リリカルなのはZ
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 はやてからの連絡を受けてなのはが戦線復帰を目指している事を聞いたリンディはなかば予想していた通り口を割らなかったグランツ研究所の秘密。特にD・エクストラクターなる物をなのはを通して知りたがったが、シュテルは口を割らなかった。いや、もしかしたら彼女自身も知らないのかもしれない。これは予想通り、いや予想以上の交渉になる。

 これから始まるだろう交渉に私は誰にも気付かれないようにため息をついた。それは後ろに控えている義理の娘。フェイト。そしてアルフにすらも感じ取れない程の物だった。いや、むしろ彼女達は私以上にプレッシャーを感じているのだから・・・。

 

 「母さん。じゃ、なかった、提督。お時間です」

 

 「・・・別世界の鬼婆との対面か。ねえ、フェイト。今からでも間に合うよ。会うのはやめないかい?もしかしたらあの時の生き残りかもしれないよ」

 

 アルフの言う可能性も捨てられたわけでもない。もしかしたら虚数空間に落ちたプレシアはアルハザードにたどり着き、あの巨大ロボットを入手し、死んだはずのアリシアを生き返らせたのかもしれない。そして何を思ったのかこの世界にたどりついて使徒を倒すことになった。そしてアリシアという人物が自身のクローンに興味を持った。フェイト達からの報告だと何かとフェイトに気をかけている。それはまるで『妹のことを気にかけている姉』のように・・・。

 どちらにせよ管理局からは『何が何でもD・エクストラクターの正体を掴め』と命令されている。その命令があるからこそフェイト達はこの管理外世界、地球にいることが出来る。この命令が無ければ彼女達という貴重な高ランク魔導師をこんな使徒という怪物が出る世界にとどめるなどしない。管理局は『フェイトや八神はやて。その守護騎士達。回復の見込みのある高町なのは』をつかって『ガンレオンとD・エクストラクター』を入手しようと画策している。最悪な話し方だとフェイト達を犠牲にしてもグランツ研究所を引き込むことが出来れば十分に元が取れると考えている。

 

 「大丈夫だよアルフ。それに、あの時の母さんなら尚更会わないと」

 

 「会ってどうするのさ」

 

 「・・・わからない。だけど、会いたいんだ」

 

 何を話せばいいのか。何をしたいのか。あのプレシアに何をして欲しいか。なにも分からない。だけど会いたがるのは少なからずとも良い意味でも悪い意味でも因縁があるからだろう。

 何にしろグランツ研究所もフェイトを立会人に出すと言ったら何を言われても口も割らなければ腰も上げなかった。フェイトがいなければこのような交渉にも応じてくれなかったのだ。

 

 「フェイト。無理しないでいいのよ」

 

 リンディは嘘をつく。本当はフェイトにいて欲しい。だけど、このように嘘をついて彼女の気持ちを今から交渉の場に赴かせる為の後押しをする。それは初めてなのはさんに出会った時と同じ。突き放した後、自分から行きたがるように。それは心優しい人格を持つ彼女達だからこそ。

 

 「・・・行きます。行かせてください」

 

 こうなる。

 この子の母親としての心はこのまま帰って欲しかった。

 管理局員としての心は一緒に来てくれてよかった。

 どちらにしても後悔の念しかなかった。せめてフェイトの選択が未来を明るく照らしてくれることを願うだけだ。

 そして、リンディは扉を開く。その先に次元を超えてやってきたという魔女。大魔導師と言われたプレシアと相対することになる。

 

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 プレシア視点。

 

 主に私とリンディだけで話はまとまった。後から来るだろうタカとアリシアがいないとわからないが自前のD・エクストラクターから見るに科学技術だけならこちらの方が上だ。一応極秘と銘をうっているのでこの会談を盗み見されている可能性は少ない。

 

 「こちらが情報を公開することが出来るのはカートリッジシステムの改良点。そして次元航行を安全に渡るための物だけね」

 

 「・・・そう、ですか」

 

