真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
秋蘭の命の危機を救った一刀は秋蘭を連れて成都に帰還する
そこで、知らされたのは龍天達の全軍進撃…………
しかも、それは
残り7日と迫っていた
十二節 〜運命の7日間〜
冥琳「………赤壁……!!!」
秋蘭(未来)「戦いの舞台は赤壁と言っておりました」
一刀「………厄介だな」
秋蘭の言葉に一刀は眉間に皺を寄せて呟く
音々音「場所も場所ですが、敵兵の数も厄介なのです」
音々音も心底、嫌な表情となる
蒲公英「??何で?」
蒲公英はよく分かっていない為、首を傾げる
蒲公英だけではなく小蓮や季衣も分からないようだ
頭の上に疑問符を浮かべている
思春「絡繰人間の強さは並みの兵を1とすると、その何十倍にも相当する戦闘能力値を備えている
更には我々同様、『空立』や『空走』といった気の扱いにも熟知している………」
穏「それに引き換え、私達の兵は数こそ勝りますが強さには比較ができません………
その上、赤壁ならば舟を扱わなければなりませんから次々と沈没させられるのがオチですし…………」
桂花「かといって7日間で全ての兵に気の扱いを教えたとしても、本末転倒もいいところだわ」
風「むむむ………中々、敵さんも痛いところを突いてきますね〜」
軍師達は腕を組んでウンウンと考え始める
一刀「何とか……方法は………」
一刀が呟いた時、左慈が
左慈「兵については俺と于吉に任せろ」
冥琳「なに?策でもあるのか?」
冥琳は左慈に問い掛ける
左慈「あぁ、俺に考えがある」
于吉「はて?何かありましたっけ?」
于吉はキョトンとした表情となる
左慈「あっただろうが……………」
左慈はジト目で于吉に言う
于吉「……………あぁ〜…はいはい、思い出しましたよ♪」
于吉は手を叩き、微笑む
一刀「………じゃあ、兵のことは左慈と于吉に任せよう
皆は引き続き、『限界突破』習得に向けての鍛錬を再開して……俺も出来る限りの事はするから」
全員「「「「御意」」」」
武将・軍師達は再び鍛錬へと戻っていった
秋蘭(未来)「一刀、『限界突破』とは何だ?」
未来の秋蘭は一刀に問い掛ける
一刀「………あぁ、そうか
秋蘭は知らないんだったっけ…………」
一刀は秋蘭に説明していく
一刀「…………………っていうのが『限界突破』なんだ」
秋蘭(未来)「成る程………その鍛錬の成果で先程の絡繰人間達をいとも簡単に…………
璃々にもさせているのか?」
一刀「あぁ…………前とは比べ物にならない程、強くなってるよ」
一刀は微笑みながら答える
未来の秋蘭はそれを聞いて口を開く
秋蘭(未来)「一刀、私も参加しても良いか?」
未来の秋蘭は華佗の治療を終えて一刀に歩み寄る
一刀「駄目じゃないけど…………体にかなりの負担がかかるぞ?」
秋蘭(未来)「構わん………私も強くなりたいのだ」
未来の秋蘭は胸の内を明かす
秋蘭(未来)「たった4体の絡繰人間すら破壊出来ぬのならこの先、戦っていられない
頼む、このとおりだ」
未来の秋蘭は一刀に深々と頭を下げる
一刀「……………分かった、許可するよ」
秋蘭(未来)「済まないな」
未来の秋蘭は一刀の了承を得ると直ぐ様、鍛錬に参加しに行った
一刀「??あれ?」
一刀は未来の秋蘭の後ろ姿を見て首を傾げる
よく見ると、未来の秋蘭の服のポケットから紙の端のような物が見え隠れしていたのだ
一刀「何だ?あれ………
後で秋蘭に伝えておくか………………」
一刀は深く考えずに後回しにした
華佗「……………御遣い殿」
そこへ、華佗が一刀に歩み寄る
一刀「なに?華佗…………」
華佗「『血光軍』は7日後に攻めてきたとして、その進軍で御遣い殿を抹殺しようと思っているのか?」
一刀「……………つまり?」
華佗「仮に大軍で進軍してきたとしたら今までの襲撃は何だったのだろうか?」
華佗は一刀にふと思った事をぶつけてみる
一刀「………華佗は今回の進軍に何か裏があると?」
華佗「俺は軍師じゃないから深い事は分からん
だが、何だか引っ掛かっていてな………」
一刀「(…………もしかして、罠か?
