幻想郷へ れっつ・ごー!!!:3
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水面に映る、美しい月に手を伸ばした

 

必死に手を伸ばしてもあの月には届かない…

 

私にはまだ、あの月は遠すぎて

 

私の手では掴めない…

 

 

 

 

 

………………

…………

……

 

 

 ハク「はぁはぁはぁ…。」

 

 ?「うふふ。まだ貴方は私には全く届かないわね。」

 

 

黄金に輝く髪を風で揺らし、彼女は私に言った。

いくら修行しようが彼女までは程遠く、彼女の力の前で私は幾度となく平伏した。

幾度となく立ち上がってきたこの足も、今はまるで木の枝かのように全く動かない。

 

 

 ?「もう止めておきなさい。これ以上の戦いは貴方の身体によくないわ。」

 

 

彼女は私の身体を気遣い、戦いを止め刀を鞘に納めた。

 

 

 ハク「な…、んで…」

 

 

私は初めて彼女の前で涙を流した。

 

 

 ハク「私は、貴方の足元にも及ばないの…。私は、私は…。」

 

 

日々、辛い練習を重ねてきた。

それでも私は彼女の足元にも及ばない。

私の努力は…、全て無駄だったの…?

 

 

 ?「分かってる。貴方は私に勝つために、もの凄く辛い修行を積んできたんでしょ?

   私だってそう。だれも努力無しでは強くなれないの。

   頑張って頑張って、沢山頑張って今の私がある。

   今の貴方も頑張っているのは分かる。けれど強さだけを求めていては強くなれないわ。

   本当に強くなりたいのならば、その他の事も疎かにしてはならない。」

 

 

 

慰めか?哀れみか?情けか?

やめて、ますます私が惨めに見える…。

 

 

 ?「だから貴方が今からやるべき事は…」

 

 ハク「…うるさい...」

 

 ?「えっ?」

 

 ハク「黙れぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

私が刀を手にした瞬間、一筋の光が横を通り過ぎた。

それが何を意味していて、どうして私に放ったのかはよく分かる。

私が悪いのだ…。

 

 

 ?「さよなら。次に逢う時は…」

 

 

そのまま私は気を失った。

 

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―★―

 

 アリス「ハクさーん。無事ですか?」

 

 

アリスさんが霊夢さんを連れて私の元へやって来てくれた。

正直、来てくれなかったら帰れなくて飢え死にするところだった;;

 

 

 霊夢「あら?アンタ、魔理沙に勝ったのね。」

 

 ハク「は、はい。魔理沙さん、強烈な攻撃ばかりしてくるのでちょっと危なかったですけど…。」

 

 魔理沙「弾幕はパワーなんだぜ!!」

 

 ハク「!!」

 

 

ふと横を見ると魔理沙さんが意識を取り戻していて、私をじろじろと眺めていた。

驚いた。私の予定では、明日の朝まで意識を失ったままでいる筈だったのに…。

 

 

 霊夢「魔理沙。アンタ起きてたの?」

 

 魔理沙「あぁ。ちょうどアリスと霊夢が来る十分前くらいからかな?」

 

 ハク「……。」

 

 

本当に凄い治癒力だ。

魔理沙さんの身体は一体どうなってんだろう。

 

 

 魔理沙「所でハク…、だっけ?」

 

 ハク「は、はい。って、えっ?」

 

 

突然両肩に手を置き、目をきらきら輝かせながら魔理沙さんが私をじっと見つめる。

 

 

 魔理沙「アンタ凄いな!!惚れるぜ!!」

 

 ハク「あり、がとうございます…。」

 

 

褒められ慣れていないので対処に困る。

けど、こういう時は素直に『ありがとう』と言うべきですよね?

 

 

 霊夢「魔理沙、強かった?ハクさんは。」

 

 魔理沙「強いぜ。こっちは本気でいったんだけど、ハクはどうやら本気を出してくれていなくて…。

     でも、負けちまったぜ。」

 

 

可愛く舌を出して魔理沙さんは言った。

本気ではない事がばれてる…。

 

 

 ハク「すみませんでした。本気じゃなくって…。」

 

 魔理沙「心配無用だぜ。アンタの力量は測れたから、それだけでじゅーぶん!!」

 

 ハク「はぁ…。」

 

 

私の力量、本当に分かったのかな?

まぁ、本人が言ってることだしな…。

 

 

 霊夢「ちょっと。勝手に飛び出して仲良くなるのは構わないんだけど、最初の用事は何処にいった訳?」

 

 

少し起こり気味に霊夢さんは魔理沙さんに言った。

 

 

 魔理沙「あぁ…。忘れてたぜ。」

 

 

ニカっと笑って魔理沙さんは言った。

本当にこの人、明るい人だなぁ…。だから皆に好かれるのかな?

 

 

 アリス「また私の家に戻りましょうか。」

 

 霊夢「えぇ、そうね。そこで話すとしましょうか、今回起きた異変について…。」

説明
今回は、最初にハクのちょっとした過去から始まります。

ゆっくりしていってね!!!!!
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幻想郷 東方 アリス 日本 ハク 魔理沙 霊夢 ? 

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