英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート |
〜トールズ士官学院・裏庭〜
(アハハハハハハハッ!まさかアリサ以外にも”できて”いたとはね♪)
(ふふふ、しかも彼女は新顔ですからね。新顔の彼女に出し抜かれたエリゼ達の反応が今から楽しみですね。)
(間違いなくアリサさんの時同様怒るでしょうね……あら?”2か月目”ですと、おかしいですわよね?)
(……はい。もし”ジュライロッジ”での件でしたら、”3ヶ月目”のはずですから計算が一致しません。その為妊娠したのはそれ以降の性行為によるものとなってしまいます。)
(しかも妊娠して2ヶ月だから、かなり早期からリィンに抱かれる時に妊娠防止の魔術を使っていなかったとしか考えられないわね。)
エーデルの爆弾発言を聞いたベルフェゴールは腹を抱えて笑い、静かな笑みを浮かべるリザイラの念話に疲れた表情で答えたメサイアだったがある事に気付くと首を傾げ、メサイアの疑問にアルティナは静かな表情で答え、アイドスは苦笑しながら自身の推測を口にした。
「そ、その……エーデルせ――――」
「待って。謝るのは私の方よ。」
そして我に返ったリィンが謝罪しようとするとエーデルが制止した。
「へ……ど、どういう事ですか?」
「あのね、リィン君。私は”今月で2ヶ月目”って言ったのよ?もしジュライロッジでの性行為で妊娠していたらおかしいでしょう?”ジュライロッジでの出来事は3ヶ月前”なのだから。」
「あ…………―――!?じゃ、じゃあどうしてですか……!?あの時以降は先輩もアリサ達のように妊娠防止の魔術を使っていたんじゃ……」
エーデルの説明を聞いて呆けたリィンだったがすぐに血相を変えてエーデルを見つめた。
「……………」
リィンの疑問に対してエーデルは頬を赤く染めてリィンから視線を逸らして黙り込んでいたが
「フフッ、エーデルの代わりに私が答えてあげるわね♪エーデルはね、怖かったのよ。」
「へ……こ、怖い??一体何が怖いんですか?」
人格がカトレアに変わり、カトレアの説明を聞いたリィンは不思議そうな表情で首を傾げた。
「今はこうやって頻繁にリィン君と会っているけど、卒業したら結婚するまでお互いの未来の為に忙しいから滅多に会えないでしょう?まあ、1ヵ月に1回は会う約束はしているみたいだけど……それでもエーデルは怖かったのよ。リィン君にその内飽きられて、婚約を破断にされちゃうんじゃないかって。」
「なっ!?そんな事をするつもりは絶対ありませんよ!?エーデル先輩を助ける為とは言え、エーデル先輩の大切な操を奪ってしまったんですから、その責任は取るつもりです!」
「それをわかっていてもエーデルは怖かったのよ。アリサやセレーネ達と違ってリィン君との接点は今までほとんど無かったしね。魔族になった事でできた”魔の衝動”をリィン君の協力無しで制御できるようになった事や人格の切り替えが自由にできるようになったのに、今もアリサ達と同じ頻度でリィン君に抱かれていたのは、リィン君の心を繋ぎ止める為であると同時に”既成事実”――――リィン君との赤ちゃんを孕む事で、リィン君が将来ちゃんと責任を取って自分もアリサ達と一緒に結婚してくれる”証”が欲しかったのよ。」
「どうしてそこまでして……」
カトレアの話を聞いたリィンは呆けた表情でカトレアを通してエーデルに問いかけた。
「フフ、そんなの決まっているじゃない。”本気でリィン君を好きになったから”よ♪」
「ええっ!?」
そしてカトレアの答えを聞いたリィンは驚き
「もう、私の許可なく私の気持ちを勝手に答えないでよね……」
再び人格が戻ったエーデルは呆れた表情で溜息を吐いた。
「エ、エーデル先輩……その……」
「………カトレアの言った通りよ。学院に戻ってリィン君と接する機会が増えて、リィン君の事を良く知れば知る程リィン君をどんどん好きになったわ。だから卑怯だとは思ったけど、リィン君への気持ちを自覚した日から妊娠防止の魔術を一切使わないでリィン君に抱かれていたの。……ごめんね、こんな卑怯で重い女の子で……」
「そんな!?悪いのはエーデル先輩の気持ちに気付かなかった俺ですよ!エーデル先輩が謝る必要はありませんし……その……エーデル先輩との婚約はむしろ俺には勿体ないくらいだと思っています。だから俺がエーデル先輩を飽きるなんて絶対にありえませんし、一度交わした約束を破るなんて人として最低な事をするつもりはありません。」
「リィン君……フフ、そんな優しい君が大好き……!ん……」
(あ…………)
リィンの言葉に感激したエーデルは自らリィンに抱きついて口付けをし、リィンはエーデルの気持ちに応えるかのようにエーデルを優しく抱きしめていた。
