艦隊 真・恋姫無双 78話目
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【 黄巾の乱突入 の件 】

 

? ?? にて ?

 

………蒼天已死 (漢王朝は既に終わった)  

 

………黄天當立 (今こそ我々が立ち上がる時)

 

漢王朝末期に起こった大規模な農民反乱。

 

頭や腕に『黄色の布』を巻き付けた者が、太平道教祖『張角』を持ち上げて引き起こした乱と……正史では伝えられている。

 

しかし……ここでは。

 

ーーー  ーーーー

ーーー  ーーーー

 

司隷河東郡……洛陽の北部に連なる白波谷。 

 

そこに『白波賊』と言う盗賊が蟠踞している。

 

数万規模の末端兵を抱え……洛陽を外した司隷、?州、?州、冀州まで足を伸ばして略奪を図った。 多くの民たちが犠牲になり、捕らわれ、強奪され、命を奪われたのだが……あまりの巨大な兵力なため、官軍も消極的である。

 

更に不思議と思われるのは、洛陽が近くにありながら、何故『盗賊が攻めないのか?』『近くに本拠地を置く理由は……?』と疑問が起こると思う。

 

それは……相互に繋がりがある人物がいるからだ。 

 

既に……存じていると思われるが、十常侍たちを処刑した執金吾。

 

彼の者の名を───『楊奉』と言う。

 

………白波賊の大頭目である。

 

初め『楊奉』は、偵察のつもりで漢王朝に仕官した。 もちろん、素性を隠して入り込み、兵士として働くつもりだったのだ。

 

しかし、楊奉は王朝内に入り驚く!

 

そして───『狂喜』した!!

 

──その内部の腐敗振りが、行き着く所まで行ったのを見届けたからだ!

 

現在でいう拝金主義が漢王朝に蔓延して、高祖が築き上げ、光武帝が制定し直した漢王朝が……あと少しで崩壊しそうな有り様だったのだ。

 

あの手この手で……下の者より税を徴収する高官たち。

 

自分たちも、そのような地位になる為に、幾度も際限なく献金する地方官僚。

 

そして───しわ寄せが来る民たち!!

 

この実態は、外から見ていた楊奉には分からなかった。 当然、探りの手は打っていた。 しかし、官僚より部分的に聞き出すだけで、全体像として把握していなかった。

 

部分的とは……『どこぞの大商人が洛陽に来る』『○○が金を持っている』『△△で討伐がある』との直接関係するものばかり。

 

それを、兵士となり実際に確かめ、その様子を目の当たりに確信に至る。

 

『漢王朝の屋体骨は……崩壊間近。 誰かが揺さぶれば、漢王朝が倒れ──天下の支配は俺の手に!!』

 

楊奉は──この事により心を定めた!

 

────『天下を盗む事』に!

 

それからの楊奉は、職務で実績を挙げつつ、金の力で持って役職を駆け上がる。 元々が才知があり優秀な男、しかも、あの白波賊の大頭目である。

 

ついには、執金吾の役職を奉り、漢王朝の中枢部へと手掛りを得る。 そして、霊帝と──何皇后に拝謁し知遇を得ることまで行ったのだ!

 

★☆☆

 

では、『楊奉』が居なくなった白波賊は、どうなったかと言えば……活発に活動している。 例えば、?州陳留郡を荒らし回ろうとして、桂花の策略により壊滅したの者たちも……その末端である。

 

ただ、白波賊に取っては……被害は軽微。 白波賊本隊より送り込んだ末端の賊が数人捕らえられただけなのだから。

 

では、あの万の軍勢は何だったのか?

 

あの集団は、近隣の盗賊を取り込んでの行進、白波賊の本隊からは、僅かに数十人だけしか出していないのだ。

 

そもそも……陳留の曹操の活躍は、知らぬ者など居ない。 そんな所に本隊を遠征させるのは馬鹿の極み。 だから、近隣の盗賊に呼び掛け数を集め、成功すれば白波賊へ、正式に加入させる約束事を交わしていたのだ。

 

その策略は───誰が立てたのか?

