エブリデイえーゆー譚!〜恋姫達とのドタバタ生活!〜 三十話
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広大な敷地、きらびやかな建物…ここは、鳳凰院家と対をなす天上院家の屋敷。

その中の一室…天上院家の正当後継者の麗羽は深くため息をついていた。

 

 

 

 

麗羽「………はぁ…」

 

 

 

 

机に座り、手を頬に添えてただ窓を見ている麗羽。

…ちょっと待て、こいつホントに麗羽か?

そう思っているのは何も作者だけではなく、彼女のボディーガードと秘書も少し離れた所からこっそり話していた。

 

猪々子「ちょ、どうしたんだよ姫…(ヒソヒソ」

斗詩「わかんないよ!いつもうるさいくらいに高笑いするのに…(ヒソヒソ」

真値「机から一歩も離れずに外を眺めてる…凄く似合わないわよ(ヒソヒソ」

 

何気に酷いこと言ってるなこの三人。

ともあれここは最近の麗羽はおかしいのだ。

いつもなら無駄に高笑いし、華琳の鼻をへし折る事を考え、さらに無駄に高笑いするはずなのに。

 

 

麗羽「………はぁ…」

 

 

今ではこんな様だ。

 

猪々子「ひ、姫ー。今日のお菓子はクッキーだぜ!」

麗羽「いりませんわ」

斗詩「でしたらお買い物に行きませんか?新しいお洋服が今流行りで…」

麗羽「この前買いましたわ」

真値「…お勉強します?」

麗羽「そうですわね…暇なのでやりましょうか」

斗詩「…文ちゃん、今すぐお医者さん呼んでッッ!」

猪々子「今やってる!!」

真値「体温、体温計りましょう!」

麗羽「な、なんですの一体!?」

 

バタバタと麗羽達は部屋で動き回る。

てかそんなに元気なんだから体が悪い訳じゃないぞ。

そう言ってくれる者は誰も居らず、とうとうお控えの医師が来て大騒ぎになったと言う。

 

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次の日…アパートの食堂

 

斗詩「…と言うのが最近ありまして」

リト「何それ気持ちわるっ」

真値「そこまで言う!?」

猪々子「どうにかしてくれよ兄貴ぃ〜…。あんな姫なんて姫じゃねぇよぉ〜…ただのくるくるだよぉ〜…」

真値「あんたも酷いわね!?」

リト「で、いつからそんなんなんだ?」

斗詩「少なくとも三日前です。その日の夜は麗羽様と一緒に四人でお買い物に行く予定だったんですけど…」

猪々子「アタイ達が学校で遅くなって姫だけで買い物に行ったんだよな」

真値「麗羽様が帰ってきてた頃にはさっき言った感じで…」

 

三人の言っている事が本当なら、麗羽の変化は買い物をしている間だろう。

てか、財閥の娘が護衛も付けずに買い物していいのかよ。

リトは少々めんどくさがりながらも考察していく。

 

リト「絶対夜になんかあったな」

斗詩「ですよね。でも麗羽様に聞いても顔を赤らめるだけで…」

猪々子「風邪かなんかだと思うんだけどさ、熱もないし体調も悪くないから訳わかんないんだよな」

真値「……いや、それだけでも十分なヒントよ?」

リト「ヒント?風邪でもないのに顔を赤らめるのが?」

 

…本当にわかってないのかこの寝癖頭は。

それはともかくガチで分からないリトを節目に、実はさっきから近くにいたウラタロスはその問題の答えを出した。

 

ウラタロス「それは恋の病だよ」

リト「恋?」

猪々子「マジでかよ、ウラっち!?」

リト「ウラっち……!」←失笑

斗詩「やっぱりですか…」

真値「と言うより何でそうだと思うの?」

ウラタロス「さっきの説明とその人の態度で大体は予想できるよ。て言うかリトは気付くべきだと思うんだけど?」

リト「俺は医者じゃねぇぞ?」

斗詩「いや、そう言う意味じゃ…」

 

病と言ってるのでそんな捉え方をするリト。

そうしていると、『恋』と言う部分だけで驚いていた猪々子はまた驚く。

 

猪々子「って姫に好きな奴!?」

真値「今さら気付いたの!?」

ウラタロス「可能性は少なくないけど…でもそうだと思うよ」

リト「だけどそれが誰なのかだ。あのクルクルが惚れるとなると…やっぱりクルクル?」

斗詩「髪型だけで判断しないでください!」

猪々子「じゃあド派手な格好の奴とか?」

真値「麗羽様の性格ならあり得なくはないけど…それだけで?」

ウラタロス「謎は深まるばかりだね。本人に聞いてもだんまりだと思うし」

 

