ソードアート・オンライン?蒼き剣と紫の刃?
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ソードアート・オンライン?蒼き剣と紫の刃?

 

序章ープロローグー

 

「……俺は"今の自分"を変えられるだろうか。学校に対する恐怖を払拭できるだろうか……」

 

俺の名は四季宮 奏。どこにでもいるゲーム大好きの14歳だ。俺はある事がきっかけで他人と話す事、他人と接する事を避けるようになった。

所謂、コミュニケーション障害(略してコミュ障)というのになった。

 

家族との会話とかはまだ平気なんだけどな。

俺が主にコミュ障になった原因はクラスメイト数人による暴行行為、謂わば虐めだ。

そのいじめが始まったのは俺が小学四年の終わり頃からだ。

 

学校に行って、教室に入って挨拶しても全員無視、机には油性ペンなどでの落書き、学校の中で履く靴も隠されたり、学校に来る時に履いてきた靴も隠されたりと、口では説明できない数の嫌がらせやいじめを受けてきた。

そして、一番ひどかったいじめはライターを使ったいじめだった。

 

俺は必死に抵抗した。抵抗してもいじめてくる奴や周りにいる奴らもそれを嬉々として見ていた。

周りにいた連中からは「いいザマ」だの「もっと焼け」だのいじめを止めないどころか煽っていた。

その時の俺の心はーー。

 

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い

 

恐怖の意識に陥っていた。いじめから解放されたその日の夜に両親に話しをした。その次の日にクラスでいじめを受けてる事を担任の先生にも話したのだがーそれが仇となり、いじめはさらに酷さを増した。五年生となった時でさえもいじめは続いた。

さらには俺の成績が悪いからって理由でクラスメイトの前で謝罪会見紛いの事をさせられたり、音楽の授業で1人だけ音程がズレてるって理由でバケツを被って歌わされたりした。

 

そんないじめを受けるようになって一年後の二千二十一年の春、俺は六年となったが小学校を退学した。

小学校を辞めたその日の夜に家族は違う小学校を探して転校させようとしていたが今の俺は学校が恐ろしく怖い場所という恐怖に囚われてしまい学校には通いたくなかった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

俺が小学校を退学して数ヶ月が経過したある日、両親からある物をもらった。それは机に備え付ける型のパソコンと最近CMなどで話題になっている《ナーヴギア》だった。

 

両親が言うには最近、通信教育という勉強法があって学校に行くのが無理なら家で勉強させようという事になりパソコンを購入したらしい。

そしてナーヴギアの方はオンラインゲームを勉強の息抜きとしてやりなさいという事と今度新しく発売するオンラインゲームをやらせてあげたいという理由で購入してきたらしい。

 

パソコンだけでも高いのにナーヴギアも購入してくれるのはさすがに気が引けた。だが、両親はいいから使いなさいと言ってくれた。

まさか…十万近くするナーヴギアを買ってくれるとは思ってもみなかった。

俺は両親に対する優しさに泣き崩れた。それは同時にいじめを受けてきた苦痛に対する我慢が崩壊した時でもあった。

 

そして、自宅で通信教育での勉強が始まってから早くも一年が経過した。普通なら中学生として中学校に通い勉強しているであろうが俺は自宅で通信教育を受け続けていた。

ある日、勉強の休憩時間に携帯ゲームをしているとパソコンにピコンという音がなった。これはパソコンがメールを受信した時の音だ。

 

《四季宮 奏様。貴方はソードアート・オンライン クローズド・βテストに見事当選いたしました。始めるならこちら》

 

「何だこれ、怪しすぎる。一応、母さんと父さんに聞いてからやってみるか…」

 

その日の夜に父さんと母さんにこのメールの事を話すと父さんはやったじゃないかと言われた。因みに母さんからはすごいじゃないと言って喜んでいた。

俺は応募した覚えないんだけど?と答えると父さんはこう答えた。なんでもナーヴギアを購入した時にお店でナーヴギアを購入された方を対象にアンケートを実施していてそれに答えた人の中から抽選でクローズド・βテストがメールで送られるらしい。

 