 

白波賊に存在する三人の頭目の指示からである。

 

楊奉は漢王朝に仕官する前に、三人の信用できる頭目に白波賊を任せ、洛陽に向かったのだ。 一人一人は自分に劣るが、三人の長所は楊奉を上回る。相談すれば、必ず白波賊は大成するだろう。

 

─────そう確信していた。

 

◆◇◆

 

【 諸侯の集り の件 】

 

? 洛陽 都城内 謁見の間 にて ?

 

何進「さて、諸侯よ! よくぞ劉辯陛下の御前に集まってくれた!」

 

玉座には、慣れない皇帝の装束を着けた劉辯が座り、横には劉協が緊張した様子で立っている。 そして、数段したには、何時もの赤い鎧を着用した何進。

 

そして、最下の下段には諸侯が片膝を付いて、顔を俯いている。

 

現在、この空間で礼を取っているのは───

 

陳留 曹孟徳 (率いる兵 5千)

 

南陽 袁公路 (率いる兵 2万)

 

袁公路配下 孫伯符 (率いる兵 5百)

 

幽州 公孫白珪 (率いる兵 8千)

 

西涼 董仲穎 (率いる兵 1万)

 

西涼 馬孟起 (率いる兵 1万)

 

益州 北郷一刀 (率いる兵 無し)

 

この場に居ない袁本初は、何進の代わりに仕事中。

 

因みに……何進の直属兵3万を率いる立場。 領国に戻れば、2万ほど率いて、この場に礼を取っていた筈である。

 

初めは、自分達と同じ場所に来て礼を取る一刀を見て、顔が強張る諸侯。

 

しかし、何進より話が入り、納得する様子を見せた。

 

何進「先に申しておくが、天の御遣い様は『州牧を拝命したからには、他の者と同じ扱いをして貰わないと立つ瀬が無い』と仰せだ。 これ以降、御遣い様も諸侯と同じ待遇になると心得るように!」

 

そんな軽い混乱があった中、何進が情報を提供する。

 

何進「先月、劉辯陛下が皇帝に即位された事は、諸侯も携わっていたため存じている事と思う。 その際、洛陽の民が蜂起した事は覚えていよう。 あれと同じ方法で、蜂起を促す回状が各地で見つかった!」

 

華琳「臣、曹孟徳が発言致します。 我が領国内に先々月に大規模な賊の集団が進入、その数およそ数万規模。 奴らは村を襲い、犠牲者損害共に多数なれど、我が配下の活躍により一網打尽にして、亡き者の敵を討ちました!」

 

月「臣、董仲穎が発言致します! 天水においても、回状が回って来た事は判明しています。 しかし、我が領国の民は皆聡明で、その回状を無視するどころか、私の元へ届けてくれたため、防衛の準備を行ないました!」

 

雪蓮「袁公路の臣、孫伯符が申し上げます! 南陽及びその周辺において、回状の証拠は現在見付かりません! もし、見付かれば、その旨を直ぐに陛下や周辺諸侯に知らせる所存!」

 

他にも白蓮、翠、一刀と報告したが、回状が民に回っている事が確認できただけで、実質的な行動を受けたのは、陳留の曹孟徳のみだと判明。

 

何進は、自分の把握している情報との相違ない事を諸侯に改めて伝え、現在報告されている情報を付け加えた。

 

何進「………そうか。 私も洛陽周辺に現れる賊を捕らえ、訊問しているが……まるで雲を掴むような話だ。 白波賊を偵察している者の報告も、動きが無いとの事。 だが、新たな蜂起は必ず起きる! 皆、油断をするな!! 」

 

「「「「「 ───はっ! 」」」」」

 

何進が、そう忠告を述べる!

