Triangle Goddess! 第4話「冒険者になろう」 |
黒い空間に飲み込まれ、下界に落ちてしまったジャンヌ、ゲール、バイオレットは、
人間の剣士エルダーと出会いました。
三姉妹は、神である事がばれぬよう、偽名を使って彼に接する事にしました。
「それで、わたくし達はこれからどうすればいいのですか?」
「まずは、テンプレム共和国首都・テンプレムに行こう」
「テンプレム?」
「ああ、ドヌス大陸唯一の国家で、150年前に王政から共和制になった国だ」
「え? なんでしたっけ?」
当然、神界の事しか知らない三姉妹は何の事だか分かりませんでした。
「?」
「ああ、いえ、初めて聞いたものですので」
「そうか」
エルダーはそれを一瞬怪しく思いましたが、
ジャンヌが慌てて話を逸らした事により何とか詮索されずに済みました。
「それで、テンプレムに行ってどうするんですか?」
「ギルドに登録して冒険者になるんだ。俺はまだ、正式な冒険者ではないからな」
エルダーの言う通り、この世界での「冒険者」は、基本的にギルドに登録している必要があります。
ギルドに所属していない冒険者は「イレギュラー」とされ、あまり良い目では見られません。
「ねえねえ! それで、冒険者になったらどんな良い事があるの?」
「お前、そんなのも知らないのか? 魔物の討伐、護衛、ダンジョン探索などをする者の事だぞ」
「じゃあ、何でも屋なんだね!」
「……まあ、そういう事になるな」
冒険者という言葉を聞いて目を輝かせたヴィア。
エルダーは彼女の表情を見て、苦笑しました。
こうして、四人はテンプレム共和国の首都・テンプレムに辿り着きました。
そこは、大国の首都というだけあって、活気に溢れ、たくさんの人がいました。
「着いたぞ、ここがテンプレムだ」
「わぁ……!」
「テンプレム共和国の首都……テンプレム……」
ジャンヌ、ゲール、バイオレットは、初めて見る人間の都市に興味津々です。
「何をぼーっとしている、ジーン、ゲルダ、ヴィア」
「あっ、な、なんでもありませんよ」
「早く、ギルドに行きましょう」
「急ごうよぉ!」
「分かった、分かったから急かさないでくれ」
急かす三姉妹に押されたエルダーは、ギルドに行きました。
「「「「こんにちは」」」」
「初めまして。私はテンプレム冒険者ギルド受付の、マーベル・リヒーティオです」
ジャンヌ達がギルドに入ると、受付に茶髪と黒い瞳の女性が立っていました。
彼女の名はマーベル・リヒーティオ、テンプレム冒険者ギルドの受付嬢です。
「皆様、どのようなご用件でこちらに来たのですか?」
「冒険者になるために来ました」
「そのためには、まず冒険者ライセンスが必要です」
「冒険者ライセンス?」
「はい」
マーベルによれば、冒険者ライセンスというのは、その名の通り、冒険者としての証だそうです。
魔導金属であるミスリルで作られており、
それを本人と魔力と照合する事により初めて依頼を受けられるシステムとなっています。
このライセンスを偽造する事は困難であり、
また、仮に偽造できたとしても魔力照合システムはほとんど現存していません。
なので、通常の冒険者と違法の冒険者を見分けるのは非常に容易となっています。
「タダで貰えるんですか?」
「いえ、タダというわけにはまいりません。まず、私が出す依頼を1つこなさなければなりません。
その後、ここに戻ってきてください」
「ああ、そういうわけですね。それで、依頼というのは?」
「薬草採りです。ここから少し離れたファルベベルク山にあるファニア草を摘んで、
それを私の方に持ってきてください。それで依頼は成功です」
「なんだ、簡単ですね」
「もちろん、受けます」
「ありがとうございます。では」
マーベルはそう言い、四人にカードを渡しました。
「これは?」
「仮免許です。これを持てば、とりあえずは冒険者として最低限の権限は得られますよ」
「ありがとうございます」
「では、御気をつけて」
「「「「はい!」」」」
マーベルに見送られ、四人は去っていきました。
「さて、行きますか!」
「ああ!」
「ええ!」
果たして、四人は無事、冒険者になれるでしょうか……?
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4話目。三女神が下界で暮らす事になりました。 | ||
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