英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
同日、13:20――――
〜レイストン要塞〜
オリヴァルト皇子達がアリシア女王達との会談を始めたその頃、カシウスは副官であるシード・マクシミリアン大佐と共に次々と離陸し、ハーケン門に向かう攻撃艇を見送っていた。
「…………それにしても貴族連合の行動が理解できませんね。確かリシャールさん達からの情報によると貴族連合はもはや風前の灯火の状況だというのに、何故リベールに侵攻しようとするのでしょう……?」
「……さてな。正規軍やメンフィル・クロスベル連合軍には敵わないが、リベール軍なら勝てると判断し、敗北寸前の自分達の状況を立て直す為に侵攻したのかもしれんな。”総参謀”のアルバレア公爵家の長男はメンフィルに処刑され、”黄金の羅刹”と”黒旋風”もそれぞれ降伏した事で貴族連合の有能な将を全て失った今の貴族連合軍の中で判断ができ、指示ができる者はカイエン公しか残っていないしな。」
シード大佐の言葉を聞いたカシウスは目を伏せて自身の推測を答えた。
「まさか我らが”機甲兵”に対する対策を持っていないとでも思っているのでしょうか?そもそも我らリベール軍の主力は空軍なのですから、対戦車用に作られた機甲兵では空軍を圧倒できない事等子供でも分かる事ですが……」
「……フム…………(後は考えられるとすれば、メンフィルからの情報――――”D∴G教団”の亡霊が関係しているだろう―――いや、確実に関係しているな。クロスベル襲撃事件の時の状況と余りにも似過ぎている。となると目的は”教団”の御子である”零の至宝”を手にする為にリベールとエレボニアの国際問題の発展を盾にしようとしている……と言った所か。)そう言えば旧カルバード共和国に出向していたリシャール達は既にリベールに戻ってきているのだったな?」
既に今回の事件の真相を予測し終えたカシウスは対策を取る為にシード大佐に質問をした。
「?はい、昨日の夕方頃に戻って来たとの事ですが…………!まさか……!?」
カシウスの突然の質問に首を傾げたシード大佐だったが、ある事に気付くと驚きの表情をした。
「帰国して早々に悪いがリベールと……そしてエレボニアの為にもリシャール達にも働いてもらわないとな。―――直ちに”R&Aリサーチ”に繋げてくれ。」
「ハッ!」
カシウスの指示に答えたシード大佐は急いでその場から離れ
「”空の女神(エイドス)”よ……もし、今もクロスベルに……いや、この混迷に満ちたゼムリア大陸のどこかにいるのであれば、我らにどうかお導きを。」
カシウスは空を見上げて祈りを捧げた後シード大佐の後を追って行った。
〜同時刻・クロスベル帝国・帝都クロスベル・東通り・宿酒場・『龍老飯店』〜
「クシュン!―――失礼しました。」
同じ頃クロスベルの宿酒場の一室でケビン達と共にある人物と対面していたエイドスはくしゃみをした。
「いえ、どうかお気になさらずに。というかエイドス様も我々と同じような生理現象があるのですね。」
エイドスと対面している人物―――レクター少尉は苦笑しながらエイドスを見つめていた。
「もう……いつもいつも思いますが皆さんは私を何だと思っているのですか……」
(((本物の”空の女神”です!)))
