極リリカル銀魂〜魔法少女と死神と女神と悪魔と無敵の万事屋〜 第一訓
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「アルフあの人達誰なんだろうね」

 

 突如ビルの屋上から現れた銀時を空から見下ろしながら黒いマントを身にまとった長い髪をツインテールにまとめた金髪の少女が隣にいる『アルフ』と呼ばれる女性に話し掛ける。

 

アルフ「さぁ? 管理局の魔導師…いやでもあんなドジを管理局の魔導師がするかなぁ?」

 

 オレンジ色の長い髪をした女性アルフは訝しげな表情をしながら首を傾げる。

 

「確かにドジっていう理由もあるけど…おかしな格好をしてるね。確かに管理局の魔導師には見えない」

 

 二人は銀時たちの身なりを見たが、二人から見て三人の格好はどう見ても魔導師には見えなかった。見た感じバリアジャケットも着てないが、もう一人の銀髪で赤い服をしたラグナが持つ大剣に、ただ一般人でないことはわかる。

 

アルフ「どうするフェイト?」

 

 『フェイト』と呼ばれた少女は持っている杖を強く握る。

 

フェイト「そうだね…」

こいし「こんなところで、なにしてるの?」

フェイト、アルフ「「ッ!?」」

 

 急に声をかけられた二人。

 驚いたまま、後ろを振り向くと、そこには、さきほどまで銀時たちのそばにいたはずのフラン、こいし、カオスの三人がフェイトたちを不思議そうに見つめながら宙に浮いていた。

 

 

 

 

 

 

 一方、ラグナ、一誠、ネプテューヌの三人に下敷きされた銀時は千雨とライダーに介抱され、数分後目を覚ました。

 

銀時「イテテテテテ、たく、ひどい目にあった……」

 

 銀時は俯かせながら呟き起き上がった。

 眼前にいるラグナたちに向けて言い放つ。

 

銀時「お前らなんなん?人のあまたにピンポイントで落ちてきやがってよぉ。アレか?俺の頭、スカイダイビングの着陸点か?航空機の滑走路ですかこのやろう?」

ラグナ「うっせぃぞ天パ。こっちらとら無理やりこんな場所につれて来られてイライラしてんだ。テメェにかまって暇はねぇんだよ」

銀時「あぁ?」

 

 イライラするラグナに銀時はカッチンとなり睨む、「やんのかぁ?」とラグナも睨みながら、顔を近づかせる。

 

銀時「誰が天パだこの中二病君?なにその格好?なにその似合わないオッドアイ?痛くねぇ?」

ラグナ「誰が中二病だぁ、調子に乗るのも大概にしろよ天パ?なのその死んだ魚の眼みたい目は?近くによるとくさいぞオイ?」

銀時「テメェこそ同じだろうが?鏡みろよ鏡。オッドアイが死んで、顔ごと台無しになってんぞ。あっ、これはもとから不細工か?」

ラグナ「んだとぉ?髪の毛もろとも可燃ゴミに出すぞゴラァ?」

銀時「上等だぁ。逆にぶちのめして、青空レ○トランに出すぞウニ頭」

ラグナ「やってみろッ。そのころにはお前は八つ裂きになってんだろうけどよぉ」

 

 まるでチンピラ同士のメンチ切りだった。

 銀時は腰にぶら下げた木刀『洞爺湖』の柄を、ラグナは愛用のセラミック製の大剣の柄を握り締める。

 二人の間の一発即発な険悪な空気が漂う。

 

ライダー「ちょっ、銀時!?やめなさい!!相手は初対面ですよ!」

チャチャゼロ「無駄ダ乳眼鏡。ドウヤラアノ二人、同型ノアホドモミテーダ」

セイバー「しかも、銀髪に魚が死んだような眼と、もろキャラが被っていますしね」

ナギ「いわゆる同族険悪ってことか?」

霊夢「それ、あんたがいっちゃ駄目だと思うけど、アッチのほうがよりしっくりするわね」

 

 霊夢の言葉に皆、うんうんと頷いた。

 

魔理沙「こっちは険悪だけどその分、アッチの方はなんか変な雰囲気だぜ」

 

 魔理沙の視線の先には一刀と一誠がいた。

 

一刀「…………」

一誠「…………」

 

 二人は無言で見つめ合い、緊迫した空気で、一刀は腕を組んで言葉を持っていた。

 すると、一誠が口を開いた。

 

