白猫は地に想いを馳せ、黒猫は空を睨む
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白猫は地に想いを馳せ、黒猫は空を睨む

 

 

第2話『黒の目覚め』

 

 

其処は、光が混ざらぬ闇の中。

 

漂う意識の中、起き上がる影と傍に人影がある。

 

 

『ようやく目覚めたか…』

 

 

眼鏡をかけ、聡明そうな男が起きた者に話しかける。

 

髪の長い女性であろう、その人は寝起きのだるさを隠さずに

 

『うるさいわね、今はどんな状況なの?』

 

 

髪を掻き上げ、衣服を整え起き上がった。

 

 

『今から始まる所だ、道化が既に準備は済ませた。』

 

『アイツか…信用できんの?あのイカレ頭。』

 

 

この場にいない者に容赦ない一言。

男性はポカンとしたまま、静かに笑う。

 

 

『先程、目覚めたばかりのお前に比べればな。』

 

 

女性はバツが悪いように頭を掻き。

 

『それで、《あの方》は見つけているの?』

 

『あぁ、今はある島で記憶を無くし平穏に暮らしている』

 

男は少し顔を伏せながら、ありのままの現在を伝えた。

 

『それってどういう事よ!?、あの方に何があったっての!!?』

 

 

女性は男性に詰め寄る、男はわかっていたかのように応対していた。

 

 

『封印の影響としかわからんな。ただ、記憶喪失は確かだ。力も眠ったままだろうな』

 

『そんな…そんな事って…』

 

 

女性は膝から崩れ落ちていた。

男はそのままの姿勢、目線だけを下に向け話を続けた。

 

 

『問題ない、闇の王が目覚めれば、あの方も目覚めよう。』

 

『そ、そうよね…』

 

男は女性の反応に満足したのか、背を向け歩き出す

 

 

『我らの長い休息は終わりだ、動いてもらうぞ、グローザ。』

 

『わかってるわよ、ヴァルアス…』

 

 

視界からヴァルアスが消え、グローザと呼ばれた女性は静かに歩き出す

 

『やっと、やっと………お迎え出来る。闇の王の後継者…黒の王子様…』

 

 

視界に広がるは、かつては愛し、憎んだ色溢れる世界。

『次こそは、奪わせなんかしないわ…必ず。』

 

 

世界に疎まれようと、憎まれようと自分には成したい事がある。

ただ、それだけ。

 

ただ、それだけを支えにグローザは光の中に進んで行ったのだった。

 

 

 

 

第2話 (完)

 

_________________________________

 

 

 

あとがき

 

この小説は主人公xグローザの二次創作です。

 

更新はかなりゆったりとやって行きます。

 

 

ではまた次回で。

 

 

説明

初作品です。
白猫プロジェクトの二次小説となります。

キャラの正確に違和感があるかもです。
(誹謗中傷はお辞めください。)
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