「フフ、よかったわね、エーデル♪次は私の番よ♪ん……ちゅ……ちゅる………!」
「んんっ!?そ、そこは……っ!?ちゅる……ちゅ……!?」」
リィンとの口付けを終えたエーデルだったが、人格がカトレアに変わるとカトレアは舌を絡める深い口付けをリィンと交わしながら片手をリィンの身体のある部分へと持って行って触り始め、カトレアの官能的な口付けと行動によってリィンは強い興奮を感じた。
「チュッ。フフッ、準備は整えてあげたから後は貴女に任せるわね、エーデル♪」
身体越しに伝わるリィンの興奮を感じたカトレアはリィンに軽い口付けをした後自ら人格を引っ込めた。
「もう、カトレアったら…………………リィン君、こっちに来て。」
「エ、エーデル先輩!?」
エーデルは呆れた表情で溜息を吐いた後周囲を見回して誰もいない事を確認すると、リィンの手を引いて物陰へと連れて行った。
「エ、エーデル先輩、一体何を……ちょっ!?さすがにここでするのは不味すぎ――――」
物陰に連れて来られたリィンは自分の前でしゃがんで自分のズボンのベルトを外し始めるエーデルの行動を見ると慌てて制止しようとしたが
(うふふ、これなら問題ないでしょう♪)
(……今回は場所が場所だし、念の為に私も認識障害の結界を展開しておくわ。)
「ベ、ベルフェゴール……それにアイドスまで……」
ベルフェゴールとアイドスの念話を聞き、二人が結界を展開した事に気付くと表情を引き攣らせた。
「その……ここだったら私以外滅多に人は来ないから大丈夫のはずよ。このままにしていたらリィン君が歩き回れないからカトレアの代わりに私が責任を持ってスッキリさせてあげるわね……」
その後エーデルとの行為を終えたリィンは服装を整えた。
「そ、その……これで、歩き回れるよね?」
行為を終えて服装を整えたエーデルは顔を真っ赤にして身だしなみを整え終えたリィンを見つめて問いかけ
「は、はい。あ、ありがとうございました。」
問いかけられたリィンも顔を真っ赤にして答えたがある事を思い出し、エーデルに訊ねた。
「その……さっきのエーデル先輩の子供の件で聞き忘れたんですけど……ご両親はご存知なのですか?」
「ええ。リィン君の赤ちゃんができているってわかった日にお父さん達に便りを出して知らせたわ。」
「えっと……ご両親はその事について何か仰っていましたか?」
「フフ、二人ともこんなにも早く”ブルーメ伯爵家”の跡取りができた事に喜んでいたわよ。便りが届いた日に通信で、私に『おめでとう』って祝福してくれたくらいよ。」
「へ……それだけですか?大切な一人娘が学院に通っている間に子供ができたのに……」
エーデルの両親の反応が予想外であったリィンは困惑した表情でエーデルを見つめた。
「前にも言ったと思うけど、お父さん達はリィン君に感謝しているし、私とリィン君との結婚に全面的に賛成しているわ。私を助けてくれた事もそうだし、リィン君のお蔭でお父さん達の処罰が他の貴族の人達と比べると軽くなった上サザーラント州の統括領主に任命されたし。だから別に怒ってもいないし、私のお腹の中にいる私とリィン君の赤ちゃんの育成は私達―――”ブルーメ伯爵家”が責任を持ってするから、安心して。………それよりも大変なのはリィン君の方だから、頑張ってね?」
「え……どういう事でしょうか?」
「その……ね?お父さん達、私にリィン君の赤ちゃんができているって知った後嬉しさのあまりわざわざユミルまで行ってリィン君のお父さん達にも報告しちゃったみたいなの。」
「……あ”。」
エーデルの話を聞いた瞬間、リィンはエーデルの両親より自分の両親の反応が怖い可能性がある事に気付き、冷や汗を滝のように流し始めた。
「勿論その時にお父さん達はリィン君のお父さん達にリィン君には感謝している事やまだ学生の私がリィン君に赤ちゃんを孕まされた事も全然怒っていない所かむしろ跡継ぎができたから感謝している事も伝えたそうだから、多分そんなに怒られる事はないと思うわよ?」
リィンの様子を見たエーデルは苦笑しながらリィンに慰めの言葉を送り
「ハ、ハハ……そうだといいのですけど……」
リィンは渇いた声で笑いながらユミルに戻った時の事を思い浮かべ、疲れた表情で肩を落とした。
というわけでルートは違えど、後日譚でもしっかり18禁展開になりました。(遠い目)なお、いつものようにシルフェニアの18禁版に投稿しておきました。ちなみにですがこのルートでのエーデルとの18禁展開は後1回あります(ぇ)
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第149話 | ||
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