ポケットモンスター トライメモリーズ 第15話
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第15話:石の洞窟と鋼の御曹司

 

「ほれ、ムロタウンについたぞ」  

「ありがとうな、ハギじーちゃん!」

「そんじゃあな!旅の今後を案じるよ!」

 

ムロの港でハギ老人と別れたクウヤはここにいるであろう『ダイゴ』という男の手がかりを探した。

色々な人に聞きまわった結果この島の西側にあるという『石の洞窟』に向かったと知り

善は急げといわんばかりにクウヤ達はその『石の洞窟』に向かった。

 

 

―3分後、石の洞窟到着

 

 

「ここが石の洞窟?

なんかめっちゃ広そうだな。

よーし、準備はいいなみんな!

行くぜ!」

 

手持ちポケモンを全部出してクウヤは洞窟に突入した。

 

ここ、石の洞窟はムロ島が一つの町・・・ムロタウンになる前からずっとある、人の手をつけられることなく今尚その姿を残す天然の洞窟。

たまこの島のトレーナーが修行に来る以外ではほとんど誰も来ない。

 

「暗いな・・・ピーカ照らしてくれ」

「ぴかっ」

 

クウヤはピーカのフラッシュを頼りにダイゴ・・・あるいは自分以外の人間を探す。

やがて進んでいくと広い場所に出た。

しかし、そこで目にしたものとは・・・

 

「こ、ここは・・・」

 

 

 

――― 一方、この洞窟のどこか・・・

1人の男が壁を掘りそこに埋まっていた石をひっこぬいていた。

その石は、水が流れているような青く透き通っていた。

男はそれを見て満足げに笑う。

 

男は若く、薄い水色の髪と目が特徴的だった。

 

 

丁度その頃、クウヤは広い地形で世にも恐ろしい光景を前に唖然と立ち尽くしていた。

そこは、悪臭が漂い地面は変色しぐちゃぐちゃ、あちこちに缶や瓶などが無残に埋まっている・・・。

 

「うへぇ・・・これ、全部ゴミ・・・?」

「ヂャ・・・」

「ビィガ」

「ナグゥ」

「お、お前らしっかりしろ!大丈夫だから!」

 

気絶しかけたポケモン達を何とかしつつクウヤはおぞましい光景に顔を引きつらせている。

 

「なんでこんなことに・・・もしかして、この島の人達が!?

・・・・・いや、いくらなんでも地元でそんなことするなんてそんなのありえねぇし・・・・」

 

あれこれ試行錯誤を続けるがうまい答えは見つからない。

とにかくコレはまずいだろと思いなんとかしなければとゴミに手を伸ばすがあまりの悪臭に手を引っ込めてしまう。

 

「くっせぇ・・・これじゃどうしようもねぇよ・・・・」

「ちゃ」

「!そうだ!アーチ、火の粉でこのゴミ全部燃やせないかな!」

「ちゃも!アチャッチャモー!」

 

火の粉を浴びせゴミを次々燃やし灰に変えていく。

そうしていくうちに全焼し残ったのは鉄くずのみ。

どかそうかと近寄った時地面が盛り上がりそこからわさわさと沢山のポケモンが姿を現した。

 

「な、なんだ?」

 

初めて見るそのポケモンに図鑑を向けると『ココドラ』という名前が表示された。

硬そうな鋼鉄の体を持った小柄なポケモンだ。

さらにクウヤは驚きの光景を見る。

 

「て、鉄を食ってる!?」

「こーこー」

「へぇ・・・こいつら鉄が大好物なのか。変わってるな」

 

図鑑をもう一度確認し彼等を知る。

 

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のんびりその光景を眺めていると足音がこちらに近づいてるのに気付き睨みながら振り向く。

 

「誰だ!」

「やっぱりてめぇはこの間のガキか!」

「あ、お前ら・・・・

誰だっけ?」

 

ズコッと男達はこけるが、

彼のピカチュウを見るなりにやりと笑う。

 

「へっ・・・そのピカチュウお前のになったのか。

そんな弱い奴ひきとるったぁだめだめだな!」

「あっ、そっか!あん時の」

「やっと思い出したか」

 

クウヤはぽんと手を叩き思い出す。

 

「オレとのバトルに負けたでかい割りに滅茶苦茶弱い奴!」

「て、てんめぇぇえぇぇっ!!」

 

それを聞き不良男達はブチ切れ、ドガースやベトベターをそれぞれで繰り出し暴れだしゴミを撒き散らす。

相手のその行動でクウヤは察した。 

 

「お前たちか!?ここにゴミ捨ててたのは!」

「あ〜!?それがどうした!」

「いいこぶんじゃねぇよ!がきくせぇ!」

「こういうのはガキとか関係ねぇんだよ!

っつかそういうの以前の問題だろうがこのざこ!」

「ざ・・・ざこ・・・!くそぉ!」

 

腹いせに不良は持ってた酒瓶をそこにいたココドラにぶつけた。

瓶自体によるダメージはないが中に入ってた酒が入ったのかココドラは苦しむ。

それに気付いたクウヤはピーカに指示し不良に10万ボルトをぶつける。

 

「おいお前!

