二体の魔神皇帝IN艦これ
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元651鎮守府からの転属艦が居ると昴が聞いたのがアルカディアを建造した直後。

651鎮守府は先日、SKL、夕立、時雨が潰したブラック鎮守府である。

其処に居た金剛型二番艦比叡が転属となり、この101鎮守府(江ノ島鎮守府)に着任する事となった。

比叡は651鎮守府の金剛に建造された直後から売春に掛けられ続け、後から来た榛名、霧島を盾に

さらに酷い目にあってきた。

 

「なに?このロクデナシ」

 

「アノ・・・比叡?私はあの金剛とは違う金剛デスヨ?」

 

「どこ金剛も一緒よ。話しかけないでよね?」

 

金剛と会い、彼女が話しかけようとした瞬間に之である。

一夏や昴、長門、扶桑達の指示は素直に聞くし、整備班の男性達とも仲が良い。

しかし何時まで経っても金剛との仲が改善されない。

流石に金剛が可哀そうになった一夏は榛名、霧島にもフォローを手伝ってもらう事にした。

しかし中々手強く、二週間でまだ最低限の会話と出撃中の連携が取れている程度だ。

 

「アル君・・・私疲れたよ・・・」

 

「・・・」

 

「比叡は私の言う事はよく聞いてくれる。でも金剛ちゃんの事となるといきなり・・・」

 

(こんな弱気な提督、始めて見ました・・・)

 

昴もすっかり参ってしまい、鳳翔の店でアルカディアに愚痴を言う始末である。

彼は話を聞いてもらうにはもってこいのタイプらしい。

この店の主である鳳翔や食堂の間宮、伊良湖も時折色々と相談している程だ。

 

「金剛ちゃんと仲良くして欲しいよぉぉ・・・」グスッ

 

「・・・(比叡も昴に迷惑は掛けられないと思ってはいるんだろうがトラウマがなぁ)」ナデナデ

 

アルカディアは基本黙って話を聞いてはリアクションで答えている。

 

「私・・・グスッ・・・いい提督になれない気がしてきたよぉ・・・」

 

「・・・今は泣いとけ。弱音は吐ける時に吐き出しておいたほうが良い。

 マイナスの感情がたまっていくと物事もマイナス方向にしか考えられなくなる」

 

昴は完全に泣いてしまい暫くアルカディアは夕飯を食べながらも彼女を慰め続けた。

 

「すっかり泣き疲れてしまわれましたね・・・」

 

「上に立つ人間は意外とマイナス感情が溜るもんなんでしょ。だったら出せる時に出し切った方が良い。

 下手に溜め過ぎると何もかも悪い方向にしか行かなくなるでしょうし。下手こけばここも黒になる」

 

「提督は純粋ですからね。それと敬語はいいといいましたよね?」

 

「其処はどうにもならないッス」

 

支払いを済ませて昴を部屋に運びながらアルカディアは色々と考えていた。

 

(しかしここまで姐さんと似ているとなるとなぁ・・・。まさか・・・な。

 いや、アノ事件に何らかの関連性が?今度調べてみるか)

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翌日・・・

 

「オラ!起きろ!」

 

「ふぃぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

一夏に叩き起こされた昴。驚きのあまり悲鳴をあげてしまう。

金剛と長門が部屋に駆けつけたときには一夏は朝食を作っており、昴は更衣室で着換えていた。

 

「な、何があったんだ?」

 

「わ、分らないデス」

 

訳も分らずにアタフタする二人。

 

「朝っぱらから五月蠅いぞ」

 

隣の炊事室で昴の朝食を作っていた一夏が出て来る。

 

「い、一夏!?さっきの悲鳴は一体・・・」

 

「起こしただけだ」

 

「「ゑ?」」

 

長門と金剛は一夏の格好を見て驚いている。

 

「起こしただけだ」

 

「「いやそうじゃなくてその格好・・・」」

 

「知らん。間宮さんに持たされた」

 

一夏は現在白の割烹着を着て髪の毛が落ちないように頭にタオルを巻いている。

 