一誠「…あんた、巨乳好きか?」

 

 第一発言が下ネタであった。これにはナギたちはずっこけた。

 一方、一刀はただ立ったまま、言葉を発した。

 

一刀「好きだ。大きいのも。小さいのも好きだ」

一誠「…俺は巨乳好きかって言ったのに、なんで小さいのも言うんだ…?」

一刀「フッ、決まってんだろう………」

 

 

 

――大きかろうが、小さかろうが、女の乳はすばらしい

 

 

 

 悟ったような眼で一刀が言う。

 その言葉に一誠は目を丸く開くと涙を流し、一刀の手を握った。

 

一誠「あんたを兄貴と呼ばせてくれ!」

一刀「あぁ。今日、この時、俺たちは義兄弟だ!」

 

 一誠の肩を掴むと、お互い肩を寄り添って、夜空の星を見た。

 その中で一番輝く星に、一刀は指を刺した。

 

一刀「あのおっぱいの星がある限り、俺たちの兄弟の絆は不滅だ弟よ!」

一誠「おぉ!兄貴!」

 

 熱く義兄弟の縁を深める一刀と一誠。

 星がキランッと輝き、二人の義兄弟の契りを見届けたのだった。

 

『なんじゃそりゃ〜!?』

 

 一刀と一誠の義兄弟の契りにナギたちは声を上げて叫んだ。

 

セイバー「乳で!?乳で友情が生まれたのですか!?」

千雨「プロローグの時まともなキャラだったけど、やっぱり原作どおりの種馬だったアイツゥゥゥ!?」

魔理沙「オリ設定になっても元のキャラ設定は変わらないんだぜ」

ネプテューヌ「おぉ〜!あれがいわゆる桃園の誓いなんだねぇ〜!はじめてみた〜♪」

ヤミ「いや、むしろアレは変態の誓いです。あと変態は嫌いです///」

 

 次元を超えた義兄弟に、各々ツッコミを入れる者たち。主に下ネタに免疫のないライダーとヤミは顔を赤くする。

 なお、アルクェイドとチャチャゼロだけはこの義兄弟の契りにゲラゲラと笑っていた。

 

霊夢「あれ?あのチビ共どこいったのかしら?」

 

 霊夢が、屋上にフラン、こいし、カオスの三名がいない事に気がつく。

 険悪だった銀時とラグナ、良好だった一刀と一誠は、霊夢の言葉に気づき、あたりを見渡した。

 すると、アーチャーが言葉を発した。

 

アーチャー「あの子たちなら上で遊んでいるが…」

 

 アーチャーの言葉に、全員が上を見上げると、上空にフラン、こいし、カオスに、見知らぬ少女と女性――フェイトとアルフがいた。

 

 

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 時間を戻し、フェイトとアルフはいつのまにかいたこいしたちに驚いていた。

 

フェイト「あ、あなたいつの間に…」

アルフ「き、気づかなかった…」

こいし「だって、能力を使いましたから☆」

フラン「わたしはカオスのステルスで♪」

カオス「すてるす便利です〜」

 

 三人は微笑んで言う。

 能力?ステルス?と二人は首をかしげていると……、

 

銀時「なにやってんだ、お前らは!」

ナギ「勝手に行動すんじゃねぇよ!!」

セイバー「あれ?一緒にいる子たちは誰でしょうか…?」

銀時「おっ、ほんとだ人だぜ…」

ライダー「もしかすれば、ここの住人かもしれません。ここは何処はどこか聞きましょう、銀時」

ラグナ「にしても奇妙な格好だなぁ。ひとりはマントにレオタードで、もう一人は犬のコスプレってなんだ?近くでコスプレ大会でもやってんのか?」

アーチャー「コスプレーが空を飛ぶか普通?」

ネプテューヌ「おぉぉ!あの金髪の子エロかっこいい〜♪少女なのにびっちびちのレオタードを着た上に、スカートの下から見えるレオタードでお尻が食い込んでいる姿がなんともイケナイエロさを醸し出してるよ〜!ちなみに私の視力は両方とも2.0で丸見えだよ♪」

一誠「まじで!どれどれ…」

ヤミ「あなたはみなくていいです!!」

 

 フェイトのスカートの中を覗こうとする一誠に、ヤミが回し蹴りで蹴飛ばした。一誠は屋上のアスファルトの床にキスをする。

 一方、ネプテューヌの言葉を聞いたフェイトは赤面してスカートを手を押さえて隠したが、もう手遅れである。

 

