超機械神ガンダム戦記
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超機械神ガンダム戦記

 

 ((CE|コズミック・イラ))70に起きた『バレンタインの惨劇』をもってコーディネータ

 

ーの国家、プラントは同年同月18日に地球連合へと徹底抗戦を宣言した。

 

数で勝る地球連合の圧倒的勝利を多くのものが疑わなかった中、プラントはザフトという

 

軍事力内で開発された((MS|モビルスーツ))で拮抗した戦線を築いていた。

 

質のザフト、量の地球連合………それぞれが違う在り方での戦い方だった。

 

そんな戦争が続いて11ヶ月。

 

この物語は動き始める………―――――――――

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―――――――――PHASE−01 崩壊の序曲―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 中立国オーブ、宇宙領域住居コロニー、ヘリオポリス。

 

このコロニーで様々な思惑が交叉する。

 

その時、少年は一体何を想い、何を行うことが出来るのか。

 

「そろそろ、起きる時間か………」

 

彼は自室のベッドから身を起こし伸びをする。

 

パキポキと間接の鳴る音が静かな部屋に響く。

 

白く装飾も個人を特定するような物も置かれていない簡素な部屋。

 

ただ身体を休めるベッドと食料を保存する為の冷蔵庫、キッチンがある程度だがキッチン

 

も冷蔵庫もあまり使用された形跡は無い。

 

シンクすらも水を使った跡も残っていない。

 

「調子はどの程度かな?」

 

ぽつりと一人零したかと思えば、大きく地面が揺れる。

 

「始まったか………20%だが、さて、どう介入するべきか」

 

彼は立ち上がり、部屋とは別に個人で所有しているガレージへと足を運ぶ。

 

パチンと証明のスイッチを上げれば、ガレージの中に光が注がれていく。

 

ガレージの中には、まるで骨のような巨大なMSに似た何かが聳え立っていた。

 

「さぁ、デウスエクスマキナ。またお前の力を借りるぞ」

 

その言葉に答えるようにブゥンと駆動音がなると共に、頭蓋骨に酷似した頭部の双眸に暗

 

闇から覗き込むような怪しい光が灯る。

 

ガレージのシャッターが開かれ、機神が再び動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ヘリオポリスのコロニーでは今、ジンと呼ばれるプラントで作られたMSが複数機、空を

 

飛んでいた。

 

そのうちの一人、ミゲルが奇怪な物を発見する。

 

「なんだ?あの骸骨のような機体は!?」

 

ヘリオポリスに侵入した仲間からの情報ではG計画における機体は5機なはず。

 

しかも民間のガレージから出てきたというのだから驚きだ。

 

軍用施設で生産されたものでもなく、民間で製作されたにしては動作に緩慢な部分はなく

 

仄暗く輝く光は、確かに空を駆ける自分たちの乗るジンを見つめていた。

 

「くっ!アレは俺がやる!お前はアスランたちの援護を!」

 

マシンガンを両手で構え、空から掃射する。

 

ダダダダダダッと連続して銃口から弾丸が吐き出され、地面に着弾する跡から修正し正体

 

不明機へと照準を合わせる。

 

「愚図のナチュラルが生意気なんだよぉ!」

 

マシンガンの威力からか土埃が辺りに舞い上がり、視界を遮断する。

 

「っち!これじゃアレがどうなったかわからねぇじゃねえか!」

 

土煙をもうもうと上げる中、ヘリオポリス内にレベル8の避難命令の放送が流れてくる。

 

ズガンと打ち抜かれる音と共にジンのコクピット内にアラームが鳴り響く。

 

「馬鹿な!?右腕がやられた!?」

 

こっちが撃った後のはず、なのにこちらの機体を損傷させるだけのダメージを出す。

 

土煙で視界は塞がれ、見えるはずもなく距離もそれなりに離れていた。

 

「くそ!くそ!くそ!」

 

モニターで確認してもだらりと垂れ下がり力なく機体にくっついているだけの右腕。

 

本来なら駆動系が止められたときにショートなり熱暴走なりして爆発するはずなのに、そ

 

れを防ぐように精密な射撃をしたのか、それともただ運が良かっただけか。

 

操舵棍を操作しても反応は当然のようにない。

 

土煙が晴れ始めたがそれを突き抜けるようにあの機体が滑るように動き出していた。

 

「ホバー移動だと!?」

 

歩行するよりも軽快に、バーニアを噴かして空を駆けるよりも低燃費でコロニーの地表を

 