 管理局を通しての援助。主に地球では入手することが出来ない鉱物をいくらか回してくれることを条件にこちらが渡すことが出来る物はこれくらいだろう。下手に情報を渡して元の世界に戻る際に悪影響が出ないように、そして管理局が暴走しないようにする。幸いな事にこちらのリンディは清濁併せ持つことが出来る良識を持つ人物だ。

 

 清だけならフェイトを連れてくることなく自身のみで来ただろう。だが、そうだとすると『使徒を倒すために最良の対策』を繰り出すことが出来ない。それだと信用して背中を任せることが出来ない。

 濁だけならフェイトだけに話させてこちらの情報を汲み取ろうとしないだろう。現に話していたのはリンディだけでフェイトが話したのは自己紹介の時だけだ。アルフが何度かこちらに噛みつかんばかりの発言をしようとした時もすんなり割って入った。それはこちらとの会談の空気を悪くするだけでなく、私の怒りを買わず、且つ、険悪なムードでフェイトを傷つけないようにしている。優しさも併せ持っている。そんな彼女だからこそ信頼してこちらのカードを何枚か見せることが出来る。

 

 さて、これで会談は終了間近といったところでタカとアリシアが遅れてやってきた。二人はこの後チャリティーライブを開く予定なのでステージ衣装を着飾っている。とはいってもアリシアは綺麗と可愛いが程よく調和したコスチュームだが、タカの場合は綺麗な作業着だ。まあ、タカの場合はシャウト系が多いのでこれで構わないだろう。

 そう考えていると初めてフェイトがこちらに話しかけてきた。

 

 「あのっ・・・。ありがとうございます」

 

 「…なんのことかしら?」

 

 「はやての事を。私の友達を助けてくれてありがとうございます」

 

 「どういたしましてっ。困ったときはお互い様だからね」

 

 アリシアが元気に明るく答える。

 確かにはやてさんとザフィーラ。そしてヴィータの三人は使徒の攻撃を受けて大ダメージを受けたことがある。それを癒したのはガンレオンの治癒機能。スフィアの力だ。高志とアリシアはこの三人にスティグマを刻まないように細心の注意を払いながら治癒にあたった。元々は修理機能だったガンレオンのそれはこちらの世界に来ても変異したまま。というかここでは重機としても活躍している。だが、その治癒能力は莫大なものだった。

 

 「それで、その、おこがましいんですけど、なのはを。もう一人の友達も治してくれませんか?」

 

 「オッケイ。って、いた。・・・うう、ごめんねフェイト。それは出来ないんだよ」

 

 元いた世界でもフェイトに激甘だった(自分の人の事は言えないが)アリシアはホイホイとそのお願いを受けようとしたがタカのチョップでそれを取り下げた。

 

 「どうしてですかっ。あなた達の力があればなのはを助けられるのにどうしてっ」

 

 「・・・詳しくは言えないけど、ね。俺達の。いや、ガンレオンの力はいわば呪いみたいなものでね。使えば使うほどデメリットがつくんだよ。はやて達を助けられたのもそのデメリットがつかないように。結構ギリギリのラインでの処置なんだ。もしその呪いが『そっちのなのは』に伝播したら死ぬより辛いかもしれない。プレシアもそれで結構苦労しているんだ。だから、ごめんな」

 

 一番ガンレオンで。いや、スフィアで割を食っているタカが言うと説得力があるわね。

 必至そうなフェイトを見て優しく言うタカ。その表情を見たリンディは『呪い』という言葉に琴線を刺激したのか質問を重ねる。

 

 「・・・『呪い』。それはどのような物なのかしら?」

 

 「今はまだ何も言えない。ただ、そうだな。・・・『闇の書』の呪い。それに近いものがあるかな」

 

 文字通り世界を戦場にする上にスフィアの劣化品であるD・エクストラクターでも星ひとつを丸ごと更地にする可能性がある。この世界においているD・エクストラクターには幾つものリミッターと最悪の状況でもD・エクストラクター自体の消滅だけに留めている。だけど、人の想いを力に変えるあれは近くにリアクターであるタカ。もしくはリニスがいないと起動しないようにもしている。

