九番目の熾天使・外伝〜マーセナリーズクリード〜番外編 Secret Mission
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番外編〜Secret Mission〜 TypeFuture 未来の力はどうやって手に入れるのか10

 

 

 

 

――――――――【ゾルーク東条】またの名を【怪盗アルティメットルパン】過去何十年にも渡って名を馳せた世紀の大怪盗で、【仕事の前には予告上を送りつける】【悪人からしか盗まない】【殺人は決してしない】という信念を持っており、義賊として名を馳せた紳士的な性格の人物でもあった。

しかし、クリム・スタインベルトがとある古城に封印していたサイバロイドZZZを発見、老いた肉体を捨て、自らの魂をZZZのボディにインストールしてロイミュードとなった。

そんな彼が財団Xからネオバイラルコアを奪取したと聞き、確認のために竜神丸はアジトの一つである古城まで出向いていた。

 

 

「ああ、ネオバイラルコアか・・・そこにある。好きにすればいい」

 

 

東条の示す先、そこには財団Xから奪ったと思われるアタッシュケースがたしかにあった。しかし、腑に落ちない。なぜ怪盗が自身の得物を簡単に差し出してしまうのか、なにか仕掛けがあるのではないか?そう勘ぐってしまうほどにあっさりと示してきたのだ。当然、竜神丸は警戒する。

 

 

「・・・そうですか、では、遠慮無く」

 

 

が、自身の知的欲求に敵うはずもなく、何かあればPSIで何とかなると打算を付け、そのアタッシュケースに手をかけると一気に開いた。

 

 

「これは・・・」

 

「研究は終わった。そいつは好きにすればいい、人間と融合するそれを使うのは俺の流儀に反する」

 

 

あっさりと引き渡された答え、それはアタッシュケースの中に入っていたバラバラに解体されたネオバイラルコアの残骸が雄弁に物語っていた。東条にとって自身の信念に反するそれはもう必要のないものだったのだ。

 

 

「・・・では、これはありがたくいただきましょう」

 

 

残りカスでも何らかのデータにはなるだろう、運良く無事なコア・ドライビアがあれば何かに使えるかもしれない。そう判断した竜神丸はアタッシュケースを閉じると、自身の手に持った。

 

 

「では、ついでにもう一つ、財団Xのアジトについてですが・・・!?」

 

 

東条にもう一つの質問をしようと振り返りながら声をかけた竜神丸はネオバイラルコアに目を奪われた事を後悔した。

 

 

『天の涙が満ちる場所、欲望と記憶で雄大な自然は朽ち、死の商人が時を止める

妨害されたし  怪盗アルティメットルパン』

 

 

そこに残されていたのは一枚のカードだけ、東条は既に姿をくらましていたのだ。

 

 

「・・・やられましたねぇ」

 

 

いくら魂を持っていても機械が相手ではサイコメトリーで残留思念を読み取ることはできない。これ以上彼を追うこともできないと判断した竜神丸はカードを懐に入れると古城を後にした。

 

 

 

 

―――――――ちょうどその頃、久留間運動公園―――――――

 

 

「集合場所はここで良いんでしたっけ?」

 

「ええ、もうすぐ来ると思うけど・・・」

 

「ジュース買ってきましたー」

 

「おう、アタシはコーラな」

 

「じゃあ私はカフェオレ・・・あっ、来たみたいだよ」

 

 

 

okakaの家令、【侍女式自動人形・橘花】の買ってきたドリンクを飲みながらokaka達を待っていたディアーリーズ、ハルカ、拓海、こなた達は駐車場に入ってくる3台の車を見つけると手を振って合図を出した。

 

 

「おっ、いたいた」

 

 

先頭のトライドロンを運転するokakaがディア達一行を見つけ、近くにトライドロンを停めると、後続のネクストライドロンと、特状課のマークを付けたトライドロンもそれに倣った。

 

 

「うわぁ・・・俺のを入れてトライドロンが3台もあるよ・・・」

 

『これは驚いたねぇ』

 

「実はもう一台あるんだよなぁ」

 

 

雑談しながら車を降りてきたokakaと進之介達にディア達が歩み寄ってきた。

 