((食堂のおばちゃんみたいだ/デス))

 

「ふにゃ?みゃかとにこんこうひゃん?」

 

「顔洗えネボスケ」

 

寝ぼけて長門と金剛の名前をヘンな風に発音する昴を洗面所に押し込んだ一夏。

 

「というか何故此処に居る!?」

 

「今日は俺が秘書担当日だろ」

 

「shit!忘れてたデス!」

 

「今日は一夏だったか・・・。そういえば大本営で会議があったな」

 

「元帥のオッサンに実体化の直接報告もかねて行く事になってる」←悪巧みをしている笑い

 

「艤装を原型に戻して皆集まるからな。お前は相当驚かれるだろうな」

 

艦娘達は本体である艤装を原型に戻すと船霊である人間部分は船のどこかで実体化したまま艤装を操作する。

原型時は装備妖精だけでなく人の手も借りる事が出来、艦娘にかかる負担が少ないが巨大になる分、被弾率もあがる。

(あくまで原型時と通常形態時とを比較すればの話。イメージとしては青き鋼のアルペジオのメンタルモデル)

 

「宇宙海賊戦艦だからな。原型時の大きさは約400mだし。ん?」

 

「「「大本営の港に入れるのか俺?/一夏?」」」

 

「確か大和型がギリギリだった気も・・・」

 

「最悪浮いておけばいいか。んでお前等飯は?」

 

「いや、まだだが・・・」

 

「私もデス」

 

「だったら食ってけ。多めに作ったしな」←元々大食い

 

朝食はワカメ、豆腐、油揚げの味噌汁。ほうれん草のおひたし、卵焼き(焦げ目なし)

納豆、白米である。

 

「どうやればここまで見事に焦げ目のない卵焼きが出来る・・・」

 

「納豆美味しいで〜ス」

 

「・・・」ガツガツ

 

「油揚げ〜♪」

 

(狐か昴は・・・ここまで姐さんとそっくりとは・・・)ガツガツ

 

食べ終えた後、片付けに15分、大本営に行く準備で一時間、随伴艦の選定で20分程時間を使った。

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「キャプテンと一緒なんてね」

 

「大本営かぁ〜。那珂ちゃん行くのは初めてだなぁ」

 

随伴艦に選ばれたのは叢雲と那珂だ。

 

「それにしてもキャプテンの艤装の原型、でか過ぎない?」

 

「まぁ400mクラスだからな。Gヤマトやまほろばも・・・いや、下手すると俺よりでかいな。

 凌駕やユーノス、アストレアとかよりは多分大きいんだが・・・」

 

「Gヤマト?まほろば?大和さんじゃなくて?それにその艦の名前って・・・」

 

「その話はまた今度な」

 

「乗り込む時もほんとに驚いたよ〜。光の円がエレベーターになるなんて」

 

現在大本営に向ってゆっくりと飛行中のアルカディア。

通信によると昴達の入港手続きに時間が掛かり、最後になってしまったという。

その頃、大本営では・・・

 

「准将は大和で来ましたか。流石に世界最大級の戦艦」

 

「私達はまだ伊勢型か長門型が精一杯ですからね」

 

「ハハハッ、誉められて悪い気はしないな」

 

准将にゴマをする部下達。

 

「フム、残りは東雲中佐か・・・」

 

「そういえば最近異世界の艦を召喚することに成功したとか・・・」

 

「フン、どうせデマカセだろう」

 

元帥に数人の提督が昴の入港を待っている。中には少将も居て偉そうにしている。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

すると何かが近付いているのか大きな音が響き始める。

沖を見ても何も見えない。元帥だけは山のほうを見ている。

 

「ホホホッ。随分と大きいのぉ」

 

「元帥、一体何を・・・・でけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 

「う、浮いているだと!?」

 

「や、大和型より巨大じゃないか!?」

 

「って艦首に髑髏!?まるで海賊じゃないか!!」キラキラ

 

すると・・・

 

「お爺ちゃ〜〜〜〜ん!!!」

 

昴が甲板で手を振っているのが見えた。

しかしいかんせんアルカディアが巨大なので米粒のようにしか見えない。

アルカディアから叢雲、那珂を連れて昴が地上に降りると元帥以外の提督が詰め寄ろうとする。

すると上から何かが落下してきて提督たちの足を止めさせた。

 

「な、何者だ!?」

 

「あぁ!?」バチバチ!!

