英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
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〜ジュライロッジ・最奥〜

 

「ええっ!?」

「エーデル!この機会を逃したら2度と人間に戻れないかもしれないとわかっていて言っているの!?」

「はい。」

エーデルの予想外の答えを聞いたエリオットは驚き、血相を変えたサラ教官の問いかけにエーデルは静かな表情で頷いた。

「そ、その……どうして人間に戻りたくないのですか?」

「何か理由があるのですか?」

「えっと……ミントさん、聞きたい事があるからちょっと耳を貸してもらってもいいかしら?」

「?うん、いいよ。」

「その……もし私の時間を戻したらやっぱり…………(性行為の際に女性の体内に出された男性の体液によってできた赤ちゃんも消えるのよね?)」

マキアスとガイウスの疑問を聞いて言葉を濁していたエーデルはミントにある事を小声で耳打ちした。

 

「!!??はわわわわわわわっ!?そ、そんな事を聞くって事はもしかして……!」

エーデルにある事を耳打ちされたミントは顔を真っ赤にして慌て始め

(ええ。もしかしたら性行為によって私のお腹の中に赤ちゃんができているかもしれないから、ミントさんの力によって赤ちゃんまで消えてしまうかどうかを一番知りたいの。)

エーデルは頬を赤らめて小声で答えた。

「えっと……その…………その人の身体の”時間を戻す”事になるから当然エーデルさんの予想通りなんだけど……(それって、双方合意の上なんだよね?)」

(ええ。……他にも理由はあるけど、もしその時の性行為によって赤ちゃんができちゃっていたら、私とリィン君の赤ちゃんを消す―――殺す事になるから、それだけは絶対にしたくないの。)

((相手はリィンさんなんだ……)その……だったら、その時にできた赤ちゃんを産んでからエーデルさんの時間を戻して人間に戻してもいいんだよ?)

エーデルの話を聞いて大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせてリィンに視線を向けたミントはすぐに気を取り直してエーデルに問いかけた。

(いいの。赤ちゃんの件を抜きにしても私は”今の自分”を受け入れて生きて行くって決めたから。)

「(エーデルさん……)……うん、わかった。でももし気が変わったらいつでも言ってね?」

「ええ。」

「……その様子だと人間に戻るつもりはないのか?」

ミントとの会話を終えたエーデルを見たユーシスは眉を顰めて尋ねた。

 

「うん。でも理由は言えないから、ごめんね?」

「部長……」

「……部長がそう決めたのでしたら仕方ありませんわね……」

「え〜、そんな言われ方をしたら逆に滅茶苦茶気になるよ〜!」

「ミ、ミリアムちゃん。きっとエーデル先輩にも何か深い事情があるのですから――――」

エーデルの答えを聞いたフィーとセレーネは複雑そうな表情をし、エーデルに催促するミリアムを見たエマは諌めようとしたが

(……まあ、ある意味深い事情ヨ。)

(ヴァレフォルさん?もしかしてお二人の会話が聞こえていたのですか?)

ヴァレフォルに耳打ちされると不思議そうな表情でヴァレフォルに尋ねた。

(ええ、あの娘が人間に戻りたがらない一番の理由は―――)

「うふふ、アリサとセレーネ、後はエリゼとエリスもちょっといいかしら♪」

「へ……」

「ハ、ハア……?」

「わ、私達もですか?」

「一体何でしょうか……?」

(うふふ、エーデルが人間に戻りたがらない理由はね―――)

ヴァレフォルがエマに耳打ちしている間にベルフェゴールはアリサ達にある事を耳打ちをした。

 

「ベ、ベルフェゴール様……」

「ふふふ、この後の展開は既にわかりきったようなものですね。」

「……よくわかりませんが、間違いなくマスターの不埒な事でしょうね。」

「ア、アハハ……」

ベルフェゴール達の様子を見ていたメサイアは呆れ、リザイラは静かな笑みを浮かべ、アルティナはジト目になり、アイドスは苦笑していた。

 

「リ・ィ・ン〜〜〜〜〜??」

「「に・い・さ・ま〜〜〜??」」

「……リィンさん?」

「お兄様……」

「フフ、よくわからないけど私も何となくわかったわ。さすがはこの私もハーレムの一員にしたリィン君ね♪」

「ええっ!?な、何でそこで俺を見るんだ!?」

アリサ達がそれぞれ膨大な威圧を纏ってリィンに微笑んでいる中、セレーネは疲れた表情でリィンを見つめ、その様子を見てある事を察したクロチルダはからかいの表情になり、アリサ達に微笑まれたリィンは慌て始め、その様子に周囲の人物達は脱力した。

