真・恋姫無双 覇王伝 第三十話
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〜一刀視点〜

孫家を降した上、袁紹の侵攻を退けた俺達に揚州の豪族達は完全恭順を受け入れると表明し出した

これ以上意地を張れば武力行使で落とされると判断したのだろう

そして美羽がやって来た

「一刀兄様、お久しぶりなのじゃ」

「美羽も元気そうで何より」

「一刀さん〜、私もいるんですけど〜」

と挨拶をしてから本題に入る

「先触れで用件は理解してるけど本当に良いのか?」

「うむ 揚州州牧の地位を一刀兄様に譲るのじゃ」

「まあ漢王朝は自分達の承諾が無いから無効だ〜とか、謀反人が〜とか言いそうですがね

 でも一刀さんにとってはどうでも良い事でしょう」

確かに美羽が譲ると言っても漢王朝の承諾が無い以上、何か言って来る可能性は有る

だが揚州統一の既成事実を作っておかないと今後面倒になりかねない

そう思っていたところに美羽の申し入れが有ったので渡りに船だった

漢王朝に対しては俺は状況によっては叩き潰すつもりなのでどうでも良い

七乃にはそれを言って無いのに見透かされていたようだ

能力は高いんだよな 余計な事を言わずに真面目に仕事をすればだけど

「一刀さん〜、失礼な事を考えていませんか〜?」

その上、鋭いんだよな

七乃は孫家の面々を見渡してから

「それにしてもお嬢様や私にはただならぬ状況になりましたね

 こんなに沢山一刀さんの側室候補が生まれるなんて」

と言い出した それに真っ先に反応したのは雪蓮だった

「それは聞き捨てならないわね

 私は側室候補じゃ無く正妻候補よ!」

こら〜、状況を余計に引っ掻き回すな〜!

「姉様!こればかりは譲れません!

 一刀の正妻候補は私です!」

蓮華も応じるなよ

「一刀さんだけは譲れません!」

「私も同様です!」

「雪蓮さんや蓮華さんはあくまで候補ね

 私は一兄の”正妻候補”じゃなくて”正妻”になるんだからね!」

孫家の姉妹喧嘩が静里、凪、巴に飛び火して収拾がつかなくなった

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〜鞘華視点〜

昼間の雪蓮達のやり取りに私は参加しなかった

何だか最近イライラと云うかむしゃくしゃと云うか・・・ 感情が不安定だ

幼い頃から一君の隣は私の場所だった 一番ほっとする場所だった

巴ちゃんもいたけどあの娘は極度のブラコン妹だからね

でも最近一君の隣は私の場所なんだろうか

今はそうでも近い内に取られそうな・・・ そんな不安が有る

考えても詮方ない、と結論して布団をかぶって眠る

 

深夜

”ピカッ”

”ゴロゴロ”

雷が鳴りだして目が覚めた

そしてまた光り、音が鳴る

「〜〜〜!」

そう、私は雷が大の苦手なのだ

雷が鳴りだすと、恐怖で何も手に付かない

巴ちゃんには

「怖がって可愛らしさを出すなんて狡い!」

と言われるが当の私にとってはたまったもんじゃない

 

私は一君の部屋の前に居た

ノックをするが返事は無い

「一君、入るわよ〜」

小声で言いながら部屋に入ると一君は熟睡していた

殺気を出せば目を覚ますかもしれないが一君は基本的に寝つきが良い

少し安堵する そして

「寝台の片側に居させてね

 此処なら雷の怖さも我慢できると思うし・・・

 早朝に皆が起きる前に出て行くから」

小声でそう言って、寝台に入り添い寝する

その後は熟睡できた

だがその”熟睡”が翌日の騒動に繋がった

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〜一刀視点〜

(ん〜なんか柔らかい物が隣にある?

 それにいい匂いがする

 なんだろ まあいいか 気持ち良いから抱き寄せてもう少し寝よ)

まどろみの中でそんな事を考えていた そして何かを抱き寄せた時

「きゃ!」

誰かの声がする その直後

「一兄〜、おっはよー、朝だよ〜!」

巴の声がして目が覚める

目を開けた俺の前には鞘姉の顔が至近距離で・・・

「え?」

咄嗟に出たのはそんな間抜けな声

なんで鞘姉が隣に寝てるんだ!?