 

落下してきたのは原型形態を解除したアルカディアだった。

いきなり威圧するような声で質問をしたお陰で相当不機嫌らしくバチバチと小さく放電までしている。

元々は一夏でもあるので彼の地が出て来ている様だ。

 

「お、抑えて抑えて」

 

「・・・チッ」

 

アルカディアは昴になだめられて放電を止める。叢雲と那珂はお互いの顔を見た後ホッと一息ついた。

彼が暴れたら大本営のある呉一体がただの更地になってぺんぺん草一本として生えていない土地になってしまう。

昴は元帥に挨拶した後に叢雲、那珂には別室で待機してもらい、アルカディアを連れて会議室に向かった。

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「おい、昴の連れている奴、あれ男なのか?」ヒソヒソ

 

「そうかもしれないね。さっき声を聞いたがアレは完全に男だったよ」ヒソヒソ

 

「俺は男だが?」

 

「「聞こえてましたか!?」」

 

「ばっちりな」

 

「っていうか意外とフレンドリー!?」

 

この提督たち、割と物事を受け入れる器が大きいらしく昴とも仲が良く、幼馴染らしい。

 

「義直に雷太じゃない。ひさしぶり〜」

 

義直は髪の毛をリーゼントにしていて腰には何故か法螺貝。先程アルカディア原型形態を見てその大きさに驚いていた。

雷太は意外と美形で提督たちの中でも意外と有名だとか。アルカディア原型形態を見たときは目を輝かせていた。

ちなみに義直の秘書艦はビスマルク、雷太は神通である。

 

「admiral?そろそろ会議が始まるわよ」

 

「さ、行きましょう雷太さん」

 

「おう!スマンなビスマルク」

 

「分ったよ神通」

 

昴とアルカディアも会議室に入室し、席に座って手元の資料を読み始める。

ざっと見積もっても140p近くある。

 

「なんだか今日の分厚いなぁ・・・」

 

「大体分った」

 

「はやっ。まだ読み始めて30秒経ってないよ・・・」

 

「速読は得意だからな」

 

((((((((いや如何見ても文章を読むスピードじゃないんだが!?))))))))

 

「くっ・・・あれほど早いとは・・・」

 

「知り合いの奴にはこの半分の時間でで倍近く読んでいる奴も居るけど?」

 

(((((((((バケモンだその人))))))))))

 

別の鎮守府の霧島は驚く面々をよそに彼のあまりの速読の速さに悔しそうにしている。

 

「そろそろ始めるかのぅ」

 

元帥の一言で室内が一気に静かになる。

今回の会議はとある特殊海域攻略作戦に関することのようだ。

 

「今回の最終目標とも言えるのが○○頁の写真にあるこの駆逐棲鬼だ。我々の目標はコイツの撃破。

 まぁ無理とは思うが可能なら捕獲をしたい。道中には装甲空母鬼や戦艦棲鬼の姿も確認されておる」

 

駆逐棲鬼の写真を見るとまだ子供のような外見をしている。

 

(嫌な予感・・・)←自分の艦隊(?)に子供に非常に懐かれる者が居る

 

(・・・面倒が起きそうだなぁ)←自分の体質に自覚有り

 

「元帥、俺と雷太、昴で出撃しますよ。鎮守府も他の提督たちと比べて特殊海域に近い」

 

「うん、ボクはOKだよ義直。昴は?」

 

「わ、私も大丈夫です」

 

「他には?・・・・では支援を行なう者を決めよう」

 

その後は会議は順調に進み、2時間ほどで会議は終った。

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「そういえばよ、何で昴は駆逐棲鬼の話が出たときヘンな顔していたんだ?」

 

「うん、ボクもそれが気になったんだ」

 

