英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜オーロックス峡谷〜
「……それで結局アンタは何でわざわざ自分の手駒を減らすような意味不明な真似をしたのよ?この子達が迎撃をせずそのまま進軍させていたら、メンフィル軍に殲滅されていたわよ?」
「フフ、できる限り双方共に犠牲者を出さずに内戦を終結させようとした君達なら必ず出てくると思ったからに決まっているじゃないか!」
「という事は最初からオレ達を誘いだす為の罠だったのか……!」
セリーヌの質問に答えたヨアヒムの話を聞いたガイウスは驚きの表情で声を上げた。
「クク、さてと……―――取引だ。僕の要求はただ一つ。クロスベルに交渉してあの方を―――キーア様を僕に返すように手配したまえ。そうすれば貴族連合に誘拐された人質達もそうだがカイエン公を含めた貴族連合の残党の身柄も君達に引き渡そう。確かメンフィルと結んだ”戦争回避条約”を守る為にカイエン公の身柄が必要なのだろう?」
「やはり”そう来ました”か……!」
「……そもそも”碧の大樹”が消えた事で”今の彼女”にはもはや”零の至宝”の力は失われているだろうから、利用価値も無くなっているわよ。」
「ふざけるのも大概にしろ!そんな事、絶対に不可能だろうが!?」
「そもそもクロスベルがそんな交渉に応じてくれるなんて、絶対にありえないよね〜。」
「ええ……第一例えクロスベルがその交渉に応じたとしてもロイドさん達が絶対にキーアさんを渡しません。」
「それに貴様のような外道の要求を我らは決して呑まないし、貴様如きに屈しはしない!」
「そだね。お前みたいな三下の言う事をエヴリーヌ達が聞く訳ないでしょう?キャハッ♪」
「ホント、全然進歩していないわねぇ……クロスベル襲撃事件の時のやり方と全く同じじゃない。」
ヨアヒムの要求を聞いたシャロンとクロチルダはそれぞれ厳しい表情をし、マキアスは怒りの表情で反論し、ミリアムとエリゼは真剣な表情で呟き、ラウラの言葉に頷いたエヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべ、レンは呆れた表情でヨアヒムを見つめていた。
「クク、ならどうすると言うんだい?そんな貧相な装備でエレボニアの最新兵器の部隊と戦えると思っているのかい?正規軍が近づいてきているようだけど……間違いなく正規軍が到着するまでに君達は全員女神の元に向かっているだろうね!ハハハハハハハッ!!」
自分の要求を呑まない様子でいるリィン達を見たヨアヒムは凶悪な笑みを浮かべて説明をした後大声で笑ったが
「…………―――ヨアヒム・ギュンター。あんたは俺達を舐めすぎだ。”その程度の戦力”で”今の俺達”に勝てると思っていたのか?」
「何……?」
静かな表情で呟いたリィンの言葉を聞くと眉を顰めてリィンを見つめた。
「―――エリゼ、レン姫。二人の力を今こそ貸してもらってもいいですか?」
「はい……!私はいつでも大丈夫です!」
「うふふ、見せてあげましょう?レン達の”力”を。」
リィンに視線を向けられたエリゼとレンはそれぞれ答え
「来い――――」
「「来て――――」」
「”灰の騎神”ヴァリマール!!」
「”白の神機”ヴァイスリッター!!」
「パテル=マテル!!」
それぞれ心強き相棒の名を大声で叫んだ!
「「応―――――!!」」
「――――――!!」
それぞれの”主”達の言葉に答えたヴァリマール達はそれぞれ自動で歩行して外に出た後飛び上がって空を飛行して、”主”達の元にかけつけた!
「おおっ!?」
「あ、あれが”灰色の騎士人形”……!」
「しかもレン皇女が所持している巨大人形兵器まで……!」
「なっ!?あれはガレリア要塞を消滅させた人形……!」
「まさか”紅き翼”はあの人形をも従えているのか……!?」
次々とそれぞれの主達の元に着地するヴァリマールを見た鉄道憲兵隊はそれぞれ驚愕や明るい表情で見守っていた。そしてリィンはセリーヌと共にヴァリマールに、エリゼはヴァイスリッターに乗り込んでそれぞれ”ゼムリアストーン製の太刀”を構え、パテル=マテルはレンの操作によって異空間から巨大な銃を召喚して両手に銃を持って構えた!
