英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜ジュライロッジ〜
「よし―――着いたぞ!」
「みんな、気を付けて……!」
「空の女神(エイドス)の加護を……!」
「おおっ!!」
アンゼリカやトワ、ジョルジュの激励の言葉にリィン達は力強く頷き、リィンとエリゼはそれぞれが操縦するヴァリマールとヴァイスリッターで地上に降下し、パテル=マテルも2体に続くように地上に降下し、残りのメンバーはエマやクロチルダ、エヴリーヌとパントの転移魔術によって地上に転移した。
「カレイジャス、急速上昇!地上にいるみんなと協力してジュライの市民達の救助をするよ!」
「アイアイ・マム!!」
リィン達の地上への降下を確認したカレイジャスは飛び去って行った。
「これが”D∴G教団”の”ジュライロッジ”ですか……洞窟であるにも関わらず随分と近代的な設備が整っていますわね。」
セレーネは洞窟でありながら、近代的な設備が整っている”ジュライロッジ”を見て呆け
「―――確か”ジュライロッジ”はエレボニアにある”教団”の”ロッジ”の中でも最も大きい施設であったと”結社”の資料で読んだ事がありますわ。」
「という事は当然ここで多くの幼い子供達が”教団”の”儀式”によって犠牲になったのでしょうね……」
「外道が……!」
シャロンの話を聞いたプリネは重々しい様子を纏って呟き、ラウラは厳しい表情でジュライロッジを睨んだ。
「うふふ、まずはあの大きな門を挨拶代わりに景気よく壊してあげましょ♪――――パテル=マテル!」
「――――――!」
レンの指示によってパテル=マテルは巨大な戦斧を召喚して構え
「エリゼ、同時に行くぞ!」
「はい、兄様!」
ヴァリマールとヴァイスリッターもそれぞれ太刀を構え、パテル=マテルと共にジュライロッジの巨大な門目掛けて突撃して強烈な一撃を叩きつけた!
「はぁぁぁぁぁぁ……っ!!」
「やぁぁぁぁぁぁ……っ!!」
「――――――!!」
3体の同時攻撃を受けた巨大な門はバラバラに砕け散り、門が砕け散ると巨大な空洞が現れた!
「や、やったわ……!」
「一体でも凄まじい威力なのに、3体になったお蔭で威力も倍増していますね。」
入口ができた事にアリサは明るい表情をし、ツーヤは苦笑していた。
「いや―――――!」
しかし何かの気配に気付いたガイウスが真剣な表情で呟いたその時、空洞の前に巨大な結界が現れた!
「な、なんだ……!?」
「霊的な障壁だと!?」
「す、凄まじい密度の霊子結界……!」
「最上位悪魔――――いや、下手をすれば”神格者”や”魔神”クラスが展開できるレベルの結界だな……!」
「それを離れた位置から展開できるという事は相当の術者である証拠ですね。」
「―――間違いなくかつて”特務支援課”が戦った時と比べて強くなっている証拠ですわね。」
「まさかこの私をも超える術式の結界を”D∴G教団”の司祭が展開できるなんて……!」
「多分”グノーシス”の強化によるものなのでしょうね……!」
「キャハッ♪戦いになったら楽しめる証拠だね♪」
結界を見たマキアスとユーシスは驚き、エマは信じられない表情をし、パントとルイーズ、シグルーンはそれぞれ真剣な表情をし、クロチルダとセリーヌは厳しい表情をし、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべた。そしてヴァリマールとヴァイスリッター、パテル=マテルはそれぞれ結界に攻撃をしたが何と攻撃は弾かれた!
