逆転の理想論 【彼】と『彼』の出会い
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「『きみ、おもしろいね』」

 

そう言って、一人の子供が笑った

 

「・・・なにが?」

 

その隣にいた子供が、不思議そうに聞く

 

「『きみがさっきいったことがだよ』

『せかいはふびょうどうでありびょうどうだ』

『そういったのは、きみじゃないか』」

 

子供は何がおかしいのか、ずっと笑ったままだ

でもその顔に、もう一人の子供は違和感をもった

でも、【普通】じゃない子供は、その違和感を放置した

 

「・・・おまえがどうおもったとしても

おれにはかんけいないことだ」

 

「『つめたいね・・・』

『まあ、そのいけんにはさんせいだよ』

『ぼくがなにをおもって、きみにことばをなげかけても』

『それは、ぼくのいっぽうてきなこみゅにけーしょんをとろーとしただけであって』

『きみじしんが、きにやむひつようはどこにもない』

『だから、きみはなにもわるくない』」

 

どこか不気味な人形を抱えて、子供はそう言った

普通の人間なら、今すぐにでも子供の前から消えたいと思うだろうが

あいにくと、もう一人の子供は、全くそう思わなかった

 

「おれがわるいかわるくないかなんて

それを、おまえがきめるりゆうなんてない」

 

「『そのとおり!』『きみとぼくはきがあうね!』

『さっき、そこにいたおんなのことはおおちがいだ』」

 

「ふ〜ん」

 

「『にんげんはむいみにうまれて』

『むかんけいにいきて』

『むかちにしぬにきまっている』

『さっきのおんなのこは、どこかぼくとはちがうこたえをだしそうなきがしたけど』

きみは、ぼくとおなじこたえをだしてくれそうだ!』」

 

興奮しながらそういう子供に対して

もう一人の子供は、どこまでも冷静だった

冷静に、こう言ったんだ

 

「・・・にんげんは、たしかにむいみにうまれる

うまれることにたいして、いみなんてない

でも、にんげんはむかんけいにはいきられない

どこかで、かならずだれかとなにかしらのかんけいをもってしまう

そして、にんげんのしはむかちなだけじゃない

そのにんげんとつながっているだれかには

そのにんげんのしは、えいきょうをあたえるのだから」

 

こんなことを言ってのけるのは、普通の子供ではありえない

でも、この子は普通じゃないから

こんなことを平然と答えてしまう

 

「『・・・・・・』」

 

ふと、人形を抱えた子供が立ち上がる

その顔は、能面のように真顔だった

 

「・・・きみは、おもしろいね」

 

冒頭に言った言葉と同じセリフ

でも、どこか何かが違うセリフを、子供ははっした

 

「あっそ」

 

それが、彼らの出会いだった

本来なら、物語の中には絶対に組み込まれなかったはずの歯車

とても小さくて、いる必要があるのかと疑問を持ってしまうような存在

でも、【僕】はあえてこう答えよう

物語とは、歯車が一個でも狂うと、その在り方を変えてしまうものなのだと

 

「『ぼくのなまえは』『くまがわみそぎ』」

 

「・・・おれは、あじむきょうや」

 

さて、物語を始めるとしよう

本来の筋書きから外れてしまった物語を

できることなら、最後まで彼の物語を見ていってほしい

きっと、退屈はしないはずだから

 

説明
小説初投稿作品
原作は、めだかボックス
オリジナル主人公が、原作にかかわったり
かかわらなかったり
改変したり、しなかったりな物語
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タグ
めだかボックス オリ主 オリジナル主人公 

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