 

必ず──『黄巾の乱(仮)』が起こる事態があると──確信しているかのように。 その言葉と同時に、諸侯一同は頭を下げる。

 

何進「…………」ニコッ

 

しかし、この時に何進は、一刀の方に顔を向けて……軽く微笑んだ。

 

ある種の悪戯を企んでいる童女のような顔をして。

 

 

◆◇◆

 

【 主役? の件 】

 

? 冀州 鉅鹿郡 付近 にて ?

 

「「「あああああぁ───!」」」

 

??「はいっ! もう一度!」

 

??「もう、やだぁ!! こんな詰まらない事なんてやりたくなぁ〜い!!」

 

ここは『奇跡の村』と言われている村。

 

ここに、病を直す『大賢良師』なる人物が住んでいて、有難い札を持って治療してくれる、知る人ぞ知る場所である。

 

そんな『大賢良師』が居る屋敷の裏側で、何故か発声練習をしている者が居た。 ただ、何回も同じ事を繰り返すため、活発そうな女の子は堪忍袋が切れたらしく、先生らしい人物に食って掛かる!

 

その側では、眼鏡を掛けた少女が溜め息を吐き、ほんわかとした『大賢良師』は、乾いた笑いを浮かべるしかなかった。

 

地和「いつもいつもいつも──声を出す練習と準備運動ばかりじゃない! 何時になったら、ちぃ達に歌と踊りを教えてくれるのよ!?」

 

人和「ちぃ姉さん、そんな無茶な事言っても駄目。 私達は今まで人前で歌った事も踊った事も無いのよ? それなのに、にわか仕込みで行ったて、観客なんて見に来ないわ!」

 

地和「だけどねぇ! いつも部屋に籠るか山に行くかするだけの天和姉さんが、何でぇ歌や踊りがそんなに上手いの!? 世の中、胸が大きければ何でもかんでも優遇されるっていうの!? そんなのちぃは認めない!!」

 

天和「大丈夫だよ、二人とも私より才能あるから──絶対上手くなるよ。 だからねぇ、気長に頑張ろう? ちーちゃん! れんほーちゃん!」

 

地和「何よ、天和姉さんも、れんほーも、私より大きいから余裕発言!? どーせぇ私は、胸も小さい背も小さい器も小さい女ですよ〜だぁ!!」

 

??「………それは、私に対しても言える発言ですか?」

 

地和「あっ………ご、ごめんなさいっ!! 」

 

地和の目の前には、先程まで発声法を教えていた女性が、顔を強張らせて睨みつけている。 地和は、自分よりも薄い女性の胸を一瞬眺めた後、腰を90度に曲げて、素早く謝罪したのだった。

 

★☆☆

 

今から数ヵ月程前──

 

??「こちらに──『大賢良師』様はいらっしゃいますか?」

 

一人の若い女性が、この村へ訪ねてきたのだ。

 

目的は診療の為ではないが、会いたい人物は『大賢良師』だと言い、村人達に緊張が走った。

 

この時代、妖術邪法の類いは処罰されるのが常。 村人達の為に尽くし、村を発展させてくれた姉妹達を捕まえさせるものか!

 

そう考えていたのだが──女は笑いながら不定し、『大賢良師』達に伝えて欲しいと言葉を発し、此処で待たせて貰うと腰を下ろした。

 

───『北郷一刀の所在を存じている』──と。

 

その言葉を伝え聞いた天和は、書きかけの葉を放り投げ、妹達の制止も聞き入れずに、その者の居る場所へと駆け出した!

 

『一刀から教わった事を続けていれば、ぜったい一刀が見付けて……私に逢いに来てくれる!』

 

──息を弾まして来てみれば、一人の黒色の布に全身を覆った女が座っている。 黒色の布より見える肌は、気味が悪いほど真っ白く、横顔だけでも見ても美女だと分かるが、目の瞳は真っ赤な光りを発しているように見える!

 

一瞬、気味の悪さに此処へ来た事を後悔するが、唯一の情報を、この女性が持っているのだ! あれほど待った愛しき者の行く方を!!