一刀「千雨ちゃん、千雨ちゃん…」

 

 一刀が千雨を小さい声で呼ぶ。

 千雨はフェイトたちの姿を確認してから、まさか…、という顔で驚いて固まっていたが、一刀の声に気がつき一刀のほうへ寄った。

 

一刀「…あの子達もしかして…」

千雨「あぁ、まちがいない。あいつらリリカルなのはの登場人物だ…」

 

 二人は、この場所、いやこの世界がどんな世界なのか察した。

 しかし、この現状、情報がすくないため、自分たちの推測を断定するのは早いと考え、銀時たちには言わないでおくことにした。

 その一方、銀時たちは迂闊にフェイトたちに近づこうとした。

 

アルフ「くっ!」

 

 そのときアルフが銀時目掛けて殴りかかってきた。

 

銀時「ちょっ!?」

 

 いきなりの事に銀時は驚くが、反応してアルフの拳を避ける。

 ナギたちも反応して、戦闘準備になる。

 それに対し、上空にいるフェイトが叫ぶ。

 

フェイト「動かないでください。あなた達が時空管理局か分かりませんが、こちも怪しい人を警戒しないわけにもいきませんので」

銀時「オイオイ、そんな格好してるガキに言われたくないぜ」

ナギ「だいたい、先に手出したのはそっちだろうが!」

セイバー「そうです!子供(と一匹?)でも、怪しいだけの理由で襲い掛かっていいわけありません!」

ライダー「こちらが自己防衛を取っても、なんら不問はありませんね」

 

 セイバーは不可視の剣を握り、ライダーは私服から本来の英霊の姿である眼帯に黒を基調としたボディコン姿に戻り、鎖付きの短剣を握った。

 フェイトはライダーが姿を変えたことに驚く(ちなみに一誠はライダーの姿に鼻息を荒くしていた)。

 

フェイト「(姿が変わった!バリアジャケット!?)う、動かないでください!こっちらには人質が…アレ?」

 

 こいしたちを人質にしようと思ったが、すでに三人の姿がいなかった。

 

フラン「たっだいまー♪」

こいし「つまんなかったから帰ってきたよ〜」

フェイト「え!?また!?」

 

 知らない間に、銀時たちの元に戻っていた。

 あっちらのほうが数が上で、人質が無し。さらに、手を出したのこちらと、フェイトは冷静に考え、こちらが不利だと理解した。

 

アルフ「チッ、だったら先手必勝だ!」

フェイト「駄目アルフ!?」

 

 フェイトの静止を聞かず、アルフはまた銀時たちに特攻する。

 

ライダー「まったく、猪みたいな犬ですねぇ…」

 

 ライダーがそう言った直後、アルフはライダーの眼前で固まるように宙に止まった。

 自身の体が突然動かなくなったことにアルフは驚き、自分の体をよく見るとわずかだが糸のようなものが自身をグルグルに拘束していた

 

アルフ「こいつは!?」

ライダー「この姿になったときに仕掛けました」

 

 それは、ライダーの髪の毛だった。

 髪の毛が蛇の怪物であるメデゥーサの彼女にとって、自分の髪を蛇のように動かし、トラップとして配置するくらいわけがない。

 その証拠にライダーの紫の髪がうねうねと動いていた。

 

フェイト「アルフを離せッ!!」

 

 フェイトは周囲に数発の黄色い魔力弾を展開する。

 

銀時、ラグナ「「っ!?」」

フェイト「フォトンランサー!!」

 

 黄色い魔力弾が発射される。

 銀時とラグナは凄い速さで迫ってくる魔力弾の光に、木刀とステンレスの剣を素早い剣捌きで魔力弾を全て弾いた。

 ネプテューヌと一誠も、召還した刀と紅い篭手『赤龍帝の篭手』で同じく魔力弾をはじき返す。

 ナギとセイバーとライダーは拘束したアルフに被弾しないように同じく魔力弾をはじき返す。

 ちなみに、その他のメンバーは霊夢とアーチャーが張った結界と熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)の後ろに非難していた。

 

霊夢「ちょっと、あんたたちッ。後ろに隠れてないで、銀時みたいに魔力弾を弾きなさいよ」

アーチャー「非戦闘員の千雨はともかく、貴様ら盾に隠れる必要はないはずだが?」

アルクェイド「えぇ〜、めんどくさ〜い」

一刀「銀さんたち余裕そうだし、別に俺たち要らなく無いだろう?」

魔理沙「そうそう」

 

