英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク 改訂版 |
〜封印区画・最奥〜
「これが”第三星層”に通じている転移陣やな…………本来はここに”環”を封じるための古代装置が置かれていたはずなんやけど。」
「”環”を封じる………もしかして報告書にあった”第一結界”?」
真剣な表情で魔法陣を見つめて呟いたケビンのある言葉が気になったリースはケビンに訊ねた。
「ああ、異空間の中で”環”を時間凍結するっていう仕掛けだったみたいやな。そこまでしてても”ゴスペル”による影響は防げなかったみたいやけど。」
「………なるほど。」
「ですが結局、”輝く環”はどこかに消えてしまいました。浮遊都市が崩壊したことから完全に壊れたのではないかと推測されているようですが……ワイスマンが動揺していた以上、何か予測も付かないことが起きたのは間違いないでしょう。」
「………真相を知っているのはあのワイスマン教授だけかもしれませんね。今、どこで何をしているのか想像もつきませんが………」
ワイスマンのその後の行方が気になったヨシュアとクローゼは考え込み
「……お父様。そのワイスマンとやらは一体何者なのですか?」
「……話にあった”リベールの異変”を起こした元凶にして、かつてリベールとエレボニアの戦争―――”百日戦役”を引き起こした外道だ。」
「な………どの世界にもモースのような外道はいるのですね……」
バダックにワイスマンの事を訊ねたナタリアは絶句した後複雑そうな表情で考え込んでいた。
「え………ですが報告では………」
一方ワイスマンが既に死亡している事を知っていたリースはワイスマンが死んでいないと思っているヨシュア達の反応を不思議に思い、ワイスマンの死を口に出しかけたが
「―――その件に関しては教会でも引き続き調査中ですわ。ただ、今回の件に限って言えばワイスマンは無関係やと思います。関係してたら、これ見よがしに挑発してくるでしょうし。」
「……確かに。
「わざわざ仮面を付けて現れる意味はなさそうですね。」
「”アルセイユ”の通信をハッキングしてわざわざ導力停止現象の事を知らせた件を考えると、わざわざ正体は隠さないだろうな。」
「…………………………」
ワイスマンの死を誤魔化してヨシュア達を納得させている様子のケビンを真剣な表情で黙って見つめていた。
「ま、そのあたりも含めてまだまだ謎は多そうです。先に進むんなら、敵の出方も含めて注意しといた方がええでしょう。な、リース?」
「………ええ、そうですね。」
その後ケビン達は転移魔法陣を使って”第三星層”へと転移した。
〜第三星層・金の道、銀の道〜
「ここは………」
「どうやら”翡翠回廊”と同じく異空間に造られた回廊みたいやな………」
「ケビン、あれ………!」
新たなる星層に到着し、ケビン達と共に周囲を見回していたリースは先が二手に分かれた銀色の道と門、金色の道と門を見つけて声をあげた。
「金色の門と銀色の門……なんや、いきなり思わせぶりな場所に来たな。」
それぞれの門を見つめたケビンが考え込んでいると”方石”の音が聞こえてきた。
「またか……!」
音に気づいたケビンが”方石”を取り出すとケビン達の目の前に女王宮で現れた人らしき幽霊が現れた。
「あ………」
「あの時の……!?」
「女王宮のテラスに現れた者か……!」
……異邦者よ……”星杯”の理に連なる者よ………聞こえ……ますか……
「あ、ああ……聞こえとる!」
幽霊の問いかけにケビンは明るい表情で答えた。
これより先は……双子の回廊……同時に進まなければ……更なる深淵に辿り着くことは……叶わぬでしょう………
幽霊が話を続けると近くの石碑に光が灯った。
門の制御を……石碑に託しました………”星杯”に連なる力をもってそれぞれの道を進んでください………途中の道のりに………”聖なる焔の光の真の友”と………”最後のユリアの末裔”が封印された……封印石があります………彼らを解放し、彼らと共に先に進んでください………ですが……どうか気を付けて……一度”門”に入ったら……試練を潜り抜けなければ……
そして幽霊は最後まで言わずに消えた。
「あ………」
「なるほどな……今まで聞こえてきた声はぜんぶ彼女のモンやったんか……しかし……一体何者なんや?」