「え、えっと、彼女達ってもしかして……」

「アハハハハハッ!しかも結社の”蛇の使徒”までハーレムの一員にするなんて凄すぎるよ!ロイドですらそんな偉業は成し遂げていないよ!」

「ちょっ!?何でそこで俺が出て来るんだよ!?」

「しかもエリゼさんから聞いていた時よりも明らかに数人程増えていますよね?」

「向こうの方が私達より大変かもしれないわね……」

「”蛇の使徒”まで落とすなんて、幾ら何でもありえなさ過ぎよ……」

「ハハ……やり方はともかく彼女を味方にした事に関しては驚嘆に値するだろうね。(というか確か彼女はレーヴェに熱中していたはずなんだけどな……)」

「……”神殺し”達よりもあの男の方が双界一の女の敵かもしれませんわね。」

「畜生―――――ッ!このリア充野郎が――――ッ!”空の女神”とその一族様!ちょうどいい機会だし、このリア充野郎共に纏めて天罰を与えてやってくれ!!」

我に返ったノエルは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、腹を抱えて大声で笑っているワジの言葉を聞いたロイドは慌てた様子で指摘し、ティオはジト目になり、エリィとエステルは疲れた表情になり、ヨシュアは苦笑した後レーヴェに視線を向け、フェミリンスは呆れた表情でリィンを見つめ、ランディは咆哮を上げた後エイドス達に視線を向けてロイドとリィンに指を指した。

 

「ランディ!?何でそこで俺まで指さすんだよ!?」

「え、えーと…………」

「まあ、女性としては自覚のない二人には罰があってもおかしくないとは思っていますけど……」

「フフ、そうですね。取りあえずまずは、クロウさんを異次元から呼び戻しますね。」

ランディに指差されたロイドが慌てている中クレハと共に苦笑しているフィーナの言葉に頷いたエイドスは異空間からクロウを呼び戻し

「!これは………」

「以前会った時と違って髪がまるで老人のようね……」

「……わたしと同じ”ロッジ”にいた子供達の中にもいました。クロウさんのように髪が老人のようになって最後は……」

「ティオ……」

「外道共が……」

変わり果てた姿のクロウを見たロイドは目を見開き、エリィは不安そうな表情をし、辛そうな表情で語るティオをキーアは心配そうな表情で見つめ、ランディは目を細めて呟いた。

 

「えっと……どのくらい前の状態に戻せばいいのかな?」

「クロウが”グノーシス”を投与する前だから……今から2――いえ、念の為に3日前の状態にお願いしたいのだけど……可能かしら?」

ミントの疑問を聞いたクロチルダは考え込みながら呟いた後ミントに問いかけた。

「うん。え〜と、3日前だから72時間分戻すんだね。―――彼の者の時の流れよ、”真竜”の名の元に戻れ――――タイムリバース!!」

クロチルダの問いかけに頷いたミントが両手から神秘的な光を放つと白髪だったクロウの髪の色は元の銀髪に戻った。

「あ……!」

「クロウの髪の色が……!」

「元に戻りましたわ……!」

元に戻ったクロウを見て仲間達と共に血相を変えたアリサとエリオット、セレーネは明るい表情で声をあげ

「まるで”奇蹟”ですね……」

「フフ、まるでも何も人の時の流れを操るなんてどう考えても”奇蹟”よ。」

呆けた様子で呟いたエリスの言葉を聞いたエリゼは苦笑しながら答えた。

 

「それで肝心の寿命の問題の方は大丈夫なのでしょうか?」

「……ええ、心配しなくても大丈夫よ。さっき失った命の焔もちゃんと戻っているわ。これならクロウも人並みの寿命で生きられるわ。」

シャロンに視線を向けられたアイドスはクロウの状態を確かめて答え

「そうか……!」

「人の時の流れを自由自在に操る魔法……まさに”奇蹟”のような魔法ね……」

「というか普通に考えて”禁呪”扱いされるとんでもない魔法よ。それを代償や反動もなく、普通に使えるなんて正直彼女も”神”と言われてもおかしくないわよ。」

アイドスの答えを聞いたリィンは明るい表情をし、セリーヌは信じられない表情をしているエマと共に真剣な表情でミントを見つめ

「ん。……というかそっちの自称”ただの新妻”よりもよっぽど神様っぽい。」

「全くだな。そこのエセ女神も見習ってほしいものだな。」

「お、おい。エイドスさんは本物の女神なんだから、さすがにエセ女神は言いすぎだぞ。」

「フィーも言い過ぎだぞ。」

それぞれジト目でエイドスを見つめるフィーとユーシスの言葉を聞いたマキアスは冷や汗をかき、ラウラは真剣な表情で指摘した。

 

