本編補足
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揺らぎ

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C1 思い人

C2 知恵

C3 決意

C4 承認

C5 式典

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C1 思い人

 

夜。ヂョルガロン王国首都ブザのダンレン宮殿後宮に続く王の間。寝台に座るヂョルガロン王国国王のギュウジュウ。扉に映る横を向く人影。ギュウジュウはそれを見つめる。

 

スヒィンの声『失礼いたします。』

 

ギュウジュウの眼に映る人影。

 

ギュウジュウ『スヒィン!?』

 

正面を向く人影。

 

スヒィンの声『スリョクは来ません。』

 

眉を顰めるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『スリョクが…。なぜだ?なぜ、あんなに毎日…。』

 

歯ぎしりの音。ギュウジュウは人影を見つめる。

 

スヒィンの声『スリョクは体調を崩しました。』

 

立ち上がり、扉に近づくギュウジュウ。

 

スヒィンの声『あなたがあの娘に何かをやったからでしょう!』

 

扉を開けるギュウジュウ。スヒィンはギュウジュウを見上げ睨み付ける。

 

スヒィン『この人でなし!』

 

ギュウジュウはテウシン王の血を引く美少女スヒィンの両肩を持って揺する。

 

ギュウジュウ『…そんなに体調がすぐれないのか!?そんなに…。』

スヒィン『あなたはあの娘になにをしたのですか!!』

 

ギュウジュウはスヒィンの顔を見つめ、立ち上がる。

 

ギュウジュウ『せっかく来たのだから、中へ…そこで話…。』

 

スヒィンはギュウジュウから顔を背け、立ち上がって去って行く。スヒィンの方を見、肩を落とすギュウジュウ。

 

C1 思い人 END

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C2 知恵

 

早朝。ヂョルガロン王国首都ブザのダンレン宮殿後宮に続く王の間。窓枠に手を掛け、後宮のスヒィンの部屋の方を眺めるギュウジュウ。足音。扉の方を向くギュウジュウ。扉の前に現れる四つの人影。

 

ギュウジュウ『来たか…。』

 

玉座に座るギュウジュウ。

 

シルパラの声『シルパラ、参りました。』

リンパクの声『リンパク、参りました。』

ソンタクの声『同じく、ソンタク参上しました。』

シャクノツゴーの声『シャ…。』

ギュウジュウ『分かっている。入れ。』

 

一同『はは。』

 

扉を開け、王の間に入る名誉将軍のシルパラ。続くヂョルガロン王国の大臣のリンパク、ソンタク、シャクノツゴー。

 

シルパラ『今日は重要な要件があると。』

 

頷くギュウジュウ。ギュウジュウを見つめる一同。

 

ギュウジュウ『実は…テウシン王国を復活させようと思う。』

 

眼を見開くシルパラ。眉を顰めるリンパク、ソンタク、シャクノツゴー。

 

リンパク『国王。それは長男相続の伝統に反することです。』

ソンタク『ご自身もそういわれていた筈です。』

 

ギュウジュウは一同を見回し、眼を閉じて頷く。

 

ギュウジュウ『…確かに伝統は大事だ。しかし、もし仮にスヒィンとの間に子をなしたとして…それが必ずしも男児であるということは保証されぬ。』

 

眉を顰めるリンパク、ソンタク、シャクノツゴー。眼を開けるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『もし、女児ばかりうまれたとすれば、テウシン王国は何代先に復活するのか。』

 

頷く一同。シルパラは顎に手を当て、下を向く。

 

シルパラ『とても喜ばしい決断でありますが、我々が承諾したとしても…。』

 

顔を上げギュウジュウを見つめるシルパラ。

 

シルパラ『他国の王たちが快諾するかどうか…。』

 

2、3回頷くギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『…説得は難しいだろうな。だから…知恵を貸してほしい。どうすればいいのか。』

 

顔を見合わせるシルパラ、リンパク、ソンタク。腕を組み、下を向くシャクノツゴー。

 

ギュウジュウ『何かいい案は…。』

 

リンパク『ううむ。』

ソンタク『難しい問題だ。』

シルパラ『他国をどう説得するか。』

 

立ち上がるシャクノツゴー。彼を見つめる一同。

 

シャクノツゴー『…共同統治がよろしいかと。』

 

C2 知恵 END

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C3 決意

 

夜。ヂョルガロン王国首都ブザのダンレン宮殿後宮。ユ王国国王の容姿端麗なユガの息子で女人護衛官を務める容姿端麗なユーリと共に歩く女官の服を着て化粧をし、食事を持つギュウジュウ。

ユーリはギュウジュウを何回も見つめる。

 

ギュウジュウ『どうした惚れたか?』

 

少し顔を赤らめるユーリ。

 

