英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
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〜トールズ士官学院・1年Z組〜

 

「辺境の領主であったアルゼイド家がノルティア州の統括領主等今でも分不相応だと今でも父共々思っているのだがな……内戦の功績と言っても大した事はしていないしな。」

仲間達に視線を向けられたラウラは困った表情で答え

「子爵―――いや、侯爵閣下は充分功績を残したじゃないか。」

「帝国貴族の大半が皇家に歯向かった状況でありながら皇家の窮地に力になった数少ない貴族なのだから、当然の評価だな。」

「アルフィン殿下とセドリック殿下に預けるまでの間のカレイジャスの指揮にオリヴァルト殿下の護衛を務めながら、内戦の終結に大きく貢献しましたものね。」

謙遜している様子のラウラにマキアス、ユーシス、プリネはそれぞれ指摘した。

 

「まあ、貴族連合の中枢部だった残りの”四大名門”を統括領主にし続けるのは問題があったから、ちょうどよかったんじゃないかな〜。今のエレボニア皇家が本当に信用できる貴族って誰でも覚えられるくらい少ないし。」

「それは……」

「内戦の最中実際にエレボニア皇家に味方した貴族は”アルゼイド家”と”ヴァンダール家”だけでしたからね……」

ミリアムの指摘を聞いたリィンは複雑そうな表情をし、ツーヤは重々しい様子を纏って答え

「その件もあってゼクス中将は壊滅した近衛隊を再結成する為に近衛隊の団長に就任して更に軍位が”大将”へと上がりましたし、ゼクス大将が率いていた”第三機甲師団”は近衛兵へと昇任したのでしょうね……」

「ガイウスさんは複雑ですか?ノルドの民達とゼクス大将達の関係は良好でしたし……」

「複雑というか寂しい気持ちだな。だが、オレや父さん達もみんな中将達の昇任を祝福している。」

複雑そうな表情で表情で答えたエマと共にガイウスに視線を向けたセレーネはガイウスに問いかけ、セレーネの問いかけにガイウスは静かな表情で答えた。

 

「機甲師団と言えば確かエリオットのお父さん達―――”第四機甲師団”は帝都……じゃなくて王都の守備部隊になって、エリオットのお父さんも大将に上がったんだっけ?」

「うん。そのお蔭で父さんが毎日実家に帰って来れるから嬉しいんだけど、同時に複雑なんだよね……ほら。父さんって、過保護だから。」

フィーの疑問に頷いたエリオットは困った表情をし

「?何で複雑なの?親から可愛がってもらえるのに。」

不思議そうな表情で首を傾げたエヴリーヌの言葉を聞いたリィン達は冷や汗をかいた。

 

(プリネさんに対して過保護なエヴリーヌさんにだけはクレイグ大将も言われたくないですよね……?)

(フウ……贅沢な悩みだとはわかっているけど、少しは妹離れして欲しいわ……)

苦笑しているツーヤの念話にプリネは疲れた表情で答え

「アハハ……確かに大切にされる事は嬉しいけど、限度ってものがあるし。」

エリオットは苦笑しながらエヴリーヌの疑問に答えた。

「”紅毛のクレイグ”って普段とは比べものにならないくらいエリオットには甘いもんね〜。ひょっとしたら将来できるかもしれないエリオットの結婚相手とかにも姑みたいに五月蠅いかもね〜。」

「た、確かにクレイグ大将のエリオットに対する過保護っぷりを考えるとな……」

「や、やめてよ……父さんだと本当にありえそうだし。というか”できるかもしれない”なんて、不穏な事を言わないでよ。その言い方だと僕が結婚できないかもしれないみたいな言い方だし。」

ミリアムの言葉を聞いたマキアスは冷や汗をかいてエリオットを見つめ、エリオットは疲れた表情で指摘した。

 

「結婚と言えば……リィンとアルフィン殿下の結婚式は後二ヶ月だったな。」

「………そう言えばそうだったわね。」

「ええ。しかも”空の女神”であるエイドスさん直々に祝福される歴史上初の結婚式であると、世間中を騒がせていますよね。」

「う”っ……エイドスさんが”グノーシス”を投与された人達を救う為に提示した条件の一つだったから、仕方ないだろう……?というか何でエイドスさんはあんなとんでもない条件をレクター少佐に提示したんだ……?」

ガイウスの言葉を聞いてそれぞれジト目で見つめて来るアリサとエマの視線に唸ったリィンは大量の冷や汗をかきながら答えた後疲れた表情で頭を抱えた。

 

「え、えっと……実はその事についてエイドス様に訊ねて欲しいとエステルさんへの便りで書いてその答えもエステルさんからの返事で知っているのですが聞きたいですか?私としてはできれば聞かない方がいいと思いますけど……」