でも、それなら秋蘭の話だと斬魔達は秋蘭が隠密として忍び込んでいたのを事前に知っていた事になる……
態々、そんな情報が漏洩してしまう可能性がある危険な賭けに出る必要があるのか?)」
一刀は顎に手を当てて考える
一刀「(今の状況的には此方側が劣勢な筈…………それなら安全な方法をとる筈だが……)」
華佗「……の………御遣い殿?」
一刀「っ!!!」
一刀は一人で考え込んでいた為、周りの声が聞こえていなくなっていた
華佗「何かあったのか?」
一刀「いや、何でもないよ」
一刀は直ぐ様、切り替えして言う
華佗「それならいいんだが………俺もそろそろ鍛錬に戻る
医者といえど、俺もこの軍の一員だしな」
一刀「あぁ、分かったよ」
華佗はその場から離れていった
一刀「……………念の為、左慈や卑弥呼に相談しておこうかな」
一刀は考えながら歩みだした
未来の秋蘭が過去に訪れて現実的に3日が経過した頃
『次元の狭間』ではその数倍の日にちが経過している
一刀は『次元の狭間』から出て、鍛錬場にある『天木』の根元を正面にして胡座をかいて座っていた
時間帯は夜の10時過ぎ頃
満月の光りが一刀を照らしていた
一刀「…………あと4日か…………」
『天木』の根元に向かって一刀は呟きだす
一刀「早いものだな、『お前』が倒されてもう半年だぞ……?」
一刀は微笑んでいるが、感情としてはそれと正反対に寂しそうな表情をしていた
一刀「てっきり、強大な敵は『お前』一人で終わるのかと思っていたよ………
まぁ、世の中…甘くないってことなのかな」
一刀は右手に持っていたお酒と2つの杯を取り出す
そのお酒は決してアルコール度数は高くなく、一刀自身が呑みやすいものだ
この時代の人からすると物足りない物でもあるが今はあまり関係ない
一刀はお酒の栓を抜き、ゆっくりと自分の杯に注ぎ始める
一刀「…………更に言えば世の中、分からないもんだな
今じゃ『お前』を弔って目の前で酒を呑んでいるんだからな」
一刀はお酒を一気に飲みほす
量は多くはないので一刀でも簡単に呑める
なお、因みに一刀の後方には
思春「…………あそこは確か」
焔耶「あぁ、『あいつ』の墓だ」
音々音「お気楽なものです
態々、敵の墓を作ったうえに弔うなどと…………」
詠「けど、それがアイツのいいのところでもあるわけよね」
以上の4人が護衛兼休憩で控えていた
一刀「皆からはあまいとか、気にする必要がないとか言ってるけど………何か気にしちゃうんだよなぁ………」
一刀は再び酒を仰ぐ
一刀「でも………今回の戦いも負けられないんだ
だから俺達は勝ってくるからな」
一刀は酒をもう1つの杯に入れ、ゆっくりと立ち上がると残りの酒を木の根元にかけた
一刀「見守れとは言わないが、見ててくれよ
俺達の抗いを…………俺達の魂を」
一刀「また来るよ………魔人『響窃』………」
一刀はゆっくりと振り返って思春達と合流するのだった
一刀が響窃の墓参りをしてから更に2日が経った
一刀「…………………やっぱり厳しいかな………」
左慈「……それは言わねぇ約束だろうが………」
隣にいる左慈はジト目で一刀を見る
一刀「悪い…………けど、進軍まで残り2日…………」
一刀は心配の表情となる
それもそうだ
未だに誰一人『限界突破』を習得できていないのだ
一刀「もう少しなんだけどな…………」
左慈「こればっかりはどうしようもねぇ…………」
一刀「…………冥琳や朱里達は?」
左慈「軍師共か?若干座礁し始めているけど問題ねぇって于吉が言ってたぞ」
左慈は一刀を見ずに答える
一刀「順調ではないけど大丈夫だってこと?」
左慈「そう捉えてればいいんじゃねぇのか?」
左慈はぶっきらぼうに答える
一刀「………………お前はいいのか?」
左慈「あぁ?」
一刀の言いたいことがイマイチ分かっていない左慈
一刀「兵の事だよ」
左慈「あぁ〜、雑兵共の事か………」
一刀は眉間に皺を寄せて話す
一刀「百歩譲って話を進めるが、大丈夫なのか?」
左慈「そんなに時間がかからねぇからな、そっちについては………ただ………」
左慈はそこまで言って口を閉ざす
一刀「??ただ、なんだ?」
左慈「……………何でもねぇ、その内教えてやるよ」
一刀「…………いいけど、酷いこととかするなよ?」
一刀は念の為、釘をさして鍛錬の補助にしに行った
左慈「………………」
左慈は少し黙った後、ボソッと呟いた
左慈「北郷…………何の犠牲もねぇ戦争なんか存在しねぇぞ?
