Triangle Goddess! 第6話「山の上の悪魔」 |
ジャンヌ、ゲール、バイオレット、エルダーは、迫り来る魔物を倒しつつ、
ファルベベルク山の頂上に辿り着きました。
「ここが、ファルベベルク山の頂上ですか」
「ああ、そうだ」
「……しかし……」
「薬草は見つかったけど……」
ゲールとバイオレットの言う通り、頂上には確かにファニア草が茂っていました。
ですが、山の空気はどこか淀んでいて、植物も枯れているものがありました。
「山の元気がありませんねぇ……」
ジャンヌは風の女神であるため、このような空気には敏感です。
「一体誰がこんな風にしたんだ……」
エルダーがそう思っていると、
「キェーーーッキェッキェッキェッ!」
突然、空から謎の魔物が現れました。
その魔物は、ねじり曲がった角と蝙蝠の翼、そして獣のような頭を持っています。
「な、なんだこの魔物は……!」
「来ましたね、レッサーデーモン!」
その魔物の名は、レッサーデーモン。
魔界に住む悪魔であり、人間を上回る身体能力と魔力を持っています。
下位なのでそれ程強くはありませんが、それでも人間にとっては脅威です。
「何っ! 悪魔だと……!?」
エルダーも悪魔に立ち向かうべく、剣を抜きました。
「キェキェキェキェキェ! オレサマトタタカウノカ?」
「あなたが、この山の空気を乱しているのですね……!」
「キェーキェキェキェキェ! ソレガドウシタ?」
「山を元に戻すため、わたくし達はあなたを倒します!」
ジャンヌは戦闘態勢を取りました。
「行きますよ、お姉様!」
「うん!」
ゲール、バイオレットも、姉に合わせて戦闘態勢を取りました。
「キェーキェキェキェキェキェ! ニンゲンゴトキニオレサマヲタオセルトオモウナヨ!」
レッサーデーモンと、見習い三女神、そしてエルダーの戦いが始まりました。
「キェーーーッキェッキェッキェッキェッ!」
「させませんよ? エアリアルブラスト!」
レッサーデーモンがジャンヌを拳で殴ろうとしました。
しかしそこは風の女神、軽々とかわして風の攻撃で反撃します。
「グキャアッ!」
「エルダー!」
「分かった、スラッシュ!」
レッサーデーモンが怯んだ隙に、エルダーは剣でレッサーデーモンを斬りつけました。
「いい調子ですよ、エルダーさ……ってきゃあ!」
しかしレッサーデーモンも負けてはいられません。
ボーっとしていたゲールを、レッサーデーモンは爪で切り裂きました。
「キェキェキェキェキェキェキェ! オレサマヲノーキンダトオモッタラオオマチガイダゼ?」
「……そうだね。でも、これなら!」
バイオレットはそう言うと暗闇を呼び出し、その中に隠れました。
「!? ド、ドコダッ!」
「ここだよ」
バイオレットは暗闇の中から一撃を放ちました。
その攻撃は異常に早く、避けるどころか知覚する事すら困難な一撃でした。
「グハァッ!」
「お姉ちゃんを傷つけたら容赦しないからね」
「コ、コノヤロォォォォォ!!」
「あたしは女だよ! よっと!」
レッサーデーモンの攻撃を、バイオレットは受け流しました。
「ゆくぞ!」
そしてエルダーが剣を持ち、レッサーデーモンに振りかざしました。
レッサーデーモンはそれを拳で受け止めました。
「なっ!?」
「ムダダムダダァ! オレサマニニンゲンノコウゲキナドツウヨウセンゾ!」
そう言うとレッサーデーモンは腕を振り、エルダーを吹っ飛ばしました。
「ぐあああっ!」
「危ない!」
ジャンヌは風の力をクッションにして、エルダーが落とされる前に助けました。
「た、助かったぞ……。しかし、流石は悪魔といったところだ」
ふらつきながらもエルダーは剣を構えます。
しかし、体力はかなり減っているようです。
「今、私が癒します! ヒールライト!」
ゲールは回復魔法でエルダーの傷を癒しました。
「ああ、助かる……」
「後はこの力を受け取ってください!」
ジャンヌはそう言うと、風をエルダーに纏わせました。
「この力は……!?」
「わたくしの風の力をあなたに与えました。効果が続いているうちに、早く倒してください!」
「ああ! 分かったぞ!」
そう言うとエルダーはレッサーデーモンに斬りかかりました。
「ムダダトイッタハズダ!」
レッサーデーモンはそれも拳で受け止めようとしましたが、
「ナッ!?」
その剣は、レッサーデーモンには見えませんでした。
ジャンヌの風の力により、エルダーの素早さが驚異的に上がったのです。
「はあああああっ! 烈風剣!!」
「ギィヤアアアアアアアアアアアアアア!!」
そしてエルダーの剣から真空の刃が放たれ、レッサーデーモンをずたずたに切り裂きました。
「コ、コレデカッタトオモウナヨッ!」
そう言ってレッサーデーモンは、魔界に去ろうとしましたが、
「させません!」
「ガアアアアッ!」
ゲールが杖から光を放った事により、レッサーデーモンは呆気なく倒されました。
するとどうでしょう。
淀んでいた空気が、見る見るうちに元に戻りました。
「やはり、あの悪魔が原因だったのですね」
「そうだな」
「……さてと、そろそろファニア草を回収しましょうね」
「ええ」
「……これでよし、と」
そして、ジャンヌはファニア草を回収し、妹達と共にファルベベルク山を降りるのでした。
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Triangle Goddess!、最初のボス戦です。 | ||
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