魔法少女リリカルなのはStrikers ダメ人間の覚悟
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スバル Side

 

 

緋村『元』一等空尉拘束から3日が経った。

 

あれから私達の部隊はバタバタしている、まぁどこの部隊もバタバタはしているしんだけど・・・・だけど私達はどこか上の空というか、仕事に身が入らない。

 

先日の『デビル』と戦って分かったことがある、ハッキリ言って実力不足って事。

 

今最高評議会側と事を構えているけど、本来なら大元の最高評議会側の主要陣を取り押さえないといけないんだけど、どこにいるのか全く分からないらしく、唯一の情報源は研究所のデータベースだけ、それは研究所を潰して行かなければならないって言う事なんだけど・・・・この先どこまで私達の実力でいけるのかが不安になってしまったんだ。

 

だけどそれはどこの部隊も同じ状態だった、本当に実在するのかどうかも怪しい研究所を探していいのかとか、このまま最高評議会に盾突いていいのかなど、派閥内でも結構浮き足立っている。

 

それでも私達は戦うって決めた!その為にたくさん訓練をしなければいけないんだ!!・・・・・なんだけど、何故か自信というか・・・なんというか・・・・不安が拭えないんだよね、その所為か訓練に身が入らない。

 

なのはさん達、隊長副隊長達は今後の作戦や他の部隊との連携についてを話し合っているけど、訓練の時なんかじゃぁ私達と同じでどことなく上の空って感じだった。

 

前回の『デビル』戦では勝てたものの、それは井上さんの力があってこそだったから。

 

もし本人にそれを言っても恐らく「それはお前達の実力でコントロール出来た事、気にするな」ってフォローされるかもしれない・・・・けど、実際井上さんの力が無いと勝てなかった事は事実。

 

しかも実感した・・・・・前回の『デビル』戦であんなに消耗するって事に、あんなのとこれから戦い続けていくのは・・・・分断した今の管理局や私達では正直無理だ。

 

井上さんは今迄あんなのを相手にしていたの?それに加えて私達みたいな部隊を相手にしてた。

 

もし私が井上さんの立場だったとしたらと思うと・・・・ゾッとするよ、決心したけど・・・・挫けそうだなぁ。

 

そんな3日間を過ごしていると、はやてさんからこんなことを聞いた。

 

はやて「今日の訓練な?ちょっと訳あって聖王教会のシスターシャッハさんと合同での訓練になるから、あと代表としてカリム・グラシアさんが訪問されるんで、皆把握しとってや!」

 

シャッハ・ヌエラさんと合同で訓練するというのは別に珍しくない、前回の『デビル』戦に備える為に一緒に訓練してたし・・・だけど今日に限っては改まって言うなんて不思議。

 

ティアに聞いてみても「さぁ?」とだけ・・・・ティアも私と同じみたいな状態だなぁと思った、ただ前の様に力を急いで身に付けようとしている危なさは感じられない。

 

まぁティアの気持ちも分かる・・・・というかエリオやキャロも同様なんだけど、私達は本当に強くなっているのかが不安でしょうがなかった。

 

 

 

〜訓練場の少し離れた森林の中〜

 

 

???「連絡が来た、そろそろ行くぞ」

 

???「ハイ」

 

???「あいよ」

 

 

 

〜訓練場〜

 

 

考えている間にも時間は進み、いつも通り訓練場へと向かうとカリム・グラシアさんと何故かB&D社のトップのアリサさんが並んで立っていた。

 

ちなみに今回の訓練場は近くに湖があるのが特徴的な所で、

 

カリム「皆さん、先日はこちらの数々の不手際の所為で大変ご迷惑をお掛けして、同時に我々聖王教会内での皆さんのご協力のお陰で無事に終わり、ここに謝罪と感謝を送らせてください」スッ

 

私達の集合と同時にカリムさんが私達全員に頭を下げ謝ってきた。

 

なのは「頭を上げてください、私達は組織としては分断されて機能は低下してますが、犯罪を許さないというのは少なくても変わっていませんよ!」

 

響子「それに、緋村に関しましては私個人と元とはいえ身内のゴタゴタの所為でご迷惑をお掛けしてしまった事、謝らなければならないのは寧ろ私の方なんです」

 