呆れた表情で溜息を吐いたエイドスにケビンとリース、ルフィナはそれぞれ同時に疲れた表情で心の中で指摘した。
「コホン。それで話を纏めますと……エレボニアの私に対する依頼は”グノーシス”を投与された被害者達の治療の協力並びに”ハーメルの悲劇”を公表した際私がリベールだけでなくエレボニアに対するフォローする宣言をして欲しいとの事でよろしいのですね?」
「はい。厚かましい頼みかと思われますが、どうかエレボニアの民達の為に御慈悲をお願いします。」
エイドスの言葉に頷いたレクター少尉は頭を深く下げた。
「……ちなみにその依頼を私が受ければ、エレボニアは私に何をしてくれるのでしょうか?」
「へ…………それはどういう事でしょうか?」
しかしエイドスの口から出た予想外の言葉に呆けた後すぐに立ち直って不思議そうな表情でエイドスを見つめて問いかけた。
「あら。まさかとは思いますが私が”女神”だからと言って、何の見返りもなく応じるとでも思っていたのですか?というか相手が誰であろうと見返りを用意するのは交渉の”基本”だと思いますが、違いましたか?」
「い、いえ……エイドス様の仰る通りです。(オイオイオイ……!女神なのに、見返りを求めるのかよ!?)」
エイドスの言葉にレクター少尉は内心驚きながらも表情に出さずに答えを濁した様子で答え
(あの様子やと大方エイドスさんが見返りを求めて来た事に内心驚いているんやろな。)
(………むしろ驚かない方がおかしいと思う。人々が女神に救いを求めれば、女神は無償で人々を救ってくれるというのが七耀教会の教えだし。)
レクター少尉の様子を見たケビンは苦笑し、リースは疲れた表情で小声で会話をしていた。
「あら……二人とも何か言いましたか?」
「「な、何でもありません!」」
しかし膨大な威圧を纏ったエイドスに微笑まれると姿勢を正して答え、その様子を見守っていたレクター少尉は冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。
「あ、あのエイドス様。今は国家は関係なくゼムリアに住まう人々の危機なのですから、一般的に考えれば女神……いえ、”人として”エレボニアの依頼を受けるべきかと愚考いたします。勿論エイドス様のゼムリア大陸に滞在される限られた僅かな貴重な時間の一部をエレボニアが独占する事になるのですから、当然エレボニアはその見返りを用意すべきですがエイドス様もご存知の通り、エレボニアはメンフィルとの”戦争回避条約”によって様々なものが失われる事になります。なのでエレボニアに住まう民達の為にも、あまり厳しい条件を求めない事は女神以前に”人として”当然の選択だと思われます。」
するとその時ルフィナが必死で言葉を選びながらエイドスを見つめて指摘した。
「そのくらいの事は言われなくてもわかっていますよ。というかハーメル公表の件に関してはルフィナさん達も知っていると思いますがオリヴァルト皇子が呑んだ条件以上の事を求めるような人として最低な真似はしませんよ。」
「……オリヴァルト殿下が?あの、エイドス様。お手数ですがその件についての詳細な話を教えて頂いてもよろしいでしょうか?私はクロスベルが解放されるまでクロスベルに潜伏していた為、オリヴァルト殿下がエイドス様とどのような取引を行ったのか把握していないのですが……」
エイドスの答えを聞いて目を丸くしたレクター少尉は困惑の表情で尋ねた。そしてエイドス達はオリヴァルト皇子との取引について説明した。
「……………………(や、やられた……!あの放蕩皇子、”革新派”―――いや、オッサン直属の俺達の手綱を握って、勝手な事をさせない為にエレボニアの領土を削り取ってでも俺らにとって一番不利になる条件を交渉や反論もする事なく呑みやがったな……!)」
事情を聞き終えたレクター少尉は内心様々な思いを抱えながら石化したかのように固まっていた。
「その様子では何か反論がおありなのですか?」
「い、いえ。エイドス様の仰る通り、せっかくエイドス様がエレボニアの混乱を鎮めようとしてくださっているのに、恩人であるエイドス様を裏切るような余りにも罪深い事を行えば、それこそエイドス様の代行者である”星杯騎士”から”天罰”が降されてもおかしくありません。これからは心を入れ替えて祖国の為に身を粉にして働く所存です。それで話を戻しますが……ハーメル公表の件はそれでいいとしまして、残りの”グノーシス”を投与された被害者達の治療の協力に対する条件はどのような条件でしょうか?」
「それは―――――」
1時間後、”特務支援課”のビルにルフィナを伴ったエイドスが訪れていた。
と言う訳で予告していた化物一家ブライト家からの2名というのはよりにもよってカシウスとエイドスですwwそしてもうお気づきと思いますが、リィン達の援軍として現れる陣営も次回登場します♪(まあ、バレバレですし、ほぼ確信していたと思いますが(苦笑))後、レクターの発言通りオリビエ、狙ってやったか、そうとは気付かずにやったかはどうかは謎ですが転んでもただは起きませんでしたwwそして既に今回の事件の真相に気付いて、対処をし始めているカシウスはさすがとしかww
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外伝〜援軍の鼓動〜前篇 |
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コメント | ||
まあ、私の場合は軌跡シリーズをきっかけにファルコムの新作は必ず買うようにしていますので。(sorano) soranoさんは買うんですね。自分はPVと前評判を見てSAOやゴッドイーター、ペルソナのパクリってわかったんで買わないことにしました。来月は空の軌跡FCEvoを買い直してクリアと周回プレイしてSCに備えようと思います。(ジン) ジン様 私は当然買います!!(sorano) 三下ヨワヒム包囲網完成までもう少しですね^^そういえば皆さんは東京ザナドゥ買いますか?自分は買うか迷ってます。(ジン) |
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