 そういえばシンジにレイの乗っているEVAも使徒と同じATフィールドという障壁。バリアを張るわね。あれってD・フォルト?エクストラクターの防護服、魔導師のバリアジャケットの代わりになるのと似ている機能よね。つまり、EVAとD・エクストラクターには類似点がある。そこには攻撃を拒むという人の意志がある。なら、D・エクストラクターを搭載させたEVAなら子どもではない。あの子達以外の人間。大人でも起動させることが出来るという事か?NERVとはとことん話し合った方がいいわね。

 

 「でも、貴方達はそれを使いこなしていると?」

 

 「最初の頃は手探りだったけど今は何とか、な。火遊びする子どもの時に痛い目に遭って、大人なった今、それの扱い方が上手くなるみたいな感じかな?それに『そっちのなのは』は一般生活が出来るほどまでに回復したならゆっくり治していけば」

 

 「そんなゆっくりじゃ駄目なんです!魔導師として価値が無いと見られたら、なのはをっ、なのはの大事な人達をミッドチルダに送ることが出来ないの!」

 

 ああ、やっぱりこの子は優しすぎる。大切な人の大切な人達までも助けようとしている。って、もしかしてこの子・・・。

 

 「ねえ、フェイト。貴女もしかしてここ最近、変な物を手に入れていない。ピカピカ光る謎の物体とか体内に取り入れていたり、不思議な力を手に入れたりしていない?」

 

 「し、していませんけど」

 

 「・・・大丈夫そうね。てっきり『尽きぬ水瓶』のスフィアでも取り込んでいると思ったわ」

 

 「持っていたら私達に頼る事なんてなかったよね」

 

 「それって君達の重要機密事項じゃないのかい?」

 

 「・・・お前等全員アウトだよ」

 

 「あんたの言葉が決定的じゃないかい?」

 

 フェイトとの問答にタカがツッコミを入れて、アルフがそのツッコミに突っ込みを重ねる。そしてようやく自分のミスに気が付いた。

 

 「「「「・・・・・・あっ」」」」

 

 あっ。じゃないわっ!スフィアの存在を知ったら管理局はもちろん目の前にいるリンディはともかく、スフィアの力の強大さを知ったフェイトがこの世界を救う為に無茶するのは目に見えている。なんとしてもスフィアを欲しがるだろう。それこそ『尽きぬ水瓶』の適格者並に!ああ、もうっ、リンディの方はもうこちらの動揺に気が付いているわっ!ああああ、もうこうなったらスフィアの一端を教えて口を塞ぐしかない!『傷だらけの獅子』と『揺れる天秤』のスフィアを使っていて、頼り切っている私達がいうのもなんだけどあれは本当に使っちゃいけないものだから。

 

 「・・・こうなったら一度ちゃんと話したほうがいいわね」

 

 「プレシア。それは・・・」

 

 タカが止めようとしたがその持ち上げかけた手を下した。フェイトの頑固さを知っているからこそ一度ちゃんと話したほうがいいと判断したのだろう。スフィアの恐ろしさをだからこそ一度、この子は私達の前から姿を消した。スフィアの力を扱えるようになるまで離れた。自分を((鍛え上げる|傷つける))事で強くなれることが出来た、ある意味鍛えやすいスフィアの持ち主だったからこそ再会を果たすことが出来た。

 

 「メリットよりデメリットの方が大きいと知れば手を引くでしょう」

 

 「それは『あっちのリンディさん』だからだよ。『こっちのリンディさん』がそうしてくれるとは判断できないよ」

 

 アリシアの言う事は正しい。だが、これまでの問答にリンディがそんな愚かな手を取るとは思わない。だが、人というのはわからない。私自身あるかないかも分からない世界。アルハザードを目指した人間だから。

 

 「だから、最終的な判断はタカ。デメリットに関してだけはここに居る誰よりもあなたに任せるわ」

 

 「うえっ。そこで俺に振るのかよ・・・」

 