ハルカ「まぁ皆もこう言ってんだし、とにかくこれでお相子・・・・貸し借り無しってこと「いえ、それは出来ないわ!」に・・・・って何でよ」ハァ・・・

 

ハルカさんは深く溜め息を吐いた。

 

カリム「だって医療院でのこともそうだけど、透さんを危険な目に合わせてしまったのよ?いくら私に落ち度が無いって言っても聖王教会の管轄内なの、それを解決してくれたのに流石に何も無しって言うのはちょっとね・・・と、いうわけで!ここで一つ提案があって、今日私が来たのは『とある講師』を皆さんにご紹介しようと思ってね・・・・あいや、『教導官』って言った方がいいのかしら?」

 

はやて「は?教導官?・・・何の話なん?シスターさんは何か知ってるん?」

 

シャッハ「いえ、私も今初めて知りましたが・・・・・」

 

カリム「つい2,3日前に決まった事でシャッハにも話してなかったんだけど、研究所との戦闘では私達の戦力ではあまりにも不十分になってしまっているのが現状、しかも管理局は我々聖王教会と違い二分されて更に人手と戦力も不足してしまっている、この状況を打破するのには個人と隊の戦力増強を図るしかない・・・・・そこでその講師の方にあなた方の戦力増強を依頼したの・・・・まぁ当の本人は最後までかなり渋ってたけど、シスターシャッハには後でちゃんと謝るから今は何も・・・・ね?」

 

シャッハ「・・・・わかりました」

 

はやて「まぁそら分かったんやけど・・・何でアリサちゃんがここに?確かカリムだけの筈なんやけど・・・・」

 

アリサ「まぁそうなんだけど、私も噛んでるっていうか?関係しているっていうか」

 

関係してるって・・・・どういう事なんだろ??

 

はやて「ん〜まぁよぉ分からんけど、とりあえずその講師の方が来られるんやろ?いつなん?」

 

カリム「もうそろそろなんだけど・・・・・・(あら?)・・・・そうそう、まず言っておかないといけない事があるんだけれどね」

 

カリムさんが何を言おうとしているとかはわからないけど、だけど私は・・・いや、私以外の皆もこの時予想出来なかったに違いない。

 

 

 

 

タッタッタッタッ・・・・・・

 

 

 

 

 

はやて「いけない事?」

 

カリム「何も難しい事ではないのだけど、軽く試験というか・・・・腕試しをするそうよ?」

 

シグナム「腕試し?」

 

 

 

タッタッタッタッタッタッタッ!

 

 

 

 

カリム「えぇそう、現在のあなた達の力を見る為でもあり、これからどういう風にして鍛えるかを決めるそうよ」

 

フェイト「それはどうやってやるんです?」

 

アリサ「こうやってだそうよ・・・・それと」スッ

 

アリサさんが私達からゆっくりと後退りしながら人差し指を私達の方へと向けると・・・・。

 

 

 

 

 

 

タッタッタッタッタッッッッダンッ!!

 

 

アリサ「もう始まってるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員「・・・・・・・・・・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリサさんの言葉を理解しようとした瞬間とんでもない殺気を感じたし、危ないと何となく思った・・・けど、それすら気づくことなく。

 

 

 

 

”ドゴォォォオオオオオン!!!!!!!”

 

 

 

 

集合していた私達の丁度中心辺りに何かが『降って』来た、そしてそこから土煙が激しく立ち込めた。

 

ティアナ「ちょっ!?一体な”ドカッ!”キャッ!?」

 

スバル「ティア!?”ガッ!”ぐっ!」

 

私がティアの心配をしていると何か黒いモノが近づいてくる気配がして、咄嗟にガードをしたけどタッチの差で間に合わず殴り飛ばされた・・・・・ん?『殴り飛ばされた』?

 

シグナム「クッ!?一体何だ!?」

 

流石に隊長達は完璧にガードもしくは避けていたため、ダメージを受けず倒れる事も無かった。

 

土煙の中から3つの影が出たかと思えば、カリムさん達の前に立った。

 

両サイドに立っていた人物は私達も知っている人物なのには驚いたけど、それ以上にもっと驚いたのが真ん中で跪いて頭下に向けている人だった。

 

その人は私達が最も知っている人ではあるが、それと同時にこの場には・・・・というか外に出ているのはありえる筈がないのに・・・。

 

カリム「紹介します、本日皆さんの戦闘の指導をしてくださるのは・・・・・」

 

しかし、その人は現に私達の眼の前におり、そしてカリムさんが紹介と同時に立ち上がり私達を見ているのだから・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリム「『暁』のリーダー、『マダラ』こと・・・・『井上 透』さんです♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

透「待たせたな」ニヤッ

 

 

 

 

 

 

Side Out

 

 

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ハルカ Side

 

 

いやいやいやいやいやいやいやいやいや!!??

