Triangle Goddess! 第2話「近付く異変の足音」 |
ゴブリン達を倒したジャンヌ、ゲール、バイオレットは、神界へ戻ってきました。
「はぁ……」
「この区域は平和で魔物なんかほとんど出ないはずなのに、なんでゴブリンが出たのでしょうか?」
「分かんないなぁ。綻びがあったのと関係があるの?」
「綻び」というのは、結界に空いている穴の事。
ここから魔物が出てきてしまう事があるのです。
結界は1000年前―神様達から見れば「つい最近」―張り直されたはずなのに……。
「この事を知っている人に、話を聞いてみましょう」
「そうですね」
ジャンヌ達は、結界の神ラシュートのところに行きました。
「結界に綻びがあった?」
「はい……」
「おかしいな、張り直したばかりなのにまた綻びるなんて……」
「何か、神界で異変があったのでしょうか?」
「ゲール……」
「お姉ちゃん……」
ゲールは不安そうな様子で言いました。
姉ジャンヌと妹バイオレットも、それに影響されているようです。
「お願いします。あたし達に原因を調査させてください」
「原因を調べるのか? 見習いのお前達には危険すぎるぞ?」
「そこを何とか! ……お願いします、ラシュート様」
「駄目だ、お前達は大人しくしていなさい」
やっぱり駄目か、とジャンヌ達は諦めて帰っていきました。
「でも……」
「やっぱり諦めきれませんよ、お姉様!」
「そうだ、お姉ちゃん! 夜、こっそり神界を抜け出して……」
「駄目ですよバイオレット」
バイオレットの提案をジャンヌは蹴りました。
ジャンヌは真面目な性格のために不正を嫌うからです。
「どうすればいいんでしょうか、お姉様……」
「ラシュート様の言う通り、ここは大人しく……」
ジャンヌが言いかけた、その時です。
―ゴゴゴゴゴゴゴ
「な、何!?」
突然、向こうで轟音が鳴り響きました。
気になった三姉妹は、急いで轟音のした方に行きました。
「一体どうしたんですか!?」
「見習いが来るんじゃない!」
三姉妹の目の前にあったのは、黒い空間でした。
「これは、あの時の綻びと同じ……!」
それを見たバイオレットは、思わず飛び込みたくなってしまいました。
「いけない! バイオレット、そっちは……!」
ジャンヌは制止しましたが、バイオレットはそれを聞かず黒い空間に突っ込んでいきました。
次の瞬間、バイオレットは消えてしまいました。
恐らく、黒い空間に飲み込まれてしまったのでしょう。
「バイオレット!」
「行くな!」
妹が飲み込まれたのを知ったジャンヌは、上位神の命令も聞かずにその黒い空間に飛び込みました。
すると、彼女もバイオレット同様、黒い空間に飲み込まれてしまいました。
「お姉様……バイオレット……」
残されたのは次女のゲールのみ。
彼女はぐっと拳を握りました。
「……ごめんなさい、私も行きます!」
「待てーーーーーーーーーーっ!!」
そして、ゲールもまた、黒い空間の中に飛び込みました。
果たして、黒い空間に飲み込まれた三姉妹は、どうなってしまうのか。
それは、次のお話で分かるでしょう。
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割と展開が早いのがこの物語の特徴です。 | ||
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