 私の言葉を聞いたタカは周囲にいた人間を見渡す。

 完全に任せ切った私に、少し困ったようにだけど私と同じように信頼している表情をしている。アリシア。

 スフィアの一端を話したことがあるグランツ博士。ただ『スフィアは使いすぎるとやばい』としか説明していないのに私達を信じてくれたお人好しな彼だが、詳しく説明する機会が無かった。今あるD・エクストラクターはこの世界の人間が制作可能の域を出ていないものだが、その原本といえるスフィアに関してはノータッチだ。こちらから話さなければ質問しなかった彼にこれ以上押し黙るのはタカとしても心苦しいだろう。それはスフィアという新たな可能性を求めているリンディ達も同じだ。

 それから数分。タカはうんうん唸りながらも答えを出した。

 

 「俺から教えることはあってもそれを誰にも話さない事、どこにも流出させない事。そして死んでもとは言わないがそれに近いくらい決意を固めてくれなきゃ、話せない。少なくても一組織の人間には話せない」

 

 「それは、一個人としてなら話せるという事かしら?」

 

 「絶対遵守。これは契約だよ。・・・少なくても自分が殺されるかもしれないという覚悟を持たない人間じゃないと話せない。それくらいにスフィアはやばいんだ」

 

 「そ、そんなに、やばい物を抱えているのかいあんた等・・・」

 

 アルフが怯んだ様子を見せた。少なくてもアルフには話せない。

 

 「それでも、なのは達が守れるのなら」

 

 「・・・まあ、そこまで言えるフェイトになら教えられるかな?守る為に絶対に使えないって事を」

 

 「守るために使えないってどういう・・・」

 

 リンディが質問を投げかけようとした瞬間に待機状態のガンレオンのデバイスが強力なアラーム音を流し出した。それからしばらくしてフェイトの持つバルディッシュ。プレシアの持つD・エクストラクターが警告音を鳴り響かせる。

 

 「フェイト執務官補佐。この会合は極秘のはずなのですけれど…」

 

 「ご、ごめんなさいっ」

 

 「・・・まあ、護身用の為に持ち込むのは構わないけれどね。とりあえずあなたの身柄を拘束させてもらうわ。そのバルディッシュの内部のデータ履歴と今までの話し合いの事をあまり周りに知られたくないの」

 

 バルディッシュの警戒音に若干顔をしかめながらも忠告した私に恐縮するフェイト。本当なら

 

 「そんなことよりかなりヤバメの警報だ。太平洋沖とオホーツクに巨大生物が現れた。この間のドラゴンとなんか妙な形をしている生き物?がいるみたいだけど…」

 

 高志が待機状態のガンレオンを操作するとそこから会議室の中央に立体映像が映し出される。映し出されたモニターは二つ。その一つには以前戦った巨大な青い龍。

もう片方には丸い髑髏のような仮面のようなコンパスの様に細長い腕と脚。胴体。そしてその連結部分には丸い球体と一際大きな黒い球体を胴体?の場所につけた怪物。おそらくこいつは新たな使徒だろう。

 

 「D・エクストラクターでの遠距離狙撃は・・・。出来そうにないわね。今から持っていくには時間がかかり過ぎる」

 

 「どうする。一番近いこの、ほそっこい奴から倒してドラゴンのほうにいくか?」

 

 高志はアリシアを抱き寄せながらもすぐにユニゾンをする。その動作は慣れたものであり二人がお互いに最高のパートナーだという事だ。

 

 「お姉、じゃなかった、アリシアが消えた?」

 

 「じゃなくてユニゾンなんだがな」

 

 『プリーズッ、ワンモアッ、プリーズッコールミーッ『お姉ちゃん』っ!』

 

 頭に響くようなアリシアの声が響く。相変わらず萌える、じゃなくて不思議な声ね。アリシアの体にはユニゾンする機械なんか埋まっていないのに。これがスフィアの力か。

 

 「え、アリシアさんは人間じゃないの?」

 

 ・・・リンディ、今なんつった?うちのアリシアは人間じゃなければ天使(バスターライフルを持った事がある)よ!

