英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
最奥に到着したリィン達は澄んだ色をした湖の中に立っている橋を渡り終え、広い場所に出た。
〜ジュライロッジ・最奥〜
「ここは………」
「………地下の湖………?」
「ち、地下にこれほどの湖があるなんて………」
リィンは立ち止まって周囲を見回し、フィーは考え込み、エリオットは驚きの表情で周囲を見回していた。
「?あの球体は一体……」
「球体のある所には祭壇らしき設備がありますが……」
「……多分”教団”の重要な”儀式”で使う設備じゃないかしら?」
「!あれはまさか……」
「…………一体どういう事かしら?」
一方祭壇らしき場所にある巨大な球体に気付いたガイウスは首を傾げ、エマとセリーヌは真剣な表情で考え込み、ある事に気付いたシャロンとサラ教官は厳しい表情をした。
「あれ〜?初めて来たはずなのに、なんか見覚えがあるんだけどな〜。」
「…………うふふ、確かに”情報局”の貴女ならこの”光景”に見覚えがあってもおかしくないわね。」
するとその時首を傾げているミリアムの言葉を聞いたレンは意味ありげな笑みを浮かべて答えた。
「へ……」
「レン姫は何かご存知なのですか?」
レンの言葉を聞いたマキアスは呆け、エリスは不思議そうな表情で尋ねた。
「ええ。だってこの光景、ロイドお兄さん達と一緒にヨアヒムとの決戦に挑んだ”太陽の砦”の終点の光景と”全く一緒”だもの。」
「ええっ!?」
そしてレンの答えにセレーネが驚きの表情で声を上げたその時
「フフ……その通りさ。」
ヨアヒムの声が聞こえた後、祭壇の陰からヨアヒムが現れた。
「ヨアヒム・ギュンター……!」
「!!」
「い、いつの間に………」
「フン、大方亡霊なのを利用して今まで姿を消していただけだろう。」
「ん。最初からそいつはその祭壇の陰にいたよ。」
ヨアヒムの姿を見て厳しい表情で声を上げたクロチルダの言葉を聞いたリィンは目を見開き、ヨアヒムの登場に驚いているアリサにユーシスは鼻を鳴らして答えてヨアヒムを睨み、エヴリーヌはユーシスの推測に頷いて説明を捕捉した。
「―――ようこそ。我等の新たなる聖地へ。”紅き翼”の諸君、そして”紅き翼”の”協力者”の諸君……歓迎させてもらうよ。」
ヨアヒムは階段を下りながら不敵な笑みを浮かべ、階段を降り、広間に来たヨアヒムにリィン達は武器を構えて近づいた。
「……そなたは……」
「この戦力を目の前に随分と余裕だな。」
「貴方の味方は全て無力化しました。……かつて”特務支援課”に敗北した貴方が、味方を全て失った状態で私達に勝てるとお思いなのですか?」
ラウラとレーヴェはそれぞれ厳しい表情でヨアヒムを見つめ、エリゼは真剣な表情でヨアヒムに問いかけた。
「クク、何か勘違いをしていないかい?」
「え……」
「”勘違い”、ですか。」
「それは一体どういう意味なのですか?」
ヨアヒムの言葉の意味がわからなかったツーヤは呆け、リアンヌは真剣な表情で呟き、ルイーズは質問を続けた。
「君達がここに来るまで今まで倒した彼らは僕にとって、ただの都合のいい”手駒”さ!別に彼らを失っても、僕にとっては痛くもかゆくも無かったんだよ?」
「…………!」
「貴様……!」
「フィーちゃん……」
「ユーシス……」
「それはそなたが作った怪しげな薬物を投与されたエーデル先輩や”帝国解放戦線”の者達、そしてクロウの事も言っているのか!?」
高々と答えたヨアヒムの答えを聞き、親しい人物達が”手駒”扱いされた事に怒りの表情になっているフィーとユーシスをエマとガイウスはそれぞれ心配そうな表情で見つめ、ラウラは厳しい表情で問いかけた。
「ああ、彼らか。彼らは大いに役に立ってくれたよ。何せ彼らの実験データのお蔭で”真のグノーシス”を完成させられたのだからね!」
「……ッ!」
ヨアヒムの話を聞いたクロチルダは唇を噛みしめてヨアヒムを睨み
「ちなみにデータの中でもとりわけ役に立ったのが実験に協力してくれた女子生徒とクロウ君だ。やはり若い身体の検体の方が色々と――――」
(…………ッ……!)