大本営の中にある貸し出しの個室で義直、雷太の二人に問いかけられる昴。

アルカディア、ビスマルク、神通は各々の提督の横に座っている。

義直の随伴艦は陽炎と不知火、雷太の方は夕立と村雨だった。

 

「「♪〜」」キラキラ

 

「・・・」←本を読んでいる

 

「アル君って駆逐艦の子供達や妖精さんに異常なまでに懐かれるの・・・」

 

昴の話を遮ろうとする雷太だったが義直が止めて続きを促す。

現に自分達の随伴艦の駆逐艦達がくっ付いている。

 

「ブラック鎮守府を幾つか潰しているんだけどその度に駆逐艦の子達がアル君にくっ付いているみたいでね。

 他人が信用できなくなっている子ですら懐いたから」

 

「それえらいスキルじゃねぇか?」

 

「相手に通じてくれればいいけどね」

 

割とすんなりとその光景を想像して受け入れてしまう雷太と義直。

ブラック鎮守府を潰したという昴の言は大して気にしていない模様。

 

「で、その他人が信用できなくなっていたって子は・・・」

 

「曙ちゃん。いまじゃクソとか付けずに普通に提督って言ってくれるくらいにはなったよ」

 

「「ブホッ!?」」

 

ビスマルクと神通が思わず噴出した。

 

「あの曙が!?幾ら言ってもAdmiralの事をクソ提督って言い続けているのよ!?」

 

「私も一度だけ厳しく叱ったのですが今だ治っていなくって・・・」

 

「鎮守府同士の交流でもしてみるか?近場なんだろ?俺達と」

 

「「「「「へ?」」」」」

 

いきなりのアルカディアの発言で目が点になる5人。

 

「何て顔だおい」

 

「いやいやいやいやいや一寸待て!?何でいきなりそうなるんだ!?」

 

「お互いを知っておけばいろいろとメリットがあるだろうが」

 

「「おうっ!?そういえば!」」

 

「島風ですか・・・」

 

「そういえばそうよね・・・」

 

「はにゃ〜・・・」

 

((((何このぶっ飛んだ考えの人・・・・))))

 

随伴艦達は彼のぶっ飛んだ思考回路についていけなかった。

今の今まで一緒に出撃する他の鎮守府の艦娘達とは出撃時に始めて顔を合わせていたからだ。

 

「流石キャプテンね」

 

「那珂ちゃんさんせ〜い」

 

「付いていっている!?だと!?」

 

「この子達アル君が来てからすっかり変わったからね」

 

叢雲と那珂が彼の思考回路を理解している事に義直は声に出すほど驚いている。

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「叢雲はとても素直になったし那珂も前は顔が傷つくのを極端に嫌がったけどアル君が何を吹き込んだのか

 今は傷なんて全く気にしなくなったし」

 

「「女たらしかこいつ!?!?」」

 

「キャプテンに恋愛感情はないわよ?」

 

「どっちかと言うと兄妹愛?」

 

「比叡に参っているけどな」

 

「変態比叡さんってか?」

 

「いや金剛を極端に嫌っているから」

 

「「・・・」」唖然

 

義直達だけでなくビスマルクや神通達もあっけにとられている。

 

「どんな目にあったってのよその比叡」

 

「・・・提督と信頼していた姉に欲望を満たす為の食い物にされていた。

 地獄でもう一度殺してやろうと思っている位だ」

 

あまりに憎たらしく殺気の篭った声にビスマルクはどんな事をしたのか察しが着いた。

神通は悲しそうにしている。

駆逐艦達はプルプルと震えているがアルカディアからは離れようとしていない。

 

「悪い。余計な事聞いたな。考えてみればそれだけの事をしていた馬鹿が居るって言うのは

 想像に容易かったな」

 

「胸糞悪い野郎どもだね」

 

「提督は骨の一欠けらも残さず消滅させたし金剛は頭を殴って消し飛ばした」

 

「「ん?」」

 

義直と雷太は何かに気が付いたようだ。

 

「一寸待ってくれない?その鎮守府って651鎮守府?数字をそのまま読んで

 『惨い鎮守府』って言われていた?」

 

