英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク 改訂版
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〜根源区画・奥〜

 

「ほう、これは驚いたぞ。まさか貴様らごときがここまで喰いさがるとは……」

「はあはあ……教授ってば、どんどん口調がぞんざいになってるんじゃない?」

「へっ……余裕が無いんじゃねえのか?」

ワイスマンの口調がぞんざいになっている事に気づいたエステルとアガットは口元に笑みを浮かべた。

「ククク……哀れなことだ。自分達が既に死地にいるとも気付かずに……」

「え……」

ワイスマンの口から出た不穏な言葉にエステルが呆けたその時ワイスマンは転移術で、”輝く環”の真下に移動した。

 

「あ……!」

「……どうするつもりだ!?」

「このまま”盟主”に献上するつもりだったが気が変わった……。貴様らが歯向かった相手がどのような存在かを思い知るがいい。」

エステル達がワイスマンの行動を警戒しているとワイスマンは、”輝く環”の中心に入り込んだ。 すると、”輝く環”から波動が流れ始めた。

「な、なんなの……」

「こ、これは……」

「まさか………”環”と融合している………!?」

「融合……―――!まさかローレライを取り込んだヴァン師匠(せんせい)みたいな感じになるのか……!?」

”輝く環”に起こった異変にエステルとヨシュアが戸惑っている中、何が起こっているのかを察したアーシアの推測を聞いてかつての最後の戦いを思い出したルークは血相を変えた。すると”輝く環”と融合したワイスマンは巨大な何かに変わった!

「あ……………………」

「こ、こいつは……!?」

「こ、この霊圧は……!」

「ククク……この感覚……思った以上に悪くない……。さて……まずは試させてもらおうか……。人を新たなる段階へと導く”天使”の巨いなる力をね……!」

エステル達が驚いている中、ワイスマンは不気味に笑った。そして”輝く環”を取り込んだワイスマンとの戦闘を開始したエステル達だったが、一切攻撃が何かに阻まれて、通らなかった。

 

「フフ……やっと思い知ったようだね。これが真の力というものだ。」

戦いで疲労しているエステル達にワイスマンは不敵に笑って指摘した。

「そ、そんな……。何でこっちの攻撃がぜんぜん当たらないのよ……」

「何らかの障壁を展開し続けているんだ……。でも……ここまで通用しないなんて……」

「クク、七至宝の中でも”輝く環”は空間を司る存在……。導力魔法とは比べ物にならない圧倒的な『絶対障壁』を展開できる。もはや私と君たちとでは存在の次元が違いすぎるのだよ。」

エステルの疑問にヨシュアが答えたその時、ワイスマンは凶悪に笑って答えた後、エステル達に魔眼を放って、エステルの動きを封じ込めた!

「うぐっ……」

「こ、ここで魔眼………!」

「クソッ……動きを封じ込めて止めを刺すつもりか……!」

「もしくは私達をさんざんいたぶってから、殺すつもりなのかもしれないね……!」

「チッ……サド野郎が……!」

「ワイスマン……貴方は……」

エステル達が悲鳴を上げている中、ヨシュアはワイスマンを睨んだ。

 

「クク……その目……やはりお前は殺すには惜しい……。じっくり調整しながら再び『聖痕』を埋め込んでやる……。そしてまた希望を与えてからその芽を摘み取ってやろう……。希望が絶望に変わる表情……今から楽しみだよ……ククク……」

「やれやれ……。もはや悪趣味と言うより病気と言った方が良さそうだな。」

ワイスマンが凶悪な笑みを浮かべて言ったその時ドラギオンに騎乗したレーヴェが現れた!

「あ……!」

「レーヴェ!?」

レーヴェの登場にエステル達が驚いている中、レーヴェはドラギオンに攻撃を仕掛けさせた!

