やおい物語・桃太郎編 |
昔々あるところにタチとネコが住んでおりました。
タチとネコは幸せに暮らしておりましたが、男同士では子供が生まれないのが悩みの種でした。
ある日ネコが川で洗濯しておりますと、川上からどんぶらこどんぶらこと、綺麗なお尻によく似た桃が流れてまいりました。
芝刈りから帰って来たタチと一緒に桃を食べますと、あら不思議。その桃には男でも子を孕める効能があったのです。
タチとネコの間に生まれた子を、二人は桃太郎と名付け、大切に育てました。
桃太郎が大きくなっても、タチとネコは若さを保っておりました。桃には都合よくアンチエイジングの副作用があったのです。
一方その頃、村では鬼が若い美少年を誘拐するという事件が起きておりました。
桃太郎は産んでくれた両親に恩返しをするために、鬼退治の旅に出る事を決意します。
ネコは旅立ちの餞別として、桃太郎にコンドームを渡しました。性感染症予防は怠ってはなりません。
旅の道中、最初に出会った犬は桃太郎に一目惚れし、鬼退治の手助けをする代わりに抱かせて欲しいと頼みました。その日の夜はコンドームを三つ消費しました。
次に出会ったのは猿でした。猿も犬と同じく、桃太郎に惚れ込みました。猿は犬に嫉妬されながら、桃太郎と一夜を共にしました。
最後に出会ったのは雉でした。雉は桃太郎に抱かれる事を望み、桃太郎はそれを了承しました。桃太郎は両刀だったのです。
いよいよ鬼ヶ島に辿り着いた桃太郎一行でしたが、鬼達は桃太郎の美貌を一目見るや否や、攫った美少年を解放する代わりに、桃太郎を鬼ヶ島の面々で囲いたいと言い出しました。
それに反対したのはお供の三匹です。自分達が先に桃太郎に手を付けたのだ、後から来た上にそんな理不尽は認めない。と本人の意向を無視してがなり立てました。
そこで鬼とお供は折衷案を出しました。月曜は犬、火曜は猿、水曜は雉、木・金は両親、土・日は鬼達。一週間で順番にシフトを組もうじゃないかと。
誰もが平等に桃太郎を抱けるこの案に、皆は納得し、桃太郎は皆に愛されたのでありました。
めでたしめでたし。
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