英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜ジュライロッジ〜
「ええっ!?」
「それじゃあオズボーン宰相はゼムリア大陸どころか異世界も支配して身分制度を廃止するつもりだったのですか!?」
ユーシスの話を聞いたアリサとセレーネはそれぞれ驚き
「……ありえません。そのような事、絶対に不可能です。」
「……ゼムリア大陸はともかく神々が現存し、”魔神”や”神格者”等世界中に多くの超越者や人間と比べると遥かに様々な能力が高い多くの異種族達がいるディル・リフィーナ全土を支配する等、妄言の類としか思えないな。」
「まさに”夢物語”ね。」
「そのような無謀な事、”結社”でも実行しないぞ。」
「もはや呆れを通り越して感心に値しますね。」
エリゼとパント、セリーヌ、レーヴェとリアンヌはそれぞれ呆れた表情で呟いた。
「フッ、オズボーン宰相閣下のお考えこそが腐敗した貴族達によって衰えていくエレボニアを繁栄に導き、年々落ち気味になっていたエレボニア皇家の権威を取り戻せる。エレボニア皇家に仕えし帝国貴族として……そして祖国を愛する民の一人として、私はオズボーン宰相閣下に忠誠を誓った。」
「!!………兄上……」
「ちょ、ちょっと待ってください!それだとおかしくありませんか!?今の話を信じるのならばもしオズボーン宰相閣下の目的が達成できれば、ルーファスさんの実家―――”アルバレア公爵家”も取り潰されてルーファスさんも”平民”になるんですよ!?なのにどうしてオズボーン宰相閣下に……」
ルーファスの答えを聞いたユーシスは目を見開いた後辛そうな表情で肩を落とし、マキアスは信じられない表情で尋ねた。
「私は真に祖国を想う帝国貴族として、貴族こそがエレボニア皇家にとって邪魔な存在でエレボニアを衰退させる害悪で、排除すべきだと思っている。現に”四大名門”を始めとした多くの帝国貴族達は不敬にもユーゲント皇帝陛下を始めとしたエレボニア皇家に弓を引き、内戦を引き起こした。」
「その内戦を引き起こした貴族連合の”総参謀”を務めていたくせに、よくそんな事が言えるよね〜。」
「あれは内戦後の正規軍、領邦軍の被害を最小限に抑える為にカイエン公の信頼を得て、”総参謀”を務めていたのだ。―――”激動の時代”に備えてね。最もメンフィルの予想外の介入の速さによって、もはや不可能となってしまったがね。まさか父の独断とはいえ辺境を襲撃しただけであんな短期間で戦争に踏み切るとは、計算外だった。プリネ姫達の留学やメンフィルの皇族達の一部がオリヴァルト殿下と親しい件を考えると、もう少し猶予はあると思ったのだがね。」
「………………」
「ひ、酷い……!」
「それがルーファス卿の”本音”なのですね……!」
「やはり貴方はメンフィルに裁かれて当然の存在でしたね……」
ミリアムの疑問に対して答えたルーファスの話を聞いたエリスは複雑そうな表情をし、アリサやセレーネ、エリゼは怒りの表情でルーファスを見つめ
「兄上………」
「だったらどうして誘拐したエリスをすぐに解放してメンフィルに返還しなかったのですか!?メンフィルがエレボニアとの戦争を決めるまでにエレボニアに対して最も求めていた事はエリスの返還です!すぐにエリスを解放して俺達シュバルツァー家の元に――――メンフィルに返還すれば、メンフィルもエレボニアとの戦争を考え直してくれたかもしれなかったのに、どうしてそれをしなかったのですか!?」
「リィン…………」
ユーシスは辛そうな表情をし、怒りの表情でルーファスに問いかけるリィンをガイウスは静かな表情で見つめていた。
「君達には申し訳ないと思ったが、エリス嬢を返還した所でメンフィルの怒りが収まるとはとても思えなくてね。彼女をこちらで”保護”している限り、メンフィルも早まった事はしないと思っていたのだよ。その証拠に彼女には陛下達同様最高級の待遇で過ごしてもらった。」
「家族と離れ離れにして、軟禁している時点で最高級の待遇じゃないよ……!」
「ふざけないで下さい!兄様達と離れ離れにされた日々は私にとって最悪の日々でした!」
ルーファスの話を聞いたエリオットは不安そうな表情で反論し、エリスは怒りの表情で反論し
「やれやれ……まさかここまで愚かだったとはな。」