 

おかしいでしょ!?何で?!何で透がここにいるの!?まだ聖王教会で寝てる筈でしょ!?・・・でも現に立ってるわけだけど・・・・。

 

動揺している私に、これまた同じく動揺しているなのは達が驚いた顔をして私を見ていた。

 

きっと私が透を治したと思って事情が知りたいんでしょうけど・・・・・知らないし、寧ろ私が一番知りたいのよ!?

 

私は動揺しながらも”ブンブンブン!”と頭を振り否定した。

 

カリム「改めて、今日から皆さんの戦闘指導をしていただ「ちょっと待った!!」・・・ハイ?」

 

カリムの言葉を遮ってはやて待ったをかけた。

 

はやて「これは・・・・どういう事なん?!何で透君がここにおるんや!?まだ療養してる最中やろ!?何で立ってられるん!?教導官ってどういう事なん!?」

 

はやての捲し立てる疑問に透はカリムとアリサに顔を向けるとすぐにはやてに視線を戻した。

 

透「まぁその疑問はごもっとも、だが事実こうしてお前達の前にいるわけだが・・・・ちなみに『影分身』はしてないぞ?」

 

そりゃぁ分身がココに来ても何の意味も無いけどさ。

 

ハルカ「・・・・・いつよ」

 

透「ん?」

 

ハルカ「いつ・・・・・・回復したのよ、正直あの状態からすぐに回復するなんて普通あり得ないんだけどさ」

 

私は疑いの目を透に向けた。

 

すると透はアリサとカリムに顔を向けた、二人は透を見ながら頷くだけだった。

 

透「そうだな、少し・・・・長くなるが、説明はする必要はあるな」

 

 

 

Side Out

 

 

 

〜回想〜

 

 

透(今)『説明とは言っても大体の事はユーノ達から聞いてるだろうから多少省く、アレは榊が俺とヴィヴィオに攻撃をしようとした時だがな』

 

榊は俺だけではなく、ヴィヴィオも斬ろうとしていた。

 

今の榊は頭に血が上り過ぎて目の前のヴィヴィオすら認識していない筈、持っていた剣を容赦なく振り下ろそうとしていた。

 

だが俺にはモロに受ける以外何も手立ては無かった、『鉄塊』も身に付けておらず、剣すらまともに持てない、達人のように白刃で止めれれば良いんだが、生憎俺にはそんな技術は習得していなかった。

 

ヴィヴィオを突き飛ばす?無理だ、どう考えても間に合わん・・・・・少しでもヴィヴィオへの被害を減らすしか・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んなわけあるかぃっっっ!!!!!!!

 

ザンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榊の剣は俺には届かなかった・・・いや、正確には肩口に当たったが途中で別のモノが榊の剣を少し遮り押し戻していた。

 

そして、俺は右腕を挙げていた。

 

しかもその手には・・・・・・ガラスの破片が握られていた、しかもその破片が・・・榊の剣を止めていた。

 

そう・・・・・止めたのは何を隠そう、俺自身だった。

 

 

 

『武器恐怖症』が・・・・・・治っている。

 

 

 

何故そう確信したのかは分からない、だが勘というのか

 

榊「チッ!?クソが!!」

 

斬ったと思った俺がまさかガラスの破片で抵抗してくるとは夢にも思ってなかったからなのか、悪態をつく榊。

 

だがそれ以上に驚いているのは誰であろう俺自身だ。

 

俺はナイフはおろか、武器になりうる物は触れる事が出来ない・・・・触れようものなら拒絶反応が出てしまい軽い錯乱又は動悸が激しくなってしまう。

 

なのに俺は今、ガラスの破片を持っても震える事も無ければ動悸が激しくなる事も無い・・・・・まぁ榊と対峙しているという点では動悸は激しいがな。

 

透(胸に来る不快感も一切ない・・・・・これならば、イケる!)