「ああっ!?」
「っ……ダメっぽい?」
「ヴァリマール達でダメならガーちゃんとクーちゃんでも……」
「――――…………」
「くっ、何か手は――――」
ヴァリマール達の攻撃が弾かれた事にエリオットは声をあげ、フィーとミリアムは厳しい表情をし、サラ教官は唇を噛みしめた。
「いや―――」
「――――ならば私と”剣帝”が何とかしてみせましょう。」
するとその時リィンが申し出始めようとするとリアンヌが申し出た。
「え…………」
「シル―――リアンヌさんとレーヴェさんがですか?一体どうやって……」
リアンヌの申し出にリィンが呆けている中、ツーヤが不思議そうな表情で問いかけた。
「貴女もご存知でしょうが”剣帝”が持つ魔剣(レヴァンテイン)は”盟主”から授かった”外の理”の魔剣を元に作られた剣。そして私が持つ神剣(ルクノゥ・セウ)もかつての私―――シルフィアが持っていた神剣を強化した剣。それぞれの剣に秘められる”力”を解放し、同時に叩きつける事ができれば、例え”神”が展開した結界であろうと破壊できるはずです。」
「―――なるほどな。”聖”と”魔”。相反する属性をぶつける事で起こる爆発のエネルギーも利用すると言った所か。」
リアンヌの説明に納得したレーヴェは鞘から”魔剣レヴァンテイン”を抜いて”神剣ルクノゥ・セウ”を鞘から抜いたリアンヌと共に結界に近づき、リアンヌと同時に闘気を練り始めた!
「おぉぉぉぉぉ……ッ!!」
「ハァァァァァ……ッ!!」
二人がさらけ出す膨大な闘気によって周囲の空気が震えると大地は大きく揺れ始め、二人が持つ剣は凄まじい光を放ち続けた!
「「滅―――――ッ!!」」
そして二人が同時に強烈な一撃を結界に叩きつけると結界は崩壊した!
「おお……っ!?」
「結界が……!」
「うふふ、さすがは”結社最強”の”鋼の聖女”と”執行者最強”である”剣帝”の合わせ技ですわね♪」
「アリアンロードはともかくレオンが”執行者最強”はさすがにありえ……って、確かによく考えてみれば”劫炎”は死んだから”執行者最強”はレオンになるわね。」
「……別にあいつが破壊しなくても、エヴリーヌでも破壊できたし。」
「ま、まあまあ………誰が破壊してもいいではないですか、お姉様。」
崩壊した結界を見たフィーとエリスは驚き、微笑みながら呟いたシャロンの言葉を聞いて眉をひそめたがすぐにある事に気付いたクロチルダは苦笑し、レーヴェが活躍した事に不満げな様子でいるエヴリーヌをプリネは苦笑しながら諌めていた。
「今よ――――全員、突入!!」
「おおっ!!」
サラ教官の号令を合図に全員はジュライロッジに突入した!
「この”風”は……!」
「……やはりここもノルド高原の石切場や”精霊窟”の時同様上位三属性が働いていますね。」
「ええ……”あの時”と一緒よ。」
ロッジ内に突入して何かに気付いたガイウスは目を見開き、エマの言葉にレンは真剣な表情で頷いた。
「”あの時”、ですか……?」
「レンさん、それってもしかして”太陽の砦”の時での事ですか?」
レンの言葉を聞いたエリスは首を傾げ、ツーヤは真剣な表情で尋ねた。
「ええ、そうよ。ロイドお兄さん達やエステル達と一緒にヨアヒムが潜伏している”太陽の砦”に感じた気配と全く同じよ。この様子だと”太陽の砦”の時同様”悪魔”やゼムリア大陸にとっては”得体のしれない魔獣”がいるでしょうね。」
「そうね……それ所かひょっとしたら”影の国”で出て来た”魔物”や悪魔も出て来るかもしれないわね……」
「え、”得体の知れない魔獣”に加えて”影の国”とかいう所で出て来た”魔物”ってどんな相手なんだろう……」
「………どうやらこの先は一筋縄では行かないみたいだな。」
「より一層気を引き締める必要がありますね。」
「キャハッ♪それなら歯ごたえの奴もいるだろうから、楽しめそうだね♪」
レンとプリネの推測を聞いたエリオットは不安そうな表情をし、ラウラとルイーズは真剣な表情で呟き、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべ
「……しかも冥界の霊圧も混じっているから、下手したら”死者”達も出てくるかもしれないわね。」
