弾幕ゲーと見紛うかのごとき展開し、襲いくる黒き影　

「君はなぜこんなことをする！」

その黒き影の男　クロノ・ハラオウンが俺に問う。汝、人狼なりや？　ってこれはＴＲＰＧでした。

「理由は確かにあるさ。けど言ったところで止められるのは目に見えている」

馬鹿正直に答えるわけがないのに……　職務ってめんどくさいね？

「そんなこと！！」

「うん、まぁ何も知らなければ、お前の側に立っていたかもしれないねぇ」

「何？」

「立場の違いってことさ。いきなりで悪いんだけどさ、多くの人が生きる世界一つと大切な一人、君はどっちを選ぶ？」

「は？」

「例えばある人はこういった。　『大切な人を犠牲にしてまで世界を救いたくない』」

「それは」

「第三者からしたらいい迷惑だ。てめえらの都合で殺されてたまるかって」

「……」

「またある人はこういった。　『世界に住む多数の命を救うために１人を切り捨てよう』」

「……」

「切り捨てられる側からしたらたまったもんじゃない。なんで自分なんだってさ」

「僕は……」

「まぁ結局、どっちに転んでも不平不満はでてくるんだわ」

「……」

「説教するようで悪いんだけどさ、つまり人間ってのはめんどくさいんだよ。まぁそのめんどくさいのに俺も含まれるんだけどね？」

「何が言いたいんだ、君は……」

「俺は意外に情に脆いってことさ。邪魔するんなら容赦しないけど、尻尾巻いて逃げるんだったら見逃すよ？」

「そんなことするとでも？」

「ですよねー・・・　やっぱ人間ってめんどくさいなっと」

間髪入れずに攻撃してくるクロノ

容赦なく仕掛けてくるねぇ

非常に徹することができないという印象があったがなかなかやるじゃないか

特典がなかったらやばかったかも……

「おいおい、もうちょっとおしゃべりしようぜ　意思疎通は大事よ？」

「ふん、伝えようともしないくせに何が意思疎通だ。　それに君たちが何をしようとしているのかは君を捕まえてからじっくりと聞かせてもらう！」

「ひゅー、仕事人だねえ。　でも残念だけど『今はまだ』捕まってやれないなぁ。」

「今は？」

「……＊ おおっと ＊」

「誤魔化しのつもりか？　ちゃんと聞こえたぞ。　今は　とはいったいどういう意味だ」

「……聞けば答えが返ってくるとでも？　そりゃ甘いよ。義務教育を受け直してくるんだな。」

「ッ！！」

お得意の射撃魔法を多重展開し、爆撃してくる

「この程度の挑発に乗ってちゃ、社会でやってけないよ？　社会なんて知らないけどさっ！！」

「ちょこまかと！！」

「当たりたかないよ。　俺、痛いの嫌いだし？」

「ならばおとなしく投降しろ！！」

「いやそのりくつはおかしい」

「ああくそ！！」

おお、怒ってる怒ってる。激おこぷんぷん丸ですなぁ。

やべ、他人を煽るのってやったことなかったけど、すげぇ楽しいのな。

戦いの中で戦いを忘れる程度には……

戦士失格でござるな。

「ほらほら、鬼さんこちら、手の鳴る方へ！」

「馬鹿にしてぇ！！」

「ふははは、当たらなけれどうということはない！！」

激昂しているとはいえ、その攻撃は巧みな上に鋭かった。

が、回避特化の俺には当たらない

俺に当てたければ、ザミエル卿を連れてこい！！

……あれ？これってフラグじゃないよね？