 やる気ゼロの一刀とたち。   

 一方、フェイトは銀時たちが魔力弾を全て弾いたことに驚いた。

 

アルフ「フ、フェイト!ストップ!!あたしまで当たるって!?」

 

 ライダーに髪の毛で拘束されているアルフが叫ぶ。

 

フェイト「あっ、ごめん!?」

 

 銀時たちで頭が一杯になっていたフェイトは敵陣にアルフがいることを思い出し、攻撃を中断する。

 その隙に、

 

ラグナ「おりやぁぁ!!」

フェイト「ッ!?」

 

 ラグナが飛び掛り、剣を振り下ろす。

 フェイトはとっさに相棒のバルディッシュで受け止めるが、相手は自分より大きい男性。

 パワー負けし、そのまま屋上の床に叩きつけられかける。

 

フェイト(やばいっ!?)

アルフ「フェイト!?」

 

 アルフが叫ぶが、フェイトの眼前に屋上の床が近づく。

 今から体勢を整えることはできないと判断したフェイトは激突することを覚悟して目を瞑った。

 だが、一向に衝撃の痛みが来ず、まるで腕で受け止められたような温かみを感じだ。

 フェイトはゆっくり瞼を開けると、そこには月の光できらめく銀髪と死んだような眼だが芯の通った瞳が、フェイトの目に入った。

 

フェイト「あなたは…」

銀時「お遊びは、ここまでだぜお嬢ちゃん?」

 

 銀時がフェイトを受け止め、抱きかかえていた。

 いわゆるお姫様抱っこである。

 

フェイト「なっ!?///」

 

 この状況に顔を紅くするフェイト。

 慌てて銀時から離れて立とうとするが、さきほどの落下の恐怖か、力が入らずよろける。

 

銀時「無理して立とうとすんなよ…」

フェイト「私も人質に…するつもりですか?」

銀時「そんなつもりじゃねぇよ」

アルフ「フェイト、大丈夫か!?」

フェイト「えっ?アルフ?」

 

 拘束されていたはずアルフがフェイトに抱きついた。これに対しフェイトは驚く。

 実は、フェイトが銀時に受け止めら後、ライダーがアルフの拘束を解いたのだ。

 また、全員、戦闘態勢を解除して、敵でないことフェイトに証明していた。

 

ラグナ「たくよぉ。いきなり知らねェ場所に飛ばされて、イライラしている時に襲いやがって…」

アーチャー「その割りには加減して剣を振り下ろしたのでないのか貴様?」

一刀「視線の先が銀さんがいる場所に向いていたしな〜」

ラグナ「うっせぇ、たまたまだ」

 

 ラグナは不機嫌な表情と気だるさとイライラが混じったような口調で頭をかきながら愚痴をこぼす。

 アーチャーとお気楽な顔で言う一刀に、さらに不機嫌になり、背を向けた。

 

フェイト「アルフこそ無事なの!?」

アルフ「う…うん。大丈夫だよフェイト」

 

 フェイトはアルフの安否を確認してアルフは大丈夫だと答える。

 

フェイト「あなたたちは管理局の人間ですか?」

 

 バルディッシュを両手で抱きしめ、未だ警戒し、銀時たちに問う。

 

銀時「は?管理局?それって入国管理局のこと?」

ラグナ「いや、統制機構のことか?」

ネプテューヌ「なにそれ?おいしいの?」

一誠「どこの役所なんだ?」

 

 銀時、ラグナ、ネプテューヌ、一誠はフェイトの言った管理局のことを自分の知っている組織のことだと思い答える。一刀と千雨はやっぱり…、という顔で驚いていた。

 

フェイト「えッ……?」

 

フェイトは銀時の答えに驚き思わず警戒を緩めてしまう。

 

銀時「つか、テメェらそんな格好で恥ずかしくねーの?何かのアニメのコスプレか?」

ナギ「そっちの胸がデケー姉ちゃんは犬のコスプレか?」

アルフ「犬じゃない!あたしは狼だ!」

 

 ナギはアルフの方を向きセクハラに近い言葉で言う。

 アルフは銀時の言ったセクハラより犬呼ばわりされたことにムッときたのか声を上げた。

 

ラグナ(あの爺さんと同じ人狼か、このアマ?)