ユーリ『い、いえ、別に。』

 

ユーリの方を向いて笑うギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『はは。まあ、お前には劣るがな。それに…。』

 

正面を向くギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『他の女官にばれるわけにはいかない。』

 

立ち止まるユーリ。

 

ユーリ『この先にスリョクさんがいます。』

 

ギュウジュウはユーリを見つめ、頷く。

 

ギュウジュウ『ここまででいい。ありがとう。』

 

ユーリに頭を下げ、進むギュウジュウ。ユーリはギュウジュウに一礼する。

 

 

ヂョルガロン王国首都ブザのダンレン宮殿後宮。スリョクの部屋。扉の前に立つギュウジュウ。

明かりでともされた扉に映る起き上がる人影。

 

スリョクの声『…ありがとうございます。食事はそこに…。』

 

扉に映る人影を暫し見つめるギュウジュウ。

 

スリョクの声『どうなさいました?』

ギュウジュウ『スリョク…。』

スリョクの声『ギュウジュウさま!な、なぜここに!それにその格好は!』

ギュウジュウ『…その声を聴くのは久しいな。スヒィンからそなたの体調が良くないと聞いてな。それで…。』

スリョクの声『お帰り下さい。』

 

眼を見開いた後、下を向くギュウジュウ。

 

スリョク『いいからお引き取りを!私は…ああ…。』

 

顔を上げ、扉に映る人影を見つめるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『…そうか。すまなかった。』

 

ギュウジュウの方を向く扉に映る人影。

 

ギュウジュウ『実はな。テウシン王国を復活させようと思う。』

スリョクの声『えっ?』

ギュウジュウ『無論、他国の手前上、我が国との共同統治という形になるが…。』

 

頷くギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『スヒィンをテウシンの王とし、夫妻の関係を取りやめる。そして、スリョク。そなたを正妻に迎え入れたいと思う。』

スリョクの声『…えっ。』

ギュウジュウ『スリョク。俺は…貴女を愛している。貴女と一緒に居たい。共に未来を歩みたい。』

スリョクの声『何を言っているのですか?私は…。』

 

微笑むギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『そなたとの子供達に囲まれて、子供が男の子だったらギュウジュウイチ、女の子だったらなんにしようか?』

 

口に手を当てて俯く扉に映る人影。

 

ギュウジュウ『…返事はすぐにでもなくていい。貴女の気が向けば。いつでも待っているから。』

 

ギュウジュウは暫し、扉に映る影を見つめた後、立ち上がり去って行く。スリョクの泣き声。

 

C3 決意 END

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C4 承認

 

ヂョルガロン王国首都ブザのダンレン宮殿。奥の間にはモング国テウシン領総督の金絲猴獣人ポッパンの死体を加工して作られた玉座に座るギュウジュウ。隣の玉座に座るスヒィン。城門から玉座へと続く通路、階段に配置される屈強な兵士達。

 

右にはそれぞれミゼ王国の美しい女王ユヅルハ、カヤン王国のラクガヤにユ国のユガ、クド王国のタグに左パノパス王国の女王ファボス、バカイ王国のダンジョン、ツァ王国のツァグトラが並んで座っている。

奥の間の外に並ぶ、ミゼ王国の大臣ユミル、ユラル兄弟にバカイ王国のソゲン大将軍を初めとする重臣達。ギュウジュウは各王たちを見る。スヒィンを見つめるファボス。

 

ギュウジュウ『今日、ここに集まってもらったのは他でもありません。』

 

ギュウジュウを見つめる各王達。眼を細めるファボス。

 

ファボス『その前に一つ質問がある。』

 

ファボスの方を向く一同。ファボスはスヒィンの方を睨む。

 

ファボス『この席になぜ王でもない者が居るのだ。』

 

スヒィンはファボスを見つめる。スヒィンに掌を重ね、握るギュウジュウ。スヒィンはギュウジュウの方を向く。

 

ギュウジュウ『それは、本日この場を持って、テウシン王国の復活を宣言するものだからです。』

 

眼を見開き、顔を見合わせる一同。立ち上がるダンジョンとファボス。

 

タグ『テウシンは長子相続!あれほど伝統を重視していたのに何を血迷ったことを!』

ファボス『そのような重大なことは貴国が勝手に決めるべきではない!』

ダンジョン『その通りだ!』

 

顎に手を当て周りを見るツァグトラ。立ち上がるユガ。

 

ユガ『まあまあ、三人とも落ち着いてください。』

タグ『落ち着いてなどいられるものか!』

ファボス『ギュウキュウ殿ならこの様な愚かな決定はしなかったはず。』

ダンジョン『そうだそうだ!』

 

ユヅルハはユガの方を向く。

 

