英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜ジュライロッジ〜
「フッ…………………私は別にあの司祭の軍門に降った訳ではない。私の目的の為にあの司祭に従ったふりをしているだけの事。」
「え…………」
「も、”目的”……?」
「既に死んだ状況で、一体何を目的としているのだい?」
リアンヌの問いかけに答えたルーファスの話を聞いたエリスとアリサは呆け、パントは真剣な表情で尋ねた。
「私を含めた多くの者達の運命を弄んだ忌々しき”零の御子”への復讐――――それが私の目的だ。」
「ぜ、”零の御子”って確か……!?」
「……”クロイス家”が”幻の至宝”の代わりに生み出したホムンクルス―――――”零の至宝”ね。」
「何故キーアさんに復讐をするのですか!?確か話によるとキーアさんはまだ10歳くらいの子供だとの事ではありませんか!」
驚愕の事実を知ったマキアスは信じられない表情をし、セリーヌは目を細め、リィンは真剣な表情で尋ねた。
「”何故”……だと?―――逆に聞くが君達はクロスベル―――いや、自分と親しい者達を守りたいという理由の為だけに私を含めた多くの貴族連合に所属していた者達の命を本来のゼムリアの歴史では存在しなかった異世界の大国――――メンフィルによって奪われる因果へと操作し、挙句の果てにはメンフィルとクロスベルによってエレボニアの領地を削り取られ、エレボニアを衰退の道へと歩ませるように仕向けた愚か者を何とも思っていないのか?」
「そ、それは………」
「まあ〜、”本来の運命”では殺されなかったはずの君達にとっては腹の立つ話だろうね〜。」
「兄上……」
「という事はルーファスさんはキーアさんに復讐する為にヨアヒムに協力していたのか……」
静かな怒りを纏っているルーファスの話を聞いたマキアスは複雑そうな表情をし、ミリアムは疲れた表情で呟き、ユーシスは辛そうな表情でルーファスを見つめ、ガイウスは真剣な表情でルーファスを見つめ
「―――お前も奴等同様”本来の運命”では”英雄王”はゼムリア大陸には存在せず、この内戦では殺されなかっただろうから、”零の至宝”に復讐をする為に加担しているのか?」
「クク……見損なうなよ?この俺がそんな下らない理由であんなガキ相手に怒ると思っているのか?むしろあんな”アツい”戦いをした”英雄王”とやり合わせた事に感謝しているくらいだぜ?」
レーヴェに視線を向けられたマクバーンは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「リィン君、君も私達同様”零の御子”の所業を許せないと思わないのかい?彼女の因果操作がなければ、シュバルツァー家は帝国貴族のままで、クロウ君との”約束”を守れたのだよ?」
「………………」
「エリゼ嬢、君もだ。君も”本来の運命”ならばリフィア皇女の専属侍女長という重荷を背負い、リフィア皇女の行動に翻弄される事なく、貴族の子女として平穏に暮らしていけたのだよ?ましてや多くの兵士達の―――人の命を奪うという事をする必要も無かったのだよ?」
「………………」
「お兄様……」
「姉様……」
ルーファスの問いかけに対して、それぞれ目を伏せて黙り込んでいるリィンとエリゼをセレーネとエリスは心配そうな表情で見つめていた。
「―――言いたい事はそれだけですか。」
「何……?」
そして目を見開いたリィンの言葉を聞いたルーファスは眉を顰め
「世界中の多くの人々の運命を改変したキーアさんの真意はどうあれ……その改変によって救われた人々もいますし、本来出会えるはずの無かった人々との”絆”を結んだ人々もいます。俺もその一人。本来出会う事がなかったベルフェゴール達やセレーネとの出会い、そしてリウイ陛下を始めとしたメンフィルの人々との”絆”を結んだ事は俺にとっても大切な出来事です。」
「―――当然私もリフィア殿下の専属侍女長という大任を務める事になった事は”誇り”に思っています。確かにリフィア殿下の破天荒な行動には苦労はさせられますが、リフィア殿下の専属侍女長になった事を後悔した事は一度もありませんし、戦いの最中で多くの敵―――”人”を殺した事も後悔していません。」
「お兄様……」
(うふふ、こんな時でもさりげなく私達の好感度を上げたわね♪)
(ふふふ、さすがはご主人様ですね。)
(というか”本来の運命”以上に”女殺し”になっているのではないでしょうか。)
(ア、アハハ……た、確かにそれは言えてますわね。)
(”本来の運命”だと、リィン君はどのくらいの数の女の子達に想いを寄せられていたのでしょうね?)