確かにそうだろう…なんせあの金髪、無駄にプライド高いし。

ではどうすればいいのだろう…その場にいる五人は頭を捻らせる。

だが中々解決しないので、リトはある事を思い付いた。

 

 

リト「こうなったら…猪々子、文ちゃんレーダーだ」

猪々子「ほえ?なんだよそれ?」

リト「お前の悪運を生かしてクルクルの想い人を探すんだ。大丈夫、スーパーボールで投げた時に当たった相手を連れて行けばいい」

斗詩「それもはやレーダーじゃないですよね!?あと悪運じゃダメじゃないですか!?」

リト「俺にとっちゃぁアイツに関わってる時点で悪運なんだよ!!」←といいつつスーパーボール取り出す

真値「それにスーパーボールってモンスターボールの方じゃない!間違ってポケモン捕まえたらどうするの!?」

ウラタロス「しかも当たると痛いよね!?」

猪々子「でも面白そうだな…。……どりゃああああああ!!」←全力投球

斗真ウ「「「行ったぁああああああ!?」」」

 

猪々子はなんだか面白がってリトからスーパーボールを受け取りブンッと大きく振りかぶった。

スーパーボールはおもちゃの方のと同じように壁や天井、床に跳び跳ねる。

そして、とうとう当たった。

 

 

ガンッ!!

 

 

ジーク「…………」←顔面に当たった

猪々子「あ…」

ジーク「貴様…私の顔に何を…」

リト「はい決定!!連れてくぞー!!」

ジーク「きょ、兄弟…何をするのだ!?」

斗詩「…これで間違ってたらどうしよう」

真値「…聞かないで」

ウラタロス「とりあえず行ってみよう?」

 

リトは簀巻きにしたジークを担ぎ上げ、アパートから出ていく。

そしてそれを追いかける斗詩達…ウラタロスは呆れながらも付いていった。

 

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で、天上院家の屋敷に到着。

 

リト「はい、とうちゃーく」

猪々子「ひーめー」←呼びに行った

ジーク「兄弟、説明を要求したいのだが…」

リト「察しろ」

ウラタロス「酷いね!?」

 

なんだか色々とおかしくなってきた。

もしこれでジークが関係なかったのならどうなるのだろう。

ウラタロスは少しため息をついた。

と、そうしてると

 

麗羽「な、なんですの猪々子さん!?私に客じ…あ」

ジーク「む?そなたは…」

斗詩「え、も…もしかして…」

真値「ビンゴ…?」

 

互いに知っている雰囲気を出している 麗羽とジーク。

え、ホントに合ってたの?と

思いながらリトは一応ジークに聞く。

 

リト「とりあえずジーク。こいつの事知ってるのか?」

ジーク「無論だ。三日ほど前か…ふと、町を歩き庶民の者共を視察していてな。その時、無粋な輩がそこの者に絡んでいたのだ。私は当然その輩を成敗した…そんな所だが?」

ウラタロス「ちょっと待ってそれある意味フラグ」

麗羽「ひ、平沢さん!?貴方、このお方とどのような関係ですの!?」

リト「アパートの同居人…てかこのお方?」

斗詩「………」←予想外で硬直

真値「………」←上に同じく

猪々子「うわー…マジか…」

 

運命の再会を果たした女性はとても高揚してものだと後にウラタロスは語る。

麗羽の顔は正しくソレだ。

なんかもう、二人だけの空間みたいになってるし……とりあえず周りは退避する。

で、勝手に放置していると、二人は勝手に自己紹介し始めた。

 

麗羽「あ、あの…私、天上院 麗羽と申しますの…」

ジーク「ほぉ?麗羽……美しい名だ。そして名に恥じぬ美しさ…そなたは私の姫に相応しい。…我が名はジーク。遠慮は言わずそのまま呼ぶといい」

麗羽「わかりましたわ、ジーク様!」

リト「…あ、共通点KYと自己中とかけっこうあるな」

ウラタロス「て言うか、何でジークまで大物を…?」←複雑な心境

 

複雑な心境だ…ウラタロスはそんな顔をして呟く。

あ、そう言えば二人とも白鳥に接点あるわ。

リトはリトでそう納得し、これはこれで面白いと二人を眺めていた。

 

説明
XXX「さぁ、今年も一ヶ月切りました!」
一刀「あんたの仕事が忙しくなる時期だな」
XXX「………言うなよ、鬱になる」
一刀「今年は後何回投稿できる事やら。という訳で『三十話:似た者同士は惹かれあう』……今回は色々ショックだな、うん」
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恋姫英雄譚 作者の悪い病気 オリ主 恋姫無双 

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