北郷一刀と新たな英雄が紡ぐ外史 6話 |
一刀「洛陽の朝廷から使者が来た?」
及川「いけな用件じゃったんだ?」
俺と及川が過去の世界、有名武将が女の子という、歴史学者が来たらビックリな世界に飛ばされてから半年が経とうとしていた。相変らず俺は、文官不足なのが主な理由で書類仕事に追われる生活を送っている。慣れてきたとはいえ、毎日相当な数の陳情書・軍事関係・内政の書類を捌かないといけない……なのに主に処理するのが俺だけって、現代のブラック会社も真っ青な状況だよこれ!
そんな激務をこなす日々を送ってるさなか、12代皇帝の霊帝が崩御したという報が大陸を駆け巡った、霊帝は宮殿内で商人の真似事をしたり、張譲などの十常侍を重用したりと酒と女に溺れて朝政に関心を示さず、衰退していた漢王朝にある意味トドメを指した暗愚という人物評を聞いたぐらいしか知らないんだけどね。
とはいえ、この時代で皇帝が崩御したというのは大事件のはず……なのに崩御してまだ日数が経たない内に使者が来るという事は・・・何か厄介ごとを持ち込むつもりか?張角・張宝・張梁の三人が結成する黄巾党もまだ耳に入らないが、各地で反乱・盗賊が出没したりと油断は出来ないし……
翠「なんでも冀州・青州で黄巾党と呼ばれる農民・盗賊に身を落とした者達が漢王朝を打ち倒そうと蜂起したらしい、私たちも軍を率いて討伐をしろとの勅命だ」
及川「こげん辺鄙な土地から軍を出せと?ずいぶん無茶苦茶な勅命を出すもんじゃの」
おい、なんで今日はエセ関西弁じゃなくて薩摩弁なんだよ、前は津軽弁だったよな?気分で方言変えるとか……しないよな?俺も方言全部を把握してる訳じゃないんだから、急に振られても即対応無理だからな?
今日は薩摩弁や、 ( ̄ー ̄) ドヤッ!としてる表情がうざってぇーー!
香風「佑の言うとおり、ここから軍を出すにしても遠すぎる」
華侖「そこは中原にいる近隣の有力諸侯に勅命を出すもんだと思うんすけど」
鶸「中原でそれほど大規模で起きてるならこの涼州にも来るはずだよね?」
翠「その辺りは明命に調べてもらってる、国内にも黄巾党の姿が確認されたらそれを最優先に討伐してから冀州に向かう予定だ」
明命は身軽さが売りで、領内の様子や大陸各地の情報を調べてもらってる。猫が大好きすぎて任務を忘れ、猫を抱えて戻ってきた時は脱力感が半端なかったけどね
一刀「ところで、使者には返事したの?」
翠「いや、軍を大規模に動かす事になるから相談する時間はもらったよ、北郷はこの件どう対処する」
一刀「出来れば明命の報告を聞いてから返事をしたいと思ってはいるけれど、使者は誰がきたの?」
入って当初は君臣のけじめと思って敬語を使ってたんだけど、翠から畏まった話し方は好きじゃないから普段通りにしてくれと言われてからはタメ口で話すようになった。及川は最初から敬語を使ってなかったせいか、むしろなんで敬語使ってたのとか言われたよ。
翠「えーと……大将軍の……名前なんていったかな?馬の扱いが得意って言うのは覚えてるんだが……供の名前は確か子龍とかいったかな?」
蒲公英「大将軍が使者に来るってよっぽどだよね、でもお姉さま名前忘れてるし」
蒼「流石に名前忘れるのはどうかと思うよ?供の人の名前も字だしね」
シャオ「しょうがないよ、翠は脳みそまで筋肉で出来てるんだから」
翠「いま喧嘩売っただろ!買ってやるから表にでやがれ!」
シャオ「シャオはお淑やかな女性だから、そんな喧嘩とか野蛮な事はしないもんね〜!」
翠がいつもの如く小悪魔三姉妹からいじられてるのはいいとして、本来であればシャオのお淑やかな部分と仕官してきた日に大喧嘩したよね!って突っ込みを入れたいところなんだけど……字で子龍……か。
劉備から子龍は一身これ胆なり(子龍は度胸の塊の意味)と言われた将、つまり供の将は趙雲子龍の事か!演技や三國志、三国無双などでも主人公格として描かれる事が多く、絶大な人気を誇る趙子龍が供となると……使者は劉備……いや、馬が得意という話は聞いた事が無いから、そうなると、最初に仕えていた白馬長史の異名を持つ公孫讃か?