(フフ、私も貴方同様貴方に出会えてよかったと思っているわよ、リィン……)
エリゼと共に答えたリィンの答えを聞いたセレーネは嬉しそうな表情をし、ベルフェゴールとリザイラがリィンに感心している中、ジト目で呟いたアルティナの念話を聞いたメサイアとエーデルはそれぞれ苦笑し、アイドスは微笑ましそうにリィンを見守っていた。
「ですが確かにルーファスさんの言う通り、キーアさんの因果操作によって本来失われる事がなかった多くの命が失われる事になり、クロウやルーファスさんを含めた多くの人々の人生が狂わされました。だけどそれは決してキーアさんだけのせいではありません。そのような事になってしまった原因を作ったルーファスさん達も責任の一端を背負っている……―――違いますか!?」
「貴族連合の”総参謀”であった事で貴族連合内ではカイエン公に次ぐ権力を持っていた貴方ならばカイエン公達に内密でメンフィルがエレボニアとの戦争を踏み切るまでの間に求めていたエリス返還を含めた要求の実行をできたはずです。―――エレボニアが衰退し、貴族連合軍から多くの犠牲者を出してしまった事で責められるべき人物は自らの野望の為に先程挙げた事を実行しなかったルーファス卿―――いえ、ルーファス・アルバレア。貴方もカイエン公やオズボーン宰相同様その一人であり、エレボニアを混迷と衰退の道へと導いた”逆賊”です!」
「…………ッ……!」
「クク、中々的をついた事を言ってくれるじゃねぇか。」
リィンとエリゼの正論に反論できないルーファスは表情を歪め、マクバーンは不敵な笑みを浮かべてリィンを見つめた。
「―――二人の言う通りです、兄上。エレボニアの衰退もメンフィルとの戦争によって出てしまった多くの犠牲者達や兄上がメンフィルに処刑された事も、元をたどればメンフィル帝国から猶予を貰っていた上その実行が可能な立場でいたにも関わらずメンフィルの要求を呑まなかった兄上も責任の一端を担っています。兄上が言っている事はただの責任転嫁です。」
「ユーシス…………」
静かな表情で自分を見つめて指摘したユーシスをルーファスは驚きの表情で見つめて黙り込んだ後騎士剣を構え、それを見たリィン達はそれぞれ血相を変えて武器を構えた。
「問答は終わりだ……――――ユーシス。私の信念を否定するのならばそれを超える信念を私に示してみるがいい……!」
「はい……!―――来るがいい、アルバレア号!!」
「私も手伝うわ、リィン君!」
ルーファスの言葉に頷いたユーシスはアルバレア号を召喚し、自分から出てきたエーデルやリィン達と共にルーファスと対峙し
「……”鋼の聖女”。」
「わかっています。―――貴方の相手は私と”剣帝”です、”劫炎”のマクバーン。」
レーヴェに視線を向けられたリアンヌはレーヴェと共にマクバーンと対峙した。
「クク、そう言えばレーヴェはともかくアンタと直にやり合うのはこれが初めてだな……別にアンタとレーヴェでも十分だが……―――リィン・シュバルツァー。とっとと”女神”とやらを呼んでもらおうか。」
二人を不敵な笑みを浮かべて見つめていたマクバーンはリィンに視線を向けて驚愕の要求をした!
「ええっ!?」
「そ、それって……」
「アイドス様の事ですわよね……?」
「確かあの時はエステルさん達やエイドスさんの加勢があった状況で敗北したが……」
マクバーンの要求にアリサは驚き、エリオットとセレーネは信じられない表情をし、ガイウスは戸惑いの表情でマクバーンを見つめ
「………………オーロックス峡谷でアイドス達に敗北し、今はサンドロッド卿とレオンハルト少佐も相手にしなければならない状況であるにも関わらずアイドスとも戦うつもりか。」
少しの間黙り込んでいたリィンは真剣な表情でマクバーンを見つめて問いかけた。
「―――そのまさかだ。加減していたとはいえこの俺を軽々とあしらったあの女神と”鋼”とレーヴェ相手なら、この俺を殺った”英雄王”との時以上に俺を”アツく”させてくれるだろうからな!」
リィンの問いかけに対し、マクバーンは不敵な笑みを浮かべて答えた後”力”を解放し、”火焔魔人”へと変化した!