縦横に滑っていく。

 

「だ、だが!」

 

残った左腕のみでマシンガンを向けてばら撒いていく。

 

ミゲルはあんな状況で精密な射撃が出来るはずが無いと、運が良かっただけだと無理矢理

 

納得させ攻撃を続行した。

 

片腕の方が集弾性も命中精度も落ちてしまうが右腕が使えない今は仕方が無い。

 

ジンは今、空にいるのだ。

 

相手の挙動さえしっかりと見ていれば対応できるはず。

 

空を飛べないのだから、こちらが戦術的有利にいる事に違いは無い。

 

見失ってしまうまでは。

 

「ど、何処だ!?どこへいった!?」

 

建物の陰に隠れたと思えば突然の衝撃がミゲルの身体を襲った。

 

シートベルトに阻まれ強く前に出されたかと思えば、次は後ろに戻されヘルメットごとシ

 

ートに強打し意識は闇に沈んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 彼は機体に乗りながら肩部のバーニアを使い、ジンの背部スラスターをもぎ取っていた。

 

「無力化に成功みたいだな。中のパイロットも気絶しただけのようだし………とりあえず

 

捕虜にしておこう」

 

コックピット付近に掌を近づけ、何かをしたかと思えばハッチが開き中でグッタリとして

 

いるパイロットを引きずり出す。

 

何処から取り出したのか縄を手に縛り上げ、自身の機体のコクピットの中に放り込む。

 

「最後の一機は無事残っているようだな。挨拶はしておくか」

 

ホバーを吹かし無人となったジンを引っ掴んで運んでいく。

 

そこで見た光景は女性軍人が銃を放ち、民間人の少年たちを中立のコロニーで作成してい

 

た連合のMSから離している所だった。

 

「やれやれ何をやっているんだか………」

 

彼の機体を見てそれぞれに驚いたのだろう、言葉を隠すこともせず洩らしていた。

 

「また来た!?」

 

「何、今度はバケモノ?!」

 

「骸骨だ!?」

 

「な!?まさか6機目!?」

 

なにやら色々と言われているが、とりあえずコクピットを開き、先ほど捕獲した捕虜と共に

 

地面に降りる。

 

「それよりも何をしているんだ?どうやらそっちの彼女は軍人のようだが」

 

「マリュー=ラミアス大尉よ」

 

「訓練してる様でもないし………そうか、技術将校といった奴か」

 

「くわしいんですね」

 

銃を突きつけられながら彼は平然と会話をしていた。

 

「旧連邦の中佐をしていたからな。多少は知っている程度だ。それで、彼らは?」

 

並べさせられた少年たちに視線を移す。

 

「サイ=アーガイル」

 

「カズイ=バスカーク」

 

「トール=ケーニヒ」

 

「ミリアルド=ハウ」

 

銃を向けられ更に促がされて最後の少年が名乗る。

 

「キラ=ヤマト」

 

「貴方は?」

 

今度は銃を突きつけることはなく名前を尋ねられた。

 

「カズト、カズト=ホンゴウだ」

 

「残念ながら貴方たちをこのまま解散させるわけに行かなくなりました。しかるべき場所、

 

しかるべき処置が済むまで私と同行してもらいます」

 

厳かにそう宣言する。

 

「そんな!?俺たちは一般人です!中立です!民間人なんです!軍とかそんなの関係ない」

 

サイがそう叫んで非難するが、カズトの言葉で遮られる。

 

「そうだな。一般人で民間人、そしてここは中立国。だからこそ情報漏洩を防ぐ為の処置が

 

要る訳だ。特にトール君とカズイ君だったな?」

 

「え?俺達が?」

 

「なんで!?」

 

「俺が見たところコクピットを覗き込んでいたな?機密を見ちゃったわけだ。場合によっ

 

ては物理的な口止めもあるんだが………どっちを選ぶ?」

 

首を切るジェスチャーをいれ、酷くわかりやすく死ぬか従うかを迫る。

 

「そんな卑怯だ!?」

 

キラが叫ぶがそんな非難を柳に風と受け流す。

 

「いや、別に構わんよ?ここで逃げようと試みても、ただ死ぬ可能性の方が高いだろうがね」

 

マリューから銃を突きつけられているこの状況、そして後ろにはもう一台のMSがまだ目

 

を光らせている。

 

「非常時ゆえ見ちまったものはしょうがないとするが、それでハイサヨウナラって訳には

 

行かないんだよ。少なくとも見たもの聞いたものを他言しませんって誓約書に残してその

 