つまり、父さんはナーヴギアを買った時のアンケートに(俺の名前で)答えたからこのメールが届いたっていう事だ。

両親はやっていいという合意を得たので俺は"ソードアート・オンライン クローズド・βテスト"を開始した。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ソードアート・オンライン クローズド・βテストが始まった次の日からは勉強の休憩時間の度にログインしていろんなモンスターを倒しまくったし、ゲームの中でだが友達もたくさん出来た。

そして、2ヶ月後ーークローズド・βテストの期間が終了した。

 

βテスト期間が終了してしばらくの間は勉強に力が全然入らなかった。俺の中でソードアート・オンラインというのが貴重な時間だったかを物語っていた。

恐らく、ソードアート・オンライン クローズド・βテストを体験していた多くの人が味わった感覚だと思う。そして、ソードアート・オンラインの正規品版が十月三十一日に発売されることになった。ログイン開始は十一月六日の一三時からだという事らしいがその理由は不明だけど。

 

しかも、βテストを体験した人にはソードアート・オンラインを優先購入することができるらしい。そのことを夕飯時、両親に話してみた。買ってもらえるかどうかはわからないけれどな。

夕飯を食べ終え自分の部屋に戻ると勉強に力を入れることが出来た。

 

話は少し変わるが、俺はまだ学校に対する恐怖を払拭出来ずにいた。

……明らかな逃げだということは理解してる。だが、簡単に過去の恐怖を乗り越えることが出来たら苦労はない。

学校に行ったらまた虐められるんじゃないかという意識が足が竦ませ、過去の出来事が不安となり、恐怖となり心を支配する。

それほどまでに俺にとってとても辛い出来事だったのだから。

 

話は戻って十月三十一日となり、正規品版ソードアート・オンラインが発売開始となった。

その当日の朝に朝ごはんを食べにリビングに降りると両親からお金が入った封筒を渡された。

 

「えっ?この金は?何?」

 

「何って、ソードアート・オンラインのお金よ?」

 

「えっ??嘘でしょ??」

 

「嘘でお金を渡すわけないでしょ?」

 

「で、でも…」

 

「いいからそのお金で買いなさい。ソードアート・オンライン」

 

「うっ…ううっ……うんっ……ありがとう」

 

「いいのよ。それに、あんたがソードアート・オンラインのβテスト期間、ずぅっと笑顔だったんだもの。それに子共の笑顔のためならゲームを買うお金くらい安いものよ」

 

俺はまた両親の思いやりに涙を流した。

そして泣き止んで俺は家電量販店に向かいソードアート・オンラインを購入した。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ソードアート・オンラインを購入して家に帰ってソードアート・オンラインの正式サービス開始の日まで勉強を真剣に取り組んだ。そして、暦は十一月六日となり遂にやってきたソードアート・オンラインの正式サービス開始の日。俺はこの日の課題を終わらせようと八時頃から勉強を開始して、母親に声をかけられたのと同時に課題が終わった。

 

「奏ー?昼だよー」

 

「はーい。…よし、今日の課題はこれで終わり!」

 

俺は階段を降りてリビングに向かいお昼ご飯を食べ終えて部屋に戻ろうとした時に母親は「楽しんできな」って言ってくれた。

俺はうんと言って食べ終えた食器をキッチンのシンクに持って行って二階の自分の部屋へ向かった。

そして、時刻は午後十二時五十六分が表示されていて俺はナーヴギアの電源を入れてソードアート・オンラインのソフトカードを差し込む。

 

そして、ナーヴギアの稼働開始と同時にこの言葉を呟くと俺の意識は現実から切り離された。

 

「リンクスタート!」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

【ユーザー名とログインパスワードを入力して下さい】

 

ユーザー名は《Takuto》。パスワードは《**********》。

 

【βテスト時に作成したアバターが残っています。このアバターを使用しますか?】

 

《Yes/No? Yes》

 

【Welcome to Sword Art Online!】

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

そして、ソードアート・オンラインというゲームが後に"SAO事件"と呼ばれ日本を震撼させることは誰も予想だにしていなかった。

説明
二〇二二年に一人の天才科学者によって生み出されたそれは、完全なる仮想現実世界の実現だった。

ゲームが大好きな少年はある日学校のいじめを受け不登校となってしまう。学校には通わず通信教育で勉強する中で少年はSAOというゲームに興味を示す。
SAOが少年にもたらす物とは?
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