英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜ジュライロッジ・最奥〜
「オォォォォォォ――――――ッ!!」
ジュライ特区内が混乱に満ちている中エンド・オブ・ヴァ―ミリオンは咆哮を上げ
「ヒャハハハハハッ!真ナル神ニ加エテ魔王ノ力モアレバ、女神モ敵ウマイ!」
その様子を見ていたヨアヒムは凶悪な笑みを浮かべて笑い続けていた。
「……ッ……!何て力……!」
「結界から一歩も離れてはいけませんわよ!」
「……あれ程の”負”の霊圧に封印されている”ユリス”に影響を与えないとよいのですが……!」
フィーナやフェミリンス、エイドスは結界を展開してリィン達を守り続け
「ぐううっ……!」
「きゃああ……っ!」
「うわあああっ……!」
「……ッ……!兄様……!」
「なんちゅう霊圧や……!」
「”輝く環(オーリオール)”を取りこんだワイスマン―――いや、もしかしたらワイスマンすらも比べものにならないかもしれない……!」
「ええっ!?」
「しかも”教授”とヨアヒムもいるから、かなり厄介よ……!?」
結界越しに伝わるエンド・オブ・ヴァ―ミリオンの霊圧を受けたリィン達が呻いたり悲鳴を上げている中、ケビンやヨシュアは信じられない表情をし、ヨシュアの推測を聞いたミントは驚き、エステルは厳しい表情で声を上げた。
「…………―――エイドス様、御身の御力でヨアヒムに従っているあの2体を別の異次元へと転移させられないでしょうか?」
するとその時真剣な表情で考え込んでいたルフィナはエイドスに視線を向けて問いかけ
「ね、姉様?一体何を……」
ルフィナの問いかけの意味がわからなかったリースは戸惑いの表情をした。
「ゼムリア大陸から常に祝福を受け、数々の”奇蹟”を起こす事ができるエイドス様ならライサンダー卿の”匣(はこ)”のような事もできると思っているの。」
「副長の”匣(はこ)”……―――”アレ”か!」
「フフ、確かに何でもアリな”空の女神”なら可能っぽいよねぇ?」
ルフィナの説明を聞いたケビンは目を見開き、ワジは静かな笑みを浮かべてエイドスを見つめた。
「へ………い、今何て言いました……?」
「そちらのシスターが”ライサンダー卿”と言っていたが……確か”ライサンダー”性の名前の教官がオレ達の学院にも一人いるが……」
「まさか……トマス教官も”星杯騎士団”の方なんですか!?」
一方ある事が気になったマキアスは呆け、ガイウスは戸惑いの表情をし、リィンは信じられない表情でケビン達に尋ねた。
「フフ、その”まさか”さ♪――――”守護騎士(ドミニオン)”第二位にして”星杯騎士団(グラールリッター)”副長”匣使い(はこつかい)”トマス・ライサンダー。それが君達がよく知る副長の正体さ♪あ、それとちなみに君達の学院の平民学生として通っているロジーヌは副長の”従騎士”だよ♪」
そしてワジがリィン達の反応を面白がるかのように口元に笑みを浮かべて答えた。
「……………………」
ワジの答えを聞いたリィン達は黙り込み
「ええええええええええええ〜〜〜〜っ!?」
やがて全員信じられない表情で声を上げた!
「ト、トマス教官が”星杯騎士”―――それも副長を務めている人だなんて……!」
「し、信じられない……!」
「前々から疑問に思っていたが俺達の学院の教官達の採用基準はどうなっている!?」
「とても副長を務めておられるような方には見えませんでしたが……」
「しかもロジーヌさんまで”星杯騎士”だなんて……」
「青天の霹靂だね。」
「アハハ……オジサンも士官学院に”星杯騎士団”が潜入している事までは予想していたけど、まさか”守護騎士(ドミニオン)”―――しかも”星杯騎士団”の副長が潜入していたなんてね〜。」
「フフ、『人は見かけによらない』という諺とはこの事を言うのだろうな……」
我に返ったエリオットやアリサは信じられない表情をし、セレーネは呆け、ユーシスは疲れた表情で声をあげ、信じられない表情をしているエマの言葉に続くようにフィーは目を丸くして呟き、ミリアムは表情を引き攣らせ、ラウラは苦笑し
「フフッ、まさかトマス様が”星杯騎士団”の副長だったとは、わたくしも驚きましたわ。」
「……正直俺も信じられない思いだ。フッ、ケビン・グラハムに続いて欺けられるとは俺もまだまだだな。」
シャロンとレーヴェは苦笑していた。
「ま、まさかトマス教官が”星杯騎士”―――それも”守護騎士”だなんて……」
「しかも”星杯騎士団”の副長だなんて、実際に知っても信じられない思いだわ。」
「ふ〜ん。じゃああの眼鏡教師、結構強いんだ。」
「うふふ、まさかこんな形で”星杯騎士団”の副長の正体を知るなんてね♪」
「フフ、一本取られたな。」
「はい。―――さすがは教会の裏組織と言った所ですね。」
「フフッ、リウイ陛下達もトマス殿の正体を知れば驚かれるでしょうね。」
「プリネ姫達もご存知でなかったのですか……」
「何だか最近驚く事が多い気がするわ……」