「あ、あの……まさかとは思いますけど……」

「どう考えてもロクな答えじゃないんだろうね。」

困った表情をしているプリネの話を聞いてある事を察して表情を引き攣らせて答えを濁しているセレーネに続くようにフィーはジト目で呟いた。

「そ、それでも聞かせてくれ。」

「わかりました……『約半年しかない未来での私の滞在期間の一部をエレボニアが独占するのですから、その代わりとして面白い事をしてもらいたいので二人の結婚式をしてもらう事にした事と後は一度結婚式の時に誓いのキスを言う神父役を務めたかったのです♪』と、エイドス様は仰っていたそうです。」

そしてリィンの疑問にプリネが答えるとその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「お、面白い事をしてもらう為って……」

「しかも結婚式を仕切る神父役を務めたいからって、そんなどうでもいい理由の為だけに……」

「プリネさんの言う通り、聞かない方がよかったですね……」

「というか女性が仕切る時点で”神父役”ではないですよね?」

「ま、エステルの先祖なんだからある意味納得だよね。」

「エ、エヴリーヌさん。」

「どこまで女神の恥を晒せば気がすむのだ、あのエセ女神は!?」

アリサはジト目になり、マキアスとエマは疲れた表情で呟き、セレーネは苦笑し、エヴリーヌの言葉を聞いたツーヤは冷や汗をかき、ユーシスは顔に青筋を立てて声を上げた。

「細かい事は別に気にしなくていいんじゃないかな〜?”戦争回避条約の救済条約”を実行する事でメンフィルから復興に必要な物資やお金がたくさんもらえる上”空の女神”直々に祝福された事で、アルフィン皇女―――エレボニア皇家の”箔”を上げられるからエレボニアにとっては一石二鳥だしね〜。」

「いや、気にしてくれよ!?そんな理由の為だけに俺とアルフィン殿下はまだ成人もしていないのに結婚を命じられたんだぞ!?」

「ま、まあまあ。落ち着いて下さい、お兄様。それに結婚式と言っても、あくまで”仮”なのですし。」

からかいの表情で呟いたミリアムに声を上げて指摘するリィンをセレーネは苦笑しながら諌めた。

「”仮”と言っても戸籍にはしっかりアルフィン殿下がリィンさんの妻になった事が登録されますから、事情を知らない人達からしたら本物の結婚式ですよね。」

「そうね。後で私達の事を知ったエイドスさんのお蔭で私達も籍を入れる事になっているとはいえ、アルフィン殿下を含めた私達との”本物の結婚式”はいつになるのでしょうね。」

「う”っ……」

そしてそれぞれジト目で見つめて来たエマとアリサの視線に耐えられなかったリィンは唸って疲れた表情になった。

 

「フフ、アルフィン殿下のリィンに対するお気持ちを考えれば、アルフィン殿下にとっては一石三鳥な話だろうな。」

「そうだな。確か式はエイドスさん直々の希望でユミルの教会で挙げて、式の出席者はユーゲント陛下達や陛下達の護衛としてゼクス大将とアルゼイド侯爵、クレア少佐とシュバルツァー卿達、そしてオレ達だけの小さな式になるのだったな?」

苦笑しているラウラの言葉に頷いたガイウスはリィンに訊ね

「ああ…………それだけが唯一の救いだよ。アルフィン殿下の結婚式の式場なんて普通に考えたらヘイムダルの大聖堂で、招待客もエレボニアの貴族全員や各国のVIPや有力者ばかりだったろうしな……」

リィンは疲れた表情で答えた。

 

「でも、アリサ達ともする結婚式にはリィンの予想通りになるんじゃないのかな〜?それに確かユミルでの結婚式の翌日にはヘイムダルでお披露目のパレードをする予定だったよね〜♪」

「フッ、”本物の結婚式”をする頃にはリィンもクロイツェン州の統括領主に就任しているだろうから、バリアハートの聖堂も考えられるぞ。クロイツェン州の統括領主であったアルバレア公爵家は代々バリアハートの聖堂で式を挙げたと聞いているしな。」

「フフ、リフィアお姉様が大切になさっているエリゼさんの結婚式でもあるのですからミルスのマルーダ城かもしれませんよ?実際ゼルギウス将軍とシグルーン副将軍の結婚式の式場も、本来ならマーシルン皇家の者達の結婚式の時しか使わないのにリフィアお姉様の強い希望によって特別にマルーダ城でお二人の結婚式を挙げたのですから。」

「…………」

ミリアムやユーシス、プリネの推測を聞いたリィンは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「ア、アハハ…………あ、プリネさん。ユーシスさんに”いつもの件”の書類は渡したのですか?」

その様子を苦笑しながら見守っていたツーヤはある事を思い出し、プリネに視線を向けた。

 

 

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と言う訳でエイドス、実はロイド達の件以外にもレクターにとんでもない条件を提示していましたwwそれでは皆様、よいお年を……

説明
第146話


今年最後の更新です
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