 

 ラグナは脳裏に、忌々しいウサギに従う老執事を思い出す。しかし、目の前のアルフを比べると、執事よりも大きい尻尾を持つ、リス娘のほうが似ていた。

 フェイトはアルフを宥めながら、銀時たちに尋ねる。

 

フェイト「話は変わりますがあなたたち一体どうやってこの場所に来たんですか?」

銀時「知り合いの作った次元転送装置の実験台引き受けて転送の途中でトラブルが起きて気がついたらここに転送されたんだよ。ったくあのクソジジィ…」

一誠「え?あんたらも?」

ナギ「も、とういうことはおまえらもか…?」

一誠「あぁ、俺もちょっと実験バカに無理やり飛ばされたんだ」

ネプテューヌ「私も妹の発明で飛ばされちゃって〜…」

ラグナ「俺は変な扉に吸い込まれて……って、セリカがいねぇ!?」

 

 ネプテューヌと一誠も答え、ラグナは一緒に扉に吸い込まれたはずのお目付け役がいないことに気がつく。

 

一刀「セリカ?」

ラグナ「俺の保護者みたいな方向音痴娘だ!一緒に飛ばされたはずなんだが!?どこいったあいつ!?」

 

 屋上を探すラグナ。

 彼の言葉に一刀は首をかしげて考える。

 

一刀「一緒に飛ばされ……――アァァァァァァァァ!?」

 

 一刀があることに気づき、声を上げて叫んだ。

 一刀の叫びの意味を千雨は察するが、銀時たちは一刀の叫びに?マークを浮かべていた。

 

銀時「どうした一刀?いきなり大声上げて?」

一刀「銀さん!ナギ!新八君が、新八君たちが居ないんだ!?」

銀時、ナギ「「…新八?誰それ?」」

一刀、千雨「「そのネタはもういいって(わ)!!」」

 

 ボケる銀時とナギに、一刀と千雨がツッコミをいれた。

 銀時たちは数秒考え…気づいた。

 

万事屋+α『………あっ』

千雨「ようやく、気づいたのかよ…。気づくの遅すぎんぞあんたら…」

一刀「まぁ、忘れていた俺たちも人のこと言えないけどねぇ…」

 

 ほかのメンバーが居ない事にようやく気づいた銀時たち。

 また、一誠とネプテューヌも、

 

一誠「そういえば、部長とアーシアがいねぇ!?」

ネプテューヌ「ネプギアもどこかなぁ?」

 

 一誠は連れがいないことに驚き、ネプテューヌはマイペースだった。

 一方、フェイトとアルフは銀時たちの反応からあること推測した。

 

フェイト「アルフ…この人たちもしかして…」

アルフ「たぶん、コイツら『次元漂流者』かも」

全員「「「「「次元漂流者?」」」」」

 

 銀時、ナギ、霊夢、一誠、ネプテューヌは聞き慣れない単語に首を傾け、片眉を上げた。

 屋上でセリカを探してたラグナも、探索を中断して銀時の後ろで耳を傾ける。

 

フェイト「簡単に言えば迷子です。未開の世界から何らかの拍子で別の世界から飛ばされた人間のことです」

銀時「マジかよ…」

ラグナ「セリカのせいで何度も迷子になったことがあるが、とうとう次元レベルで迷子になっちまった……まじ笑えねぇ」

一誠「あの腐れ堕天使め〜!」

霊夢「絶対、帰ったらピチュってやる〜!」

ネプテューヌ「私はもう何度体験したから、今更驚かないけどね〜」

 

 この現状に苦笑する人と、お気楽な子が数名いるが、ほぼ原因の元となった科学者たちに恨みを抱くものはほぼ占めていた。

 怒りのオーラを放つ銀時たちにフェイトは恐れて、一歩下がる。

 銀時はさらにフェイトに聞く。

 

銀時「なぁ、お前らうちの妹たとと新八と神楽と、あと、ロン毛の金髪ロリとおなじロン毛金髪の巨乳娘知らねーか?」

ナギ「うちの弟子もだ。特徴はクルクル金髪ツインテールで友達に飢えた女子高生だ。あと、メロンパン娘とブランコ侍も知らねぇ?」

一刀「この騎士の2Pカラーみたいな赤い金髪娘と狐のコスプレぽい格好したちょっとエロい娘も見たことあるかな?」

ネプテューヌ「どこかで私とよく似た娘見なかった?私の髪を長くしてセーラー服の娘なんだけど。それとアクセサリーに十字コントローラーがあるよ」

一誠「紅いいろの髪の女性を見なかったか?それと金髪のシスターの娘も」

ラグナ「赤みかかった茶髪のポニーテイルで黒いマントに学生服を着た娘もだ」

 