一刀「その使者の名前って公孫讃って人じゃない?」
翠「あ!そうそう、そんな名前だ!なんだ、大将軍が公孫讃だって知ってたのか?」
一刀「知らなかったよ、たまたま洛陽から来たって商人と話しをする機会があったからその時聞いたんだよ。その名前の武将と洛陽で話したんだってね。いま思えば大将軍と話したから嬉しそう語ってくれたんだな〜」
華侖「確かに、いきなり漢王朝の重鎮と会って話したとなったらそうなるのもわかる気がするっす」
香風「シャンは公孫讃が大将軍だと知ってた」
鶸「そういえば香風は宮殿内で仕えてたんだよね、どんな人物なの?」
鶸に公孫讃はどんな人物かと聞かれた香風は、なんと応えればいいかわからずに、眉間に皺を寄せてム〜〜〜〜と唸って一言ぽつりと
香風「影が薄いけどいい人」
うん、駄目だ、全然わからん。
というか、仮にも漢の大将軍の第一印象が影が薄いってどうなの?それでよく大将軍にまで出世できたな〜どんな人物かは直接会って確かめてみるしかないか。
一刀「使者が大将軍となれば返事を長引かせる訳にはいかない、ここは承諾するべきだ」
下手に軍を出すのを渋ったり、返事を長引かせたりして漢王朝に叛意有りと判断されたら朝敵になるからな、それだけは防がないと。香風が良い人って言うぐらいだから無いとは思うが、用心に越した事はない
翠「それじゃあ使者の方に受諾の旨を伝えてくる、みなはここで待機しててくれ」
そう言い残し、翠は公孫讃?・趙雲?に待ってもらっている部屋に向かった。
しかし、大将軍が公孫讃か〜時代背景的に何進、もしくは何進・十常侍の死後、都の混乱の隙を付いて実権を握った董卓かと思ったけど……まさかの幽州の北平を本拠地としてた公孫讃とはな。公孫讃が洛陽に居るとなると、兄弟分だった劉備はどこに居るんだろ?琢郡で雌伏の時を窺ってるのか……それとも……
翠「すまない、みな付いてきてくれ」
俺とは別に及川も独自で調査を進めてるから意見を聞こうと思ったその時に、扉をバン!と開いて使者の居る部屋に向かったはずの翠が戻ってきた
蒲公英「どうしたのお姉さま?使者の人はもう帰ったの?」
翠「いや、まだ居るんだが……お前たちに挨拶したいから連れて来て欲しいと頼まれてな、悪いがついてきてくれ」
君主だけじゃなく、俺達配下にも会って挨拶したいか……この状況で俺達を害してもあちらにはデメリットしかないから無いとは思うが
及川「かずぴー大丈夫ばい、なんとかなる」
一刀「及川……」
及川「かずぴー」
一刀「お前の事殴ってもいいか?」
及川「なんでやねん!」
お、大阪弁に戻ったか。なんで今日はこんなに色々な方言使ってくるんだよ。まぁ、こいつのお陰で肩の力が適度に抜けるから感謝はしてるんだけどな、直接言ったら調子に乗るから言わないが
翠「ただいま戻りました、後ろに控える将が私の配下の者になります」
???「おぉ、急に呼び出してすまなかったな、こちらの都合で急に軍を派遣させる事になったから一言礼を言いたくてな」
??「伯珪殿、礼の前に名乗りがまだですぞ」
公孫讃「そうだったな、名乗りが遅れたが、私は漢の大将軍・公孫讃だ。こちらに控えているのは私の護衛の趙子龍だ」
趙雲「ここで私にも振りますか、伯珪殿の護衛役を仰せつかった趙子龍と申す」
公孫讃「それよりも星、公の場で伯珪殿は辞めろと言っただろう」
趙雲「おや、そうでしたかな?最近物忘れが激しくて敵いませんな」