 

俺はそう思うと咄嗟に未だこちらに向けて剣を押してくる榊の力を利用し、ガラスの破片で剣の軌道を変えさせ体勢を崩させた。

 

その後破片を捨て、距離を取るために体勢を崩した榊の左脇腹に左掌底を入れた・・・・掌底というよりただの張り手になってしまったが。

 

しかし当たったのが浅かったのか、当たった榊は数歩だけ後退するだけになってしまい俺との距離はそう開かなかった。

 

榊「クソが・・・舐めた真似しやがって、だが、そんなクソ弱ェ攻撃で俺様をやれるわけねぇだろ!?」

 

体勢を直した榊は再び、ゆっくりと俺とヴィヴィオの方に近づいてきた。

 

榊「もうさっきのようにはいかねぇぞ・・・・・いい加減目障りなんだ、さっさと死ねよ!?」

 

もう一度俺を狙う榊に対し、俺に出来る事は何も抵抗が無いに等しかった。

 

また何か武器になりそうなものを探そうにも、辺りにはさっきの破片以外何も無かった。

 

ココは覚悟を決め、ヴィヴィオを護りつつ攻撃を受ける方法を取るしかない・・・・・。

 

しかし俺のそんな考えは杞憂に終わってしまった。

 

ガシッと剣を握る榊の腕を何者かが掴んだ。

 

 

 

アリサ「いい加減にするのは、アンタの方じゃないかしら?」ギロッ

 

すずか「何をしようとしてるのかな?」濁濁(ニゴニゴ)

 

シャル「怪我人と子供に向けるのって、大人としてどうなんだろうね?」濁濁(ニゴニゴ)

 

 

 

榊の背後には何時の間に来ていたのか、アリサとすずか、更にはシャルまでもが立っていた。

 

ちなみに榊の腕をつかんでいたのはすずかの方だった。

 

榊「お前等・・・・・そうか、お前等もいい加減アイツにはウンザリしてたんだな?だが大丈夫だ、お前等の手を汚させねぇよ、代わりに俺がコイツを!」

 

一度はアリサ達の方へと顔を向けはしたが、すぐに俺の方へと向き睨み、剣を持っていた手に力を籠めなおそうとした。

 

しかし、その剣を握った腕に更に強く力を込めるすずか。

 

榊「グァッ?!す・・・すず・・か?う・・・腕を・・・は・・離し・・」

 

すずか「ん〜??何で?」

 

榊「だ・・・だって」

 

アリサ「アンタ、さっきアタシが言ったの・・・・聞いて無かったのかしら?」

 

顔を見なくても分かるくらいに、3人からは怒気を感じまくっていた・・・・ヴィヴィオも感じたのか、俺の懐で震えていた(アリサ達に対して)。

 

シャル「いい加減にするのは榊って・・・・アリサは言った筈だよね?」

 

すずか「これ以上『私達の彼氏』に手を挙げるんなら・・・・本当に容赦しないよ?」

 

榊「ハ?・・・・・・・・え・・・・今、何て」

 

アリサ「そう言えば言ってなかったかしらね?というか言わなくてもいい事だけど、ついこの間・・・私達と今居ないなのは達は、そこにいる・・・今アンタが攻撃した男と付き合ってんのよ」

 

呆然としていた榊に俺達が付き合っている事実を突き付けるアリサ、しかしそれだけに止まりはしなかった。

 

すずか「その彼氏に攻撃するなんてさぁ・・・・・付き合ってる彼女としてはどぉ――――しても黙ってはいられないんだよねぇ」ギュルルルルルル

 

シャル「透は止めるかもしれないけど、今迄僕達我慢してきた分・・・・・今回のは本当にやっちゃったね・・・って感じだよね」ギュルルルルルル

 

アリサ「子供の頃から頭に来てたんだけど・・・・今回のコレにはホンッッッットに頭に来てんのよ!」ギュルルルルルル

 

言いながらも、3人の掌にはそれぞれの気で作り上げた『黒・翠・朱』色の球体が回転し、しだいに大きくなっていく。

 

榊「へ・・・へへへ、じょ・・冗談が上手いなぁ!危うく本当に騙されるところだったぜ!?」

 

シャル「冗談・・・・冗談かぁ、そう取っちゃうかぁ・・・・・・残念だけど冗談じゃないんだよね、その証拠に・・・・・・今から榊は僕達が『殺っちゃうから』さ」

 

言うと同時に、3人は各々が作りだした球体を突き出した・・・・・・そう、俺が教えた『螺旋丸』を。

 

 

 

 

 

3人「「「螺旋丸!!!」」」ズドンッ!!!