悪いが、俺は勝つ為に手段は選ばない主義なんでな………勘弁しろよ」
その時の左慈の表情は、少しばかり寂しそうな表情であった
そして、決戦の前夜
結果的に『限界突破』を習得した者はいなかった
ただ、武将の高クラスの者何人かは感覚を掴めていた
だが、鍛錬にのめり込み過ぎていても体力が心配なので一度、打ちきる形にしたのだ
皆は夜の鍛錬場に来ていた
一刀「皆………遂に明日が運命の日、決戦の日だ」
一刀は皆の前に立って堂々と仁王立ちとなる
一刀以外の者達は無言で頷く
一刀「この戦いは一人の男と一人の女性が現れてから始まった」
男とは『初期初型』の絡繰人間7号、女性とは未来の璃々のこと
一刀「魔人・響窃の襲撃を退けてようやく取り戻した俺達の平和…………それが又もや奪われた………
こんなことがあっていいのか?」
一刀は間を空けて堂々と言い放つ
一刀「あっては駄目だ………あってたまるかっ!!!」
一刀は皆の眼を見ながら淡々と自分の思いを、皆の思いを代弁する
一刀「乱世を駆け抜けてようやく勝ち取ったこの平和………奪われてたまるものかっ!!!
今再び得物を持ち、奪われた平和を奪い返すんだっ!!!」
全員「「「「「おぅっ!!!」」」」」
全員が覇気を込めた返事をする
そのタイミングで于吉が妖術を使って全員に酒が注がれた盃を渡していく
それは大陸の者達だけではなく華佗や管理者、未来の秋蘭と璃々にも配られる
一刀は盃を片手に空高く光る三日月に差し向ける
一刀「今ここで契りを交わそう
必ず、勝つと…………絶対に生きて帰ると………」
全員は静かに頷く
一刀がゆっくりと盃の酒を飲むと、全員も同時に一気に飲み干す
左慈「……てめぇらの覚悟、俺等4人の管理者が確認した
『血光軍』との戦い、全力で援護に廻ってやる………派手に暴れてこいっ!!!」
左慈は杯を指でくるくると回してニヤリと嗤う
于吉「力にさせて頂きますよ、北郷さん」
于吉は一刀に向かって手を合わせて微笑む
貂蝉「ご主人様の為ならこの貂蝉、魔人になっちゃうわよんっ!!!」
貂蝉は一刀に向かってグーサインをする
卑弥呼「儂ら管理者がいれば勝つのは容易じゃっ!!!がっはっはっはっ!!!」
卑弥呼は腰に手を当てて豪快に笑う
一刀「ありがとう、4人共…………
………明日に備えて今日はもう解散する
皆、明日は頼むぞ」
全員「「「「「おぅっ!!!」」」」」
次回、遂に『血光軍』が現在の一刀の前に姿を現す!!!
……終……
説明 | ||
7日後の赤壁での決戦に備える一刀達 武将達は未だ辿り着かない未知の力である『限界突破』習得を求め、更なる鍛錬を積む 一方、軍師達も気の扱いの応用編へと移り変わりつつあった だが、時間は虚しくも過ぎていった………… |
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