ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜コラボ版・第四話
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第四話「二人目の友達、スラリン」

 

 

スライムが喋った事に驚くタダオだが、すぐに構えていた銅の剣を下ろすと鞘の中へと戻した。

スライムはその行動に驚きながらも少しづつタダオへと近づいて行く。

 

「僕の事、悪いスライムじゃないって信じてくれるの?」

「おう、お前の目はピエールみたいにキレイやからな。悪いモンスターならもっといやな色をしてるで」

「ピィ、ピィ」

 

タダオがスライムの問いに答えると、ピエールもまた「その通り」と言わんばかりに頷いている。

 

「へぇ〜〜、君の名前はピエールって言うのか」

「ピイ、ピィピィ。ピィ〜〜?」

「うん、とてもいい名前だね。僕?僕の名前はね…」

「お前、ピエールと話せるんか?」

「そりゃ、僕もピエールも同じスライムだもん」

「あ、そういやそうやったな。わはははは」

「ピィ〜〜…」

 

照れくさそうに頭を掻きながら笑うタダオをピエールは呆れた様に見つめ、スライムはそんな二人を不思議そうに眺めながら語りかける。

 

「君は人間なのに何で魔物のピエールと仲良くしてるの?ピエールって名前も君が付けてくれたってピエールが言ってるし」

「何でって、友だちと仲ようするのは当たり前やろ?」

「友達……」

 

自分と同じスライムを当たり前の様に友達と言うタダオをスライムは少し眩しそうに見つめる。

 

「ピィ、ピィピィ」

「そうだね、忘れていた。僕の名前はスラリン、よろしくねピエール。そして…」

 

スラリンは自己紹介をすると少し不安そうにタダオに目を向ける、すると。

 

「ワイか?ワイの名前はタダオや。仲ようしような、スラリン」

「ピィッ、ピィ〜〜」

「あ……う、うんっ!」

 

暗い洞窟の中で一人ぼっちだったスラリン、人見知りで寂しがり屋だった彼に初めて友達と言う光が射した瞬間だった。

 

 

〜スラリンが仲間になった〜

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洞窟の中ではスラリンが先頭になって道を案内している。

流石に洞窟の中を住処にしていただけはあって魔物の少ない所を選んで進んでいる。

 

「ところでタダオ」

「ん、何やスラリン?」

「タダオはどうやってピエールと友達になったの?」

「サンタローズに帰る途中でピエールは他のスライム達に苛められてたんや。だからワイはピエールを助けてそれで友だちになったんや。な、ピエール」

「ピイ、ピイ」

「でもなんでピエールは苛められてたんやろ?」

「それはピエールが"染まっていなかった"からだよ」

「…そまっていなかった?」

「うん。襲って来る魔物を倒した後、宝石が残るだろ?」

「……うん…」

 

タダオはそう答えながら袋の中から宝石を取り出す。

 

「それは僕達の体の中にある魔力が魔王の悪い波動で魂ごと結晶になったものなんだ。魔王の波動に"染まりきってしまえば"もう元のふつうの魔物には戻れないんだ。ピエールはまだ魔王の波動に"染められて"なかったから他のスライム達から襲われたんだと思う」

「そうなんや。悪いスライムにならんでよかったな、ピエール」

「ピィーーー♪」

 

そんな風に話をしながら進んでいると、地下に続く階段がありタダオ達は地下に降りると何処からかうめき声が聞こえて来たのでタダオ達はすぐに駆け寄って行く。

其処に居たのは一人の男で上の階から落ちて来たであろう岩に足を挟まれていた。

 

「うう〜〜、だ、誰か〜〜。誰か助け…」

「ピィピィ」

「うわぁーーーーっ!! ま、魔物…もうダメだぁ〜〜〜〜っ!!」

「おちつきや、おっちゃん」

「わあぁ〜〜……、へ?」

 

近づいて来たピエールに慌てふためく薬師だが、続いて聞こえて来たタダオの声に幾分落ち着いた様だ。

 

「こ、子供?何で子供がこんな所に?」

「おっちゃんは薬師のおっちゃんか?」

「あ、ああ、そうだが」

「よかった、さがしてたんやで。リアス姉ちゃんの母ちゃんが薬が来るのをまっとるんや、はやく帰ろうや」

「そ、そうか。ならこの岩をどかしてくれないか、身動きが取れないんだ」

「わかったで、ピエールとスラリン手伝(てつど)うてや」

「ピイッ」

「分かったよ、タダオ」

 

タダオとピエール達は岩を力一杯に押して行くと、岩はゆっくりと動き出し薬師のビーはようやく解放された。

 

 