 

「okakaさん、その人は?」

 

「ん?ああ、仮面ライダードライブ」

 

「あ、そうなんですか・・・ええ!?仮面ライダー!?」

 

「・・・いや紹介雑過ぎだろ!・・・俺は泊進之介、警視庁特状課の刑事だ。こっちが相棒の・・・」

 

「詩島霧子です。貴方達がOTAKU旅団の?」

 

 

okakaの非常に適当な紹介に突っ込みをいれた進之介は自分から名乗ると、警察手帳を広げてみせた。

 

 

「はい。あ、僕はウルティムス・マクダウェルです。ウルって呼んでください。それとこっちが・・・」

 

「ハルカよ、よろしく」

 

「私のことはこなたで良いよ〜」

 

ディアの紹介で二人が進之介達に自己紹介する。

 

 

「それとこっちがうちの侍「橘花です!」・・・侍女の橘花と娘の拓海だ。紹介に割って入ったから橘花はオシオキだ」

 

「orz」

 

「・・・どうも拓海っす」

 

 

okakaの紹介で二人が挨拶した。だが、拓海の様子がどうもおかしい、進之介と霧子に対して目を合わせようとしない上に余所余所しい。進之介達が疑問に思っているとokakaがニヤつきながら説明した。

 

 

「大方ちょっと前までヤンチャしてたから警察に苦手意識でもあるんだろ、「なっ!ちげぇよ!別にビビってなんて」まぁその内なれるって「聞けよ親父!」気にすんな。それよりディア、そっちはどうだった?」

 

 

図星だったのか顔を真っ赤にして反論する拓海をスルーしたokakaはディア達の報告を聞いた。

 

 

「夢見町の方は微妙に収穫がありました。財団X関係ってことで真木博士の研究所跡と真木邸を中心に調べてたんですが、ここ数日白い詰め襟の集団の目撃情報が何件かありました」

 

「でももういないと見ていいわね、真木邸にあった真木博士の資料の一部がごっそりと持ち去られた形跡があったわ。拓海ちゃんの鷹の目で形跡を調べてもらったけど、どうやら複数の財団構成員が資料を持ち去ったみたい」

 

 

ディアとハルカの報告に、やはり財団Xが何かしようとしているのは明白。今度はこちらの情報を共有しようとokakaが口を開いた。

 

 

「風都もそうだった。園崎邸跡とミュージアムの施設跡をいくつか探ってみたが、ここ最近で一気に資料が持ち去られている。裏社会で取引されているガイアメモリの数と種類も一気に増えたそうだ。ミュージアムがない今、この世界でガイアメモリの精製方法を持ってるのは財団Xだけだ」

 

「そういえば親父殿、風都署の帰りに私が屋台であのでかいナルトのラーメンを食べている間、念の為にと言って誰かに依頼に行っていたようだが?」

 

 

同行していた晶葉を置いて何処かへ行っていた事を聞かれたokakaは、ニヤリと笑って返した。

 

 

「ああ、ちょいとガイアメモリの駆け込み寺にな。所長の目の前に札束置いたら快く引き受けてくれたよ」

 

「???」

 

 

okakaの答えに晶葉の疑問が溶けないまま考え込んでいると、そこに一台のバイクが乗り付けてきた。

 

 

「おや、皆さんお揃いで」

 

「・・・竜神丸、そっちはなんか解ったのか?」

 

 

そのバイク、ローズアタッカーの主、竜神丸はバイクを降りるとカードを一枚okakaに手渡した。

 

 

「私の収穫はこれくらいですね、では私はまだ用事がありますので一旦戻ってますね」

 

「あ、おい!」

 

 

okakaの引き止めも無視して竜神丸は転移して帰ってしまった。

 

 

「ったく、挨拶くらいしてけっての」

 

 

okakaが文句を言いながらカードを見ると、そこに書かれた名前に進之介が驚いた。

 

 

「アルティメットルパン!?なんでアイツが!?」

 

『恐らく財団Xは彼にとっても邪魔なのだろう、財団のやり方は彼の流儀に反するようだ』

 

「なるほど、あのルパンの旦那、美学には相当うるさいからなぁ。ベルトさんの言うとおりかな」

 