「……フフ、私のどこが”エセ女神”なのですか〜〜〜〜??私は”元”とは言え、”本物の女神”なのですが〜〜〜??」

するとエイドスは膨大な威圧を纏って微笑み始め、それを見たその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「ハハ……エイドスの事だからてっきり笑って流すかと思っていたけど、一応気にしているみたいだね。」

「というか自分が”元本物の女神”って指摘もおかしすぎですよ……」

「ハア……普段から女神らしい所を見せていなかったのだから、そんな風に言われても仕方がないわよ。」

「そんな事で怒るくらいなら、普段からまともに”女神”らしい行動と言動をしろなの〜!」

アドルは苦笑し、エレナとフィーナは疲れた表情で呟き、ノイはエイドスを睨んで指摘し

「ううっ、私達まであんなハチャメチャな人と同列扱いされないといいのだけど……」

「エイドスさんは僕達の先祖だから、本当にそうなる可能性もあるからね……」

クレハとナユタは疲れた表情で頭を抱え込んだ。

 

「ハハ……それにしても時間を操る魔術か。こうして直に見てわかったが、確かに彼女の力を絶対に公にする訳にはいかないね。」

「ええ……下手をすれば彼女の力を巡って戦争が起きるかもしれませんしね。」

「そのような事が起こらないようにする事がミント殿の後ろ盾となっている我々メンフィルの義務ですわね。」

リィン達の様子を微笑ましく見守った後真剣な表情になったパントの意見にルイーズは頷き、シグルーンは静かな表情でミントを見つめて呟いた。

「フフ、何処に行ってもエイドス様は相変わらずね…………」

「ああ。………………」

エリィの言葉に頷いたロイドは真剣な表情で考え込み

「ロイド?」

「何か気になる事があるの?」

ロイドの様子に気付いたエリィは首を傾げ、キーアは不思議そうな表情で尋ねた。

 

「ああ……ヨアヒムが消滅間際に叫んだ言葉が気になっていて、それが何なのかずっと考えていたんだ。」

「え……ヨアヒムが消滅間際に叫んだ言葉ですか?」

「確か……”このままで終わると思うな”と言っていたね。」

「もしかしてマリアベルのお嬢さんの時みたいに、死に際に”何か仕掛けた”と思っているのかい?」

ロイドの話を聞いたノエルは首を傾げ、ヨシュアは真剣な表情で考え込みながら呟き、ワジはロイドに尋ねた。

「ああ。その可能性が一番高いと思う。ヨアヒムは一部とは言え、”零の至宝”の力を持っていたんだ。”何か”仕掛けていてもおかしくないと思っている。」

「それは……」

「さすがに考えすぎじゃねぇのか?それよりもう終わった事だし――――――」

ロイドの推測を聞いたティオが真剣な表情をしている中、ランディが疲れた表情で否定した後提案仕掛けたその時、その場にいる全員はゾクリと今まで感じた事のない悪寒と共に凄まじい霊圧を感じた!

 

「な、何、今の……!?」

「一瞬今までとは比べ物にならない凄まじい”風”を感じたが……」

「エンド・オブ・ヴァ―ミリオン―――いえ、アレすらも比べものにならない霊圧でしたが……」

我に返ったアリサは不安そうな表情で周囲を見回し、ガイウスとリアンヌは真剣な表情で考え込み

「!まさか――――”封印”が解けたのですか!?」

エイドスは厳しい表情で声を上げた。するとリィン達の目の前に膨大な瘴気と共に黒い球体のような物が現れた!

 

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次回、軌跡シリーズ恒例(?)のラストアタックにして終章終了です!ただし、ラストアタックは全員じゃなく、各作品の主人公達+αですけどね(それでも十分豪華な気が)なお、次回リィンはまさかの人物と共にこのルート限定にして次回の話限定のみのオリジナルコンビクラフトを発動します!!次回のBGMは空シリーズの”銀の意志”シリーズのどれかか”Cry for your Eternity”、イースオリジンの”Genesis Beyond The Biginning"、戦女神ZEROの”聖なる裁きの炎”、テイルズシリーズの”Eternal mind”のどれかだと思って下さい♪

説明
第136話
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他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡U 

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