ユヅルハ『しかし、私達に何も告げずにテウシン王国を復活させるというのは少し…。』

 

眉を顰め、頷くユガ。ラクガヤが顔を上げる。

 

ラクガヤ『…何も告げず、というよりはこの場が我々との議論の場と捉えたほうがいいでしょう。何の案もなしにわざわざ我々を呼び寄せる必要はありませんからね。』

 

ラクガヤの方を向く一同。

 

ダンジョン『むう…。確かに。』

 

ファボスはギュウジュウの方を向く。

 

ファボス『果たして我々を納得させるような案があるのかしらね。』

 

ファボスの方を向くタグ。

 

タグ『さて、どうかな。』

 

座る一同。ギュウジュウは各王達を見回した後、頷く。

 

ギュウジュウ『無論、王として一国を任すという形ではない。』

 

ギュウジュウはスヒィンの方を向いて頷いた後、正面を向く。

 

ギュウジュウ『私との…ヂョルガロン王国との共同統治という形をとる。』

 

眼を見開く一同。

 

一同『共同統治…。』

タグ『…共同統治か。』

 

顎に手を当て、舌打ちするファボス。

 

ファボス『ふっ、共同統治か。』

 

首を横に振り、ため息をついた後、ギュウジュウを見つめるファボス。

 

ファボス『…灰色だが、シルパラ殿が喜びそうだな。』

タグ『よく思いついたものだ。』

ラクガヤ『共同統治という形なら…。』

ユヅルハ『まあ、私は最初から異存はありませんが。』

ユガ『…その形ならば問題は特にない。』

ダンジョン『確かに。』

ツァグトラ『…ふむ。私は若輩者なので年長者に従うとします。』

 

各王達を見つめるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『…ヂョルガロンとテウシンの共同統治を認めて頂けますか?』

 

頷く各王達。スヒィンは各王達を見つめる。ギュウジュウはスヒィンの方を向く。

 

ギュウジュウ『テウシン王。』

 

ギュウジュウの方を向くスヒィン。

 

スヒィン『えっ…。』

 

スヒィンに手を伸ばすギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『共同統治という形だが…よろしく頼む。』

 

握手する二人。奥の間から巻き起こる拍手。

 

C4 承認 END

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C5 式典

 

ヂョルガロン王国首都ブザのダンレン宮殿。奥の間にはモング国テウシン領総督の金絲猴獣人ポッパンの死体を加工して作られた玉座に座るギュウジュウ。隣の玉座に座るスヒィン。右にはそれぞれミゼ王国の美しい女王ユヅルハ、カヤン王国のラクガヤにユ国のユガ、クド王国のタグに左パノパス王国の女王ファボス、バカイ王国のダンジョン、ツァ王国のツァグトラが並んで座っている。

 

音楽が奏でられ妖艶な女達が正面の舞台で舞う。豪華な食事が食卓に並べられ、7王国の王子やミゼ王国の大臣ユミル、ユラル兄弟にバカイ王国のソゲン大将軍を初めとする重臣達が並び、その後ろに其々の配下達が並ぶ。スヒィンの隣に立つシルパラにユーリ、リマ教の僧侶で内務官を務めるパゴタ。王宮に続く通路に立つヂョルガロン王国兵士達とバビルサ獣人のキバシシを筆頭とするシシ党の兵士達。

 

ユヅルハは料理を見つめた後、スヒィンの方を向く。

 

ユヅルハ『脳みそ料理があったらいつでも差し上げますわよ。』

 

ユヅルハを見つめて頷くスヒィン。

 

スヒィン『は、はい。』

 

ユヅルハの方を向くファボス。

 

ファボス『なんだ?ユヅルハ王はあの程度のもので卒倒するのか?ははは。』

ユヅルハ『ま、い、いえ…。あんなグロいものは…。』

ファボス『一国の王がなさけない。』

 

一同の笑い声。

 

 

蹄鉄の音。手を止め、城門の方を向く一同。扉が開き、現れるシンノパクラとその配下の兵士達。ギュウジュウはシンノパクラを見つめる。

 

ダンジョン『シンノパクラ殿…。』

ツァグトラ『…シンノパクラ殿が何用で…。』

 

立ち上がり、奥の間から出てシンノパクラを睨み付けるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『シンノパクラ!何用か!今は共同統治の式典の最中だぞ!』

 

ギュウジュウを見るシンノパクラ。

 

シンノパクラ『共同統治?片腹痛いですな!』

 

顔を見合わせる各王達。シンノパクラを見つめるタグ。

 

タグ『共同統治に何か問題が?我々には…。』

 

一礼するシンノパクラ。

 

シンノパクラ『確かに共同統治という形には何も問題はありません。しかし…。』

 