上で監視がつくくらいは我慢してもらうことになるがね」

 

「な!?」

 

「一つ言っておくが、国を危機に貶める行為ってのは一族郎党死刑になるってのも法でし

 

っかりと書かれて措置されているからな?これを見過ごすってのも同じ行為になるんだよ、

 

間接直接関らず」

 

「なんでそんなことに………」

 

「中立だ、無関係だと騒いだところで、ここに軍の重要機密があり、そしてそれを君達は見

 

てしまった。それが今の君達の現実よ」

 

「その上で付け加えるなら、警報がもうすぐレベル9、何もしなけりゃ死ぬのもまた現実だ

 

が、生き残る為に足掻いてみないかな?少なくともこいつを動かした子がいるんだろう?」

 

その言葉にキラが弾かれたように反発する。

 

「またボクに戦えって言うんですか!?」

 

「戦えと命令する気は無いさ。だが経験した事があるから言わせて貰おうか………『力があ

 

るのにそれを使わず後悔する』、これを聞いてもウジウジするならほっとくさ。そうだな戦

 

わないことで誰が死のうが君には関係のない事だものな?」

 

にっこりと笑顔で肩に手を置かれ、その目だけが笑っていないことに気がつく。

 

守るつもりなら力を振るえ、死なせるも生き延びるも君の決断次第だと。

 

カズトの目は語っていた。

 

「とりあえず、問答している余裕はそれほどないだろ。バッテリーも切れているようだしど

 

うするつもりだ?」

 

「えぇそうですね―――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 トール、カズイ、サイの三人がストライクの予備パーツを積んでいる筈の五番とかかれた

 

トレーラーを探しに行っていた。

 

その間、カズトは捕虜としたミゲルを叩き起こしていた。

 

「う、ぐぅ………」

 

呻きながら目を開ければ地面に寝かされて、髪を掴み、顔を上げさせられた。

 

「ぐあ!?」

 

置きぬけの思わぬ痛みに悲鳴を上げる。

 

「お前さんは今俺に捕えられて捕虜の身だ。しばらくは我慢してもらうぞ」

 

「くそ!!」

 

そんなことをしているうちに三人がトレーラーに乗り戻ってきた。

 

「ありがとう。それじゃキラ君、ストライカーパックをつけてもう一度通信をしてもらえる

 

かしら?」

 

キラが再びストライクに搭乗し、コンソールパネルを操作してウェポンパックをつけよう

 

とするがそこで質問がマリューへと飛んでいた。

 

そんな光景を見ながら、カズトはミゲルへと質問していた。

 

「お前さんだとアレだしな、名前教えてもらえないか?」

 

「なんでナチュラルなんかに教えなくちゃならない!」

 

やれやれと肩をすくめてあきれたフリをする。

 

「ナチュラルじゃないと言ったら?教えてもらえるのかな」

 

「貴様!ふざけているのか!?」

 

「ふざけてやいないさ。条約に従っての捕虜引渡しをするなら名前は必要だろう?」

 

「ふん!捕虜引渡しなどといって………ナチュラルなど信用できるか!一体何と戦ってい

 

ると思っているのだ!」

 

噛み付かん勢いでカズトに向かって吠え立てる。

 

吠え立てられ少し思案してから再びカズトは口を開く。

 

「あぁ、ザフトとは一度そこのことで聞いてみたい事があったな。一体何と戦っていればこ

 

の戦争は終わるんだ?ナチュラルとコーディネーター?所詮はヒトに過ぎんだろ………そ

 

れともどちらかの人種が絶滅するまで?それこそどれだけの血が流れると、どれだけ国力

 

を落としきると思っているのやら………コーディネーターのみではいずれ滅びる運命だろ

 

うに」

 

「何故滅びると―――――――――」

 

「コーディネーターの出生率」

 

「ぐっ………」

 

たったの一言で言葉に詰まる。

 

それほどにコーディネーターという物は脆い人種なのだ。

 

出生率は代を重ねるごとに低くなっていく。

 

中立国のようにお互いがお互いを強く嫌悪していない国オーブや親プラント国ではまだ養

 

子縁組が出来る、がこの戦争が続き仮にプラントが勝利を収めたとしてどうなるというの

 

か………先ほどのカズトの言葉が表していた。

 

それだけのことを理解しているが為にただの一言で返せなくなってしまったのだ。

 

「そしてナチュラルが勝利を収めたとしても同じことの繰り返しになるだけだろうな」

 

