら降伏を申し出るとはな……」

「予想外。”黒旋風”は”黄金の羅刹”同様”戦闘凶”って言われているのに。」

「それに自らを犠牲にしてまで、部下の方達を守ろうとしていたなんて……部下思いな方でもあるのですのね。」

「ああ……犠牲を出す事なく、帝都を解放できて本当によかった……」

ラウラは重々しい様子を纏って呟き、フィーは目を丸くし、セレーネは複雑そうな表情で呟き、リィンは安堵の表情で溜息を吐いた。

 

「だが……肝心の”主宰”であるカイエン公を拘束していないのだから、まだ安心はできんだろう。」

「しかも残りの貴族連合の部隊もどこにいるかわからないしな……」

真剣な表情で考え込んだユーシスの言葉に続くようにマキアスは不安そうな表情をし

「それにパトリック君達――――貴族連合に人質にされた貴族の家族の人達もどこに幽閉されているんだろう……?」

「みんな、無事だといいのだけどね……」

「……カイエン公は”尊き血”を重要視しているから、幾ら何でも彼らには危害を加えないと思うのだが……」

トワとジョルジュがそれぞれ不安そうな表情をしている中、アンゼリカは真剣な表情で考え込んだ。

 

「―――煮え切れない結果となったが、帝都を奪還した事で内戦は一応終結した事になる。―――おめでとう。これでエレボニアは存続できる事になったよ。」

「おめでとうございます。これで”戦争回避条約”によって設けられた猶予期間は守られた事になり、メンフィル・クロスベル連合もエレボニア侵攻を完全に中止し、エレボニアと和解をするでしょう。」

「私からも祝福の言葉を送らせて頂きますわ。―――おめでとうございます。士官学院生の身でありながら内戦終結に大きく貢献したのは、皆さんが歴代初かと思われますわ。」

「フフ、ドライケルスも貴方方の事を誇りに思っているでしょう。」

パントやルイーズ、そしてシグルーンとリアンヌはリィン達に称賛の言葉を送り

「戦争が回避できてエレボニアが存続できるようになったのは嬉しいけど……」

「まだ解決していない問題がたくさんあって、全然喜べないよね……」

「”結社”を失って行き場を無くした姉さんは今頃どこで何をしているのかしら……?」

「……………………あの女の事だから、くたばってはいないでしょう。」

パント達の称賛の言葉を聞いたアリサとエリオットはそれぞれ複雑そうな表情をし、心配そうな表情で呟いたエマの言葉を聞いたセリーヌは複雑そうな表情で自身の推測を口にした。

 

「そう言えば……”戦争回避条約”にカイエン公の身柄をメンフィルに引き渡す内容があるが、この場合どうなるのだ?」

「あ…………ま、まさか守れないからという理由で再び侵攻するのでしょうか……?」

ガイウスの疑問を聞いてある事に気付いたエリスは不安そうな表情でパント達に尋ね

「いや、その心配は無用だ。君達も知っての通り『メンフィル帝国が定めた期間以内に内戦を終結させて残りの全てを実行するのならば、メンフィル帝国はエレボニア帝国に対する侵略行為を中止し、和解にも応じる。』とあるが……内戦が終結した後ならば、例の”救済条約”で先に相殺された内容以外の条約に関しての期間は特に指定していない上、しかも実行できないと言っても”犯罪者”の引き渡しができないだけならばリウイ陛下達も大目に見てくれるだろうし、必要なら私からとりなしておこう。」

「私もリフィア殿下にとりなおしておきますわ。」

「ならば私の方からもリウイ陛下にとりなしておきます。今回の件はかつての我が同胞―――”蒼の深淵”も深く関わっていたのですから。」

「………ありがとうございます。必ずカイエン公を拘束し、メンフィルに引き渡す事をお約束しますのでリウイ陛下達のとりなし、どうかよろしくお願いします。」

「他の条約に関しましてはお父様達が復帰し、停止していたエレボニア政府が再開をした近日中に実行する事をこの場で確約致しますので、どうかよろしくお願いしますわ。」

パントやシグルーン、リアンヌの申し出を聞いたセドリック皇太子とアルフィン皇女は頭を深く下げた。

 

「これでメンフィルやクロスベルの件は気にせず国内の残った問題の解決に集中できるわね。」

「はい。―――行方がわからないカイエン公と貴族連合の部隊の拘束、そして貴族連合に幽閉されたパトリック達の救出ですね。」

「一体どこにいるのでしょう……?」

サラ教官の言葉にリィンは頷き、エリスは不安そうな表情で考え込んだ。

「―――デュバリィの話では士官学院を守っていた兵士達を率いる者が”グノーシス”を持っていたとの事。その事を考えると恐らく行方がわからないカイエン公や残りの貴族連合の部隊は……」

「”ルバーチェ”のようにヨアヒム・ギュンターの傀儡になった可能性が高いわね。問題は傀儡にした貴族連合をどうするつもりかね……傀儡にした貴族連合を使ってクロスベルに侵攻とかしたら、また国際問題に発展するかもしれないわね。」

リアンヌの推測の続きを答えたサラ教官は厳しい表情で考え込み

「まあ、そうならないようにガレリア要塞跡に部隊が残してあるから大丈夫のはずだよ。そうだよね、クレア?」

サラ教官の疑問に答えたミリアムはモニターに映るクレア大尉に尋ねた。

 

「ええ、ガレリア要塞にはクレイグ中将が残した”第四”の部隊の一部に加えて”鉄道憲兵隊”も配備していますし、クレイグ中将は明日には解放された帝都の防衛等についてはゼクス中将に任せてガレリア要塞跡に帰還する手筈になっていますから例え残りの貴族連合の部隊がクロスベルに侵攻しようとしても、援軍が来るまでに食い止められます。」

「あの……そもそも何故貴族連合を傀儡にしたヨアヒム・ギュンターがクロスベルに侵攻すると確信しているんですか?」

「そ、そう言えばそうですわよね……?」

リィンの疑問を聞いたセレーネは戸惑いの表情で頷き

「多分”キーア”って人物がクロスベルにいるんじゃないの?カレル離宮でもその人物の名前を口にしていたし。」

「―――確かに言っていたな。”真なる神”がどうとか訳のわからんことを言っていたが。」

「それにエイドスさんの命も奪うって言っていたからな……」

「そういえばエイドス殿は今はクロスベルだったな……だからかもしれんな。」

フィーの推測を聞いたユーシスは静かな表情で頷き、マキアスは不安そうな表情で呟き、ラウラは真剣な表情で考え込んだ。

 

「―――いえ、クロスベルに侵攻するとしたら一番の狙いは”キーア”の筈よ。ヨアヒム・ギュンターはその為にマルコーニや当時の警備隊の司令にグノーシスを投与させた”ルバーチェ”やクロスベル警備隊を操ってクロスベル襲撃事件を起こしたのだからね。エイドスの殺害はそのついでだと思うわ。」

「教官?何か知っているのですか?」

サラ教官が明確な答えを説明するとガイウスは不思議そうな表情で尋ねた。そしてサラ教官はキーアやヨアヒム、そして”D∴G教団”の関係について説明した。

 

 

説明
第70話
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1442 1282 2
タグ
他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡U 

soranoさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com