―◇◆◇―

 

「そうか、君はパパスさんの息子のタダオくんか。しかしその魔物達は一体……」

「ピエールとスラリンはワイの友だちや。悪い魔物やないで」

「ピイーーー♪」

「友達……、嬉しいな」

 

岩の下から解放された薬師のビーはタダオのホイミで傷を癒してもらい、皆で話をしながら洞窟から出る為に歩いている。

歩いて行く先には光が射して来てようやく洞窟から抜け出した。

 

「さて、早速ダンカンさんの薬を作らなくてはな。タダオくん、ありがとうな」

「どういたしましてや。はやく作ってやってな」

「ああ、任せておきなさい」

 

ビーは笑いながら親指を立て、仕事場へと走って行った。

 

「さて、ワイらも帰ろ。スラリンのことも父ちゃんとバークに紹介しなきゃいかんしな」

「本当にいいのかな?」

「ええにきまっとるやろ。ワイらはもう、友だちなんやで」

「ピイーー」

「うん、ありがとうタダオ」

 

そして、タダオ達も家へと帰って行く。

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翌日。

 

ビーが慌てず急いで正確に頑張った為、薬は明け方には完成し、マミヤとリアスはさっそく薬を持ってアルカパへと帰る事になった。

 

「女二人だけでは何かと危険だからな、私が護衛して行くとしよう。タダオよ、お前も来るか?」

「うん、もちろんワイも行くで」

「ピイッ」

「僕はまだ外の人間が怖いから留守番してるよ」

 

ピエールはもちろん自分もついて行くと張り切り、スラリンはまだ外が怖いと留守番しようとする。

そんな二人にパパスは。

 

「ピエールには悪いがお前も留守番だ」

「ピィーー?」

「なんでや、父ちゃん?」

「アルカパはこの村より幾分大きな町だからな。そんな所にピエールを連れて行くと騒ぎになりかねん」

「ピエールは悪い魔物やないで!」

「それはよく分かっている。だが、人は魔物というだけで怖がるのだ。それにダンカンの家は宿屋だからな、悪い噂が立つと客が泊らなくなるやもしれん」

「ごめんね、タダオくん」

「ううん、いいんや。というわけでピエールもるすばんや」

「ピィ〜〜」

 

 

―◇◆◇―

 

「坊っちゃま、パパス様、お気をつけて行って来て下さい」

「ピィ〜〜」

「気をつけてね、タダオ」

 

バークにピエール、スラリンの見送りを受けてパパスとタダオ、そしてマミヤにリアスはアルカパへと歩いて行く。

 

「ところでタダオ?」

「なんや、リアス姉ちゃん」

「その頭のタンコブどうしたの?」

「……お尻ペンペンとゲンコツ、どっちがいいかって父ちゃんに言われたからな。……、さすがにもうこの年でお尻ペンペンはかんべんや」

 

 

 

=冒険の書に記録します=

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《次回予告》

 

何とか薬師のおっちゃんを見つけて薬が出来上がったで。

父ちゃんにゲンコツもろたけどな……。

アルカパに帰るリアス姉ちゃん達にワイもお伴でついて行ったんや。

でも、そこで……アイツら何ちゅーことをするんや!

オバケ退治?やったろーやないかい!!

 

 

次回・第五話「オバケ退治にレヌール城へ」

 

ワイの苦手は…父ちゃんのゲンコツや……

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(`・ω・)タダオのセリフでひらがな表記が多いのはまだ6才だからそれっぽさを出そうとしてるからです。

それと、洞窟に入った筈のパパスがビーに出会わなかったのは彼しか知らない近道を通った為です。

 

( ^ω^ )さて、次回はいよいよアルカパへと舞台を移します。そして当然、あのイベントには彼女が登場します!!お楽しみに。

 

説明
スクエア・エニックスのRPGゲーム「ドラゴンクエストX〜天空の花嫁〜」を独自設定の上、キャラクターを他の作品のキャラをコラボさせた話です。
それが駄目だという方にはお勧めできません。

コラボするキャラクター
リュカ=タダオ(GS美神・横島忠夫)
フロ−ラ=ネリネ(SHUFFLE!シリーズ・ネリネ)
ビアンカ=リアス(ハイスクDD・リアス=グレモリー)
サンチョ=バーク(SHUFFLE!シリーズ・バーク)

※以前、同じタイトルで投稿していた作品のリメイクです。
この作品は作者のブログ「四人部屋」と二次小説サイト「Over The Rainbow 〜にじの彼方〜」にも投稿しています。
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タグ
ドラゴンクエストX コラボ 独自設定 リュカ=横島 

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