(エーデルさん……)
「やめろ………!」
「いい加減にしなさい!この人でなし……!」
「どうして……どうして貴方も同じ”人”であったのに、そんな酷い事を平気でできるのですか!?」
自慢げに説明し始めたヨアヒムの話を聞いて辛そうな表情で身体を震わせているエーデルの様子に気付いたメサイアは心配そうな表情をし、リィンとアリサは声を上げて制止し、セレーネは怒りの表情で問いかけ
「……まさか私の父と同等の”外道”がいるとはね……」
「パント卿の父――――”ケルヴァン”ですか……」
「パント様……」
厳しい表情で呟いたパントの言葉を聞いたプリネは複雑そうな表情をし、ルイーズは心配そうな表情でパントを見つめていた。
「―――ヨアヒム・ギュンター。この光景についてレン姫が仰った事を”その通り”だと言いましたが……あれはどういう意味ですか?」
「フフ、そのままの意味さ。キーア様をお迎えする場所として相応しい場所にする為にこの地をかつての聖地―――”太陽の砦”の祭壇と全く同じ場所へと作り替えたのだよ。」
「”碧の大樹”が消えてもなお、貴方はまだ御子殿を諦めていないのですか……」
「うふふ、今のあの娘にはもはや”至宝”としての力は失われているのだから例えあの娘を手に入れても無駄なのに、わざわざここまでするなんてご苦労様よねぇ。」
シグルーンの問いかけに答えたヨアヒムの話を聞いたリアンヌは目を細め、レンは小悪魔な笑みを浮かべていた。
「そう言えば……ずっと疑問に思っていたけど、アンタはどうやって”執行者”達を味方にしたのよ?」
「確か”怪盗紳士”の話では、亡霊となった”怪盗紳士”達が活躍できる場所を用意する何者かを貴方が取りこんだと言っていたけど……一体誰を取りこんだのかしら?」
そしてサラ教官の質問に続くようにクロチルダは真剣な表情でヨアヒムを見つめて呟き
「ああ、その事か。その人物は君達もよく知る人物さ。―――出てきたまえ。」
クロチルダの言葉を聞いたヨアヒムは指を鳴らした。するとヨアヒムの傍にある人物の亡霊―――オズボーン宰相が姿を現した!
「ほええええええええ〜っ!?」
「貴方は……!」
「オ、オズボーン宰相閣下……!?」
「!!」
オズボーン宰相の亡霊の登場にミリアムとエリゼ、マキアスは驚き、リィンは目を見開いた。
「………………………」
しかしオズボーン宰相は何も言葉を発する事なく虚ろな目でリィン達を見つめていた。
「フフ、彼にいくら言葉をかけても無駄だよ。彼の魂は私に支配されているのだから、目の前の彼はただの”抜け殻”だよ。」
「”抜け殻”………」
「アンタが取りこんだ人物というのは”鉄血宰相”の事だったのね……―――それで亡霊になった”鉄血宰相”は何をしようとしていたのよ。」
ヨアヒムの説明を聞いたガイウスは呆け、セリーヌは目を細めて問いかけた。
「クク、どうやら彼も君達が先程滅したルーファス・アルバレア同様不敬ながらキーア様に復讐をするつもりだったようでね。その復讐に必要な物が足りなくなったお蔭で僅かにできた隙を突いた僕が彼を取りこんだのさ。」
「キーアさんに対する”復讐”ですか……オズボーン宰相は一体何をしようとしていたのですか?」
セリーヌの問いかけに答えたヨアヒムの話を聞いたプリネは質問を続けた。
「フフ、かつて”空の女神(エイドス)”というまやかしな存在が封じたという”世界の災厄”……それを自身の”力”にして、彼はこのゼムリアだけでなく異世界をも破壊しつくして、双界をエレボニアの名の元に再生し、そして支配しようとしていたのさ!」
そしてヨアヒムは驚愕の事実を口にした!
説明 | ||
第126話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
匿名希望様 まあ、そこの所はオリジナルなのであまり気にしないで下さい(sorano) オズボーンゲームを見る限り安直に支配とか考えてない人物に見えるんだけど、なんて小物風味(匿名希望) |
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