英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜ジュライロッジ・最奥〜
「ええっ!?」
「め、女神様が封じた”世界の災厄”ですか……?」
「し、しかもゼムリアだけでなく異世界まで破壊して、支配をするって……!」
「………その”世界の災厄”が何なのかわからないが、どうやら亡霊となった”鉄血宰相”はとてつもない事をしようとしていたようだね。」
ヨアヒムの口から語られた驚愕の事実を知ったアリサは驚き、エリスは不安そうな表情をし、エリオットは信じられない表情をし、パントは重々しい様子を纏って呟いた。
「今までの話を整理するとオズボーン宰相は”世界の災厄”を自身の”力”にしようとしていましたが、何かが足りなくて失敗したとの事。その足りないものとは一体何なのでしょうか?」
「フフ、それは恨みや憎しみを持った死者の魂――――つまりはエレボニアの内戦やメンフィルの侵攻によって命を落とした死者達の事さ!」
「何ですって!?」
シャロンの質問に答えたヨアヒムの話を聞いたサラ教官は声を上げて驚き
「……死者達の魂なんか使って何をする気だったんだろう?」
「さてな。―――だが、結果的には”鉄血宰相”の野望は未然に防ぐことができた……それだけは真実だ。」
「ええ。オズボーン宰相の野望を阻止できたのも、内戦終結の切っ掛けを作った皆さんのお蔭でもあるでしょうね。」
首を傾げているエヴリーヌの疑問にレーヴェは静かな表情で答え、ルイーズはリィン達に微笑んだ。
「さて、無駄話は終わりにしてそろそろ取引をさせてもらうよ。」
「え……と、”取引”ですか?」
話を切り上げた後に提案したヨアヒムの言葉を聞いたセレーネは戸惑い
「今からクロスベルに向かってキーア様をこの場に連れてきたまえ。そうすれば、ジュライ特区とハーケン街道で暴れている領邦軍の兵士達や悪魔達を無力化するし、僕達―――”D∴G教団”はエレボニアに2度と手出ししない事を誓おう。」
「ふざけるな!この期に及んでなお、まだそんな取引に俺達が応じると思っているのか!?」
「うふふ、自分の状況がわかっていて、そんな事を言っているのかしら?先に言っておくけど、”太陽の砦”でレン達に不意打ちしたような手は通じないわよ?」
ヨアヒムが出した条件にリィンは厳しい表情で反論し、レンは小悪魔な笑みを浮かべてヨアヒムを見つめた。
「クク、これを見てもなお、そんな事が言えるかな?」
そしてヨアヒムは杖を掲げて魔術を発動すると、何と気を失っているクロウがヨアヒムの前に転送された!
「クロウ!?」
「馬鹿な!?奴は一体何をしたのだ!?」
クロウを見たクロチルダは血相を変え、ユーシスは信じられない表情で声をあげ
「転移魔法でクロウさんを自分の元に引き寄せたんです!で、でも一体どうやって……」
「アイドス様の治療でクロウさんの身体を侵していた”グノーシス”も解呪された事で貴方とクロウさんの繋がりは途絶えたはずなのに、一体どうやってクロウさんを引き寄せたのですか!?」
ユーシスの疑問に答えたエマは戸惑い、プリネは厳しい表情で尋ねた。
「ハハハハハハハハッ!言っただろう?僕は”真のグノーシス”を完成させたって!到らない君達と違い、”真なる叡智に到った”僕ではこのくらい、簡単にできるのさ!」
「世迷言を……!クロウをどうするつもりだ!?」
高笑いをするヨアヒムの言葉を聞いたラウラが厳しい表情で声を上げて問いかけたその時
「クク、それは勿論仲間想いの君達が本気でキーア様を連れて来る気にさせる為さ!」
ヨアヒムは懐から赤紫色の液体が入った注射器を取りだした。
「注射器……?一体何を――――」
「!まさかあれは……!」
「!いけません!あれは”新型のグノーシス”です!」
ヨアヒムが取りだした注射器を見たエリスが戸惑っている中、ある事に気付いたシャロンは血相を変え、エリゼは厳しい表情で声をあげ
「何ですって!?」
「まさか……彼に再び”グノーシス”を投与して魔人化させ、彼の治療を取引に使うつもりですか!?」
エリゼの言葉を聞いたクロチルダは血相を変え、シグルーンは厳しい表情で問いかけた。
「クク、その通り!」
「止めなさい――――!」
クロウにグノーシスが投与される事を防ぐ為にサラ教官は注射器目掛けて銃撃を放ったが銃弾が注射器に命中する僅かな時間差によって銃撃は外れ、クロウはヨアヒムに注射をされてしまった。
「あ……っ!」
「しまった……!」
「!―――気を付けてください!クロウさんから凄まじい霊圧を感じます!」
注射器に刺されたクロウを見たアリサは声をあげ、リィンは唇を噛みしめ、何かに気付いたエマは仲間達に警告をした。
「う……ガアァァァァァアアアア――――――ッ!?」
するとその時クロウは呻き声を上げながら巨大化した魔人へと変わり果てた!
「な―――――」
「なああああああああっ!?」
「あれがオルキスタワーの屋上でエリゼ達が戦ったという”新型のグノーシス”によって魔人化(デモナイズ)をした魔人か……!」
「……確か話によるとあの状態になった者を治療できるのは現状”空の女神”のみとの事ですが……」
クロウの変わり果てた姿を見たユーシスは絶句し、マキアスは驚きの表情で声をあげ、パントは厳しい表情をし、ルイーズは辛そうな表情でリィン達を見つめた。
「ハハハハハハハッ!さあ、早くキーア様を僕の元に連れてきたまえ!さもなければ、君達の大切な仲間を失う事になるよ!」
「そ、そんな……」
「貴様……!」
高笑いをするヨアヒムの言葉を聞いたエリオットは悲痛そうな表情をし、ガイウスは怒りの表情でヨアヒムを睨んだ。
「クッ、何か……何かあるはずだ!クロウを助ける方法が!」
「ハハハハハッ!一体何をして彼を助けるんだい!?もしかして”奇蹟”が起こって彼が助かるように、まやかしの存在たる”空の女神”にでも祈るのかい!?」
そして唇を噛みしめたリィンの言葉を聞いたヨアヒムが高笑いをしながら問いかけたその時!
「フウ。”空の女神”を信じ、崇めている”七耀教会”もそうですがそれとは逆に”空の女神”の存在を疑ったり、否定したりするのは人それぞれですし、そもそも”私”はその二つ名を迷惑に思っているくらいの上例え”私”の存在を否定しようが赤の他人にそんな事を言われても”どうでもよくて、全然気にしません”が……今目の前で起こっている”人”として決して許されない所業を”神であり、人でもある私”が見逃すとお思いですか?」
リィン達にとって聞き覚えがある声にして、希望となる女性の声がリィン達の背後から聞こえて来た!
相変わらず見事な三下で外道っぷりを見せつけて自分が有利なように見せかけているヨアヒムですが、この後の展開もわかるでしょう?(ニヤリ)なお次回のBGMは空シリーズの”Cry for your Eternity”、零の”踏み出す勇気”、イースオリジンの”Genesis Beyond The Biginning"、ヴァルキリープロファイルの”Turn over new leaf”のどれかだと思って下さい♪
説明 | ||
第127話 | ||
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