逆転の理想論 彼が【彼】になったきっかけ
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世界は、不平等であり平等だ。

それが、自分自身で結論付けた答えだった。

まだ俺が5歳のころ、俺はそれを確信した。

 

((異常|アブノーマル))

 

それが、俺が生まれてから持っている力の名前なんだそうだ。

俺の両親は、俺が生まれた時から俺が異常だと気が付いていたようで

赤ん坊のころから、俺を否定し続けてきた。

それでも今日まで生きてこれたのは、一言でいうならば、家族愛というやつのおかげである。

俺の両親は、どこにでもいる((普通|ノーマル))な人間だ。

だからこそ、自分たちの子供には普通に愛を感じているみたいで

自分たちの子供が、生まれた時から普通じゃないと分かっていながら

俺のことを愛していると言ってのけるのだ。

そんな両親が、俺の異常性を否定するのは

仕方がないことなのかもしれない。

いつもいつも、一般の普通の子供がどんな子供なのかを聞かされ

いつもいつも、俺がいかに普通じゃないかを聞かされ

いつもいつも、普通でいることが正しいことなのだと聞かされ

いつもいつもいつもいつもいつもいつも・・・

そんなことが毎日毎日続いてくると俺は、世界が不平等なのだと知った

自分だけが否定されて、それ以外が肯定されて

そんな世界が、どうしようもなくうざかった。

だからこそ、俺は普通であることを拒んだ

((普通|ノーマル))になるくらいなら、((異常|アブノーマル))でいるほうがいい

それが、俺が出した答えだった。

当然、両親はそんな俺を否定する。

そんな両親を、俺は否定した。

そんなイタチごっこをつづけたある日のことだ

突然、両親が死んだ。

理由はいまだにわかっていない。

強いて言うなら、【ただ死んだ】としか言えない。

それから、俺は自分ひとりで生きてきた

ちなみに、このとき俺はまだ3歳だった

そして、俺は実感した。

世界は、まさしく不平等なんだと

一歩外に出てみれば、それは明確に見えてしまった

道を歩く人、一人一人が全く違っている

服の質や、健康そうな肌とそうでない肌

綺麗な人や、ブサイクな人

こんなふうに、誰かが得をしている傍らで

誰かが、損をしている

まさしく、不平等だった

そんな環境の中で、俺はその日その日を何とか食いつないでいた

ごみをあさったり、盗みをしたり

両親がいなくて、親戚もいない

天涯孤独のになった俺を待っていたのは

ただただ、自分に降りかかる不平等さだった

 

「君、それで満足なのかい?」

 

そんなある日だった、あの女が現れたのは

 

「親もいなくて親戚もいない

友達と呼べる人間もいない

天涯孤独の身

確かに、周りから同情される内容だけど

正直言って、君はその程度で満足するのかい?」

 

初めは、何を言っているのかよくわからなかった

満足?そんなものは関係ないだろ

生きる上で、そんなものは必要ない

第一、こんな不平等な世界で

俺が満足して生きられるとは思っていなかった

そんな俺に、その女はこう言った

 

「そんなことはないさ!

世界は、不平等なことだけじゃない

平等なことだって確実にあるんだよ

この僕が、それを保証しよう」

 

そう言って、どこか満足げにその女は手を差し伸べてきた

まるで、俺が手を取るのをわかりきっているかのように

 

「この((悪平等|ノットイコール))である

安心院なじみが、君に平等とは何かを教えてあげるよ

あ、僕のことは親しみを込めて((安心院|あんしんいん))さんと呼びなさい」

 

思えば、これが今の俺を形作ったきっかけになったのかもしれない

ただ、この時は、この不平等な世界を変えられるのならと

まるで、悪魔のささやきにそそのかされたかのように

俺は、彼女の手を取った。

よく晴れた日、その日は偶然にも

俺の5歳の誕生日だった

 

説明
何を書きたいのか正直迷っている作者です
今回は、主人公のちょっとした独白の物語
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