「フン……止めを刺しておくべきだったか。しかしレーヴェ。君が来たところで何ができる?いかにドラギオンといえど”環”の障壁を破ることは不可能だ。」

「……だろうな。ところでワイスマン。一つ聞いておきたいことがある。『ハーメルの悲劇』……貴様はどの程度、関与していた?」

「!?」

攻撃が効いていないにも関わらず冷静に問いかけたレーヴェのワイスマンへの問いかけを聞いたヨシュアは血相を変えた。

 

「おお、人聞きの悪いことを言わないでくれたまえ。あれはあくまで帝国内の主戦派が企てた事件だろう?どうして私が関与するのかね?」

「それは貴様が“蛇”だからだ。弱味を持つ人の前に現れて破滅をもたらす計画を囁く……。そして手を汚すことなく、自らの目的を達成してしまう……。……それが貴様のやり口だろう。」

「あ……」

「実際、主戦派の首謀者たちは当時あったという政争に敗れて後がない者たちばかりだったと聞く。もし、10年前の戦争すら今回の計画の仕込みだったのなら……全てのことに説明がつくと思ってな。」

「ククク……なるほどな。まあ、おおむね君の指摘通りと言えるだろう。」

「!!」

ワイスマンが『ハーメルの悲劇』の全ての元凶である事を肯定するとヨシュアは目を見開いて驚いた!

「もっとも私がやった事は、彼らに猟兵くずれを紹介してハーメルの名を囁いただけさ。それだけで事態は動きだし、瞬く間に戦争へと発展してしまった。クク……人間の業を感じさせる実験結果だったよ。」

「お前……!お前が『ハーメルの悲劇』の……『百日戦役』の元凶だったのか!」

「……貴様……。……貴様のせいで……ミーシャは……俺の妹は……」

「……許せん……!お前だけは絶対に許さん……!」

「貴方のその所業は決して教会は……いえ、女神は許さないと思いなさい、”外法”!」

「……吐き気がしてきたわ。」

「なるほど……。大方、予想通りということか。」

ワイスマンが『ハーメルの悲劇』の元凶にして『百日戦役』を起こした元凶でもある事を知ったルーク達が怒りの表情でワイスマンを睨んでいる中、吐き気がしたエステルはワイスマンから視線を逸らし、レーヴェは取り乱すことなく冷静な様子で呟いた。

 

「……おや、意外と冷静だね。私としてはもう少し、憤って欲しいところではあるが。」

「フフ、俺の心はとうに冷め切っているからな……。しかし先ほどの、貴様に背後から昏倒させられた失態、”剣帝”としては屈辱の極みだ。その借りだけは返させてもらうぞ。」

「なに……」

レーヴェの言葉にワイスマンが驚いたその時、レーヴェは自らの剣――ケルンバイターを『絶対障壁』に叩き付けた!

「ば、馬鹿な……。”環”の絶対障壁が……。!!!そうか……その剣は!」

「そう……。俺が”盟主”より授かった剣……。貴様の杖と同じく、『外』の理で造られた魔剣だ……」

「クッ……迂闊であったわ……。……ええい……離れろ……離れろ……この痴れ者がッ!」

レーヴェが持つ剣が自分自身が誇る絶対障壁を破壊する手段である事に気づいて焦ったワイスマンは何度もレーヴェとドラギオンを攻撃した!

「ガッ!?」

ワイスマンの攻撃によって、ドラギオンは破壊され、レーヴェは吹っ飛ばされた!

 

「グッ……」

「クク……死ねっ!!」

「レーヴェ!逃げて!!」

倒れたままのレーヴェに止めを刺す為にワイスマンは光の槍を頭上に作って、レーヴェに向け、それを見たヨシュアはレーヴェに視線を向けて悲鳴を上げた。

「クク……もう遅い。」

「レーヴェ―――ッ!!」

そしてレーヴェに光の槍が襲い掛かったその時!

「うふふ、この”貸し”はいつか利子込みで返してもらうわよ、”剣帝”さん♪―――ヤアッ!!」

レンがレーヴェの前に飛び込んできて、二振りの小太刀を振るって槍を弾き飛ばした!

 

「へ……」

「レ、レン!?」

レンの登場にルークが呆け、エステルが驚きの表情で声を上げたその時

「レーヴェ!今、傷を治療するわ……!」

ステラがレーヴェに駆け寄り、オーブメントを駆動させ、更に譜術を詠唱してレーヴェの傷の治療を始めた。

「大気に舞いし精霊たちよ、清浄なる調べを奏でよ―――フェアリーサークル!!」

さらにその時、いつの間にかイオンと共に到着していたアリエッタがエステル達に治癒譜術を放ち、エステル達の傷を回復すると同時に魔眼の効果を解き

「間に合ったようですね……!」

イオンは譜術を放ち終えたアリエッタと共にエステル達に駆け寄って来た!

