英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク 改訂版 |
〜紺碧の塔・屋上〜
「ふふ……少々、遅かったみたいね。」
エステル達が屋上に到達すると、ゴスペルを装着し、起動している装置の傍で妖しげな笑みを浮かべているルシオラがいた。
「姉さん……!」
「いらっしゃい、シェラザード。それからヨシュア……久しぶりに会えて嬉しいわ。」
ルシオラはシェラザードに視線を向けた後、懐かしそうな表情でヨシュアを見つめた。
「ルシオラ……どうして貴女が教授に協力しているんだ?それほど教授と親しくはなかったと思っていたのに……」
「ここは私にとっても巡業で訪れた懐かしい地だから……。つい興が乗ってしまった、といったところかしら。」
「な、懐かしい場所だっていうのにどうしてこんな事をしてるの!?シェラ姉の気持ちも考えないで……!」
「エステル……いいわ。言葉で尋ねるだけじゃ姉さんは何も答えてくれない。答えるに値する実力をあたしが証明しない限りね。」
ヨシュアの問いかけに対して答えたルシオラの答えを聞いたエステルはルシオラを睨んで叫んだがシェラザードがエステルを制した。
「あら……うふふ。さすがに私のことをよく分かっているみたいね。」
一方シェラザードの行動を見たルシオラは口元に笑みを浮かべながら感心していた。
「芸を教えてくれた時はいつもそうだったから……。だから姉さん……約束して。あたしが力を証明できたら”結社”に協力する理由を教えてくれるって……!」
「ふふ……いいでしょう。」
シェラザードの言葉に頷いたルシオラは一際大きい霧の使い魔や小さな霧の使い魔達を召喚した!
「で、出た……!」
「善鬼と護鬼―――陰陽司る式神たち!」
「東方の符術を私なりにアレンジしたものよ。シェラザード。見せてごらんなさい。私の元を離れてからあなたがこの地で得た力をね。」
「……分かった。”銀閃”の力、とくと見てもらうわ!」
そしてエステル達はルシオラ達との戦闘を開始した!
「…………」
霧の使い魔達はエステル達に向かってそれぞれ攻撃を繰り出したがエステル達はそれぞれ散開して攻撃を回避し
「おぉぉぉぉ……!」
「えい!ダークマター!!」
ヨシュアが魔眼で小型の霧の使い魔達の動きを封じ込めている間にエステルはアーツで追撃するとともに一か所に固め
「そこっ!!」
その時を狙っていたかのようにシェラザードはクラフト―――シルフェンウィップで止めを刺した。
「「………」」
「らあっ!!」
「はっ!せいっ!」
大型の霧の使い魔の相手をしていたアガットとフレンはそれぞれ攻撃したが、アガットが攻撃していた霧の使い魔は重剣でたたきつけられたにも関わらず反撃をしてきた。
「何!?」
「堅き守りよ―――バリアー!!」
「チッ……!ふおらああああっ!!」
敵が反撃した時ステラの譜術によってアガットの防御力が上昇していた為ダメージは軽微で済んだ為敵の反撃に怯まなかったアガットは反撃にクラフト―――フレイムスマッシュを放ったが、アガットの攻撃を受けてふっ飛ばされてもダメージを受けた様子はなかった。
「チッ、どうなってやがるんだ……!?」
「多分そいつはロレントの時と同じアーツのような魔法攻撃しか効かないタイプの奴だ……!―――ブレイブスマッシュ!!」
自分の攻撃が効いていない様子に戸惑っているアガットに敵の攻撃をトンファーで受け止めていたフレンは助言をした後一旦距離を取り、そして突撃してダメージを与えた。
「だったら……!ステラさんはあっちの使い魔をお願い!ヨシュアはステラさんのサポートをして!」
「わかりました!」
「了解!」
「もう一体の方は当然物理攻撃が主体の俺とアガットだ!行くぞ、アガット!」
「おおっ!!」
「シェラ姉!ルシオラさんとの戦いはあたしがサポートするね!」
「ええ!」
そして各自それぞれが相手する敵を定めたその時
「フフ、そろそろこちらからも動きましょうか。花は散ってこそ花………旋風よ、砕き散らしなさい!奥義、華散風魔の舞!!」
鉄扇を両手に構えたルシオラはその場で舞った後凄まじい竜巻を発生させてエステル達に叩き込んだ!
「ッ!?皆さん、今助けます……!邪と交わりし悪しき魂に清き聖断を…………!」
ルシオラのSクラフト―――華散風魔の舞によってエステル達と共にダメージを受けたステラは痛みに表情を歪めながらもその場で強く祈りを捧げ
「セイクリッドブレイム!!」
やがて祈りを終えると戦場全体にいる敵全員に強烈な神聖な光で攻撃した!