「何を根拠にそんなことがいえるのだ!」

 

「コーディネーターが生まれた理由と食糧難の問題からだな」

 

まるで教師が生徒に間違った知識を正しい知識に置き換える授業をするように教え込んで

 

いく。

 

「まったくもって呆れた軍隊だと思うぞ。ザフトというものは………倒すべき敵をしっか

 

りと見極めもせず戦争をしようとは………うん、改めて呆れるな」

 

腕を組み、目を瞑り、ただ呆れるように息を、言葉を吐き出す。

 

「倒すべき敵、だと?」

 

ミゲルがそんな疑問を口にした時、カズトは空を見上げる。

 

「っち!」

 

何かを感じたのか、ミゲルを彼の機体の中に放り込む。

 

 

 

 

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 ヘリオポリス内に進入したラウ・ル・クルーゼは奪取に失敗した五機目と共に六機目の

 

異様な存在を目にする。

 

「ミゲル機と、あの破壊された機体はオロール機か………あの六機目、報告はされていなか

 

ったか」

 

鉱山部付近の爆発と共に特殊な形状をした戦艦が飛び立つのが見える。

 

「アレは………破壊できるとは思ってはいなかったが、無傷とはな」

 

艦橋に向けマシンガンを放つが面舵を切られ回避される。

 

艦首を逸らした隙に奪取に失敗したMSの破壊へと向かう。

 

五機目のG、ストライクの色が変化したのを見て、こちらの兵器が通用するのかを確認する

 

必要があった。

 

「フェイズシフト装甲………これならばどうだ?」

 

マガジンを入れ替え、ストライクと六機目へと乱射する。

 

正確には六機目へのというよりも、ミゲル機の破壊が目的だったのだが………そこで目を

 

疑うような離れ業を見た。

 

ストライクに放った地面とは違う跡が、より正確に言うなら、地面に弾頭が転がった。

 

肩の部分にあるガトリング砲から煙が出ているのを確認したのだからこそ予測は出来る。

 

予測は出来るが、一体誰が実行できるというのか。

 

「あの機体!?正真正銘のバケモノか!?」

 

銃弾に銃弾を当てて相殺したなど一体誰が信じるのか。

 

「そしてフェイズシフト装甲………強化APSV弾でも効果は無し、か。厄介なものだ」

 

シグーのコクピット内でアラートが鳴る。

 

「ミサイル!?コロニー内でか!」

 

四発撃たれたミサイルのうち一つをマシンガンで撃ち落し、他一発をコロニーのシャフト

 

を壁として回避し、後の二発は回避した際にシャフトへとぶつかった。

 

更に追って来ていたムウ・ラ・フラガのメビウスゼロが追いつき、戦闘が続行される。

 

「む!?」

 

ストライクの新たに付けられていた緑の銃口がこちらに向いたのを見てとっさに回避行動

 

に移れば、次の瞬間には高出力のビームが放たれ右腕を巻き込んでいった。

 

そしてそのビームは威力を衰退させず、コロニーの地表に当たり外壁ごと丸く大穴を開け

 

た。

 

「MSにこれほどの威力を持たせるとは………」

 

武器を失い、戦艦とメビウスゼロ、更には新型のGを相手取るには戦力不足と即判断し、あ

 

けられた穴からヴェサリウスへと撤退する。

 

 

 

 

 

 

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あとがき

書き上げるモチベーションが上がらないため、『女神異聞録〜恋姫伝〜』ちまちま書いてお

りますが………完全に書きあがり次第再び投稿しようと思いますのでお待ちください。

しばらくは気まぐれに書く色んな世界に行っている一刀君をお楽しみください。

一応、異聞録クリア後を想定しております。

尚この作品では、こーでぃねーたー(笑)な状態になります………頭いいのに二の策三の策

考えてないとか、MSの強化やバリエーション少ないとか、次世代量産機はどこいったん?

と。

アニメ見ていて突っ込みどころ多すぎw

 

説明
そういや転生もので自前MS持っていくとかあんまり見ないよな、と思って書いてみた
SEED世界に突っ込みしに行った主人公
どんな結末を迎える事になるのか
作者はきちんと次の話を書き上げる事が出来るのか
しばらくは不定期更新となります
チートじみた能力気にしない、強くてニューゲームでもOKってなかたどうぞ
キャラへのアンチのような表現はあるかもしれません
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強くてニューゲーム 不定期更新 アンチ? チート? ガンダムSEED 

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