 言葉や写真、あと例を出してフェイトに聞くも、

 

フェイト「えぇーーと……ごめんなさい、私は知らない」

アルフ「…悪いけど、あたしも」

 

 二人は銀時とネプテューヌと一誠に申し訳なさそうに謝った。

 

銀時「そうか…まあ気にすんな。あいつらなら心配ないだろ」

フェイト「あの…あなた達はこれからどうするんですか?」

魔理沙「…そう言えば考えてなかったぜ」

 

 ここは自分たちの世界と違う未知の世界。

 土地勘もさることながら、この世界の通貨や諸点の当てがない。むろん、知人もいないため、頼る人もいない。

 野宿という方法があるが、中には女の子もいるため、お風呂などの最低限の衣食住は必要であった。

 銀時たちは腕を組みながら考えているとフェイトが提案する。

 

フェイト「あの…私達の家で良ければ泊まっていきませんか?」

銀時「え?いいのか?」

フェイト「はい。いいよねアルフ?」

アルフ「まあフェイトがいいならいいけどね。それにコイツら悪そうな奴じゃなさそうだし」

 

 アルフもフェイトの考えに同意する。

 

ナギ「いいのか?素性も知らねぇ俺たちをそんなに簡単に家に泊まって?」

ネプテューヌ「まあ、よく考えてみなよ?私たちはいわゆる別世界の人間。住んでた世界とこの世界とじゃ文化や服装や通貨が違うかもしれないしさ。ここの世界のことを知っているフェイトの家に泊まった方がいいと思うよ」

一誠「まぁ確かに土地感のある人がいたほうがいいと俺は思うな」

ラグナ「お前らの言うことにも一理あるけどよ…本当に泊まっていいのか?」

 

 ネプテューヌの言った言葉を聞きラグナは、フェイトに泊まっていいかと聞く。

 

フェイト「はい、アルフも言ってたけどあなた達は悪い人には見えませんから」

 

フェイトは完全に警戒を解きバルディシュをしまう。

 

銀時「そうかい。なら少し世話になろうかね。あっ、そう言えば自己紹介がまだだったな」

一刀「いきなり飛ばされた上、ドタバタして忘れてましたね」

フェイト「それじゃぁ、私たちから」

 

 フェイトはそういって自己紹介をする。

 

フェイト「私はフェイト・テスタロッサです」

アルフ「あたしフェイトの使い魔のアルフだよ。よろしくね」

銀時「使い魔?おまえ、やっぱ魔法使いか何かか?」

ナギ「魔理沙より年下ぽいくせに、あれだけの魔力弾いっきに放つって相当なもんだな、おまえ」

セイバー「その年で使い魔を、しかも人の形にさせて従えるのは珍しいですね」

フェイト「えっと、私は魔導師です」

魔理沙「魔導師…?」

フェイト「魔導師というのは…」

 

 

フェイト説明中(詳しくはウキペディアでチェック)・・・・・・、

 

 

フェイト「ということです」

魔理沙「なるほど…つまりそのデバイスっつう機械で詠唱とか細かな作業を任せて、魔法を使うのが魔導師って事なんだな」

アルフ「まとめると、そんか感じだよ」

ラグナ(俺の世界の術式と魔道書みてーなもんか…)

 

 ラグナなど、それぞれ自分の覚えや周防へ置き換え理解した。

 

銀時「うんじゃ、次は俺等だな」

 

 銀時はごっほんと咳をして自己紹介をする。

 