「何て凄まじい”風”だ……!しかもこの”風”は……!」
「一体どういう事!?”英雄王”と戦った時以上の”力”を感じるわよ……!?」
マクバーンから感じる”力”にガイウスとセリーヌは驚き
「クク、教団の”叡智”とやらも捨てたもんじゃねぇな。この俺に更なる”力”を与える事ができたのだからな。」
「なっ!?それってまさか……!」
「――――”グノーシス”か。」
「チッ、相変わらず余計な事ばかりをしてくれるものだな、あの亡霊は……!」
「見損ないましたよ、”劫炎”のマクバーン。”力”を求めるあまり禁忌の薬物にまで手を出す程落ちぶれるとは。”結社”を滅ぼした私が言えた義理ではありませんが盟主(マスター)も今の貴方を見れば嘆くでしょうね。」
マクバーンの話を聞いてある事を察したマキアスは血相を変え、レーヴェは目を細め、ユーシスは厳しい表情をし、リアンヌは厳しい表情でマクバーンを見つめて呟いた。
「何とでも言え。とっとと呼び出してみろよ。お前の女神と再びやり合う日も楽しみにしていたんだぜ……?」
「……ありえません。」
「サンドロッド卿達に加えて女神であられるアイドス様との戦いを望むなんて……」
マクバーンの言葉を聞いたエリゼは呆れ、エリスは信じられない表情をし
「―――だが、私達にとっては悪くない話だ。」
「幾らあんな化物が相手でも、女神のアイドスが負ける方がありえないよね〜。」
パントは静かな表情で呟き、ミリアムは口元に笑みを浮かべて呟いた。
「…………―――頼む、アイドス!」
そしてリィンはアイドスを召喚した!
「……………………以前私達と戦った時にあった魔剣を失ったにも関わらず、貴方は女神である私を超えられると思っているの?」
召喚されたアイドスは静かな表情でマクバーンを見つめて問いかけ
「クク、確かに魔剣(アングバール)を失ったのは痛かったが、今の俺にはこんな事もできるんだぜ!?」
アイドスの問いかけに対し、マクバーンは不敵な笑みを浮かべて片手から黒き焔の魔剣を顕現した!
「黒き焔の魔剣……!?」
「あ、ありえない……あの時使っていた”外の理で創られた魔剣”以上の力を感じるわよ!?」
マクバーンが持つ魔剣を見たガイウスは驚き、セリーヌは信じられない表情をした。
「恐らくあの魔剣も”グノーシス”によるものなのでしょうね。」
「”グノーシス”によって奴の”異能”が強化された事によって、アングバール以上の力を持つ魔剣を顕現できたと言う訳か……」
一方リアンヌとレーヴェは冷静な様子で推測し
「……………………」
アイドスは目を伏せて黙り込んだ後目を見開き、片手を挙げて自身の愛剣の名を叫んだ!
「――星芒より出でよ、”真実の十字架(スティルヴァーレ)”!!」
すると異空間から”慈悲の大女神アイドス”の神剣――――”真実の十字架(ラクススティルヴァーレ)”が現れてアイドスの片手に収まるとアイドスは静かに剣を構えた。
「更なる戦と力を求めて死してなお、この世をさまよう哀れなる”人”よ……”オリンポスの星女神”の一柱にして”慈悲の大女神”たる私がこの場で浄化し、救済してさしあげましょう……!」
「元結社”身喰らう蛇”の蛇の使徒が第七柱”鋼”にして、”英雄王”リウイ・マーシルンと”聖皇妃”イリーナ・マーシルンの守護騎士リアンヌ・ルーハンス・サンドロッド……我が戦友達の道を阻む者を討ち滅ぼさん。いざ―――尋常に勝負!」
「カリンの為に……そして俺の生徒達の為にも貴様をこの場で討つ――――行くぞ、もう一人の”結社最強”にして執行者No.T――――”劫炎”のマクバーン。」
そしてアイドスはリアンヌやレーヴェと共にマクバーンとの戦闘を開始し
「フフ……こちらも始めるとするか。」
「――――皆……兄上に俺―――いや俺達の信念を証明する為に……そして兄上にエレボニアの裁きを与える為に力を貸してくれ!」
「おおっ!!」
ルーファスと対峙したユーシスは仲間達に号令をかけ、ルーファスとの戦闘を開始した!
マクバーン、リアンヌとレーヴェで満足すればいいのに、わざわざ自分から死亡フラグを作りましたwwそしてリィン達は原作にはなかったルーファスへのリベンジ戦です!!戦闘BGMは閃Uの”Severe Blow”か神のラプソディーの”指揮者はこの地に降り立つ”、戦女神ZEROの”聖なる裁きの炎”のどれかだと思って下さい♪
説明 | ||
第116話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1341 | 1228 | 2 |
タグ | ||
他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡U | ||
soranoさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |