真・恋姫無双 覇王伝 第三十六話 |
〜一刀視点〜
「ここは私が!」
「静里は政務が有るでしょ だから私が!」
「蓮華は軍務と政務の両方があるでしょ だから私が!」
静里、蓮華、鞘姉が互いに譲らず言い合っている
内容は俺の看病について
前回倒れた時は蓮華が加わっていなかったし(代わりに凪が居たが)、折衷案を採用したのだが今回は皆譲らない
「それにしても怖い争いですね〜」
七乃が俺の寝台の傍で感想を述べる
「七乃は加わらないんだな」
「あら 加わって欲しいんですか?
それとも私があの三人に凪さん、巴さんを加えた五人と同じ感情を一刀さんに持っているという自信ですか?」
ニヤリと笑って七乃が言う
「まあ後者は当たってるんですけど」
小声で言ったこの言葉は聞こえなかった
「しかし一刀さん 今までよく刺されませんでしたね
月夜の晩ばかりじゃないのに
あ、最も刺されたら容疑者が五人以上いるので捜査は難航しそうですね」
「それ自覚しているから言わないで欲しい」
「自覚が有るならさっさとお嬢様を正妻に迎えればいいんですよ
今ならもれなく私が付いてくるからお得です
あ、何でしたら私単独と云う選択肢もありますけど」
と言う七乃の背後に黒い気配全開の三人が立っていた
「七乃〜、また抜け駆けする気〜?」
鞘姉の低く恐ろしげな声が響いた時
「申し上げます
曹操、劉表、禁軍が集結しているとの報告が入りました!」
〜鞘華視点〜
曹操、劉表、禁軍が宛の東に集結しているとの報告が有ってから3日が過ぎた
集結した軍は此方に進軍している
「思春に探らせたところ曹操軍は文醜、郭嘉が指揮する5万
禁軍は2万
劉表は劉埼が指揮する3万 ついでに何故か関羽が帯同しているらしい」
蓮華の報告を聞いて
「総勢10万 武将は関羽が厄介だけどそれだけですね
ただ此方は負傷兵を除けば戦闘に出れるのは3万5千
『鳳凰』は全て出撃可能ですが470騎
これでは籠城戦しかありませんね」
静里の言葉に全員が頷いた そして静里は付け加える様に
「兵数的には守れるかどうかは微妙です
しかし『鳳凰』がいます
それに真桜さんの絡繰り防衛機構も準備が整っています
私も策を考えるので勝機、いえ守り切る事は充分可能です」
と言った
「策に関しては向こうの出方次第か」
と星が訊くと
「そうですね 向こうの出方によって臨機応変に対応します
ただ全体の指揮は蓮華さんが執って下さい」
「え?なんで私が?」
「鞘華さん、星さん、粋怜さん、蒲公英さんは部隊指揮をお願いします
それに元王族なればこその求心力が蓮華さんには有ります
何より一刀さんが蓮華さんの能力を高く評価しています
開花すれば相当な器の持ち主、と」
その言葉に蓮華が
「分かったわ!必ず一刀の信頼に応えて見せる!」
蓮華って結構単純ね
う〜ん、本当に一君が言ってたのか、それとも嘘も方便なのか 微妙な所ね
「一つだけ付け加えておいて」
「なんですか?」
私が付け加えた要望 それは
「七乃 戦が始まったら一君を寝台に縛り付けておくように!
そうじゃないと絶対に無理するから!」
満場一致で可決された
翌日、連合軍の位置が報告された
「総攻撃は明日ですね
今回は夜営の位置が遠すぎるので袁紹の時の様な夜襲は無理です
だから鞘華さん 打ち合わせ通りにお願いします」
「了解」
翌日、連合軍の総攻撃が開始された
攻城兵器で攻め寄せて来る連合軍に対して
「弓矢構え!撃てー!
第二射用意 急げ!」
蓮華が城壁に立って指揮を執る
結構様になっているわね 経験値が足りなかっただけで良将だったのかも
矢の雨を逃れて城壁に雲梯を仕掛けて登ろうとする連合軍に対して
「うちの自信作や 丸太落とせー!」
真桜の絡繰りが炸裂する
丸太を上から落とし、縛り付けてある縄を絡繰りで巻き取り引き上げる絡繰り
その丸太の一撃で雲梯を上る途中の兵は根こそぎ叩き落とされる
しかも城壁の上を移動可能 縄は丈夫で、火矢対策に湿らせて簡単には切れない
丸太に乗って登ろうとする者も現れたが途中で矢の的になるだけ
破城槌を使って門を打ち破ろうとする者に対して
破城槌が門に向かって突き進む
「今だ!門開けー!」
破城槌が門に激突する直前に門を開く
すると当然破城槌は目標を無くし城の中に素通りしてしまう
「今よ!『鳳凰』突撃ー!」
門を素通りした破城槌の後ろから城に突撃しようとする連合軍の主力部隊
その後方から昨夜の内に城外に伏せていた『鳳凰』が突撃する
『鳳凰』の奇襲を受けては数で勝る連合軍も隊(体)を為さない
連合軍の中央を突き進みそのまま開いている門から城内へ
破城槌を持った兵達は既に待ち構えていた城内の兵に討ち取られていた
「『鳳凰』は城内に入りましたね!
門を閉じなさい!」
一度は開いた門から本隊が攻め込む事なく、再び門が閉ざされる
「今の所は順調ね」
「気は抜けませんが」
静里と話していると
「大変です!西から向かって来る軍勢が!
数は凡そ3万!」
〜あとがき〜
一刀争奪戦は継続中です
七乃が着実に売込み中
一刀はまだ戦闘に加われる程回復していません
真桜の絡繰りは完全に原作の魏ルートで出て来たものです
最後の軍勢は予測通りです
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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コメント | ||
睦月様>それなりの期間付き合ってる人が多いですから。(ZSAN) mokiti1976-2010様>抜け目の無い人ですから。(ZSAN) nao様>いかないでしょうね。(ZSAN) 満場一致って皆一刀の性格よく分かってる‥‥(睦月) さすがは七乃、うまい売込み方だ。(mokiti1976-2010) そう言えば儒教一尊のこの時代、墨子の教えは儒家によって根絶させられていましたね。もし残っていれば、郭嘉程の軍師であれば下水口の捜索に全力を入れている筈ですので(下水口を抑えられると防衛側は排泄物を城外へ出せない様になり、悪臭と不衛生から来る疫病の蔓延で戦闘どころではなくなってしまう)。(h995) このまま順調に行くといいがそうはいかないんだろうな^^;(nao) |
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