銀時「俺の名前は坂田銀時。元の世界では金さえ貰えれば何でもやる万事屋銀ちゃんのオーナーで侍だ」

ナギ「俺は万事屋の副オーナーのナギ・スプリングフィールド。世界最強の魔法使いだぜ」

一刀「俺は北郷一刀。一様、銀さんの秘書だ。あと、こーみえて天の御使いさ♪」

ネプテューヌ「私、ネプテューヌ。なにを隠そう女神様なのだ」

一誠「俺兵藤一誠。駒王学園の生徒だ。あと、悪魔の僕をやってるんだぜ」

ラグナ「…ラグナだ。ただの賞金首だ」

霊夢「博麗霊夢。巫女をやってるわ」

魔理沙「私は普通の魔法使いの霧雨魔理沙だぜ」

フラン「私はフランドール・スカーレット。吸血鬼だよ♪」

アルクェイド「アルクェイド・ブリュンスタッド。私は真祖の吸血鬼よ。よろしくねフェイトちゃん♪」

チャチャゼロ「俺ハ、チャチャゼロ。ココニハイナイ、チビ真祖ノ吸血鬼ノ従者人形ダ」

こいし「私こいし。覚らない覚り妖怪の古明地こいしだよ♪」

カオス「わたしはカオス。第二世代型エンジェロイドだよ」

千雨「長谷川千雨。一様、万事屋の従業員だ」

ヤミ「金色の闇。愛称はヤミです。宇宙一の殺し屋です。どうぞヤミと呼んでください」

ライダー「銀時のサーヴント、ライダーです」

セイバー「ナギのサーヴァント、クラス:セイバー」

アーチャー「北郷一刀のサーヴァント、アーチャーだ。よろしくな」

 

 個性が強い自己紹介にフェイトとアルフは圧倒され苦笑する。

 侍に魔法使いに天の御使いに巫女に女神に悪魔に賞金首に、エトセトラエトセトラ……

 人種に職ともにバラバラで混乱しそうになる。

 

魔理沙「これで全員か?」

銀時「いや。――いるんだろう鋼龍」

鋼龍『むろんだ』

 

 銀時がそういうと、鋼龍とアヴァロデウスと破龍が姿を現した。

 これにはフェイトとアルフだけでなく、一誠やネプテューヌ、ラグナも驚く。

 

フェイト「銀時って呼んでいいかな?」

銀時「別に好きに呼んでいいぞ?」

フェイト「そ、それじゃー銀時、その刀と杖と大きい十字架は何かな?」

鋼龍『私は坂田銀時の刀。名は鋼龍。長い名前があるが、鋼龍と呼んでくれ』

アヴァロデウス『我はナギの相棒である赤き魔杖。アヴァロデウスだ』

破龍『わたしはご主人様であるかずちょさまの盾であり武器の破龍です。どうぞ、バロンちゃんとよんでくしゃいですです』

一誠「おどろいった〜、まさか銀さんたちも神器をもってたんだな?」

アルフ「神器?」

一誠「あぁ。ドライグ、出て来い」

ドライグ『はいよ相棒』

 

 一誠がそういうと、赤龍帝の籠手を顕現させる。

 その籠手の深緑の宝玉が点滅しながら、神滅器の中にいるドライグの声を発しさせた。

 

一誠「こいつは赤龍帝の籠手。神を殺す神器っていう神滅器でこいつの中に赤龍帝っていうめっちゃ強い赤い龍が封じ込めっられてんだ」

ドライグ『ドライグだ。よろしく』

ネプテューヌ「ドラゴンってマジ!?」

魔理沙「龍を封印した武具って結構強力だぜ。すごいもんもってんだおまえ!?」

銀時「うーん。だけどなー…」

 

 目を輝かすネプテューヌと魔理沙に対し、銀時とナギと霊夢は反応が薄かった。

 

ドライグ『なんだ?文句でもあるのか?』

銀時「いや、むしろ……」

 

 

銀時、ナギ、霊夢「声がマダオ(まるで駄目なおっさん)だから凄みがわかねぇー(ないわ)」

ドライグ『んだとゴラァァァァァ!!』

 

 マダオ扱いされぶち切れるマダオ――じゃい、ドライグ。

 これには相棒の一誠も苦笑する。

 

ドライグ『初対面にむかって貯め口ってなんだよ!?しかもマダオって誰だ!?おまえら別世界だからこの赤龍帝である俺の凄さがわからないとはいえ調子に乗るのも体外にしろよな!!』

霊夢「と、いってるけど、鋼龍はどう思うわけ?」

鋼龍『小さいな』

アヴァロデウス『井の中の蛙の遠吠えしか聞こえん』

ドライグ『なんだとッ!?』

鋼龍『たかが神を殺せるだけで己の最強と勘違いするな赤トカゲ。神殺しなど、私たちの存在から言わせれば、そんなもの初心者レベルのことだ』

一誠「しょ、初心者レベルって…相手は神なんだけど…;」

アヴァロデウス『フン、大抵人間が言う神とは世界の創造主か化身のような存在であろうが、大方アレらは決して世界の創造主ではない。世界が世界自身のため作られた人形、もしくは勝手に世界の創造主と勘違いしたただのキチガイだ』

