〜ジュライロッジ〜

「コォォォォ……ハアッ！！」

「機を逃すな……一斉にかかれ！！」

「風よ、戦場に向かう戦士達に加護を――――加速・広範囲！！」

ゼノ達との戦闘を開始したラウラは気功術で自身の身体能力を上昇させ、ユーシスは号令をかけ、レンは魔術で仲間達の様々な能力を上昇させた。

「どっかーん！――――旋風爆雷閃！！」

「っと！」

「甘い！」

エヴリーヌが発生させた自分達目掛けて襲い掛かって来た雷の爆発に対してゼノとレオニダスはそれぞれ左右に散って回避し

「排除する。」

「リミットブレイク――――メイルブレイカー！！」

「ほう……」

「クク、追撃とは中々やるやないか。だけど、まだまだ甘いで。」

フィーとマキアスはそれぞれ左右に散った二人に追撃したが、レオニダスと共に感心した様子で二人の追撃を回避したゼノはマキアス達に狙いを定めた後銃撃を放った。

「喰らえや！！」

「グッ！？」

「うわっ！？」

「ッ！？」

ゼノのクラフト―――マーダーショットを受けたラウラやマキアス、フィーはそれぞれ表情を歪め

「フッ、まだ終わらないぞ？」

そこにレオニダスが追撃をしようとした。

「アークス駆動――――ダークマター！！」

「グッ……！？」

しかしエリスが発動したアーツによってダメージを受けると共に動きが封じ込められ

「レオ！援護するで！」

レオニダスの様子に気付いたゼノはレオニダスの援護をしようとした。

「うふふ、そんな事をさせると思って？出でよ、冥界の槍―――スンラスーア！！」

「レオとの連携や救援はさせない。」

「チッ……！」

しかしレンが発動した魔術によって足元から次々と発生する魔槍とフィーの牽制銃撃を回避する為にレオニダスの援護を諦めて回避行動に専念したが

「逃さぬ――――斬！！」

「チッ……！？」

回避行動に専念している所を狙ったラウラが放ったクラフト―――洸閃牙によってラウラへと引き寄せられると共に斬撃を受けてダメージを受けた。

「うふふ、例え相手が幽霊であろうとこれは効くでしょう？」

「グ……ッ！？しもうた……！」

レンが発動した魔眼によって動きが封じ込められたゼノは必死に拘束から逃れようとしていた。

「―――零距離もらったよ。」

その時一気にゼノに詰め寄ったフィーが零距離で銃口をゼノに押し付けた。

「！！」

「ヤァァァァァ…………ッ！！」

「うおおおおおおおおっ！？」

フィーが放ったクラフト―――ゼロ・ラピッドをまともに受けてしまったゼノは怯み

「隙は逃さぬ！！」

「グアッ！？」

フィーが攻撃を終えると同時にラウラが追撃を叩き込んだ。

「裁きの十字よ、悪に光の制裁を！――――聖の十字架！！」

「なっ！？また身体が……！」

更にレンが発動した魔術によって発生した十字架に動きを封じ込められた。

「ポイッと。」

それを見たフィーはFグレネードを投擲し、投擲されたFグレネードは十字架が起こした光の爆発の威力をあげてゼノに攻撃をした。

「鉄砕刃！！」

そして魔術による攻撃を終える瞬間を狙ったラウラが渾身の一撃をゼノに叩き込んだ！

「グアアアアアアアアッ！？チッ……！」

ラウラが持つエイドスから授かった魔剣は悪魔や霊体に効果的な神剣でもある為亡霊であるゼノに大ダメージを与えた！

「フフッ、行きますわよ……！」

「……ッ！」

一方エリスのアーツで動きが封じ込められたレオニダスはシャロンの鋼糸によって拘束されてシャロンへと引き寄せられ

「絶！！」

「グアッ！？」

シャロンのダガーによる一撃を受けて怯んだ。