「そ、そうだけど・・・」

 

「其処の酷い噂なら俺も知っているぜ。ビスマルクや長門が潰しにいこうと殺気立った位だったしな」

 

「思い出しただけでも腹が立ってくるわ!」

 

「そこって髑髏の魔神に潰されたって聞いたよ?後時雨と夕立らしい艦娘も一緒に目撃されたって・・・」

 

アルカディアはまだ一部だけ展開していた艤装を解除してSKLになる。

 

「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」」」」」」」」

 

「どどどどどどどどどどどどどどどどど・・・・・・」

 

「ままままままままままままままままま・・・・・・」

 

「こここここここここここここここここ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

神通は真っ白になって気絶したようで義直や雷太、ビスマルクは言おうとしている事が言えない。

駆逐艦達は最初は驚いたがキラキラしながらSKLを見ている。

 

「之も俺の姿の一つみたいなもんだ。それとさっき話しにでた夕立と時雨はDeath capriceコンビって

 二つ名を持っている」

 

話し終えるとSKLの展開を解除した一夏。

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駆逐艦達は一寸がっかりしていたがまた一夏に遊んでもらいだした。

 

「あ、元帥のオッサンに色々言うの忘れてた」←駆逐艦と遊んでやりながら

 

「構わんよ。ワシの方から来てしもうたわ」

 

いつの間にか元帥も部屋に居た。

 

「げげげげ・・・元帥!?」

 

「ハハハッ。そう硬くなるな義直。おぬしがまだ子供の頃はじいちゃんと言ってくれていただろう?」

 

「ですけどよ・・・」

 

「なんか元爺もたのしそうだね」

 

「雷太もひさしぶりじゃのう。昔が懐かしいわい」

 

義直と雷太は元々小さい時から元帥やその下で働いていた艦娘によく遊んでもらったりしていた。

昴と会ったのも元帥の自宅である。

この二人はなんやかんやありながら本格的に深海棲艦が現れだした約15年に両親を亡くし、

元帥が引き取って鎮守府内で育てていた。

提督の適正があると分かると直ぐに試験を受け、提督となった。

 

「そういえばやっと実体がもてたと報告書を読んだが・・・」

 

「まぁ、努力してくれたのは昴提督だけどな」

 

「素体としての力が強すぎたお陰で強力な艦となったのかものぉ」

 

「けどよ、よく艤装と適合できたな。昔少女を艦娘にしようとしても少女達の体が中々耐えられなかったから

 結局中止になったって聞いたし」

 

「人造人間だからだろ」

 

あっけらかんと言う一夏だが周りはその一言で凍りついた。

 

「人造・・・人間?」

 

「人工子宮で育ったし色々と体弄られたからな。別に気にしちゃいないけどよ」

 

「ポジティブだねぇ・・・ボクはそんな風にされたくないよ」

 

「造りだしたのはお袋だけどな。何があっても生き延びて欲しい一身で強化してくれたのは感謝してる」

 

「もうこの話し止めようぜ。気分が沈む」

 

義直の一言で昴達は彼の色々と有り過ぎる過去に触れすぎずに済んだ。

 

「そうそう、さっき鎮守府同士で交流しようとか言うておったの」

 

「うん。いっくんの提案でね」

 

「「いっくん?」」

 

「一夏だからいっくんだと」

 

「本名か?」

 

「あぁ。織斑一夏ってんだ」

 

「うぉっほん」

 

元帥が話がずれてきた為にわざと咳をして話を戻した。

 

「すんまへん」

 

「まぁよい。雷太と義直の鎮守府の艦娘、及び提督は3日後以降江ノ島鎮守府に移動とする」

 

「へ?」

 

「江ノ島鎮守府に3人の提督と13の艦隊を所属させるということじゃよ」

 

「13?12じゃないのですか?」

 

雷太が13の艦隊の部分に疑問を持った。通常鎮守府は4艦隊まで編成できるので

4×3=12で12艦隊となる筈なのだ。しかし昴の鎮守府には一夏率いる地獄艦隊が居る。

 