後ろを向くシンノパクラ。シンノパクラ配下の兵士達に連れられるスヒィンの侍女で、お腹を大きくしたスリョク。

 

眼を見開いてスリョクを見つめるギュウジュウ。彼はスリョクの下に駆け降りていく。

 

ギュウジュウ『スリョク!スリョク!!』

 

スリョクに近づくギュウジュウ。シンノパクラ配下の兵が槍を合わせ、ギュウジュウを止める。俯くスリョク。

 

ギュウジュウ『…その腹は、妊娠していたのか。早く言ってくれれば。』

 

鼻で笑うシンノパクラ。

 

シンノパクラ『何をおっしゃるギュウジュウ王。あなたはこの女の子供をテウシン王の子供とし、将来的にはテウシンの領土も財も、血筋も自分の範疇に収めようとした!』

 

シンノパクラを睨み付けるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『シンノパクラ!貴様、何を言っているのだ!貴様こそ!』

 

立ち上がる各王達。

 

ユガ『それは真か?』

 

頷き、懐から書簡を出すシンノパクラ。

 

シンノパクラ『これが証拠ですぞ。』

 

シンノパクラは書簡を開く。ギュウジュウは眼を見開いて書簡に書かれている王太合であるギュウトウの文字を見つめる。

 

ギュウジュウ『母上が…。』

シンノパクラ『ギュウトウ様は、この書簡を発見される前に自害しました。』

 

崩れ落ちるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『そんな…、なんでこんな勝手なことを!』

 

ギュウジュウを取り囲む各王達。スヒィンはスリョクを見つめる。

 

シンノパクラ『母のせいにするとは情けない。これは貴方が配下の大臣三人を使ってギュウトウ様をたぶらかした結果でしょう!その大臣達は我が軍で粛清しておきました。』

 

立ち上がり、シンノパクラを睨み付けるギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『シンノパクラァ!貴様!!』

 

腕組みをするファボス。

 

ファボス『母のせいにするとは情けない。』

 

周りを見回すギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『違う!俺は…。』

ダンジョン『部下のせいにするのか?お前の差し金だろう。』

 

ため息をつくタグ。

 

タグ『こんな卑劣な青二才が親の死で即位しただけとは、実に情けない。』

 

周りを見回し、後ずさりするギュウジュウ。スヒィンは腕を震わせ、ギュウジュウを睨み付ける。

 

スヒィン『…共同統治の話も!テウシン王即位の話も茶番だったのですね!スリョクを…スリョクまで利用して!』

 

首を横に振るギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『ちが…違う…。』

 

ギュウジュウを見つめるスリョク。彼女は叫び声をあげて立ち上がり、シンノパクラ配下の腰の鞘から短剣を抜き取る。スリョクの方を向くギュウジュウ。スリョクは目を潤ませながら、ギュウジュウを見つめた後、スヒィンを見つめる。

 

スリョク『私は…お姉さまを裏切ったんだ…。』

 

自身の首を切る。眼を見開くギュウジュウ。スリョクの血がギュウジュウの顔にかかる。

 

スヒィン『スリョク!』

ギュウジュウ『スリョク!スリョク!ああ。』

 

唖然とするスヒィン。

ギュウジュウはシンノパクラ配下の兵士達を掻き分け、スリョクの死体の傍らに寄る。呪文を唱え、スリョクの首元に白い光をかざすギュウジュウ。スリョクの首から出る鮮血。ギュウジュウは何度も呪文を唱え続ける。シンノパクラはギュウジュウを見つめた後、各王達の方を向いて腰に両手を添える。

 

ギュウジュウを見つめる各王達。ユーリがスヒィンの手を持ち、起き上がらせる。暫くしてギュウジュウは立ち上がり、スリョクの腹を見つめる。刀を抜き、スリョクの腹を切るギュウジュウ。

スヒィンはギュウジュウを睨み付ける。

 

スヒィン『ギュウジュウ!スリョクに何をするのですか!』

 

彼はしゃがむと、そこから手を入れる。ギュウジュウに駆け寄るスヒィン。産声が上がる。立ち止まりギュウジュウを見つめるスヒィン。陰茎のある赤子を取り出すギュウジュウ。

 

ギュウジュウ『…ああ、ギュウジュウイチ。』

 

ギュウジュウは赤子を抱きしめる。彼の衣服と顔と両腕はスリョクの血で染まる。

 

ギュウジュウ『ギュウジュウイチ…。ギュウジュウイチ…。スリョクと俺の子…。』

 

ゆっくりと立ち上がるギュウジュウイチを抱いたギュウジュウ。彼を見つめる一同。

 

C5 式典 END

 

END

 

説明
・必要事項のみ記載。
・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。
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タグ
R-18グロテスク 悪魔騎兵伝(仮) 

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