公孫讃「お前……絶対わざとだろ」
趙雲「心外ですな〜こんな忠誠心溢れてる私を疑いますか?」
公孫讃「いつも疑われる行為しかしてない癖に白々しい事を言うな」
趙雲「これは手厳しい、伯珪殿も言うようになりましたな」
どうやら予想通り、公孫讃と趙雲で合ってたみたいだが……漢の大将軍ってこんなのなの?俺達のいつもの風景を見てる感じなんだが……
どう見ても主従よりも友って感じだよな?謁見の場で大将軍がこんなやり取りしてもいいんだろうか?大将軍がこんな態度だと一部の身内が……
及川「わいの名前は及川佑や、よろしゅうな!」
シャオ「シャオは孫尚香だよ!よろしくね!」
ほら!この問題児二人が言葉使いとか気にせずに言い出すし!
蒲公英と蒼は流石に自重してくれたみたいだけど、早く謝らないと!
一刀「及川!シャオ!なんて言い方で挨拶してるんだ!申し訳ありません閣下、この者達がとんだ御無礼を……この者達に変わり謝罪を」
公孫讃「この程度気にするな。私は確かに役職は大将軍だが、そういう堅苦しいのと畏まったのは好きじゃないからな、出来れば自然体でいてくれ。それに今ので処罰してたら子龍の事も処罰しないといけなくなるからな」
シャオ「ほら〜公孫讃さんが良いと言ってるんだし、問題なーし!」
一刀「そういう事じゃなくてだな!」
公孫讃「私が不問にしてるんだ、そんな怒らんでやってくれ。それよりも、お前たちも自己紹介してくれるか?」
鶸「涼州連合が盟主・馬超の妹の馬休です、このたびはお会いする事ができ光栄です」
蒼「同じく馬超・馬休の妹の馬鉄でーす!」
蒲公英「馬超の従姉妹の馬岱でーす!」
華侖「曹仁子孝っす、よろしくおねがいします」
香風「白蓮久しぶり、シャンだよ」
公孫讃「あー!香風か!急に姿が見えなくなったから心配してたんだぞ!でも……元気そうでよかったよ」
香風「ごめんなさい。でも、旅に出るって星に伝えたはず」
公孫讃「せい〜〜〜〜〜!なんでそんな大事な事を私に伝えなかった!」
趙雲「伝えなかったとは心外ですな〜ちゃんと伝えましたぞ?心の中できちんと」
公孫讃「それのどこがきちんと伝えたんだ!お前やっぱり私の事馬鹿にしてるだろ!」
いい感じにいじられてるな〜。香風が言ってた通り、公孫讃さんはいい人みたいだな、姿が見なくなった香風の事をずっと心配してたんだもんな
……おっと、自己紹介俺で最後か
一刀「お初にお目にかかります、私は馬超様の軍師を勤めさせて頂いております、北郷一刀と申します。若輩の身なので今後ともご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い致します、公孫讃閣下、”趙雲殿”」
ふ〜なんとか噛まずに挨拶できたかな、公孫讃から畏まらなくてもいいと言われたけど、流石に”私”でなく”公”の場だし、初対面だからきちんとしないとな。それにしても……公孫讃と香風が俺の方見てるけど、なにかまずったかな?趙雲さんも目をキランとさせながらこっち見てるし
香風「お兄ちゃん、なんで星の名前知ってるの?」
公孫讃「それは私も気になった、私は趙子龍・星としか呼んでいない」
趙雲「私が大陸で名を轟かせる程有名であれば知っていても不思議は無いでしょう。しかし、自分で言うのもあれですが、まだ無名に近い私の名を知ってるのはいささか不自然でしてな、出来れば私の名を知ってた理由をお聞かせ願いたい」
しまったー!完全に墓穴掘った!