「俺の艦隊も含んでるんだろう」

 

「あ、地獄艦隊か」

 

「うむ。施設のほうはわしの命令で増設しておく。

 どの提督の所属か分らずに混乱せぬように艦娘達にはバッジなり印を付けて貰う事にしよう。

 それと地獄艦隊だったの、その指揮権を義直と雷太にも持たせようと思うのだが・・・」

 

「指揮権といってももっぱら撤退と進撃、夜戦の選択だけだぞ?」

 

「マジ!?」

 

「指揮を取らなくても物凄く強いんだもん・・・統率もされているし」

 

「もうこの艦隊だけでいいんじゃ無いかな・・・?」

 

「「「それはない」」」

 

「本当に息ぴったりだね。兄妹みたい」

 

「「「事実兄妹と思ってる(が/わよ/よ)?」」」

 

完全に息もぴったりだ。

 

「仲が良くてよろしい」

 

「元爺は落ち着きすぎだろ!?」

 

「義直、元爺はこれがデフォだろ」

 

その後、義直達は昴と一緒にアルカディアに乗せてもらい自分達の鎮守府に戻った。

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翌日から江ノ島鎮守府に施設増設の為に幾つかの業者が入ってきて少々慌しい雰囲気になった。

 

「突貫工事か・・・人数大丈夫なのか?」

 

「厳しいですね。ですが貰った金額だとこの人数が限界で。施設も妖精さん達の力を借りて半分出来ればいいほうです」

 

「もう4〜50人追加で幾ら位だ?」

 

「大体○○○万ですが?」

 

「よし、出すから増員してくれ。それで確実に出来るし慌てずに済んで安全も確保できるだろう?」

 

「ありがとう御座います」

 

「今小切手きる」

 

一夏は其れだけ言うと小切手を切って責任者に渡した。

 

「ちょっ!?之5割増の値段ですよ!?」

 

「社長とは知り合いになったしこの短期間での工事だ。そのボーナスと思ってくれ」

 

執務室に戻って昴にその事を報告する。

 

「いっくんそのお金何処から・・・」

 

「俺のポケットマネー」

 

「何時そんなに稼いだの!?」

 

「主に株だな。時給2億って所だ」

 

「でもなんで?」

 

「鎮守府は自分達の家みたいなもんなんだぞ?別にいいだろ?」

 

一夏のずれた金の使い方の感性に戸惑う昴。特に『別にいいだろ?』の部分が理解できない。

 

「よく分からないよ。家みたいなものっていうのはわかるけど」

 

「自分の居場所に金掛けて何が悪い?仲間の居場所の為に金掛けて何が悪い?」

 

「やっぱりいっくんのお金の使い方、よく分からないや」

 

「ちなみに江ノ島沖にあった無人島も買った」

 

「?」

 

「陸上訓練に使えそうだし息抜きに良さそうだったしな」

 

昴は何で陸上訓練?と思った。艦娘の活躍するのは海の上だからだ。

 

「しかし海の上とはいえ海面から突き出した岩や島もある」

 

「うん」

 

「陸上から敵に攻撃して何が悪い?無人島とかの陸路を移動して何が悪い?」

 

「あ・・・」

 

「艦ではなく艦娘だからな。別にそういう行動も取れるなら取っとかないとな」

 

「目から鱗がおちるとはこういう事なんだね・・・」

 

「つか普通彼女等見れば思いつかないか?」

 

一夏の疑問にあっけなく昴の常識は破壊された。

さらに翌日・・・

 

「えっと、神通に榛名、子日ちゃんが地獄艦隊に所属したいと?」

 

「「はい」」

 

「うん」

 

一夏、吹雪同席の下、神通、榛名、子日が地獄艦隊に配属されたいといってきた。

3人は普段の一夏が行なっている訓練に加えて吹雪、瑞鶴の訓練もきっちりとこなしている。

一夏としても3人の配属はありがたい。

 

「う〜ん・・・移っちゃったらいざって時の戦力が・・・」

 