 

 

 

 

 

3人が同時に榊の腹部へと『螺旋丸』を突き入れた、しかも3人が入れた個所は三角形が出来るくらい綺麗に決まっていた。

 

3つの『螺旋丸』を同時に喰らった榊はそのまま20mくらい吹き飛ばされていく。

 

しかも『螺旋丸』は使用者によって回転する方向が違う、ソレが腹部へと集中したとなると・・・・・・・榊の胃やら腸やらの内臓は大丈夫か??

 

榊「   」ビクンッ!ビクンッ!

 

もはや生きているのかどうかが分からないが・・・・痙攣している所を見ると、辛うじて生きてはいるんだろうな・・・・・・・虫の息なのは確かだが。

 

ユーノ「透!!大丈夫!?」

 

榊が倒れて医療院側からユーノとグラシアさん、そしてシュテル達が俺とアリサ達の方へと駆け寄ってきた。

 

アリサ「ちょっとユーノ!アンタ何やってんのよ!?透を護らないといけないのに、肝心のアンタ達が傍に居ないんじゃ本末転倒じゃない!!カリムさんも!!」

 

ユーノ「うっ・・・・ご、ごめん」シュン・・・

 

カリム「本当・・・・・・ごめんなさい」シュン・・・

 

アリサの責めに言い訳出来ず、ユーノとグラシアさんはただただ縮こまるしかなかった。

 

透「待てアリサ、この二人を責める事は出来ん」

 

流石に見かねた俺は二人に助け船を出すことにした。

 

透「ユーノ達は看護師に連れて行かれてんだ、医者が俺の事で何かって言われれば行かざるを得んだろ?」

 

アリサ「そ、そう・・・・ならそう言いなさいよ、これじゃ何かアタシが悪いみたいじゃない・・・・」/////////

 

カリム「だけどそれが罠だったみたい、私達離れた別室に閉じ込められたから」

 

シュテル「私達の

 

シャル「罠って・・・・・どういう事?」

 

ユーノ「どうやらその看護師、榊に言い寄ってた人みたいだったらしくて、榊の役に立ったら恋人にしてくれるって思ってたらしくて」

 

すずか「そんなことが・・・・」

 

アリサ「アイツ・・・・妙な知恵を身に付けたってわけね」

 

アリサの言葉に同意するかのように、皆が榊の方へと向けた。

 

そこにはグラシアさんが呼んだと思われる聖王教会の騎士たちに連行されて行く榊がいた。

 

シャル「でも、これからどうしよう・・・・・いきなり狙われちゃったから、もうこの医療院はバレてるって思った方がいいよね?」

 

ユーノ「それに向こうの連中・・・評議員側にももしかしたら透の事がバレたかもしれないね、となると透を移した方がいいんだろうけど・・・・どこがいいんだろうか?」

 

アリサ「あと、まだ緋村が残ってるわよ?アイツが何もしないなんて有り得ないわ」

 

カリム「一番手っ取り早いのは、聖王教会に移した方がいいんでしょうけど、護衛の数を増やすべきでしょうね・・・・・でもどうしても後手に回ってしまうわ」

 

透「なら、逆に罠に掛けてやるというのはどうだ?」

 

そこで俺は一つ提案を出してみた、勿論勝算があっての事・・・・・なんだが。

 

アリサ「何言ってんのよ!?まずはアンタの安全が第一なの!それと、怪我人のアンタは黙ってる!」

 

透「ならばこれならばいいんだな?」

 

俺はそう言いながら右手を頭に添えた・・・・・・・いと思った。

 

透「・・・・・ヴィヴィオ、いい加減離れてくれんか?」

 

ヴィヴィオ「ヤッ!!」ギュッ

 

先程の恐怖を引き摺っているのか、俺の事を強く掴み離さないヴィヴィオ・・・・・正直言って傷に響くのでかなり痛かった。

 

透「もう怖い事は起きん・・・・というわけではないんだが、お前には見せられん光景が起こるからちょっとシュテル達の方に行っててくれ、大丈夫だ、俺は・・・・・・『パパ』は元気になるだけだ」

