宝城双斗のIS学園生活 第11話双月衆 |
side双斗
次の日
僕はある場所に向かっていた。
そこはあたりが森で生い茂り、まさしく自然に囲まれた場所だった。
そんな中、その場所の奥の方にとても自然の中とは思えない建造物が建っていた。
そう、それが束さんのラボだ。
僕はラボの中に入り、中を進んでいく。ラボの中は外から見た広さの3倍以上あり、まあまあ広い。
しばらく歩いていると、ラボの中で最も広い部屋にたどり着いた。
ここはラボの中の共有スペースでみんなが集まるのに1番適した場所だ。
僕が部屋の中に入って荷物を下ろしていると
「あ、双斗さん。お帰りになられてましたか」
「うん、今ちょうど来た所だよクロエ」
僕の前に現れたのは、白い肌に銀髪のロングで金色の瞳をしたクロエ・クロニクルという少女だ。
彼女は束さんの従者で、束さんが自分の娘のように溺愛している少女だ。
「ちょっと、待っていてくださいね。今から皆さんを呼んできますから」
そう言うとクロエは部屋を後にしてみんなを呼びに行った。
僕はみんなが来るまでここで待つことにした。
そしてそれから3分後
部屋の自動ドアが開いた。
「双斗、待たせたな」
「大丈夫だよ。僕も今来たところだから」
最初に現れたのは龍也だった。
「何か飲み物でも飲むか?」
「じゃあ、いつものはある?」
「ああ、あるぞ」
「じゃあ、それで」
「了解」
龍也はそう言うと共有スペースに置いてある冷蔵庫の中からオレンジジュースを取り出し、コップに注ぐ。すると、再びドアが開いた。
「双斗、久しぶりだな」
「お久しぶりです、零さん」
次に来たのは僕や龍也の1つ年上の黒神零さんだ。
零さんは簪のお姉さんである刀奈さんの幼馴染で僕や簪にとって兄のような存在でとても頼りになる人だ。
「零さんは何飲みます?」
「じゃあ俺はコーヒーを頼む」
「分かりました」
龍也はそう言うとお湯を沸かし始める。
すると再びドアが開く。
「おっ、みんな集まってるな!」
「双斗、久しぶりだね」
「うん、光牙と明斗も久しぶり」
次にやってきたのは僕の数少ない友人である十六夜光牙と影浦明斗だ。ちなみに2人とも僕や龍也と同い年だ。
「光牙と明斗は何か飲みたいものはあるか?」
「じゃあ俺はコーラで」
「僕はお茶でいいよ」
そう言うと龍也は冷蔵庫から飲み物を出していき、僕たちに飲み物を持ってきてそれぞれに飲み物を渡す。
それぞれの希望通り、僕にはオレンジジュース、零さんにはコーヒー、光牙にはコーラで、明斗がお茶、そして龍也はリンゴジュースだ。
「みんなお待たせ〜!」
「お待たせしました」
最後にやってきたのは束さんとクロエだった。
「2人は飲み物、何にしますか?」
龍也が2人にそう聞く。
「じゃあ私はビール!」
「では私は牛乳で」
龍也は冷蔵庫からビールと牛乳を出して束さんがいつも使ってるグラスにビールを注ぎ、クロエがいつも使っているコップに牛乳を注ぎ、2人に持っていく。
「ありがとうね、リュウ君」
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
そう言うと龍也も席に座り、全員が席に座った。
ちなみに席順は時計回りに束さん、クロエ、僕、龍也、光牙、明斗、零さんという順だ。
「さてと、それじゃあ約1年ぶりに『双月衆』のみんなが集まった事を祝して乾杯〜!!」
「「「「「「乾杯!!」」」」」」
乾杯をすると、みんなそれぞれの飲み物に口をつける。
『双月衆』。それは束さんを守る私兵部隊であり、僕たち5人のことを指す。
また、僕たちにはいくつか共通点がある。その1つとして、僕たち5人は全員ISを動かすことができる。しかし、僕以外の4人はISを動かせることを公表していないため、表上は男でISを使えるのは僕と織斑一夏の2人だけということになっている。
「はぁ〜。やっぱりお昼前に飲むビールは最高だね〜」
「束様、あまり飲まないで下さいね」
クロエが束さんに飲みすぎないように注意する。
「それにしてもこうして双極衆全員で集まるのも久しぶりですね」
「そうだな。みんないろいろと忙しくてなかなか集まることができなかったからな」
明斗の言葉に龍也が同意する。
「明斗にいたっては1年ぶりになるからな、ラボに戻ってきたのは」
「ずっと忙しかったからね」
明斗は3年前、僕と同じようにシュバルツェ・ハーゼにスカウトされ、それからずっと、教官としてシュバルツェ・ハーゼで隊員の指導をしている。
「そういえば、『ラウラ』は元気にしてる?」
「うん、元気だよ。といっても今は日本に行ってて1週間くらい会ってないけどね」
「ラウラが日本に来てるの?」
僕が言うラウラというのは、シュバルツェ・ハーゼ隊現隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒのことで、ラウラと僕と明斗は仲が良い。
「双斗なら近いうちに会うことになると思うよ」
「どういうこと?」
僕は明斗の言ってることが理解できず、頭に?マークを浮かべる。
「まあ、近いうちに分かるよ」
そう言って明斗は笑う。
「さーて、それじゃあ今日は私とくーちゃんが腕によりをかけて夕食を作るね」
「私も頑張りますので、みなさんは楽しみに待っていてください」
そう言うと束さんとクロエはキッチンで料理を始めた。
「本当に変わったな、クロエは・・・」
「そうですね」
零さんの言葉に僕は本当にそう思う。
クロエと初めて会った頃は表情がなく、ずっと無表情だったけど、僕たちがクロエにいろいろな話をしたり、一緒に遊んであげたりして色々な会話をしている内にクロエは笑ったり、泣いたりする様になって、1年後には笑顔がとてもきれいな女の子になっていた。
「クロエは本当に料理も上手くなったよな・・・」
「そうだね。2年前までは僕の方が上手かったのに・・・」
「へこむなよ明斗・・・」
最初の頃のクロエの料理の腕は壊滅的だった。
束さんや僕たちのためにあれこれ料理を作ってくれたのだけど、そのたびに消し炭やゲルを作り出していた。それでも束さんは平気で食べていたけど、僕たちはとても食べられるようなものじゃなかったので、僕たちが空いてる時間を使ってクロエに料理を教えていた。
そのかいもあって、クロエの料理の腕はみるみるうちに上達し、今では明斗や光牙よりも料理が上手い。
ちなみに料理の腕の高さは上から零さん・束さん・僕・龍也・クロエ・明斗・光牙の順だ。といっても、この中で1番料理が下手な光牙も十分食べられるレベルの料理は作れる。
「みんなできたよ〜!」
「お待たせしました」
僕たちが談笑していると、束さんとクロエが料理を持ってきてテーブルに料理を並べていく。どの料理もとても美味しそうだ。
「それじゃあ、みんなで食べようか」
みんなが着席していただきますと言い、みんなで夕食を食べ始めた。
料理の味ももちろんだけど、こうやってみんなで食べるということに暖かな気持ちを抱きながら、夜は過ぎていった。
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双斗君の裏の顔が明らかになります。 | ||
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