真･恋姫†無双〜新たなる外史の始まり〜第拾参点伍

その光景に周りにいた者たちは魅了されていた

樹と思春の戦いは例えどんなに美しい戦いをする者でも見惚れていたであろう

其のぐらいに美しい戦いだ

其の光景を、後の蜀の五虎将軍が一人趙雲はこういった

｢アレほどまでの戦いは流石の私でも見た事がない｣と言わしめたほどだ

樹｢ははは、やるねぇ思春前より腕を上げたねｗ｣

そう言いながら剣を振り下ろす

思春｢そう言う貴様もな｣

振り下ろした剣を交わし、振りかえしながら言う

樹｢そりゃ、どうも｣

横薙ぎに払い、莫耶に氣を篭め投げた

思春｢これほどまでに面白い戦いは初めてだ｣

払われた剣を避け、投げられた莫耶を弾き返しながら言う

そして、弾き返した剣が樹の元に還る前に一気に近づき三回連続で攻撃を繰り出す

樹｢あ、そうそう提案があるだけどいい?｣

こちらも一気に近づき莫耶をギリギリでつかみ三連撃を交わしながら言う

干将と莫耶を腰に収める

地面に刺してあった飛龍刀を掴み一気に駆け寄り乱舞を繰り出す

思春｢なんだ、言ってみろ｣

ギリギリながらもこちらの攻撃を防御する

そして、十歩ほど俺から離れ、鈴音に氣を篭め十文字に空を切り氣による斬戟を繰り出す

樹｢次のお互いの一撃で終わりにして、負けた方が勝った方の言う事を聞くってのはどうだ?｣

こちらも、飛龍刀に氣を篭め十文字の斬撃を繰り出す

そしてその氣がぶつかり軽い爆発を起こす

思春｢いいだろう･････この甘興覇の一撃とくと見よ!!!｣

最大の一撃を繰り出すつもりだろう、鈴音を逆手に持ち氣を篭めている

それは幻覚だろうか、思春の持っている鈴音が大きくなっているように見える

樹｢それじゃ、いくよ｣

飛龍刀を又地面に刺す、干将･莫耶を抜く

剣に氣を篭める際に己を鼓舞するために、試しにあの某赤い正義の味方が言っていた

呪文を口ずさんでみる

樹｢鶴翼欠落ヲ不ラズ　心技泰山二至リ　心技黄河ヲ渡ル　椎名別天二納メ　両雄共二命ヲ別ツ｣

なんとまぁ不思議な気分だ、この言葉を口にするとまるで体中の氣があふれんばかりだ

その氣を全て二振りの剣に注ぐ

樹行くぞ!思春!!!｣

一気に駆け抜ける

思春｢ああ、行くぞ!!!樹!!!｣

向こうも一気に駆け抜ける

鈴音が下から切り上げ、干将･莫耶が上から振り下ろす

そして二つの剣がぶつかり

決着がついた