挨拶ばかりに気を取られすぎたか!未来の知識で知ってましたなんて正直に言うわけいかないからなんとか誤魔化さないと!
及川に目配せをすると、俺の意図を察してくれたようで香風達が余計な事を言わないように口裏を合わせるように動いてくれた、こういう時察して動いてくれる友はありがたいな
一刀「私と及川は西の羅馬から旅でこの大陸にやって参りました、羅馬とは違う文化を見て回ろうと大陸各地を旅している時に冀州の常山に立ち寄った時に趙雲殿の噂を聞いたのです」
趙雲「噂……ですかな?」
一刀「ある村人曰く、義に厚く猛勇果敢にして冷静沈着、槍を取れば大陸屈指の使い手の名が常山の昇り竜・趙雲子龍だと」
公孫讃「今の話しは本当なのか?私はその噂を聞いた事ないから判断できんのだが」
趙雲「常山の昇り竜は私の地元の者しか知らないはず。それを知ってるとなると、その者が言った事は本当でしょう」
ふ〜なんとか誤魔化せたか?ここで華侖辺りがポロっと俺達の境遇を言ってきたら終りだったが、封じてくれた及川に礼を言わないとな
翠「大陸を旅してたのか〜通りで色々知りな訳だ、でもなんでそれを今まで教えてくれなかったんだ?」
趙雲さんを納得させたと思ったら次は翠か!
まぁ……今まで出自とかを聞かずに雇ってくれたのが異常だったから、聞きたいのは普通だよね、むしろ今までよく聞かれなかったと思うぐらいだ
一刀「それがその……各地を旅してそろそろ羅馬に戻ろうと西平付近まで戻ってきたんだけど、旅の資金を入れてた財布をどこかで落としたみたいでして……子供みたいな失態を犯して西平付近で立ち往生してた!なんて恥ずかしくて言えませんよ。初対面の時は話す暇すらなかったですし」
翠は初対面時に何をしたかを思い出したみたいで、確かにそんな話を出来る雰囲気じゃなかったもんな〜と自己解決してくれたみたいだ
公孫讃「それはまた災難だったな……戻って落としたであろう場所にはいってみたのか?」
一刀「直前まで持ってたと思う場所は全部回ろうとした時に、三人だけでしたが盗賊に遭遇したところを曹仁・徐晃・周泰の三人に助けてもらっ
たんです。その後戻って探してはみたんですけど駄目でした」
翠「へー北郷はともかく、及川を狙うなんて自殺願望があるとしか思えないな」
曹仁「そうなんすよ〜わたし達は慌てて助太刀に行ったんすけど、余計なお世話みたいだったっす」
一刀「そんな事ないさ、華侖達のお陰で資金を失った俺達は無事に武威まで来れたし、こうして軍師として働けるんだ、三人には感謝してるんだよ、ありがとな……華侖、香風」
華侖「えへへ、かずとっちからお礼言われちゃったっす、なんかこそばゆいっすね」
香風「お兄ちゃん、ここには居ない明命にも後で言ってあげて、明命もきっと喜ぶから」
一刀「そうだな、明命が帰ってきたら労いと一緒に伝えてみるよ」
お礼代わりにならないと思うけど、感謝の念を込めつつ二人の頭を上下に優しく撫でる、二人は嫌がらずに受け入れてくれた。もうちょい早く感謝を伝えればよかったかな?今度から華侖や香風だけじゃなく、蒲公英、蒼、鶸にも素直に感謝の気持ちを伝えるか
公孫讃「馬超はいい仲間、姉妹に恵まれたんだな……羨ましいよ。ところで、及川と言ったか?馬超の口ぶりからかなりの実力者と推測できるんだが、そんなに強いのか?北郷は軍師だから戦えないと思うが、及川の実力が気になってな」
公孫讃さんの疑問はやっぱりこの大陸では共通認識みたいだな。女性優位のこの大陸で、男である及川がどれぐらい強いか武人として気になったのかな?