 

『勇気を出して踏み込まないと、一刀に会う機会は──もう無い!!』

 

天和は、決意を決めて歩み寄る。 その後ろには、姉を心配して付いて来た地和と人和の姿が見てとれる。

 

天和「あ、あの……貴女が一刀の居場所を知ってるの……ですか?」

 

───これが、柳絮(りゅうじょ)との出会いであった!

 

★★☆

 

柳絮「私だって……好きで、こんな胸しているんじゃないんですぅ!」

 

天和「ちーちゃん! 柳絮先生、落ち込んじゃたよ〜!」

 

人和「………これは、当分の間『れっすん』は、お預けになりますね?」

 

地和「な、何よ! ちぃが全部悪いって言うの!? やっぱり……貧乳に幸運なんて無い───『また、私の胸の事を!』──ち、違うぅ──キャアアアアアッ!!!」

 

ーーー

 

その後、柳絮は……天和に一刀の居場所を伝えた。

 

──柳絮『北郷一刀は益州州牧となり、此方に出て来る事は無いでしょう!』

 

この地より、遥か遠くにある幾重も山や谷に囲まれた地──幾ら自分が有名になっても、そんな所まで名前は伝わらない!

 

──天和「そんなぁ! そんなぁ──あああっ!!」

 

そう考えた天和は、涙を流して哀しんだ!

 

実のところ、益州成都には天和の噂も、この地にも益州の御遣いの話は伝わっている。 しかし、天和は自室に籠るなどして、人と接する機会が限りがあり、また地和達も……姉が探す人物を知らなかった故の悲劇。

 

だが、同時に!

 

──柳絮『ならば、さらに名を広げて、相手に聞こえるようにすればいいのですよ。 貴女には、世界を魅了した《経験》があるのですから!』

 

ーー ーーー

ーー ーーー

 

天和が抑えていた──芸能活動への渇望を掘り起こす──誘いの甘言!

 

輝き充実した──3人で歌い語りあった舞台での日々!

 

愛し愛された情熱的な支持者より受ける称賛、声援、眼差し!

 

歌い叫び、踊り躍動した──渾然一体とし体現した『高嶺の花』

 

ーーー

 

その半面、忘れたかった、思い出したくなかった、二度と味わいたくなかった──昔の忌むべき黄巾で活動し与えた影響!!

 

だから、一刀から聞いた方法を取った。

 

もう、二度と自分達の歌で──みんなを──苦しめさせたくないと!!

 

ーーー

 

天和は迷いに迷った!

 

歌いたい! 踊りたい!

 

また、あの熱気の籠った舞台で、3人揃って魅了したい!!

 

ーーー

 

でも……また暴走してしまったら?

 

大陸全土を巻き込む争いを、再び愚かな結末を……起こす事になるの?

 

ーーー

 

だけど、今度こそ自分達が支持者を抑えれば、あの『悪夢』は起こらないかも知れない。 あの時の私達は、歌って崇められる事しか頭に無かった。

 

今度こそは──楽しんで貰うだけにするんだ!

 

ーーー

ーー

ーーー

 

──でも、自分達が『あの頃』に戻れば、一刀は───どう思うの!?

 

ーー ーーー

ーー ーーー

 

その想いを見透かしたように、柳絮は後押しの言葉を紡ぎ出す。

 

──柳絮『貴女は……北郷一刀に逢えないまま、人生を終える気ですか?』

 

──天和「ーーーーーー!!」

 

ーー

 

天和は、その言葉で決意を固め、妹達を説得する。

 

『一刀に逢いたい』──その一心のみで!!

 

そして、妹達も自分の考えを持っていた。

 

地和は、天和に対する不満があった事もあり、自分で稼ぐ事を模索中。

 

人和も不満こそ小さかったが、何か物足りない日々に飽きていた。

 

2人とも記憶が無かったが、身体に燻る芸能活動の魂、未だに健在だったと言わざる得ない。 それが──どのような結末を迎えるのかも知らずに!