 

俺の『パパ』という言葉に納得したのか、それともただ純粋に俺の言った事を信じたのかはわからんが、とにかくヴィヴィオは俺の言った通りにシュテル達の方へと歩いて行った。

 

それを確認した俺はもう一度手を頭に添え、そして一気に顎の下まで手をスッと下ろした。

 

 

 

そう、俺は『虚化』をしたのだ。

 

 

 

ユーノ「それは・・・・・でも、ソレが一体何の・・・・」

 

透「マァ、見テイロ・・・ッ!クゥゥゥ!」

 

『虚化』により、俺は『ある事』をした・・・・その結果。

 

”シュゥゥゥゥ!”、”ボコボコボコボコッ!”、”ボキボキボキボキ!”

 

傷口は見事塞がれた・・・・ただし・・・グロい。

 

その証拠にアリサ達全員がその光景を見て引いていた。

 

アリサ「ちょっ・・・・今の・・・・・・・・何?」

 

透「”ボシュゥッ”今のか?今のは『超速再生』、この仮面を出している時、魔力を相当消費するが大抵の傷を一瞬で治してしまう能力・・・とでも言っておくかな」

 

すずか「『超速・・・再生』」

 

ユーノ「で、でもさぁ透、本当に大丈夫なのか?・・・・というかボコボコ言ってる中にボキボキって聞こえたんだけど、まさかそれって・・・」

 

透「フッ・・・その通り」

 

俺はユーノの予想に応えようとその場を『立ち上がった』、そして両脚に付けられていたギプスを『二重の極み』で砕いた。

 

透「脚も再生もとい、完治した・・・”ボフッ”っと」

 

立ち上がった俺の腰にヴィヴィオが駆け寄り抱き付いてきた。

 

そんなヴィヴィオの頭を俺はフッと笑いながらポンポンと軽く叩いてやった。

 

シャル「なら前みたいに、もう歩けるようになったの!?」

 

透「あぁ、だが問題があるとすれば・・・・・これからの事だな、俺の予定ではもう一週間くらいで完治して戦線復帰したかったんだが・・・・予想外な事に予定が大分狂ってしまった」

 

アリサ「あのバカ・・・・ね」

 

透「幸か不幸か・・・・な」

 

カリム「でしたら、我が『聖王教会』はどうでしょう?貴方を我が『聖王教会』がお護りしますよ」

 

透「それは・・・・・」

 

申し出はハッキリ言ってありがたい・・・が、それでも俺の中では、聖王教会も管理局も大して変りなく怒りを覚える事も少なくない。

 

カリム「ダメ・・・・・・・ですか・・」

 

アリサ「そうね、それだったら私に良い考え・・・というか丁度いい考えがあるのよ」

 

シャル「まさかアリサ、アレ・・・・実行するの?」

 

アリサ「実行というか、そのテストケースみたいなものよ!それで透を聖王教会に『派遣』するってのはどう??」

 

透「『派遣』だと?」

 

アリサ「そっ!今うちの会社で新設しようと考えてる部署があるのよ、その部署の担当をアンタに一任しようかと前々から考えてたわけよ」

 

シャル「でもそれはもう少し先の話だったんだけどね・・・・・・いきなり言っちゃうんだから」

 

アリサ「しょうがないでしょう?こうなっちゃったんだから、寧ろ早い方が今後の為にもなるんだし」

 

透「・・・・まぁそうだな、この戦いが終わっても俺はおそらく無職になってしまうからな・・・・是非もないな」

 

アリサ「決まりね!ま、当然だけど」

 

透「それで?その新設予定の部署とは?・・・・・まぁ大体予想出来はするんだけどな」

 

アリサ「ふふん♪それはね・・・・・」

 

 

〜回想終了〜

 

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透「B&D社『警備局・暁』、俺はそこの局長・・・・代表を務める事になった、なので予定ではあるが改めてよろしく」

 

フェイト「警備局・・・」

 

はやて「局長・・・・・」

 

透「まぁ局長とは言ってもまだ設立されてはいない、テストケースとしての派遣だが一応聖王教会での講師兼『限定騎士』として身を置く事となった」

 

なのは「『限定騎士』って?」

 