趙雲「伯珪殿は及川殿がどれほどの強さか検討つかないのですかな?私は大よそですが感じ取る事が出来ましたぞ」
公孫讃「私を星達みたいな達人と一緒にしないで欲しいんだが……どうだろ、うちの星と戦ってみないか?」
及川は俺と一緒に祖父の道場で鍛えてきたけど、闘気を抑えたりするの苦手だったからな〜もちろんある程度は抑えてるが、感じ取れる人にはやっぱりわかるもんだな
翠「私は特に止める理由が無いから何も言わないが、及川はどうする?趙雲とやらと手合わせしてみるか?」
及川「せやな〜わいも腕がどれぐらい通用するのか気になる事やし受けてたとうやないか!」
趙雲「面白い、どれほどの腕なのか見極めさせていただく」
趙雲さんも乗り気だし、あいつも結構好戦的だよな〜
そうこうしてる間に中庭に移動して、趙雲さんはすぐさま臨戦態勢に入る。趙雲さんの構えた槍は先端の刃が2枚に別れている独特の形をしていた、初めてみる槍だが、及川に渡したままの小豆長光だとリーチの差が激しいし……同じ槍の蜻蛉切を渡しておくか?
一刀「及川、武器はどうする?蜻蛉切を使うか?」
及川「わいはかずぴーみたいに刀・槍・弓となんでも武器特性があるわけやないしな、一番慣れとる刀で戦ってみるわ」
一刀「そうか……負けたら今後関西弁含む、方言禁止な」
及川「それやけは勘弁おくれやす!」
趙雲「呑気に会話とは随分舐めなれたもの……だな!」
及川「うぉ、はや!」
趙雲「ほぉ、今のを避けるか。これは思った以上に楽しめそうだ」
及川「こら〜本気でいかへんと瞬殺にされるで……気引き締めんと…」
今度は京都弁か、今日はこれで何種類目の方言だ?大阪弁キャラがブレまくってるじゃないか。
それよりも……いまの趙雲さんの全力攻撃ではないとは思うけど、かなり速く鋭かったな。趙雲さんの素早い連撃に目が行き勝ちだけど、あの回避力も目を張るものがなるな。
及川の繰り出す斬撃を槍であえて受け止めず、蝶のようにヒラヒラと舞うような回避行動を用いている。及川は趙雲さんの戦い方に翻弄されてるな〜まぁ、あんな戦い方をする相手なんて道場でも居なかったもんな。
及川SIDE
かー!こらしんどい!
馬超さんみたく、豪撃がメインの相手やったらなんぼでも対処法は練れるんやけど……趙雲さんみたく、速さと回避に重点を置きおった相手は苦手ちゅうか、わいとは相性があかんみたいや。
わいかてかずぴーの祖父ちゃんの道場で剣の腕を磨いてきた自負はあったんやけど……悔しいが確実にわいより格上やな
趙雲「どうされた及川殿、もう手詰まりですかな」
趙雲さんの言う通り、正直どないなふうに戦えばええか打開策が見つからんしな〜趙雲はんの攻撃はさほど重くはへんから、腕が痺れる心配はしなくてよさそやけど、問題はいつまで攻撃を捌ききれるかや
趙雲「打開策を検討中のようだな。本来であればすぐに倒しに行くところだが、今回は特別に待ってやろう、十分に考えを練るがよい」
おっしゃ!なんかわかれへんけど時間もろた!