 

ーー

 

そして、3人で『芸能活動』を行う事を決定し、今まで鈍った身体を慣れさせるため、基礎から学ぼうと──今に至る。

 

ーーー ーーー

 

紹介するのが遅れたが、3人の少女の名は『張角( 真名 天和 )』『張宝(真名 地和)』『張梁(真名 人和)』である。

 

そして、姉妹を指導する者は『柳絮(りゅうじょ)』という女性。

 

───慧眼の提督諸兄ならば、既にお分かりであると思う。

 

柳絮の正体は、空母水鬼(何進)より送り込まれた『泊地棲姫』

 

そして、姉妹の部屋の片隅に、柳絮が大事に抱えて持ってきた書物──『太平要術の書』が無造作に置いてあった。

 

 

◆◇◆

 

【 新たな展開 の件 】

 

? 司隷河東郡 白波谷 にて ?

 

??「ザッケンナコラー!!」ゲシィ!

 

白波賊「アイエエエエッ!」バタッ!!

 

??「────コホッ! コホッ!」

 

??「へっ………へへへっ!!」

 

ーーー  ーーーー

 

ここは、白波賊の本拠地《白波谷》である。

 

洛陽に近いとはいえ、訳有りの者達。 山間を縫うように集落が形成され、盗賊たちは、そこで日常生活を送っている。

 

家の間より走り廻る子供、隣近所で談笑し合う女性、農耕か狩猟に向かうのか定かでは無いが、山の上を目指して登る老爺達。

 

幾ら盗賊と言えど……家族があり、人の営みがあり、笑顔があるのだが……やはり道を外す事になった者達には、それなりの厳しい掟があった。

 

周囲で最も多くの家が並ぶ平地で、その中でも周囲より飛び抜けて大きく豪華な建物がある。

 

これが、白波賊の頭目達の屋敷であり……奥の部屋では、逃走してきた者に対して、制裁が加えられていた。

 

ーーー

 

韓暹「テメェラの軟弱さが後を引いて、商売が上がったりだ! ──ったく、胸糞が悪くなる!! ───これで性根を叩き直してやるよ!!」

 

★ 一の頭『韓暹』……豪快で大酒飲み、親分肌で慕われているが、些細な事に気が付かない。 身の丈9尺以上(二b以上)の筋肉質で、虎髭を生やした大男。 最近……気になる女性が出来た。 本日の運命……女難有り!

 

ーー

 

李楽「………仕方あるまい。 あの陳留刺史の取った策……この俺でも発想がつかん! さぞかし……名のある軍師だったのだろう……。 このコジキにも『強い軍師いると倍返し出来て有利』と……書いてある……ゴホッ!」

 

★ 二の頭『李楽』……顔は幽鬼のように青白く痩せ型。 いつも竹簡を持つが、何故か読む物が『コジキ』なる哲学書らしい。 ……細かいツッコミは不要な。 策略を練るのを得意とするが、不治の病に冒され余命幾何も無い。

 

ーー

 

胡才「へっ! 騙される奴が悪いんだよッ! 騙される奴がな!?」

 

★ 三の頭『胡才』……主な軍事行動は全て任されているが、部下の命でさえ非常に扱うため、人望は少なし。 諜報も担当。 覆面をしていて……素顔を見たものは皆無。 偶然見かけた者も殺害して秘密を保持している。 

 

ーーー

 

官軍に追われ、逃げ帰ってきた賊の隊長を怒鳴りつける『韓暹』

 

手に持つ竹簡を広げつつ、様子を見ながら咳き込む『李楽』

 

怯える白波賊を見て楽しむ『胡才』

 

この3人が、楊奉より任された頭目達であり、実質の白波賊を動かす頭である。 そして、その下に付き従う数万の軍勢が手足となり、計画を実行に移すために、各地の諸侯と対峙するのだった。

 

特に……白波賊の軍事力は、普通の諸侯よりも遥かに巨大、しかも……命知らずの兵士ばかり。 賊だから『捕縛=死刑』となるため……その日だけの快楽を求めるので、必然的に強力な軍隊になっていった事による!