「あれが”白の神機”―――ヴァイスリッターか………!」
「えへへ……ヴァリマールに負けないくらい心強い存在だね。」
「しかもヴァイスリッターにはヴァリマールにない兵装もある事に加えてパテル=マテルは遠距離攻撃による援護もできるから、バランスもちょうどよくなったね。」
ヴァイスリッターを見たガイウスは目を見開き、エリオットは明るい表情で呟き、フィーは冷静に分析し
「な、ななななななななっ!?何で”守護の剣聖”が神機アイオーンを操っていますの!?」
「デュバリィ……彼女がアイオーンの”起動者”になった情報をもう忘れたのか?」
「しかもその情報は私達が”Z組”と決戦する前に手に入れていたのに、何で忘れているのよ……」
エリゼがヴァイスリッターの”起動者”である事に混乱しているデュバリィを見たアイネスとエンネアはそれぞれ呆れた表情をしていた。
「ほ、本当にエリゼお姉様があの白い人形を操っていますね……」
「え、ええ。前もって知らされていたとはいえ、それでもこうして自分の目で見ると驚いてしまうわ。」
セレーネとエリスはそれぞれ驚きの表情でヴァイスリッターを見つめ
「フッ、中々壮観な眺めだな。」
「フフ、そうね。」
「ヴァリマールとヴァイスリッターはともかく、パテル=マテルまで一緒に戦う時が来るなんて……これも”空の女神”による導きでしょうか?」
レーヴェとプリネは静かな笑みを浮かべ、ツーヤは苦笑していた。
「話には聞いていたけどまさか本当に彼女が神機アイオーンの”起動者”になるなんて……ノバルティスが生きて目の前の光景を見たら狂喜乱舞していたでしょうね。」
「確かにあの方でしたら、周囲の状況を考えずに嬉々とデータ取りに専念するでしょうね。」
一方クロチルダとシャロンはそれぞれ苦笑しながらヴァイスリッターを見つめていた。
「な、な、な……!?フ、フン!たった三体で何ができる!幾らそんな物があろうと数の差は絶対だ!数の差を思い知るがいい!!」
ヴァリマール達の登場に狼狽していたヨアヒムだったがすぐに立ち直って声を上げた。
「今回はリィン達ばかりに任せずあたし達も手伝うわよ!――――手伝いなさい、バルディエル!」
「はい!―――今こそ力を貸してください、ヴァレフォルさん!」
「来て―――ミルモ!!」
「力を貸して―――ペルル、フィニリィ、アムドシアス、パラスケヴァス!!」
「来い、アルバレア号!!ハッ!!」
サラ教官達がそれぞれ使い魔を召喚している中、アルバレア号を召喚したユーシスはアルバレア号に騎乗した。
「―――ベルフェゴール、リザイラ、メサイア、アイドス、アルティナ!みんなもアリサ達を手伝ってくれ!ただし兵士達は殺さないように手加減してくれ!」
そしてヴァリマールの中にいるリィンはベルフェゴール達を外に召喚し
「総員、これより”灰の騎神”達の援護を!機甲兵には脚部関節に、戦車は砲口並びに車輪に弾幕を集中させて動きを止めさせるように!但し学生達に危険が訪れた際、彼らの援護を最優先に!」
「イエス・マム!!」
クレア大尉は鉄道憲兵隊に指示をした。
「エヴリーヌさん!中にいる操縦者を殺さないように手加減をして下さいよ!」
「ん。でも屑鉄はバラバラにしていいんだよね?キャハッ♪」
ツーヤの言葉に頷いたエヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべた。
「よし―――行くぞ、みんなっ!!」
「おおっ!!」
そしてヴァリマールの中にいるリィンの号令を合図にヴァリマール達はヨアヒムが操る貴族連合の兵器の部隊との戦闘を開始し、そして協力して全ての兵器を無力化し、兵達を気絶させた!
説明 | ||
第88話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1220 | 1110 | 2 |
コメント | ||
匿名希望様 グノーシスが最強だと思っている三下ですのでww M.N.F. 様&本郷 刃様 メンバーが豪華過ぎですものねw(sorano) おおぅ、過剰戦力によるオーバーアタックとかww(本郷 刃) 総力戦だけども、OverKillだわ。(M.N.F.) なんでこの展開を読めないのかが不思議でなりません。情報収集くらいしろよ(匿名希望) |
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