「―――ルーファス・アルバレア。もし内戦終結までメンフィルがエレボニアとの戦争を踏み切らなかった際はユミル襲撃やエリス嬢誘拐など貴族連合が犯した数々の愚行によって燃え上がったメンフィルの怒りの焔をどのようにして収めるつもりだったのだ?」
レーヴェは呆れた表情をし、パントは厳しい表情でルーファスを見つめて問いかけた。
「当然猟兵達にユミル襲撃を指示した父の身柄をメンフィルに引き渡す事もそうだがエリス嬢誘拐を指示した”蒼の深淵”やカイエン公、誘拐を実行した”黒兎(ブラックラビット)”の身柄もメンフィルに引き渡し、アルバレア公爵家が納めているクロイツェン州のおよそ半分の領地の統治権をメンフィルに贈与する事で収めるつもりだった。勿論”被害者”であるエリス嬢自身やシュバルツァー卿達に対しても賠償や謝罪をするつもりだったし、後はアルフィン殿下とリィン君を婚約を提案し、二人が将来結ばれる事も和解の理由にするつもりだった。特に最も迷惑をかけた被害者であるエリス嬢に対しては公爵家ができる最大限の賠償としてバリアハートのアルバレア公爵家が所有していた城館の所有権を贈与するつもりだった。無論城館を管理する使用人達の給与はアルバレア公爵家が支払うという形でな。」
パントの問いかけに対し、ルーファスはリィン達にとって驚愕の事実を口にした!
「……ッ!」
「という事はアンタは最初からヴィータ達を切り捨てて、メンフィルへの”生贄”にするつもりだったのね……」
「それに実の父親であるアルバレア公も見捨てるつもりだったのですか……」
「愚かな…………リウイ陛下達はそのような甘い償いで怒りの矛先を収める程甘くはありませんよ。」
(どの道わたしはメンフィルによって殺されていたのですね……)
(アルティナさん…………)
(幾ら戦争を阻止する為とは言え、こんな幼い娘まで巻き込むのは間違っているわ……!)
ルーファスの口から語られた驚愕の事実を聞いたユーシスは唇を噛みしめ、セリーヌは目を細めてルーファスを睨み、セレーネはユーシスに視線を向けた後真剣な表情でルーファスを見つめ、リアンヌは呆れた表情をし、複雑そうな表情をしているアルティナの念話を聞いたメサイアは心配そうな表情をし、エーデルは怒りの表情をし
「!!」
「ええっ!?ど、どうしてメンフィルとの和解の為にリィンとアルフィン殿下を結婚させる事まで考えていたのですか!?」
一方リィンは目を見開き、エリオットは驚きの表情で尋ねた。
「”夏至祭”の件を考えるとメンフィルは次期メンフィル皇帝たるリフィア皇女殿下の専属侍女長であるエリゼ嬢を眷顧している事はわかっていた。そしてエリゼ嬢は兄君であるリィン君ととても親しい仲だ。そのリィン君にリフィア皇女殿下にメンフィルの怒りを収めてくれるようにとりなしてくれとエリゼ嬢に頼むように嘆願すれば、メンフィルとの和解は可能だ。アルフィン皇女殿下はエリス嬢の件と父の暴走によるユミル襲撃の件に対するリィン君への賠償であると同時にメンフィルに対する”詫び”の意味もある。アルフィン皇女殿下は君達も知っての通り皇位継承権をお持ちだ。エレボニアの皇位継承権を持つ者を手に入れる事はメンフィルにとっても”利”にはなるだろうし、メンフィルが眷顧しているエリゼ嬢の家柄の”箔”も上げる事もできるしね。それにリィン君は自身が”尊き血”を引いていない事を随分と気にしていたようだからね。エレボニアが用意できる最高の”尊き血”を引いておられる皇女殿下を娶れば、彼も自身に流れている血の事を気にしなくなるだろうし、今まで自分を育ててくれたシュバルツァー卿達への恩返しにもなるだろうしね。」
「………………!」
「そ、それって……!」
「メンフィルがエレボニアに要求した”戦争回避条約の救済条約”に秘められているメンフィルの目的とほとんど同じじゃないか!?」
「なるほどね〜。確かにそれなら可能性はあったかもしれないね〜。」
ルーファスの口から語られた驚愕の事実を聞いたエリゼは膨大な殺気を纏ってルーファスを睨み、セレーネとマキアスは信じられない表情をし、ミリアムは真剣な表情でルーファスを見つめ
「……ッ!ルーファス卿!幾ら戦争を阻止する為とは言え、内戦の時のように姫様を再び利用する事に不敬だと思わなかったのですか……!?それに姫様のお気持ちを完全に無視しているではありませんか……!」
エリスは怒りの表情でルーファスを見つめて問いかけた。