「……………………いずれにしても……気になる事を言っていましたね。”星杯”に連なる力をもってそれぞれの道を進めと………」
幽霊の正体についてケビンが考え込んでいる中クローゼは不安そうな表情で黙っていた後気を取り直して幽霊の言葉を繰り返した。
「ええ……意味することは明らかですな。この場合、オレとリース……それぞれが同時に二つの門に入る必要があるって事やろ。」
「……うん、私もそう思う。多分、そうしないとその先にある”星層”には進めないっていうルールみたい。」
「……それと途中の道のりにはメリル達の世界の仲間が封印された封印石もあると言っていた事から、恐らくそれぞれの門の先に残りの二人の封印石が途中の道のりに一つずつあるのだろうな。」
「え……と言う事はお二人は先程の方が仰った封印石の中に封印されている人物に心当たりあるのですか?」
ケビンとリースの後に答えたバダックの話が気になったクローゼはバダックとナタリアに訊ねた。
「ええ………”聖なる焔の光”とは亡くなった私達の仲間の事で、”聖なる焔の光の真の友”とはガイ―――――マルクト貴族のガイラルディア・ガラン・ガルディオスの事で”最後のユリアの末裔”とは中将達が貴方方に話した世界の命運をかけた決戦で挑んだ私達の最後の敵―――ヴァン・グランツの妹であるティア・グランツの事ですわ。やはり二人も巻き込まれていましたのね………」
クローゼの疑問にナタリアは静かな表情で答えた後心配そうな表情で考え込んだ。
「いずれにせよ、二手に分かれる必要が出てきたわけですね。そうなると、この人数ではやや心許ないところですが……」
「でしたら……”拠点”にいる方達の力も借りた方がいいかもしれませんね。そうすれば、8人ずつの組に分かれることができますし。」
「え……で、ですが、先程の声は私とケビンにそれぞれの道を進めと……」
先への進み方にヨシュアが考え込んでいる中クローゼの提案を聞いたリースは戸惑いの表情をした。
「……いや、だからといって助っ人を連れていかれへんとは言ってなかったのも確かや。何があるかもしれへんし……ここは素直に力を借りとこう。」
「…………わかりました。よろしくお願いします。」
そしてケビンの推測を聞くと納得した。
「こちらこそ。どうします?さっそく”拠点”にいる人達をここに呼んできましょうか?」
「いや、いきなり呼んでもみんなそれぞれ準備があるやろ。多分、門の中に入ったら簡単には後戻りができへんはず……万全の準備を整えてから全員で集まることにしようや。」
その後準備を整え終えたケビン達全員は”第三星層”の入口まで転移し、ケビンと共に行くメンバーはアーシア、ヨシュア、ジョゼット、カリン、ミュラー少佐、ジェイド、アニスのメンバーに、リースと共に行くメンバーはフレン、ティータ、クローゼ、ユリア大尉、ロイド、バダック、ナタリアのメンバーに編成した後、入口の近くにある石碑に方石をかざした。するとケビンとリースに淡い光が包み込んだ。
「あ………」
「反応したみたいやな………」
リースとケビンが呟くと、固く閉じられてあった金色の門と銀色の門がそれぞれ開いた!
「準備は整ったか………リース、覚悟はええか?」
「………問題ない。………ケビンの方こそ……その………」
ケビンに確認されたリースは静かに頷いた後、ケビンの身を心配して言い辛そうな表情で呟いたが
「ん、なんや?はは、やっぱりオレがおらんと寂しくて仕方あらへんか?」
「………あり得ないから。もういい………さっそく中に入りましょう。」
ケビンの言葉を聞き、表情を戻した。
「オッケー。………それじゃあみんな……”第三星層”の攻略を始めよう。多分、それぞれ終点まで行ったら合流できるはずや。」
「………また”悪魔”が出現しないとも限りません。無理をせず慎重に進んで行くことにしましょう。」
「応!!」
そしてケビンとリースの号令に一同は力強く頷いた後ケビン達は金色の門を、リース達は銀色の門をくぐった。すると2つの門はそれぞれ固く閉じられた。
こうしてケビン達とリース達、それぞれの”第三星層”の攻略が始まった………!
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第128話 | ||
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