「一応言っておくがこの艦隊の第一指揮権は昴提督にあるんだぞ?」

 

「ちょくちょくメンバー借りても?」

 

「『黒潰し』と訓練、出撃中の時以外ならいつでも」

 

「分った。時々頼らせてね」

 

「何時でも頼ってくださいね」

 

こうして神通、榛名、子日の3名が地獄艦隊の新たな仲間になった。

一夏の訓練の厳しさに舌を巻いた神通と榛名。子日は持ち前の元気で乗り切った。

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そしてさらに翌日、義直と雷太、そして彼等の下にいる艦娘達が江ノ島鎮守府にやって来た。

 

「へぇ、いい所だね」

 

「つか艦娘達がやけに自由に行動してないか?」

 

「何時も緊張していて腹がへるだけだろう?」

 

迎えに来たのは一夏と吹雪だ。

 

「始めまして。対ブラック鎮守府対策艦隊、通称地獄艦隊所属の吹雪です」

 

「やや、こちらこそ」

 

「おう、よろしくな」

 

「なんだかココののブッキー、コッチのブッキーより大きいネ」

 

「は?」

 

(あ、キレた)

 

雷太の所の金剛(以下金剛(雷))の言葉に吹雪がいきなり周囲の温度が10度は下るだろう声を出した。

一夏は吹雪がキレたのを感じ取った。

 

「!?」

 

「貴女なんですか?いきなり馴れ馴れしくそんなヘンな渾名?」

 

「あ、いや・・・その・・・」

 

「次は・・・・・・・・・・・・・・・無いですよ?」

 

金剛(雷)は首を物凄い勢いで縦に振る事しか出来なかった

 

(吹雪ちゃんコェェェェェェェェェェェェ!?!?!?!?)

 

(戦艦クラスどころじゃない・・・神も悪魔も殺すような眼光だあれ・・・)

 

其処に瑞鶴もやって来た。

 

「隊長さん、この人たちが今日から此処に来る?」

 

「あぁ。池田義直提督と鳳雷太提督だ」

 

「よろしくな」

 

「よろしく〜」

 

「地獄艦隊所属の瑞鶴です。普通の空母とは違うから覚えておいてね」

 

義直、雷太と握手しながら自己紹介する瑞鶴。

 

「五航戦の子ですか・・・余り期待はしないでおきます」

 

「一航戦の誇りですかアッホらしい」

 

義直の後ろに居た加賀(以下加賀(義))の言葉にイラついたのか喧嘩腰になる瑞鶴。

 

「演習で白黒付けてあげましょうか?」

 

「別にいいわよ」

 

「もう勝手にしろ・・・」

 

一夏のこの一言で瑞鶴対加賀の演習が始められた。

しかし審判の一夏はルール設定を事細かく言わずにただ

 

「俺が轟沈判定とするか参ったといったら負けだ、以上」

 

之しか言わなかった。瑞鶴はこの意味を分っていたが加賀(義)は深く考えずに普通の演習と考えてしまった。

瑞鶴は加賀から見て風上に陣取っている。そこに赤城がやって来た。

 

「ん?ココの赤城さんかな?」

 

「はい。瑞鶴ちゃんと・・・どちらかの加賀さんとの演習ですね」

 

「あぁ、俺のところの加賀だ。どっちが勝つと思う?」

 

「瑞鶴ちゃんですね」

 

赤城は迷わずに言い切った。

 

「え?」

 

「見ていれば分りますよ。一夏君はさしてルールを言わなかったのでしょう?」

 

「あぁ」

 

「此処の鎮守府内同士での演習はハッキリいって何でも有りです。

 格闘戦をしようが空母なのに砲撃をしようが」

 

「「・・・マジ?」」

 

「はじめ!」

 

演習が始まり、加賀(義)は艦載機を発艦させようとしたが瑞鶴は既に目の前に居た。

 

「!?」

 

「でぇぇぇい!!」

 

瑞鶴の膝蹴りで吹き飛ばされる加賀(義)。ダメージは小破にもならなかったようだが

腹部に随分と痛みが着ているようだ。

 

「オイオイあれありなの?」

 

「艦ではなく艦娘だからな」

 

「あ、そっか。別に其処にこだわる必要ないよね」

 

「そういうこった」

 

瑞鶴は加賀(義)が体勢を立て直す前に反転して風上に向いながら艦載機を発艦させていた。

 

(速い!?)