 

 「レアスキルだと思ってくれればいいよ。俺じゃないとガンレオンは動かせないけど、俺一人じゃガンレオンを上手く動かせない。二人でようやくガンレオンを十全に動かせるんだ。で、どうしようかプレシア?ドラゴンと怪物。どっちから行こうか」

 

 「・・・ドラゴンを優先させなさい。あの怪物は未知数だけれどあのドラゴンは現状、ガンレオンじゃないと手の打ちようがないわ。管理局の魔導師、NERVのEVAもね」

 

 何を目的として地球の日本にばかり現れてくるのかは分からないけどこの二体の進路方向にはグランツ研究所がある。そしてフェイト達が通う学校がある。そこを壊されるのは癪だし、なにより・・・。

 

 「うっし。取り合えず俺達の平和を壊そうとする奴にはガンレオンでヤキを入れるとするか」

 

 『せっかく受け持った学校だもん!それにセーラー服のフェイトをもっと見る為に!』

 

 一部欲望を隠せていないが、世界は違えどフェイトの姉であり、義兄でもある二人が黙ってはいないだろう。

 ガンレオンをバリアジャケットサイズで召喚しながらそれを着こんだ高志はアリシアのサポートでドラゴンが現れた北海道という所に転移する準備をする。

 

 「あ、私も行きます」

 

 フェイトもバルディッシュを展開して高志の魔方陣に同調しようとしたが、ガンレオンのでこピンで中断される。というか鋼の指のでこピンは相当こたえたのか涙目になりながら睨み上げるフェイト。・・・可愛いわね。

 

 「ばーか。子どもは大人の後ろに隠れていろよ」

 

 『それにあのドラゴンの攻撃って、余波だけでも簡単に人が死ねるよ。魔導師のバリアジャケットレベルじゃ足手まといだよ』

 

 しかもまた海の中だものね。空中と違い水圧の影響でフェイトのスピードも活かせないだろう。

 

 「で、でも貴方達でも苦戦していたじゃないですか!だから少しでもあたっ?!」

 

 「まあ安心しろ。伊達に『傷だらけの獅子』を名乗ってねえよ。やばくなったら逃げるし。なにより、子どもに心配されるほど弱くはねえよ」

 

 再度でこピンをされたフェイトはおでこを押さえたまま蹲る。これ以上何を言っても聞いてくれないと理解したのだろう。まあ、ガンレオンは現状最大戦力だ。念のために用意しているリニスにも先程連絡が取れた。なんでもオマケと一緒に帰ってくるというし・・・。

あの怪物は恐らく使徒だろう。なら、シンジ君達には悪いけど自衛隊の皆さんと共に時間稼ぎをしてもらおう。対使徒の為に作られたというのなら時間稼ぎぐらいできるだろうし。

 と、私が考えているとタカは転移していった。恐らく海鳴市の上空に転移して、座標を再産出、北海道に行く手はずだ。

 

 「まあ、こちらでも打てる手は打っておきましょうか。グランツ博士。D・エクストラクター七号機のメンテナンスは済んでいたわよね」

 

 「ああ、前回の無理な起動でエネルギーを届けるケーブルや冷却装置の取り換えは済んだが、って、今からアレを持ち運ぶには時間がかかりすぎると思うよ?!」

 

 グランツは私の言葉に応えながらも持ち運ぶのは無理だと言うが、起動するのなら問題無い。

 

 「大丈夫よ。『持ち運ぶ必要はない』もの」

 

 なのはさんの砲撃が長距離。はやてさんの爆撃が超長距離。そして私が彼女に頼もうとするのは超長距離による格闘攻撃なのだから何の問題も無い。

 

 「タカがあんな事を言った手前であの子に頼るのは格好が割るけれど仕方ないわよね」

 

 なんせ、D・エクストラクターは想いを力に、イメージにするものだ。

 だから、自分の拳が空の彼方まで飛んでいくなんて説明されても私はイメージがつかないのだから。

 

 お願いね。ユーリさん。

説明
第二十二話 子どもと大人
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タグ
エヴァンゲリオン リリカルなのはSFIA ガンレオン 

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