ポケットモンスター トライメモリーズ 第19話
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第19話:カイナ造船所と謎の少年

  

海辺で海水浴を満喫し新しい仲間を迎えたクウヤは 旅立ちに備えて着々と準備を進めていた。

傷薬、モンスターボール、どくけし・・・大体の道具はそろった。

 

「よーし、そろそろいくか・・・」

 

旅立とうとした、そのとき。

 

「おい聞いたか!

今日クスノキ館長が新しい潜水艦を発表するって」

「きいたきいた!」

「ん?」

「今日しかないビックチャンスだってな!

・・・・えーと、何時からだっけ」

「あと30分!」

「じゃあ急がないと!行こうぜ!」

「おー!」

 

そんな話をしていた少年たちはポケモンセンターを出て行った。

その話を聞いていたクウヤはにっと悪戯っ子のように笑う。

 

「今日しかないチャンスか!

せっかくだし見てこようかな〜!」

 

クウヤもまた店を出て行きその造船所へ向かった。

その後を、少年がつけてることも知らずに。

 

(父さんが僕に与えた仕事は・・・邪魔者排除。

以前カナシダの作戦を妨害した子どもがいるから潰せと言われた・・・。

その時の証言と書いてもらった似顔絵から察するにきっと、彼だ・・・・)

 

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「ありゃ、こっちだっけ?

ちゃんと場所みとけばよかったぜ」

 

そのイベントが行われる場所を必死に探すもどこにあるのかそもそも知らず知らないうちに工場区域まで来てしまった・・・。

頭を抱えながら誰かいないかだけでも探す。

 

「・・・」

 

ふと立ち止まり、振り返って叫んだ。

 

「おい!いつまでオレをつけてる気だ、いい加減にしろ!」

「!」

 

クウヤはきつく睨みつけながらそういうと物陰から目深にローブを羽織った少年が出てきた。

 

「いつから気付いたの・・・?」

「店出るあたり。

妙な予感は少ししていたけどまさか、お前がつけていたなんてな!」

「・・・・」

「なんでオレをつけてたんだ?」

「・・・キミでしょ」

「はぁ?」

 

突然変なことを言われて間抜けな声で返事してしまった。

 

「トウカの森でマグマ団を退けさらにカナズミシティでもアクア団と戦いその作戦を妨害した・・・・」

「なんでお前それを知ってるんだ!?

それに、それがどうしたってんだよ!」

「・・・今回は僕が相手になろう。

傷つけられた仲間の仇を討ち、作戦の邪魔もさせない」

「!お前・・・」

 

少年はローブを棄てた。

その下から出てきたのは、アクア団のバンダナと衣装だった。

それで彼もアクア団の1人だと察したクウヤはより一層睨みをきつくする。

 

「ボスの命により仲間の作戦は成功させる。

そのためにも、キミには少しかわいそうだけど眠っていてもらうよ」

「させてたまるか! 行け、ピーカ!」

「サニーゴ、行ってくれ」

 

クウヤはピーカ、少年はサニーゴを出す。

 

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「サニーゴ、ミサイル針」

「アイアンテールで弾き飛ばせ!」

 

飛んできたミサイル針を弾き飛ばすとピーカは10万ボルトを繰り出す。

しかしその一撃はミラーコートで跳ね返されこちらが倍のダメージを受けてしまった。

負けじとアイアンテールを食らわすが反撃のバブル光線を受ける。

 

「なんだこいつ・・・」

「サニーゴ、もう一度・・・」

「させるか!ピーカ、10万ボルト!」

「ミラーコー・・・

 

「おせぇよ!」

 

・・・っ」

 

ミサイル針を放ってる隙に技を当て 効果は抜群、サニーゴはその場に倒れた。

 

「まだやるか?」

「・・・任務はまだ終わってない。

まだ戦おう、アメモース」

 

サニーゴをボールに戻すと少年は次はアメモースを繰り出した。

見ただけで分かる、さっきのサニーゴより強い事が。

だがそれも承知の上でクウヤはピーカに指示を出し今はバトルを続ける事に集中する。

 

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「先手必勝! でんこうせっか!」

「ぎんいろのかぜでふきとばすんだ」

 

でんこうせっかは耐えられ銀色の風でかなり吹っ飛ばされてしまう。

10万ボルトも影分身で回避された。

 

「・・・くっそぉ!

・・・おいお前!

なんでさっきから無口で戦ってるんだよ!」

「・・・・キミこそよく喋ってる。

そんなんで・・・バトル集中できるものなの?」

「オレはピーカと一緒に戦ってるんだ!」

「・・・・・・・」

 

全く喋らない少年に対しまるでうじうじしてるように見えたのかクウヤは段々と苛立ってきた。

そうしてくうちクウヤの元々そんな丈夫でない堪忍袋の緒がぶちっと切れた。

 

「っうじうじすんなぁー!!

みてるこっちがうっとおしく思えるわぁぁ!!」

「!?」

「ピーカ、この場全体にかみなり!」

「ぴぃぃかぁぁ・・・・ちぃゆうううううううううう!!!」

「・・・・うっ!」

 

特大雷を受けてアメモースは戦闘不能、同時に電流があたりに流れそれに捕まったアクア団数名が影から出てきた。

 

「ひひひそびびしびれてててって」 

「・・・作戦は・・・?」

「一度は成功したと思ったのですが髪の長くて知らないポケモン使ってきた男に妨害され失敗してしまいました・・・!」

「なにっ・・・」

 

今まで無表情だった少年の顔が眉間にしわを寄せて険しくなった。

少年は指揮を出すと空から来たヘリコプターに仲間を連れてそこに乗り込む。

 

「おい!お前・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「うわっ」

 

砂煙に紛れアクア団の一味は逃げていった。

 

「なんだったんだ・・・あいつ・・・?

オレと同じくらいなのにあれだけのかずの大人を一気にまとめている・・・」

 

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「よし! これでいいだろう」

 

アクア団数人を一瞬にして蹴散らした男はクスノキ館長と潜水艦を救助していた。

 

「大丈夫でしたか、館長」

「あ・・・キミは・・・!」

「アクア団は俺が片付けておきました。

貴方は早く安全なトコへ避難してください」

「・・・感謝するよ!」

 

館長を見送ると男はある方向を見た。

クウヤと少年が戦ってる光景だ。

 

「あの少年はもしや・・・?  

それに彼も・・・・・」

 

男はアクア団が去る光景を見ると後を追うのをためらい保護を優先するために館長の元へ向かった。

彼の無事や敵の撤退を確認した男はポケナビで別の人物と連絡を取る。

 

「アクア団は全員、カイナシティからは出ていった模様。

町の中の被害を確認し、落ち着きを取り戻し次第行動を再開します」

 

クウヤとは、次会ったら話をしようときめながら。

 

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日が暮れて何処かの海。 

鉄の壁と建物は「組織のアジト」でしっくりくる・・・そこには多くのアクア団がいた。

 

 

「今日は失敗でした」  

「・・・お前は邪魔者妨害という役目を果たした。

他の者もお前に免じ許そう」

「・・・・『あの男』が来るとは・・・」

「次こそは上手くことを運ぶぞ」

「はっ!」

 

 

「・・・・・・ぼくは・・・・」

 

 

少年の気持ちは揺らぎ始めていた。               

 

 

  

 

 

 

 

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そういえばすっかり忘れてましたね…なんでやろ
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