その証拠に構えとった槍を地面に刺して腕を組んで待ってくれとる!
時間もらたのはええんやけど、実際どないするかー
今のわいの実力やと、どうあがいたところで勝てる見込みがな……
わいがいま繰り出せる最高速度の抜刀術で……それも初撃で決めなあかんな。
抜刀で相手の初撃を受け流し、二の太刀で仕留めるなんて甘い考えが通じる相手やないし……初撃できめたる!
及川SIDE END
趙雲「考えは決まったようだな」
一刀「あの姿勢、あの構えは……居合いか」
劣勢に立たされ、趙雲さんに打開策を考える時間をもらっていた及川が下した決断が日本に代々受け継がれてきた剣術・居合い(抜刀術)だった。
鶸「及川さんの構え見た事ありませんが、一刀さんは知ってるんですか?」
一刀「俺と及川が過ごしてきた地域に伝わる剣術だよ、どんなものかは説明するより見たほうがはやいかな」
趙雲さんも見た事ない構えを見て警戒してるのか、さっきまでのおちゃらけた態度は無くなり、一人の戦士として及川に対峙していた
あの構えはなんだ、奴の振るう武器、そしてその剣を振るう剣術も私は見た事が無い。あの構えをとってから攻撃がしてくる事が無くなったから、奴は私の攻撃を待ちうけているのだろう……そして私が奴の間合いに入れば……奴は繰り出せる最高の攻撃で出迎えてくれるに違いない
趙雲「面白い、私の攻撃とお前の攻撃……どちらが速いか勝負だ!」
趙雲さんは及川の企みを理解したうえで及川の間合いに一直線に向かっていき……彼女はフェイントなど無しで今まで見せてこなかった一撃を及
川に放ち、及川も自分の間合いに入ってきた趙雲さんに向けて
鞘から剣を抜き目にも留まらぬ速度で抜刀する!
及川「や〜初見の抜刀まで見破られたな〜」
趙雲「防げたのはたまたまだ、完全に見極められていたわけではないからな」
お互い持てる最速の攻撃を放ちあい……勝ったのは趙雲さんだった。
及川の放った居合いは趙雲さんも言うとおり、完全に見切る事は出来なかったのだが……小豆長光は趙雲さんの矛先が二つに別れた槍先の間で受け止められ、そのまま槍は及川の面前に向けられていた為に勝負ありだった
翠「でもやるじゃないか及川、正直あそこまでやれると思ってなかったぞ」
及川「馬超ちゃんに褒められて嬉しいねんけど、完全に太刀打ちできんと負けたからな〜」
翠「そういうな、見てる限りだと趙雲は私でも倒せるかどうかわからないからな」
趙雲「そうはどうでしょうな、ころっと私が負けるかもしれませぬぞ?」
翠「やれやれ、腹が読めない奴だ」
馬鹿正直な翠と、飄々といてる趙雲さんとじゃ相性が真逆だもんな、腹の読みあいじゃ絶対に勝てないだろう
公孫讃「及川の実力には恐れ入ったよ、星とあそこまでやり合える奴なんて中々居ないぞ?」
シャオ「そうだよ〜!及川の武凄かったもん、恥じることなんてないよ!」
傍目には終始押されていたように見えていたかもしれないが、及川は彼我の実力差を理解しながらも、一歩も引かずに戦い抜いた及川に賞賛の声が相次いだ。そんな及川を囲む翠やシャオを尻目に、趙雲さんが俺の傍に寄ってきた
