ある日、天空市の繁華街を歩く父娘連れの旅行者の姿があった。

「こりゃまた西京市とは違った華やかさがあるな…。」

「動物みたいな人もいっぱい…。」

西京市でバイク整備をしている川戸博之とその娘の絹代である。と、そこに響き渡る叫び声。

「いやー！ひったくり！」

おっと思った二人の脇を何やら人影がものすごい勢いで駆け抜けていった。

「おい絹代、奴を捕まえろ！」

「え、やだ…。怖い…。」

「大丈夫だ…とりあえず変身してみろ！」

「うん…変身！」

実は絹代は魔法の力でヤンキー姿の魔法少女「朧夜お鬼怒」に変身することができるのである。博之に無理やり変身させられた絹代ではあったが…

「うおおお！」

変身するとそれまでの弱気な性格が一転し攻撃的かつ尊大な性格になる。

「おらああ！ひったくり覚悟しろ！」

たちまち猛ダッシュでひったくりに詰め寄り、手にする木刀でマッハ叩きをかましてひったくりを捕まえてしまう。そして駆けつけてきた刑事にひったくりを引き渡すのであった。

「あ、ありがとうございます〜。」

「おう、ざっとこんなもんよ。」

とこれは被害者。

「さすがオレの娘だな！」

「ま、まあな…。」

とこれは父親。

「ご協力感謝します！…ところで君いい度胸だね。今度警察学校の試験受けて見ないかい？」

「ヤダね！おまわりはキライなんだ！（西京で赤いキップ切られたんだよ…）」

とこれは刑事。

（この人すごい胸してる…。さらし巻いてもったいないなあ。）

「…何見てんだそこのキツネ！」

とこれは通りがかった…

おわり