昨夜の記憶を辿る・・・覚えが無い!

「どういう事ーーーーー!!!」

巴の絶叫が響き渡る その声で皆が集まって来て

「どういう事ーーーーー!!!」

静里達の絶叫が響き渡った

俺にも何が何だか

 

謁見の間で俺は正座させられていた

身に覚えが無いのに

「これから一兄と鞘姉の不純異性交遊についての裁判を行います

 被告人は一兄 裁判長は私 検事も私 弁護人は無し」

それは裁判と云えるのだろうか

「一兄と鞘姉が不純異性交遊を行ったのは疑いない事実

 判決 有罪」

何も詮議しないでそれは無いだろ!

「刑罰 一兄は今夜、私に鞘姉と同じ事をする 以上!」

「「「「待てーーー!!!」」」」

傍聴人(?)から異論が飛び出す

「職権乱用です!」

「私の巨乳か蓮華の巨尻の方が一刀は喜ぶんじゃないの?」

「だれが巨尻ですか!でも一刀が気に入ってくれるなら・・・」

「私や凪さんは決して小さくありません!

 無暗に大きいより適度な大きさの方が一刀さんも嬉しいはずです!」

「これは刑罰だから一兄が喜ばなくてもいいの!」

収拾がつかなくなったので、そ〜と抜け出した

 

「一君、ごめんね」

部屋から抜け出すと鞘姉が謝って来た

「まあ良いんだけど、何でこうなったの?」

「それは・・・」

鞘姉からの説明を聞き、納得

「ホントにごめんね」

「いいよ それに柔らかくていい匂いの者も抱き寄せれたし」

鞘姉が真っ赤になってしまった 確かに失言だった 俺も顔が熱くなる

気まずい雰囲気になってしまったその時

「一君!」

そう言って鞘姉が俺の首に手を回して、唇を重ねて来た

咄嗟の事に反応出来ずに鞘姉と口付けを交わす

俺も愛おしさが増して、鞘姉の背中に手を回し強く唇を合わせる

どちらからともなく唇を離して

「私のファーストキスだよ」

「俺もだよ」

そう言って照れ笑いする鞘姉は本当に可愛かった

その鞘姉を見て俺も微笑んだ

「「愛してる(わ) 鞘姉(一君)」」

声が重なった

 

因みに部屋では

「じゃあ今日は私 明日は静里さん、その次は凪さん

 その後は雪蓮さん 最後に蓮華さん と順番にしよう」

「「「「了解」」」」

それを知り、俺は扉の鍵を増設した

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〜あとがき〜

 

一刀争奪戦が激化して来たので鞘華の話を書きました

 

次回から本編を動かします

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
鞘華と一幕
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コメント
Jack Tiam様>仰るとおりです。でもそれで誰も不幸になっていないんですよね。まあなっていたら一刀は単なる女誑し以下ですが。(ZSAN)
例え一刀が意思を示したとして、周りはほぼ絶対にそれを無視するので状況は変わらない。恋姫世界では一刀の意思というのは、余程の重大事でない限り大抵無視されるのがテンプレなので。そこで断りきれないから種馬云々言われてしまうんですが、周りも周りで遠慮が無いので実は一刀だけを一概に非難出来ない。とはいえ、一刀を弁護も出来ませんが。(Jack Tlam)
nao様>一刀ですからね〜。(ZSAN)
mokiti1976-2010様>一応そうなんですが、他の女性達をどうするか・・・。特にあのブラコンは・・・。(ZSAN)
睦月様>まあ、くっ付いた様なものです。(ZSAN)
まだキスしただけだから危ういな〜一刀なら強引に迫られたら拒みきれないだろ^^;(nao)
よし、このまま一刀が鞘華と真の既成事実を作ってしまえば万事解決!!(mokiti1976-2010)
とうとう、くっ付いたのか?くっ付いたならおめでとう二人とも…(睦月)
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