 

「ジュエ卿……!」

「助かったぜ、イオン……!それにしてもあの状況でどうやってここまで来たんだ?」

アリエッタと共に自分達に駆け寄って来たイオンをアーシアと共に明るい表情で見つめたルークはイオン達が自分達を先に行かせるために仲間達と共に大型の人形兵器達と戦っていた事を思い出して訊ねた。

「”剣帝”が、ルーク達の所に向かうと、ステラ、嫌な予感がするから”剣帝”を追うと言って、”剣帝”の後を追おうとしましたから、アリエッタ達が先行して、援軍に来ました。」

「うふふ、それに”真打”は遅れてやってくるものでしょう♪」

「全くもう、この娘ったら……でも、本当に助かったわ。」

アリエッタの説明に続くようにウインクをして答えたレンをエステルは苦笑しながら見つめた。

「フフ、皆さんが無事で本当によかったです。―――ルーク、あの絶対障壁を破るには先程”剣帝”の話にあったように”外”の理によって作られた武器による攻撃が必要です!なので、貴方の”ローレライ”の力が宿るその剣による攻撃も効果があります!」

「へっ!?でもさっき”ローレライの鍵”で攻撃したけど、効かなかったぞ!?」

イオンの助言に驚いたルークは先程の戦いでゼムリア大陸に来てからずっと使い続けている愛剣――――”ローレライの鍵”で攻撃しても絶対障壁に阻まれた事を思い出して指摘した。

「それは”ローレライの鍵”に秘められている力を引き出せていなかったからです。―――かつてその剣の力を引き出してヴァンからローレライを解放した貴方ならば、真の力を引き出せるはずです!」

「!そういう事か!」

「イチかバチかだ……!セイファートよ、私に邪悪なる者を打ち破る真の極光の剣を!」

そしてイオンの助言で絶対障壁を破壊する方法に気づいたルークはワイスマンに向かって行き、同じように絶対障壁を破壊する方法を思いついたレイスもルークに続くようにワイスマンに向かった!

 

「これで決めてやる! 響け、集え!全てを滅する刃と化せ!!」

「我が内なる力を知れ!!己が無力を知れ!!」

ローレライの鍵に”第二超振動”を込めたルークが絶対障壁を攻撃すると同時にレイスは自身の細剣に凄まじい光を宿して剣技―――爪竜連牙斬で攻撃し、二人の攻撃によってレーヴェの剣によってつくられた絶対障壁の罅が凄まじい勢いで広がり始めた。

「ロスト・フォン・ドライブ―――――ッ!!」

「極光剣――――――ッ!!」

ルークが最後の一撃を放つと同時にレイスは跳躍して細剣に宿した自らに秘められた力で斬撃を叩き込んだ!

 

「バ、バカな………!『絶対障壁』が……!その”剣”と”力”は一体……!ガアアアアアアアア――――ッ!?」

ルークが放った”ローレライの鍵”の真の力を引き出して”第二超振動”を解き放つSクラフト―――ロスト・フォン・ドライブとレイスが放った”極光壁”の”力”を剣に収束して攻撃するSクラフト―――天覇極光斬。二種類の”外の理”による攻撃を受けた絶対障壁は粉々に破壊され、更に二人の攻撃はワイスマン自身にも攻撃を届かせてワイスマンを怯ませた!

 

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と言う訳で予告通り援軍が現れ、まさかのレンちゃんがレーヴェの死亡フラグをなくしました!!更にレイスが極光剣を習得しましたww……え?レイスが放った極光剣は原作にはない?さて、何のことやら……(目、逸らし)ちなみにレイスが習得した極光剣の出し方を知らないのは本当です。私は動画でしか知りません(冷や汗)それとセイファートの試練も乗り越えていないのに、極光剣を使えるのはおかしいだろう!?という突っ込みはご都合主義だと思ってください(冷や汗)なお、イオンがルークに助言をしたあたりからのBGMはエターニアかアビスの”eternal mind”が流れ始めると思ってください♪

説明
第106話
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コメント
d-sword様 エターニアだったらそうなるでしょうが、軌跡シリーズや他のテイルズ仕様では普通の秘奥義やSクラフト扱いですので、そんなデメリットはありませんww 完全ROM専様 誤字指摘ありがとうございます!まさかあとがきの誤字を指摘される日が来るとは(汗) (sorano)
誤字です。[eternal maind]じゃなくて、[eternal mind]です(完全ROM専)
てことは現在レイスHP1の瀕死ですよね(d-sword)
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