ツーヤとプリネはそれぞれ表情を引き攣らせ、エヴリーヌは呑気そうな様子で呟き、レンはからかいの表情で呟き、静かな笑みを浮かべて呟いたパントの言葉に頷いたルイーズは真剣な表情をし、シグルーンは苦笑し、プリネ達の反応を見たエリスは信じられない表情をし、エリゼは疲れた表情で呟いた。
「……なるほどね。トリスタの防衛戦の時からトマス教官が”只者”じゃない事はわかっていたけど、まさか”星杯騎士”――――それも”守護騎士(ドミニオン)”だなんてね。完全に騙されたわ……”執行者”の連中は知らなかったようだけど、アンタ達なら知っていたのじゃないかしら?」
疲れた表情で溜息を吐いたサラ教官はリアンヌとクロチルダに視線を向け
「ええ。ただ彼の正体が判明したのはおよそ半年前ですから”剣帝”殿達がご存知でないのも無理はありませんが。」
「私も最初”匣使い”が貴方達と一緒にいる所を見た時は驚いたわよ。内戦や”騎神”は”星杯騎士団の領分”じゃないから、関わって来ないと予想していたのだから。」
「今思い返してみると”双龍橋”でアタシ達の前から姿を消した方法も”古代遺物(アーティファクト)”関係でしょうね。……まあ、あのポヤンとした眼鏡教師が”守護騎士(ドミニオン)”で、しかも”星杯騎士団”の副長だなんてアタシも信じられないけど。」
リアンヌは静かな表情で答え、クロチルダは苦笑しながら答え、セリーヌは疲れた表情で呟いた。
「フフ、期待通りの反応だね♪」
「あのな、ワジ……」
「ワジ君も他人(ひと)の事は言えないわよ。」
「お前も正体を隠して特務支援課(俺達の所)に潜り込んでいただろうが!?」
「あたし達もワジ君の正体を知った時は本当に驚いたんだからね……」
「みんな、すっごく驚いていたもんね〜。」
「というかせっかく正体を隠していたのに本人達の許可もなくわたし達の前で正体を言っちゃってよかったのですか?」
リィン達の反応を面白そうに見ているワジをロイドとエリィは呆れた表情で見つめ、ランディとノエルは疲れた表情で指摘し、キーアは無邪気な笑顔を浮かべ、ティオはジト目で指摘し
「ア、アハハ……”特務支援課”どころか”トールズ士官学院”にも”守護騎士”がいたなんて、驚いたよね〜。」
「むしろ驚かない方がおかしいから。」
「ケビンさん?”守護騎士”って正体を隠してみんなを驚かせる事が趣味なの?ケビンさんといい、ワジ君といい、そのトマスさんって人といい、みんな正体を隠してあたし達を驚かせてるんだからそうとしか思えないんですけど?」
苦笑しながら呟いたミントにヨシュアは疲れた表情で指摘し、エステルはジト目でケビンに尋ねた。
「いや〜、それについては不可抗力やから勘弁してや………―――というか、ワジ!そんなアッサリと副長たちの正体をバラすなや!?」
「例え”守護騎士(ドミニオン)”であられるヘミスフィア卿でも最低でも始末書を書かなければならないと思うのですが……」
エステルの問いかけに苦笑しながら答えたケビンは疲れた表情でリースと共にワジに指摘し
「やだなあ。最初にヒントを出したのはルフィナなんだから僕のせいじゃないよ♪というか僕達が崇めている”空の女神”に取りなしてもらえば、問題なしだよ♪」
「いや、明確な答えを言ったのはワジさんなのですが……」
「どう考えても責任転嫁なの。」
「トマスという人の正体が判明したのも9割くらいは彼のせいよね……?」
「しかも仮にも聖職者なのにエイドスさんを利用しようとしていますよね……?」
「エイドスなら普通に取りなしそうだから、冗談になっていないよ……」
「ううっ、ライサンダー卿には後で謝罪しないと……」
指摘されたワジの答えに全員が冷や汗をかいている中、ナユタとノイ、クレハは呆れた表情をし、エレナとアドル、ルフィナはそれぞれ疲れた表情で呟いた。
「あ、あの〜……皆さんのお気持ちはわかりますが今はそれどころではないのですが……」
「まずはあの三体をどうにかする事が最優先である事を忘れたのですか!?呑気に漫才をしている余裕があるくらいなら、あの三体に遠距離攻撃でもしなさい!」
するとその時結界を展開し続けているフィーナは冷や汗をかいて苦笑しながら指摘し、フェミリンスは呆れた表情で声をあげ
「フフ……ルフィナさん。ヨアヒムを守護する2体を異次元に追放すると仰いましたが……一体何の為ですか?」
その様子を微笑みながら聞き、結界を展開し続けていたエイドスは表情を引き締めてルフィナに問いかけた。
と言う訳でこっちのルートではこんなタイミングでトマス教官とロジーヌの正体がバレましたww
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第131話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
本郷 刃様 これもみんなワジのせいww(sorano) 自分達のあずかり知らぬところで正体を明かされるとは、かわいそうにw(本郷 刃) |
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