「ええっ!?そ、それって……!」
「ま、ままままま、まさかとは思うがカレル離宮の時みたいに領邦軍の亡霊も現れるって事か!?」
「あわわわわわっ!?それじゃあまたローエングリン城の時みたいに、攻撃がすり抜けるの〜!?」
「フン、こちらには悪魔にも亡霊にも効く武器がある上、奴等との戦いも異世界での”特別実習”で十分学んでいる。今更臆する必要はあるまい。」
「ちなみに以前カレイジャスでレン姫がミリアムさんに渡された武具には”退魔”の効果が秘められていますから、悪魔もそうですが幽霊相手にも効果的なのですが……」
セリーヌの推測を聞いたアリサは驚き、マキアスとミリアムが慌てている中ユーシスは冷静な様子で答え、エリゼは苦笑しながらミリアムを見つめて指摘した。
「そしてここのどこかに貴族連合に誘拐されたパトリックさんを始めとした人質の方達がいるのですのよね……」
「部長………」
「……当然クロウもいるでしょうね。」
「クロウ……」
セレーネとフィーは心配そうな表情で呟き、クロチルダとリィンは複雑そうな表情をし
「後はカイエン公もそうですが、残りの”帝国解放戦線”の幹部もいる可能性はありますね。」
「残りの”帝国解放戦線”の幹部というと………”V(ヴァルカン)”とやらですわね。」
「そう言えば”V”を含めた”帝国解放戦線”も貴族連合の残党同様行方不明だったわね……」
「最悪彼らも”ルバーチェ”や貴族連合の残党同様”グノーシス”を投与された状態で、私達を阻んでくるかもしれませんわね。」
リアンヌとシグルーンの話を聞いてある事に気付いたサラ教官とシャロンはそれぞれ真剣な表情で考え込んでいた。
「ふむ…………―――みんな、私から提案があるんだが、いいかい?」
「提案、ですか?」
パントの申し出を聞いたリィンは不思議そうな表情をし、仲間達と共にパントに注目した。
「ああ。”太陽の砦”の件を考えると恐らくヨアヒム・ギュンターはこのロッジの最奥にいる可能性が考えられる。それまでの道のりは長いだろうから、ここは探索班と待機班に分かれたほうがいいと思うんだ。」
「えっと……それってどういう事ですか?」
「つまり、安全な場所を拠点としてそこを足がかりにするのですね?」
パントの提案の意味がわからないエリスが首を傾げていると、ある事に気付いたエマが尋ねた。
「まあ、そういうことだ。探索班がルートを発見する間、待機班は拠点を守りながらいざという時の交替に備える。ルートが見つかったら全員で移動して新たな拠点を作る。それを繰り返して最後は全員でヨアヒムの所に向かうという事だ。」
「なるほど……合理的だね。」
そして説明を聞いたフィーは納得した様子で頷いた。
「だったら、当面はこの場所を拠点にした方がよさそうね。リィン、君が探索班を決めなさい。」
「……わかりました。」
サラ教官の言葉に頷いたリィンは静かな表情で仲間達を見回し、そして――――
「トールズ士官学院、特科クラス”Z組”並びに協力者一同――――これより異変解決の為”ジュライロッジ”の探索を開始する。それぞれの明日を掴むため……何よりもクロウ達を……士官学院の仲間を助ける為に今はただ、ひたすら前へ進もう。状況開始――――各自、全力を尽くしてくれ!」
「おおっ……!!」
号令をかけ、仲間達は力強く頷いた!
その後リィンは最初の探索メンバーにエリオット、ガイウス、ユーシス、マキアス、セレーネ、ミリアム、サラ教官、エリゼ、エリス、パント、ルイーズを選び、探索を開始した。
と言う訳で原作では神気合一リィン&ヴァリマールの出番の所がまさかの二人に取られてしまいました(汗)まあ、普通に考えてヴァリマールを消耗させるより効率的ですけどねwなお、ラストダンジョンのBGMは零、閃T、閃UのラストダンジョンのBGMのどれかで、通常戦闘BGMも同じだと思って下さい♪
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第95話 | ||
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