趙雲「やれやれ、これではどっちが勝者だからわかりませんな」
一刀「趙雲さんか、趙雲さんの戦い方初めて見たから見入ってたよ。最後の抜刀も初見なのに良く止められたね」
趙雲「あれは抜刀という技なのですか、自分の間合いに入ったら迎撃してくるとは思っておりましたが、あそこまで高速だとは思ってもいなかったので内心焦りましたぞ」
香風「あれは星だから止められた、シャンだったらあれ止められてなかった」
鶸「私も槍の扱いには自信がありますが、あの技を初見で止めろと言われても無理ですよ」
華侖「ほへ〜趙雲って凄腕だったんすね〜!今度わたしとも戦ってほしいっす!」
趙雲「お誘いは嬉しいが、あいにく先ほどの戦いで疲れがな。また今度でよければお相手しましょう」
華侖「絶対すよ!約束したっすからね!」
蒲公英「でも本当に凄かったね、最後のばっとうだっけ?あの技って一刀さんが住んでた地域だとみんな使えるものなの?」
一刀「あれは及川の持つ刀と言う武器の扱いに長けてる達人にしか扱えない技だよ、鞘からの抜き出しだけなら誰でも出来るけど、及川みたく高速で行うとなるとかなりの修練が必要だよ」
蒼「そっか〜そう簡単には使えないのか〜使ってみたかったな〜」
俺と及川も祖父ちゃんに初めて見せてもらった時は興奮したもんな〜日本刀と抜刀は国・時代関係なく惹かれる物なのかな?
趙雲「ところで北郷殿は軍師と聞いたがまことか」
一刀「そうだよ、毎日書類仕事と内政に追われてるよ。鶸と蒲公英が手伝ってくれてるけどね」
趙雲「見たところ武官ばかりですから大変でしょうな。ところで……最後に武器を持ったのはいつですかな?」
一刀「………………………………………………いつだろ」
言われてみれば最後に鍛錬したのいつだ!?
来る日も来る日も書簡仕事に追われて最後いつだったか覚えてないぞ!?
この世界に来る前の…………前日に素振りしたのが最後で、この世界に来てからやってないような……
華侖「そういえば一刀っちが戦ってる姿見た事ないっすね〜」
香風「シャンも無い、戦うのは佑、内政は一刀の印象しかない」
趙雲「どうだろうか北郷殿、いま私と一戦してみぬか?」
ムリムリムリムリムリムリ!
こんな半年近く鍛錬してないんだから、それまでの遺産で剣を振るうしか出来ないから!
それに体力も落ちてるから、思い通りの剣術が出せないよ!
鶸「でも……一刀さんが怪我するところ見たくないし……」
蒲公英「モノは考えようだよ鶸ちゃん!普段もカッコいいけど、剣を振るう荒々しい一刀さんも見てみたくない!?」
蒼「おー!蒼も見てみたい!」
鶸「それは…………私も見てみたいかも」
蒲公英「じゃあ決まりだね!」
まずい、完全に逃げ道が塞がれてる!
俺達の騒ぎを耳にして、及川を囲っていた翠・公孫讃さん・シャオが戻ってきたのと、話しの内容から俺の現状を理解した及川がニヤニヤして……!