「ひぅっ!?」
ステラの女神に祈りを捧げて敵には裁きを、味方には祝福を与えるSクラフト―――セイクリッドブレイムによってルシオラ達はダメージを受け、同時にエステル達の傷は回復した。そして傷が回復したエステル達はそれぞれが相手する敵に向かって行った。
「痺れちまいな―――スタンブレイク!!」
「!?」
フレンにトンファー越しに強烈な電撃を流し込まれた敵は怯み
「喰らいやがれっ!!」
そこにアガットがクラフト―――スパイラルエッジで追撃した。
「………」
左右を挟まれた敵は二人を同時に攻撃する為にその場で回転して攻撃したが
「っと!せいっ、はっ!」
「へっ、効くかよ!らあっ!」
二人はそれぞれの武器で防御をした後反撃をした。
「らぁぁぁぁ………こいつで眠れっ!!」
「!?」
強烈な一撃を叩き込む事によって気絶を狙うアガットのクラフト―――スタンエッジを受けた敵は気絶し、その隙を逃さないフレンは全身に炎の闘気を纏って空高くへと跳躍した!
「うおぉぉぉお!!燃えろ、不屈の心!スピキュ―――――ルッ!!」
そして全身に凄まじい炎の闘気を纏ったフレンが敵に突撃すると戦場全体に巨大な爆炎の衝撃波が発生し、戦場にいる敵全員を巻き込んで大ダメージを与え、不屈の炎の闘志を爆発させるフレンのSクラフト―――スピキュールに直撃した敵は消滅した!
「秘めし力、解き放て―――アスティオン!!オーブメント駆動…………」
ヨシュアと共にもう一体の大型の霧の使い魔に向かったステラは譜術で自身の魔法攻撃能力を高めた後オーブメントを駆動させ、更に術の詠唱を開始した。
「オーブメント駆動…………朧!!」
ヨシュアはオーブメントを駆動させた後一瞬で敵の背後に現れて奇襲した。
「…………」
しかし物理攻撃を無効化する体質を持つ敵にはヨシュアの奇襲は意味をなさず、敵は反撃をした。
「遅い!―――アビス・フォール!!」
一方ヨシュアは奇襲をした時のように一瞬で敵の反撃を回避すると共に元の位置に戻って駆動を終えたオーブメントによって高火力のアーツを発動して敵にダメージを与え
「裁きの槍達よ、我が敵を貫け!―――シャイニングスピア!!まだですっ!アースランス!!
更にステラが譜術とアーツで上空と地面からそれぞれ異なる属性の無数の槍を発声させて敵を貫き、全身を串刺しにされた敵は消滅した!
「おさがりなさい……っ!」
自分に向かってきたエステルとシェラザードを見たルシオラは炎を纏わせた鉄扇を二人に投擲し
「烈震天衝!!」
投擲された鉄扇はエステルのクラフトによって発生した衝撃波によって地面に叩き落された。
「はっ!」
「!!それっ!」
シェラザードが繰り出した渾身の一撃をルシオラは側面に跳躍して回避した後鉄扇を投擲し
「せいっ!」
投擲された鉄扇をシェラザードは鞭を振るって叩き落した。
「鷹爪!落瀑蹴!!」
「ひぅっ!?」
その時上空からのエステルの強襲を受けたルシオラは怯み
「そこっ!もう一つ!」
「クッ……!?」
そこにシェラザードが鞭を2回振るって攻撃するクラフト―――双竜打ちで追撃した。
「ふふ……これはどうかしら?」
二人から一旦距離を取ったルシオラは分け身を作って二人を包囲し
「わわ……っ!?」
「落ち着きなさい!必ず本物がいるはずよ!」
包囲されたエステルが慌てている中シェラザードは冷静に本物を見極めようとしていた。
「それっ!!」
「クッ……!」
「……っ!」
そしてルシオラ達が一斉に放った鉄扇をエステルとシェラザードは互いの背中を預けてそれぞれの武器で次々と防いでいた。
「スピキュ―――――ルッ!!」
「うっ!?」
するとその時フレンのSクラフトが戦場全体の敵達を襲った為それを受けたルシオラは怯み
「!そこねっ!ハアッ!!」
「翔舞煌爆破!!」
「っ!?」
怯んだ事によって分け身を維持する集中力が切れた為、分け身が消えた隙を狙ったシェラザードはクラフト―――バインドウィップを叩き込み、エステルも続くように追撃をし、二人の攻撃を受けたルシオラは再び後ろに跳躍して態勢を整えようとしたその時、式神を倒し終えたヨシュア達がエステル達に合流した!
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第75話 | ||
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