ネプテューヌ「あの〜一様私も女神なんだけど…?もしかして、神さまとか嫌いなの!?」

アヴァロデウス『嫌いだ。いや、気色悪すぎてその傲慢な魂ごと握りつぶしたいほど大嫌いだ。むろん、おぬしのような神のことではないからな安心しろ』

ネプテューヌ「あっはははは…よ、よかった〜!?」

 

 アヴァロデウスの殺気に脅えていたネプテューヌは安心する。

 

一誠「兄貴、こいつら一体何なんだ?」

一刀「さぁな。なにぶん、破龍たちのことでわかってることは、一万年前、全宇宙でいきなり破龍たちが現れていきなり喧嘩しはじめた上、その喧嘩で惑星が一億個以上破壊されて宇宙崩壊の危機になって、全宇宙の神や魔王たちや宇宙人たちがなんとかしようと破龍たちに対抗して、ようやく封印したってことくらいしかわからないんだ」

 

 さらっと驚愕な事実を説明する一刀。

 フェイトだけでなく一誠とドライグたちも驚くを隠せなかった。

 

一誠「全宇宙の神と魔王と宇宙人と対決したぁぁ!?」

ドライグ『しかも星を一億個以上破壊したって、俺の世界の戦争よりスケールでかすぎるだろう!?』

霊夢「そういう逸話があって、破龍たちは天(世界)を滅ぼすモノがはいった器――天滅器って呼ばれるようになったのよ」

鋼龍『いっておくが、私たちと同じ存在も私たちに敵対して宇宙側に協力していた者もおったぞ?たしか、そいつらも同じく封印されて世界を守る器――天器とよばれていたなぁ…』

一刀「あと、もうひとつ断言できることは……――こいつ等を外に出したらマジで世界が滅ぶってこと」

 

 真剣な表情で告げる一刀に一誠とドライグは唖然する。

 

一誠「ま、まるで覇龍モード状態の神器だ……;」

ドライグ『だが、所詮尾ひれがついただけじゃないのか?所詮、オチとかがあるはず――』

破龍『あれ、だったら試してみますか?クススス♪』

ドライグ『ッ!?』

 

 破龍は幼い声色で妖艶な笑い声を出す。

 ドライグは彼女から発する威圧感と自身の本能から、決しては戦ってはいけないと理解する。

 敵対したら最後、絶対確実に地獄を見る!?

 

ドライグ『え、遠慮します!!』

破龍『むぅ〜残念です〜』

アヴァロデウス『まっ、その選択は正解だな』

鋼龍『なにせ、こいつこそ私たちの存在で最凶無敵といわれた存在だ。赤トカゲごときでは、一瞬で魂ごと塵残さず消滅されるわ』

破龍『昔のことはいわないでくだしゃいよ〜ご主人様のまえではずかしいでしゅ〜///』

一誠「ドライグを消滅させるなんて、なんでそんなもん兄貴たちが持ってんだ!?」

一刀「いろいろとあるんだよ。いろいろと…」

 

 ため息交じりで、呟く一刀。

 

ラグナ(もしかして…このしゃべる武具…黒い獣や事象兵器より強いのか?)

 

 ラグナは自分の世界の最強の兵器と最悪の存在を見比べ、自身の右手を見つめる。

 その右腕には最強の魔道書。

 その最強を超える最凶が目の前でしゃべっていた。

 

ラグナ(井の中の蛙とは思ってねーけど、やっぱ世界は広いもんだなー…あっ、別世界かここ)

ネプテューヌ「どうしたの?ラグっち?」

ラグナ「ん?何でもねぇよ。ってか、ラグっちって俺のことか?」

ネプテューヌ「そう!ラグナだからラグっち♪どう?いいネーミングでしょ♪」

ラグナ「あーはいはい、そうですねぇー」

 

 ネプテューヌのお気楽な笑顔に、ラグナは呆れた顔で返した。

 

フェイト「え、えーと…話はこれくらいにして家に行こう?」

ナギ「おぉそうだな」

銀時「ちょうど、腹減ったし、よろしく頼むわフェイト。アルフ」

 

 銀時は頭を掻きながらフェイトとアルフに言った。

 

「は…はい」

「よろしく?」

 

 フェイトは顔を少し赤くしながら頷きアルフは笑顔で返事をした。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

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