及川「かずぴーはわいより圧倒的に強いで〜!なんたって、わいを指導して育ててくれたのはかずぴーやからな!」
あ、これは詰んだ
その後……辞めるとは言えずに…………鈍った動きしか取れない俺は
趙雲さんにフルボッコされ……それを見ていた鶸達からのマジ顔でのため息と…………
翠や公孫讃からの憐れみの目が…………かなり心に突き刺さりました……
陳留・孫家本城
周喩「雪蓮、お前宛に手紙が届いたぞ」
孫策「ありがと冥琳〜私に手紙なんて誰からかしら?」
周喩「私はその名を聞いた事ないのだが、送り先は涼州の北郷一刀とかいう者だ」
孫策「あ〜彼か!見せて見せて!恋文だったりして!」
周喩「馬鹿な事を言うな、もしかしたら文句の手紙かもしれんぞ?」
周喩は孫尚香が孫策の手引きで自国を抜けて涼州に居る事を知っている。小蓮は子供扱いされるのが嫌いだが、駄々をこねたり勉強から逃げたりと、じゃじゃ馬で子供っぽい性格の持ち主なので、それに対しての文句の手紙だと予測した。
対する孫策は、周喩に監視されて政務を行っていた為に少しだるそうに返事するが、一刀から手紙が来たことで、どんな手紙が着たんだろ?とワクワクして手紙を開く……そこに書かれていた文は
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孫策さん……手紙を見てるかわかりませんが孫権さんと周喩さん………
このままですと孫策さんに会って、褒める前に精魂尽きてしまいます……
助けてください……
北郷一刀
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孫策「………………」
周喩「………………」
孫策「なんというかその……」
周喩「予想を超えてたな。文句なんて生易しい内容じゃない……たったこれだけの手紙からかなりの悲壮感が伝わってくる」
孫策「今度会ったら謝っておくのと……何かしてあげようかしら」
周喩「そうしてやれ……私も会ったら何かしてあげなければな」
孫策と周喩の二人は一刀の現状をこの手紙である程度察し、そっと目を抑え……会ったら優しくしてあげようと二人で頷きあった
前回の5話同様に、新しく洛陽(大将軍)の勢力は影が薄いハム・・・じゃなくて公孫讃こそ白蓮です!
配下に関しましては今回は護衛の星一人だけの描写となっていますが、他にも将軍・軍師は居ますので、そこそこ強いはず!
一刀が敬語口調なのは、大将軍である白蓮が居るから口調を直して喋ってます
香風・星・白蓮のやり取りに関しましては、香風は公式で都で仕えていたとあるので、現在都を手中にしている白蓮・星とは面識があり、交友があるという設定にしてみました。
次回から黄巾党編に入りますが、みんな気になる?覇王様が登場します!
前作と違って旅編が無いんでサクサクシナリオが進みそうです。前作より短くなるような気もします……
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朝廷からの使者? しかも大将軍自ら!? 模擬戦・及川VS○○ 11/21 後書きの前に入れるはずだった場面を入れ忘れたので追加しました! |
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へたれさん>君主である翠が脳筋、更に問題児多数抱えて一刀が保護者にあってますからねー本職軍師加入まで苦労は続きそうです(’(おぜぜ) marumoさん・GUN>一応主人公は一刀ですねw現在は配下武将の関係で、武は及川 智の一刀 という役割が完成しちゃってますが……後々改善はしていきますので!(おぜぜ) たっつーさん>今回は前作みたいに桃香の影に埋もれて・・・ってことはなく、後々かなり目立つと思いますので!(キャラ薄いのがデフォ?シリマセンナー)(おぜぜ) 聖龍さん・mokiti1976-2010>星のイジリ対象が白蓮なのはもはやデフォルトですからねw比較的出来る鶸と蒲公英に丸投げで鍛錬……後々死にますねw(おぜぜ) 睦月さん・未奈兎さん>完全に一刀ドンマイ……回になっちゃいましたねw(おぜぜ) アストラナガンXDさん>白蓮は原作でトップクラスの良い人ですからね!当然今回は白蓮結構出しますよ!(おぜぜ) 苦労人な一刀君楽に成れる日はくるのか(へたれ) 半年も鍛錬してないのはさすがに…でも、このメンバーじゃ内政を分担なんて無理そうですしね。(mokiti1976-2010) あれ?この小説の主人公及川だっけ?とりあえず一刀に挽回の機会を〜(GUN) 一刀の強い所見た〜い(marumo ) 一刀君かわいそうなw(未奈兎) 白蓮が星にいじられるのはいつも道理として、この内政無視大半メンバーで一刀がこれから鍛練も出来るのか?(聖龍) 一刀憐れ〜鍛錬怠るからだよw(睦月) 地位や身分等があるので一刀が下手に出るのは当然の対応でしょう。白蓮が良い人過ぎる。(アストラナガンXD) |
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