『進之介、今のは私でなはないぞ?』

 

「え?」

 

 

自身の肩に乗ったシフトスピードからの声に進之介が疑問符を浮かべていると、okakaが自身のベルトを取り出した。

 

 

『今のは私だよ、ミスタードライブ。そしてミスタースタインベルト、こうして会話をするのは初めてだね。私はプロトディケイドライバー、PDと呼んでくれ』

 

『これは驚いた・・・』

 

「ベルトさん以外の喋るベルトなんて初めて見た・・・」

 

 

――――――――特訓開始から6日後、残り滞在可能時間3日、こうして特状課の仮面ライダーと旅団の面々は親交を深めていった――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――その頃、風都では――――――――

 

 

「亜樹子ォ!なんで俺達が風麺食いに行ってる間に勝手に依頼受けてんだ!」

 

「私は所長じゃ!それに置いてくなんてひどいじゃん!」

 

「居なかったじゃねぇか!それに行きたきゃ照井と行きゃ良いだろ!」

 

「良いから早く調査に行く!所長命令!」

 

(相変わらず賑やかな家族だ・・・そういえばあの少女の眼鏡、少し変わったガジェットみたいだったなぁ・・・実に興味深い、検索する必要がある!)

 

「そうだろう、ミック?」

 

「にゃー」

 

 

――――――――調査を任された探偵達が大騒ぎしていたのは、また別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――楽園、竜神丸の研究室――――――――

 

 

「これは僥倖、まさか生きているコア・ドライビアZEROがあるとは・・・手始めにゲネシスドライバーにでも組み込みましょう、重加速の中で動けないんじゃ意味無いですから♪」

 

 

持ち帰った残骸から手に入れたコア・ドライビアZEROを喜々として移植する竜神丸の顔は狂気に満ちた笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

風都組、今回は一切合流はしません(キッパリ)竜神丸さんの方と誤差を出すわけにはいかないので電話でいくつかやり取りするくらいです。

ゲネシスドライバーにコア・ドライビア内蔵の件は、重加速の中で動けないと戦えない→悪人である旅竜神丸にシフトカーを貸してくれそうな人がいない→どっかからコア・ドライビア持ってくるしか無いという独断と偏見にまみれた結果です。邪魔なら話の最後でコア・ドライビアだけ壊しちゃおうかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
第10話です
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コメント
次話更新(okaka)
旅)あのおっさんは年中あんなんだ、多分ジジイになっても変わんねぇぞ(okaka)
支配人:じゃあちょっとだけ   オーナー「こうしてアカツキ君の足止めをするのも必要とはいえ少し心苦しいですねぇ・・・(ボソッ)」 駅長「仕方ありません、これも未来の為です(ボソッ)」(okaka)
竜神丸;またそのパターンかよw(支配人)
オーナー「さぁ、支配人君」 駅長「君の出番ですよ〜♪」 団長「頑張ってくれたまえ」(※またしても旗がギリギリ倒れそうな状態)(竜神丸)
スル―かよ…  劇場何も出来ねえ…(-_-;)(支配人)
旅)まったく…本当に財団の連中は碌な事をしませんね…。………あの鴻上って人すっごいハイテンションだったなぁ…(ディアーリーズ)
支配人:ネタバレになるのでスルーで。(okaka)
竜神丸:了解(okaka)
旅 (……今何戦目だっけ? そういえば同じ特異点の彼女が調査してるのに俺だけ待機ってのも妙だな…俺と彼女の違いはなんだ…?(支配人)
ゲネシスドライバーにコア・ドライビア仕込み……大アリです!(親指グッ)(竜神丸)
旅)コア・ドライビア、実に興味深いシステムですねぇ……さて、これをゲネシスコアの填められる部分に埋め込んで…フフフフフフフフ…    イーリス「わ、笑っている……いつも以上に不気味に笑っている…!!」(←部下一同、竜神丸に全く近付けないでいた)(竜神丸)
ディア:前段階(逃 が さ ん)(okaka)
(よし、ラッキースケベ無し…。このまま財団X潰して平和的に楽園に帰ろう…!!)(ディアーリーズ)
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