 

加賀(義)も何とか発艦させるが・・・

 

「ネーブルミサイル!!!」

 

右肩の飛行甲板型艤装の内側から大量のミサイルが放たれ、加賀(義)の艦載機は一瞬で全滅した。

そして瑞鶴の艦載機により轟沈判定とされ、この演習は瑞鶴の圧勝となった。

一夏に文句を言った加賀(義)だったが

 

「艦娘ではなく艦として戦ったお前の落ち度だ」

 

と一蹴されてしまった。悔しくて彼(SKL)とも戦ったが・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・」←ボロボロのメタクソに瞬殺の勢いでやられた。

 

吹雪や睦月とも一対一で戦って勝てなかった加賀(義)

 

「強すぎねぇか?地獄艦隊・・・」

 

「艦娘となった姿を最大限に利用しているだけなのにゃ〜♪」

 

「確かにね。まだ僕達の艦隊の子は艦として戦っている感じだし」

 

加賀(義)は己の誇りがズタボロにされて滅茶苦茶落ち込んでいる。

そこにこの鎮守府に元々居た加賀もやって来た。

 

「・・・自分の視野の狭さを思い知ったみたいですね。私もそうでしたが」

 

「そうなのですか?」

 

「何時も夕立と時雨にボロボロにされながらも訓練に励んでいます。

 瑞鶴には今だ勝てていません。というかダメージすら与えた事もないです」

 

「・・・・・・」

 

「それだけ彼が厳しく鍛えてきて彼女も努力した結果なのでしょうけど」

 

「義直提督の加賀さんはまだ余り敗北っていうのを知らないから慢心してただけじゃないの?」

 

瑞鶴も会話に混ざってきたが彼女の一言は加賀(義)の胸に突き刺さった。

考えても見れば過去の出来事などにこだわって瑞鶴や随伴艦である駆逐艦を見下し気味だったし

其処から来る慢心もあったであろう事はよくよくあり、現に今日先程の演習でズタボロにやられてしまった。

しかも全て相手は無傷で終えているのだ。

相手をした瑞鶴、吹雪、睦月の感想は・・・

 

「最初っから見下している時点で私が反転して艦載機で攻撃するだろうと思い込んでいるのを

 利用させてもらいました。風上に向って全力疾走して発艦するのは常識でしたからね。

 だからそれを利用しようとわざと風上に陣取ったんですけどね」

 

「攻撃が読みやすいですね。せっかく艦載機同士の連携の完成度が高いんですから

 もう少し難易度の高い攻撃の仕方をしてみては?まぁ避けて見せますよ。

 早々当ったら艦長に申し訳が立たないですから」

 

「真面目さが欠点にもなってる気がしますにゃ〜。あと人間としての体を使わなさ過ぎですかにゃ〜。

 あと攻撃範囲が大きい所に慢心が見られたので其処を攻めたらあっという間に勝っちゃいました〜」

 

之以降義直と雷太の艦娘達も昴の艦娘(一名艦息?)を見習うようになった。

 

-10ページ-

昴の幼馴染であるキャラ紹介

 

義直提督

 

本名:池田義直

外見はアニメの戦国BASARAの義直。階級は少佐

法螺貝を何時も持ち歩いている。鎮守府では皆の兄貴分みたいな存在。

資材がよく不足しがちになるが運営はきわめてホワイト。

資材不足のときは雷太を当てにしている。換わりに彼の艦隊をよく支援している。

 

鳳雷太提督

 

階級は中佐

外見はキャプテンハーロックの台場正

宇宙の事と海賊の出て来る出版物の収集が趣味。

義直とは持ちつ持たれるの関係。

説明
金剛型の次女比叡登場です。
昴の幼馴染の提督を出しました。
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