カリム「教会にある特例の一つとしてね、外部の方から一人だけ騎士として雇うことが出来るっていうモノ・・・・まぁ仮の騎士って感じよ、ただ『限定騎士』には期日が限られてて条件もあって、今じゃぁ『限定騎士』を雇うなんて人はもういないのよ」

 

ヴァイス「そんなシステムがあったんッスね・・・・」

 

カリム「透さんには『限定騎士』として私の護衛と教会内の方々の指導、そして任務にも赴いていただく契約になってるの・・・・・・その方が何かといいかと思ってね」

 

すずか「ちなみに緋村君が来た時の透君は『影分身』を置いておいたんだ、念には念をいれてね・・・・黙っててゴメンね」

 

透「さて、無駄話はこのくらいにしようじゃないか」

 

俺は早々に訓練をしようと話を切り上げた。

 

透「まぁお前等の戦闘訓練の指導をすると言っても、戦闘上では前の戦いで充分分かった・・・・・で、俺から言える事というか教えるのは・・・・まぁもうこれだけなんだが」

 

俺は準備の為に屈伸を数回し、更には片方の腕を伸ばしクロスさせ方を伸ばす運動をしながら話した。

 

透「正直俺は人に教えるというのは苦手だ、それはお前達も分かってると思うんだが、俺に出来る事と言えばこれだけ・・・・・・・実戦訓練、とにかく俺と戦う事だ」

 

エリオ「実戦・・・・・ですか?」

 

透「そうだ、基礎部分はお前等は大体は出来ている・・・・が、力の差が歴然もしくはヤバ過ぎる相手の時はどうしても尻込みしてしまう・・・・・人としては当然の行為だが、戦闘に於いては命取りとなる・・・奴等と戦うのであれば尚更な」

 

ハルカ「そりゃぁまぁ・・・確かに」

 

透「それにだ、お前達に必要なのは経験だ・・・・それも死と隣り合わせのな、まぁ訓練だから死ぬようなことはしないが、それに近いようなものは味わった方が今後の為になるだろ?」

 

言い終えると俺は準備運動を終え、なのは達に向き直った。

 

透「お喋りはここまでだ・・・・今日は初日でもあるし、俺も病み上がりのようなものだ、軽く流す程度にしよう・・・・では、いくぞ!?」ダッ!!

 

俺は準備も碌に出来ていないなのは達に向かって駆け出した。

 

準備が出来ていないなんて知るか、奴等との戦いでは準備なんぞする暇が無い。

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・

 

 

〜20分経過〜

 

 

透「よぉ〜し、今日はこのくらいでいいだろう、明日からはこの倍か倍以上はやるからな」

 

俺は肩で息をしている部隊全員に声を掛けるとグラシアさんと共にその場を後にした。

 

ちなみにヌエラさんにはグラシアさんがゆっくり帰っていいとの事を伝えていたらしい。

 

俺とグラシアさん、そしてスタークとハリベルを連れ聖王教会へと戻ろうとした。

 

ハリベル「御身体の方は大丈夫ですか?」

 

なのは達と少し離れた位置でハリベルが問い掛けてきた。

 

アイツ等と相当離れたんだろうな、ならもういいだろう。

 

透「いや、大丈夫だ・・・・だが流石に鈍っている、少し動いただけでコレだからな」ハァハァ

 

我ながら中々に説得力の無い事を言っているとは思っている、カッコつけていながらも肩で息をしている・・・俺もアイツ等の事は言えんな。

 

カリム「もう少し休んでもよかったんじゃないかしら?」

 

アリサ「そうよ、また前みたいに疲労骨折とかで動けなくなったんじゃシャレにもならないわよ、それにまたそんな錘なんか付けて」

 

この二人の言う事は尤もだ、俺はまた懲りずに両手首両足首に以前のような錘を付けていた。

 

透「しかし、多少無理をしなければ以前のようには動けんのでな」

 

アリサ「だから・・・・」

 

透「言いたいことは分かってる、だがこのくらいなら本当に平気だ、映像を見たんなら分かるだろうが以前はメチャクチャ重いバンドを付けて日頃から動いていたんだ、それに比べればどうという事はない」

 

スターク「まぁ確かに」

 

透「それに今回はアイツ等がいるんだ、言われなくても無理はせんさ、寧ろ心置きなく休むことが出来るんだ・・・それよりも、だ」

 

