何故・・・。について書きます。

何故、あれほど真面目で、私と昔最初に出会った当時六大学出身で一流会社に勤務していた、さながら万年優等生のようで、ツンとしたお堅い感じの正に得難い感じの男性が、数年後に都内で再会したら、見違えるほど垢抜けてお洒落になって、粋でモダンな生活をしていて、名前も一文字変えていたのかが今でもとても不思議です。

そして、あの現象こそが世間でよく騒がれている行方不明の本髄のような気がします。

何の不自由もないお気楽気楽なお坊ちゃま的な人生にある日突然愛をつかして、その途端自ら華麗なる転身の道を選び気づけば都内のど真ん中の大きなビルに一室を構えて、華やかな毎日を送るのもまたとても風情があって乙で素晴らしい人生のような気がします。

頭が非常によくないとこんな人生は絶対に歩めないと思いますから。頭が悪い人が同じことをやっても絶対に成功しないし上手く行かないと思うからです。

私と会わなくなった約10年間の間にいったい彼の身に何があったのでしょうか？

不思議なことに言葉遣いもすっかり変わっていて昔あった時は確かに「わたし」と言っていたのですが、都内でまた再会した時は「俺」と言う風にまるでヤヌスの鏡のように性格も言葉遣いもまるっきり変わっていました。

ただ、ひくっひくっと笑う時の癖だけはちっとも変っていなくてやっぱりあの人かな・・・と思ってしまいます。

肌の色も食べ物の事情が変わったからか何かエステでも行ったのかしれませんが昔より真っ白になって雰囲気も若返っていた気がしました。髪型もパーマがかかっていて華やかになっていました。

また、一つとても気になる一言を彼は、私にあの頃もらしました。「自分にはお姉さんがいるんだけど、男っぽい顔でね、みんな自分の方が女だったら良かったのにというよ、みんなにそう言われるよ」と自分が女顔であることをやたら誇示していました。このことは今思い出すとちょっと妙な出来事でもありました。