機動戦士ガンダム外伝 アンダーサイドストーリーズ「立ち塞がる壁・大いなる脅威」 |
機動戦士ガンダム外伝
アンダーサイドストーリーズ
「立ち塞がる壁・大いなる脅威」
0093.03.05
地上 ヨーロッパ連邦軍基地
「まだ詳細確認は取れんのか!宇宙からの情報でチベット付近に落下したと言うのは判明しているのだぞ!」
連邦軍少将の階級章を付けた男性が基地内のOP達に向かって叫ぶ。
「ブライト大佐の仰る通りだ、ネオ・ジオンなどに気を許すからこんな事に成るんだ……ふむ、ウチの部隊も宇宙に上げるかな?大佐の所も戦力が必要だろうしな………」
などと考えながら指示を出していると、
「指令!識別信号が無いMS群が接近中です!………数は……40以上…まだ増えます……」
OPの1人が基地に接近中のMSらしき反応を捉える。
「くっ、偵察隊として出ているMSを全て呼び戻せ!
アリソン少尉!エイガー達は今どこだ!」
基地司令は情報集積担当のアリソン少尉に主力部隊の位置を確認する。
「?!はっ、ハイ!えぇと………エイガー隊はどんなに急いでも1時間程掛かると思われます!」
他のOPが基地への帰還命令をしている中、アリソン少尉の報告に基地指令は、深刻な状況だなと客観的に考えていた。
基地内格納庫
「だぁ?か?ら?、私のサーペント出させてってぇ、言ってるの?!」
格納庫で小柄なパイロットスーツを着た少女が整備士達に我儘を言っている。
「だから言っとるだろ?ジェネレーターの調子が良く無いから武装がキャノンとモーターブレードの2種類しか使えんし、いつ機能不全が起きて停止するか解らん物にパイロットは乗せられんよ。」
「だってだってぇ?、今動けるMS出払っててこの子だけなんだもん!お願い!親方!」
整備長の出撃禁止に反対の意を示し、説得を試みる。
「親方ぁ?!第3ハンガーに在る61式全車緊急整備してくれって司令から内線有りますけど?」
パイロットの話を遮る様に通信機を持った整備士が整備長に話しかける。
「おーう!今出る!繋いでくれ!……とにかく、フェイ中尉は待機ですよ、こんな状態で出撃させる訳には行きませんから。」
整備長はそう言いながらフェイ中尉から離れて通信機を取る。
「むーー…………!そう言えばさっき第3ハンガー行くって言ってたよね?ふふっ…ふふふふふふ……」
フェイ中尉と呼ばれた女性パイロットは不敵な笑みを浮かべながら”一旦”格納庫から去って行った。
基地指令部
「基地守備隊と交戦中!……こちらが僅かに押されています!………!!!司令!後方から更に大型の熱源反応!MAだと思われます!」
アリソン少尉の報告に苦虫を噛み潰した顔をする基地司令
「ぬぅ、現在此方が押しているMS隊は?」
「サーフィル中尉の第3小隊のみです!後は拮抗か押されています!」
アリソン少尉からの情報に戦車隊も出すべきか?と悩んでいると、
「………あー…あー、此方エイガー隊所属フェイ・フェイラン中尉です!Gサーペント出撃準備完了です!出ていいですか?」
「?ん?サーペント?大丈夫なのか?整備長からジェネレーターの調子が悪いと聞いていたが?」
「大丈夫です!出れます!」
「うむ、今は少しでも戦力が欲しい…良し!アリソン少尉出してやれ。」
「ハイ!では、フェイ中尉!出撃どうぞ!」
「フェイ・フェイラン、Gサーペント!出ます!」
基地付近戦場
「何だ、こいつら情報程強くないな?こんなんならアレは要らなかったんじゃないか?」
「連邦の奴ら主力を出してない様です、居ないのなら今の内に制圧してしまいましょう……?」
ジオン軍のパイロット達がコクピットで会話をしていると少し前に展開していたMS2機の反応が消えた。
「中尉!此方に高速で接近する機影1……アレは…敵主力部隊のMSです!」
「おっ?捉えられたか、まぁイイや、さぁ!行くよ?。」
基地内防衛施設
「くっ、まさかこんな物まで用意していたとは……」
サーフィル中尉は目の前に立ちはだかるMAにセンサーを向けて呟いた。
「フェイ!フェイ中尉!………駄目か、さっきの脚の一撃で気を失ったか……」
敵MS隊を壊滅させて此方の援護に来てくれたフェイ中尉のGサーペントだったが、不自然に動きを止めるとビグザムの脚で蹴られ、基地外壁に叩きつけられて動かなくなった。
後ろのGサーペントを護りながら応戦するが火力が足りない。
サーフィル中尉は絶望を抱きながらもまだ希望は捨てていなかった。
そう、この基地には居るのだ、こんな逆境なんて物ともせずどんな困難にも打ち勝つ者達が…
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