「燃えろ―――バーニングフォース！！」

「！！」

ダメージに怯んでいたレオニダスだったがマキアスが放った炎の弾丸に気付くとすぐに回避すると共にエヴリーヌ目掛けて突撃した。

「オオオオオオオッ！！」

エヴリーヌに突撃したレオニダスは大型の機械手甲による強烈な一撃――――ダイナマイトスパイクをエヴリーヌに叩きつけたが

「そんな攻撃、エヴリーヌには効かないよ♪」

瞬時に片手で簡易結界を展開したエヴリーヌは不敵な笑みを浮かべてレオニダスの一撃を受け止めていた。

「一撃で無理ならば……！――――フン！！」

エヴリーヌに攻撃が防がれたレオニダスは動じる事なくその場で回転攻撃――――マキシマムスピンでエヴリーヌの結界を攻撃し

「喰らえぃっ！！」

更に続けてクラフト―――グラウンドバスターでエヴリーヌの結界を攻撃した。するとエヴリーヌが展開していた簡易結界は破壊されると共にレオニダスが放った衝撃波がエヴリーヌを襲った！

「ッ！？」

攻撃を受けたエヴリーヌは驚くと共に攻撃を受けた痛みによって表情を歪め

「そこだっ！！」

エヴリーヌの様子を見たレオニダスは追撃をしたがエヴリーヌは瞬時に転移魔術を発動してレオニダスの追撃を回避した。

「アークス駆動――――出でよ、氷の結晶！クリスタルフラッド！！」

「グッ……！？」

背後から襲ったエリスのアーツを受けたレオニダスは怯み

「行きますわよ……！―――シャドウステッチ！！」

その隙を逃さないかのようにシャロンは追撃をし

「セイッ！！」

「グアアアッ！？」

シャロンに続くようにユーシスはクラフト―――アークブレイドで追撃し、霊体である為ユーシスが持つ聖剣による一撃を受けたレオニダスは悲鳴を上げ

「さっきはよくもやったな……！これはその倍返しだよ！二つ回廊の轟雷！！」

「ガアアアアァァァァァ――――ッ！？」

そこにエヴリーヌによる高火力の魔術が叩きこまれ、それによって大ダメージを受けたレオニダスだったがすぐに立ち直ってゼノと共にマキアス達と対峙した。

「……クク……ハハ……助っ人がいるとは言え、まさかヒヨっ子どもにここまで追い込まれるとはな……」

「フフ……こうなったら心ゆくまで相手をしてもらうまで……」

「え……」

「っ……！」

それぞれ口元に笑みを浮かべているゼノとレオニダスの言葉を聞いたエリスが呆けている中、フィーは真剣な表情になった。すると二人はそれぞれ黒い闘気を身に纏い始めた！

「馬鹿なっ！？あの黒き闘気は……！」

「”特別模擬戦”で戦ったランディ殿が纏っていたのと同じ闘気……！」

「という事はあの時のランディさんみたいにあの二人も滅茶苦茶強くなっているのか！？」

「……”本気”を出したゼノとレオの個人戦闘能力は”闘神の息子”程ではないけど、二人同時に相手にしなければならないから、脅威度は”闘神の息子”単体を超えている可能性大……！」

見覚えがある二人がさらけ出す黒き闘気をユーシスとラウラは驚き、表情を引き攣らせているマキアスの疑問にフィーは厳しい表情で答えた。

「―――ここからが本番という事ですわね。」

「うふふ、それじゃあレン達もそろそろ本気を出しましょうか？――――ハアッ！！」

「くふっ♪さっきは油断したけど、”本気”を出した”魔神”に”神格者”でもない”ただの人間”では”絶対に勝てない”事を思い知らせてやるよっ！！」

一方シャロンは表情を引き締め、レンは魔人化し、エヴリーヌは膨大な闘気や魔力を全身に纏い、仲間達と共にゼノとレオニダスとの戦闘を再開した！