俺は不意に足を止め後方に意識を向けた。

 

透「用があるんならさっさとしろ、俺は早く休みたいんだ」

 

俺は並び立つ木々に声を掛けると、その陰から出来てきたのは、なんとティアナ・ランスター達新人とスバル・ナカジマの姉のギンガ・ナカジマだった。

 

透「何か用か?」

 

ティアナ「・・・・・・・」

 

スバル「・・・・・・」

 

俺の問い掛けに何も発さない少年少女達、一体何をしに来たのやら。

 

透「用が無いなら俺達は行くぞ、さっきは休みたいと言ったが、これでもグラシアさんの護衛をしなければならないんでな・・・社長命令なんだ」

 

我ながら酷い言い様ではあると思ったが、諦めたような言い方をし俺はその場を立ち去ろうと向き直ろうとした瞬間、新人達の場所から”ザザッ”という音が聞こえた。

 

振り向いてみると、そこには土下座をした新人達とギンガ・ナカジマがいた。

 

俺が呆気にとられていると、奴等から意外な言葉を耳にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

『弟子にしてくれ』

 

 

と。

 

 

 

 

 

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あとがき

 

 

どうも皆様半年以上ぶりです!!!

 

え〜本当に申し訳ありませんでした。

 

もうお忘れの方もいらっしゃるかもしれませんが、半年以上も掛かってしまい、誠に・・・・誠に申し訳ありません。

 

しかし、なんとか再開出来、なんと!更に嬉しい(?)報告があります!!

 

さて、今回はなのは達の下にとうとう透が参上!?以前緋村に襲われたのは分身で本人は既に治っていたんですねぇ。

 

そしてなのは達の戦闘指導だけでなく、一応ですが敵対している聖王教会のお手伝い的な事をするようになってしまったわけなんですが・・・・・まぁその方が便利といえば便利ですよね。

 

しかし、その『限定騎士』というのをよく思わない者も・・・・・・・とまぁこれは別のお話という事で。

 

そして最後には、なんと・・・・スバル達が透に弟子入りを申し込んできてしまいましたねぇ・・・・・さてさて、透の回答やいかに!?

 

 

 

 

さて次回は!?弟子入りを申し込んできたスバル達は無事弟子入りが出来たのか!?そして透の持っているとっておきの情報源とは!?

 

 

それでは次回もお楽しみに!!・・・・・次回は何とか今月中、もしくは来月中にはアップしますので!

 

それとハーメルンさんでも投稿する話ですが、明日辺りにプロローグをアップしようと思っておりますので、そちらも是非ご確認ください!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、小説の話はここまで。

 

ここからはなんと・・・・ちょっとしたお知らせ。

 

なんと私makeは・・・・・ゲーム実況も始めちゃいました!!!!!

 

といってもPS4のブロードキャストというものなんですがね・・・・。

 

それと正直以前ニコニコ動画でも無料お試しでのブロードキャストをしていたのですが、期限切れで今回・・・・なななななんと、YouTubeさんでの生放送をやることとなりました!!

 

そこで是非とも私makeの声が聞きたい!!という方々は 『make_51』と入れていただければ、今迄放送したものがあるはずですのでご覧になってください。

 

勿論、生放送を見てくださって結構です!!基本夕方辺りにやっておりますので、視聴してください。

 

チャンネル登録も受け付けておりますのでね、よろしくお願いします。

 

 

 

 

私の声を聴いて、幻滅されたら・・・・・ホント、申し訳ないです。

 

 

それでは皆さんもお身体にお気を付けてください!!!

 

説明
第51話 限定と弟子
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コメント
次回の予告の限りだとその内エリオやキャロとかも弟子入りしそうだとしか思えないのだがその所どう考えているのでしょうね??(不詠弘斗)
榊のデバイスは没収してるのか、気になりますね。もしも没収していたら透に渡してくれないだろうか? 榊が持ってるよりも透が所持した方がデバイスも本望でしょうし。(俊)
久しぶりの更新、待っていました。ヴィヴィオを守る為に武器恐怖症を克服した透はやはり父親って感じましたね。機動六課の面々の教導官に任命された事で積極的に関われるんだから、嬉しいでしょうね。(俊)
お久し振りです!(XXX)
タグ
魔法少女リリカルなのは 転生 恋愛 チート ハーレム 

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