 

しかも、頭目達の立てる策が、かなりの割合で成功を収めるので、信頼も錬度も高いという巡回がなされ、更に白波賊の名前が挙がっていったのだ。

 

★☆☆

 

一人の白波賊が、顔の原型が止めないほど腫れ上がり、四肢を痙攣させながら放置しながら、3人の頭目は円卓に座り話し合う。

 

問題の件は、数ヶ月前に起きた……『?州陳留郡の略奪』の事。

 

白波賊の名を使い、2万を集めて送り込んで必勝を尽くし、陳留周辺の村を襲撃して略奪を図った! 普通の村なら1万でも多いのだが、念には念を入れて送り込み、成功を期したのだが───!!

 

しかし、桂花の策、華琳率いる将兵の活躍で、まさかの壊滅! 

 

逆に、陳留刺史『曹孟徳』の名を、大陸全土に知らしめるはめになった!!

 

ーーー

 

李楽「実行部隊の活躍は……問題ない。 だが……ゴホッ! しかし、油断した……。 この竹簡にも『注意は一秒、後遺症は墓場まで』と……」

 

胡才「ああ……それは俺の指示だ! 賊の士気は、やっぱり『略奪』と『宴会』と決まってるぜ! 堅固な砦なら尚更……余裕ってもんがな?」

 

韓暹「ふん! 何にせよ……先の敗北で、常勝無敗を誇っていた俺らがやられたんだ! ──そのお陰でぇ……ケチな官軍まで俺たちに刃向かいやがる! 何とかして……もう一度! 俺たちの名前を挙げなければぁならんッ!!」

 

李楽「………………『過去は無口でシャイである』と……」

 

胡才「俺たちが……狙えれそうな場所ね〜? 洛陽とかどうだいッ?」

 

李楽「『敵前のスモトリ、ドヒョウ・サークルで転ける』……」

 

韓暹「そんな直撃じゃ直ぐにバレちまうぜ! もっと圧倒的な何かっ!?」

 

─────『ならば……私を味方に付けてみるか?』

 

3人の男たちは、慌てて声をした方向を注視した。

 

そこには、白面の美女が、黒いベールで全体を覆い佇む。

 

元何進配下『鬼灯』───『南方棲戦鬼』が、3人の頭目を前にして嗤う。

 

鬼灯『お前たちだけでは……勝てんぞ? 楊奉さえ……この有り様なのだから。 お前達の頭目は、でかい口をした割には、大したことは無かった……』

 

??「──ふん! だが、何皇后は一命を取り止めた。 それに、あんたとの約束事の品も運んできてやったんだ。 少しは評価して貰いたいな!」

 

鬼灯の後ろに、楊奉が佇む。

 

その身体には、何皇后が治療されながらも、力なく抱えられていた。

 

 

ーーーーーーー

ーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

今回、早く投稿できた理由は……半分できていたんです。

 

半分まで書いて、『劉辯の皇帝即位、まだ書いて無かったな』と思って、別の物を書き始めたのが、いけなかったですね。

 

半年ほど、お蔵入りになってしまいました。 ついでに、義輝記も四千文字書いた物が消えてしまい作り直し中。 中身がかなり変わる事になりますね。

 

とりあえず、この外史の黄巾の乱は……こんな様子になります。

 

この後、どうなるか──作者も思案中ですが──お楽しみを。

 

 

説明
これが、この作品の黄巾の乱です。
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コメント
スネーク提督 コメントありがとうございます! 登場人物からして既に可笑しい話になってますが、何とかしていこうかと思います。 勿論スネー○も登場予定ですw (いた)
とうとう黄巾の乱ですねぇ、どんなことが起きるのか楽しみです(スネーク)
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