関係ないポケモンを巻き込んでんじゃねぇよ!」 

「はん、そんなこと知った事か!」

「なんだとこのぉ・・・っ!?」

 

「ボゴォ!!」

 

「!?」

 

ききなれないポケモンの鳴き声が洞窟に響いた。

声からして、巨大なポケモンだろうと察したクウヤは周りを警戒し始める。

やがてゆっくりではあるが、そのポケモンが姿を現した。

 

「なんだこいつは!?」

「でけぇ!」

 

突然現れた鋼鉄の巨大ポケモンに驚き不良たちはさっきの威勢は何処にやら、逃げ腰になった。

ポケモンは怒り狂ってるようでクウヤを睨む。

図鑑を開くと、このポケモンはココドラの最終進化系・・・ 『ボスゴドラ』ということが判明した。

そんな相手にアーチがクウヤを守ろうと彼の前に立つがあっさり弾き飛ばされてしまった。

 

「アーチ!」

「ゴドォォ」

 

ボスゴドラは地に伏せたアーチに追撃の一撃を構える。

 

「危ないっ!」

「ナク」

「ピカぁ!」

 

クウヤは自分のポケモン達を抱き上げると相手に素早く背を向ける。

今彼の頭の中には自分の身の事はない・・・ポケモン達のほうが何よりも大事なのだ。

それに構わずボスゴドラはクウヤに向かってその硬い腕を振り下ろした。

 

ここまでか、と思った。

 

「くっ・・・!」

 

が、彼にも、彼のポケモンにもダメージはなかった。

 

自分たちに向けて振り落とされようとしていた腕はこれまた見た事ないポケモンに押さえられクウヤの

傍らにも、誰かがいた。

 

「えっ?」

 

見た感じ、若い男性のようだ。

彼の腕にはさっき酒を浴び苦しんでいたココドラがいた。

男はココドラに薬を飲ませるとポケモンに指揮をだす。

 

「メタグロス、もういいぞ。

ボスゴドラも、キミの子ども・・・このココドラは僕が助けたから大丈夫だ」

「ごどぉ」

「こーこー」

 

男はココドラをおろし無事な姿を見せる。

それをみて安心したボスゴドラはココドラをつれて

洞窟の奥へと消えていった。

 

「・・・?」

「あのボスゴドラはこのココドラのお母さんだ。

我が子を酷い目にあわせられてることに怒ってたんだね」

「そうなのか・・・」

「・・・・・キミは大丈夫かい? 怪我してるようだが」

「え? ・・・ああ!」

 

クウヤは男に言われるまで気付かなかった、足首には擦り傷があった。

恐らくアーチ達を助けようとした矢先、石か何かですってしまったのだろう。

男は軽めの布を出すと破き彼の足に巻く。

 

「あ、ありがと」

「いいよ礼なんて。

それとそこで逃げようとするキミ達!」

「げっ」

 

逃げようとする不良たちに気づく。

 

「あーっ、あいつらだ!

ここをゴミ捨て場にしてたのも、

ココドラを苦しめたのも!」

「・・・分かってるよ。 覚悟はいいね」

 

水色の目が鋭く光る。

 

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数分後、不良は全て倒された。

たった一匹のポケモン、メタグロスによって。

クウヤはその強さにきょとんとしてしまう。

洞窟を出た矢先警察が来て彼等を連行していった。

しばらく彼の強さにぼーぜんとしていたが我に返る。

 

「あ!さっきはマジでありがとう!

オレ、クウヤっていうんだ。

えっとあんたは・・・」

「僕はダイゴ、キミと同じトレーナーさ」

「そっかダイゴか・・・ってええええええええ!!

ひょっとして、じゃあ」

「?どうかしたのかい?」

 

クウヤはリュックからデボンのツワブキ社長から預かった手紙を取り出した。

  

「これ、デボンの社長さんから預かった手紙!

ダイゴって人・・・つまりあんたに渡して欲しいって頼まれてたんだ」

「そうか・・・ありがとう」

 

ダイゴは手紙を受け取り封を開けるとその内容を目で追う。

全て読み終えると再び目線をクウヤに合わせる。

 

「・・・・クウヤ君はいずれはポケモンリーグの大会に出るんだったよね」

「ああ!」

「・・・そうか。」

「?」

 

ダイゴがいわくありげにほほえむのを見てクウヤはクェスチョンマークを浮かべた。

 

「・・・いや、いい。

あの行動力とポケモン思いな性格をずっと忘れず大事にすればキミはもっと強くなれる。

今の手持ちやこれから仲間になるポケモン達を大事に思ってくれ。

そうすればキミは最高のトレーナーになれる」

「ああ!

オレ頑張るしポケモンもずっと大切にするよ」

「だからといって自分を犠牲にしたらだめだけどね」

「うぐ! そこも努力する・・・」  

 

ふっと笑うとダイゴはエアームドを出す。

それに乗って彼は飛び去った。

 

「リーグで待ってる」  

 

とだけ言い残して。

 

 

「・・・ダイゴもライバル、かな? 

くぅ〜〜〜〜!燃えてきた!」

 

あの強さにクウヤは興奮する。

 

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エアームドに乗って飛んでいきながらダイゴは先ほど出会った少年のことを思い返していた。

 

「クウヤくん、か・・・。

今は正直言ってしまえば未熟だけどいつか僕と戦うことになりそうな、面白い予感がするな」

 

また思い出すのは先日、友人からの電話の内容。

 

「彼の弟くんやトウカジムのセンリさんの娘さんもほぼ同じ時期に旅にでたことも含めて今後がすごく楽しみだね、エアームド」

 

エアームドも主に同意するかのように鳴き声をあげた。

今まで何人ものトレーナーと戦ってきたが自分に挑戦してきたトレーナーはみんな、ダイゴの足下に及んでいなかった。

彼もどこか強いトレーナーと戦いたいと望んでいるのだろう。

無論ダイゴ自身も、自分と同等もしくはそれ以上に強いトレーナーが存在していることは知っている。

以前弟が旅にでたとはなしていた友人もその一人。

しかし互いに忙しく本気で戦えば目立つため数年間ものあいだ、本気のバトルをしていないのだ。

 

「彼らの将来に期待しよう。」

 

ダイゴは再びほほえんだ。

 

説明
もう不定期更新でいいやこの長編(やる気ない)
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