「フフ、利用とは人聞きの悪い。アルフィン皇女殿下は”夏至祭”の件を切っ掛けにリィン君に好意をお持ちになられているのだから、私はアルフィン皇女殿下の幸せを願う者として……アルフィン皇女殿下を利用した償いとして……そしてアルフィン皇女殿下の幸せの為にもリィン君と殿下のご結婚を提案するつもりだったのだよ?」
「例え内戦が終結するまでにメンフィルとの戦争が勃発しなくてもアルフィン皇女はリィンへの気持ちを利用されていたようね……―――しかも祖国の信頼していた家臣達に。」
「ひ、酷い………!」
「兄上!幾らアルフィン殿下がリィンに好意を持っているからと言って、メンフィルとの戦争勃発に関わっていた兄上がそのような傲岸不遜な事を提案する資格はありません!」
「……それ以前にエリゼにリフィア殿下へのとりなしを頼むリィンがルーファスさんの嘆願を断るという可能性は考えなかったのですか?」
ルーファスの答えを聞いたセリーヌは重々しい様子を纏って呟いた後目を細め、アリサとユーシスは怒りの表情でルーファスを見つめ、ガイウスは心配そうな表情でリィンに視線を向けた後真剣な表情でルーファスに尋ねた。
「その点に関しては心配していなかった。”内戦後に拘束されるクロウ君の為”にも彼は断らなかっただろうしね。」
「な、”内戦後に拘束されるクロウの為”って……!」
「まさか……クロウの罪の軽減等を盾にして、俺にエリゼへの説得を頼むつもりだったのですか!?」
予想外の話を聞いたエリオットは信じられない表情をし、リィンは厳しい表情で問いかけた。
「……さすがに無罪放免は無理だが、リィン君が望む可能な限りの希望に応えるつもりだった。―――例えばクロウ君が卒業するまでの間だけは彼をトールズ士官学院に通わせる事なら可能だ。」
「―――なるほど。メンフィルとの戦争を回避する為ならばユーゲント皇帝を始めとしたエレボニア皇族達もそうだが、帝国政府もエレボニア帝国全土でテロ活動を行っていたテロリストのリーダーをそのような常識的に考えてありえない甘い処遇にする事にも同意しただろうな。」
「そ、それは………」
「オレ達が目指した”かけがえのない毎日”を取り戻す事……その中には当然クロウがいる事も入っているな……」
「兄様……」
ルーファスの話を聞いたパントは真剣な表情で推測し、マキアスとガイウスは複雑そうな表情をし、エリスは心配そうな表情でリィンを見つめ
「貴方という人は……!」
「どこまでリィンを利用すれば気がすむのよ!?」
「貴方といい、オズボーン宰相といい、お兄様を何だと思っているのですか……!」
「さすがはオジサンがボク達の”筆頭”にしただけあって、オジサン並みにえげつない事を考えていたんだね〜。」
「兄上…………」
エリゼとアリサ、セレーネは怒りの表情でルーファスを睨み、ミリアムは疲れた表情でルーファスを見つめ、ユーシスは辛そうな表情で肩を落とした。
「…………貴方が”鉄血宰相”に加担し、メンフィルとの外交問題を放置していた理由はわかりました。―――ではなぜ貴方はヨアヒム・ギュンターに加担しているのですか?彼の計画が成就すればエレボニアは破滅の道を歩む事になるのですよ。エレボニアの未来を案じるのならばヨアヒム・ギュンターは貴方にとっても討つべき存在ですよ。」
するとその時厳しい表情で黙って見守っていたリアンヌがルーファスを見つめて静かな表情で問いかけた。
本編では明かされませんがこっちのルートではルーファスがメンフィルとの外交問題について放置していた理由が明かされました。まあ、ルーファスの屑っぷりにある意味驚いたかもしれないと同時にやはりルーファスはメンフィルに処刑されて当然の存在だと思われたと思いますww
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第115話 | ||
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コメント | ||
完全ROM専様 さすがあのキャラと比べるのは失礼ですよw(sorano) ルーファス=CV:平川さん=伊藤誠・・・、止めよう、平川さんとルーファスに失礼だ。 参謀なんだから、むしろここまで考えているのが普通だと思いますね(まぁ、許せるか許せないかだと、許せませんが・・・)(完全ROM専) |
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