リリカルなのはZ 第二十六話 きょうかぱーつ・ヴァイサーガ |
忘れがちだがガンレオンはバリアジャケットである。いや、まあ、『原作』ではロボットなんだが俺こと沢高志が使用するとまるで鎧のように展開される使用だったが、シンジ達の世界に来てからは『原作』通りの四十メートオーバーの姿になって使徒を撃退してきた。だが、意識すればというかプレシアに再設定してもらえば二メートル近い全身鎧、バリアジャケットに変化する。つまり、対人戦闘も可能とすることが出来る、まあ、巨大ロボットの操作もイメージすれば手足のように動いてくれる。七号機は最低でも数十人の意志の力が必要になるが、アミタ達に渡した五号機と六号機のように個人使える人工スフィアが出来た。だからこそ・・・。
「レヴァンティン。いや、レヴァンティン・ヴァイサーガ起動」
目の前にいるシグナムにも扱う事が出来る。
グランツ研究所に設けられたロボット会場。そこはエヴァとコクボウガー、ガンレオンがイベントマッチを繰り広げたそこは使徒の襲来から頻繁に襲い掛かってくる怪物。妖鬼人と命名された怪物たちと応龍皇の被害を食い止めるために最低限の整備しかされていないイベント会場にガンレオンの鎧を纏った俺の前には紺色の両刃の大剣を構えているシグナムがいる。が、彼女が愛用しているレヴァンティンの形状が少し変化している。
『・・・D・エクストラクター八号機、ヴァイサーガの機動を確認』
『プレイヤーAのバイタル安定。デバイスとの直結システム正常』
『もーどぶるー、異常なーし』
レヴィよ、もう少しやる気を出してくれ。本来はお前用に仕上げたD・エクストラクターを地球に残る管理局から派遣された((唯一|・・))戦闘魔導師ように再セッティングしたのがそんなにいやか
『レヴィ、一応これは軍事演習なんだがから』
『私達だけが専用のD・エクストラクターを持っているのがそんなにうらやましいのん?』
『ちょっとアミタ、それを言っちゃ』
『僕が一番ヴァイサーガをつかえるんだぁあああああっ』
会場から少し離れた所からシグナムとガンレオンを纏った俺を様々なモニターから観察しているアミタ達の言葉にレヴィが半ギレで雄叫びに近い文句を上げる。
そんな新人類みたいな台詞を言うほどに嫌なんだな。元々アミタ達が使っているD・エクストラクターはアリシアが使っていた二丁拳銃型の一号機を回収し、一つずつ分けた物。ユーリが使っていた七号機はプレシアがアースラに積んでいた四号機を回収。もとい改修した物。
だが、今シグナムが持っている紺色の剣。彼女のレヴァンティンの片刃の刃覆うように加工された紺の両刃。それはこの世界に来て一から作り出したD・エクストラクター。事の発端は、
『バリアジャケットとD・エクストラクターの両方の防御力があれば使徒の攻撃にも耐えられるんじゃね?上手くいけば使徒のATフィールドもぶち破れるんじゃね?』
レヴァンティンとD・エクストラクターの融合機。レヴァンティン・ヴァイサーガの能力は未知数だが、管理局との縁が一時的にきれる彼女には魔導師がD・エクストラクターを使えばどうなるかのモデレーターになってもらう事になった。
「そっちの調子はどうだ?ガンレオン越しだと予測通りのデータみたいだけど?」
『スフィアの方からも安全圏内だって言っているよ』
魔導師素質があると言っても俺はせいぜいCランク。良くも悪くも平凡的な魔力しかない。アリシアとユニゾンしてガンレオンを装備してようやっと戦えるというおんぶにだっこ状態の俺では高ランクの魔導師が使った時のテストが出来ない。というか、現状のガンレオンにこれ以上の強化は出来ない。というか俺が扱えない。
プレシアは『傷だらけの獅子』のスフィアの力で体を全開させる代わりにリンカーコアを失ったからこの実験は無理。アリシアは『傷だらけの獅子』のスフィアしか持っていないので論外。リニスも『揺れる天秤』のスフィアでその体を保っているような物だからこれまでテストが出来なかったのだ。
そんな時に管理局サイドの人間達が一斉に避難すると聞き、残されるなのはと主の友人たちの世界を守るため、シグナムがここに残り、かつ、俺達に女性を頼みこんできた。
管理局勢はあと一週間でこの地球から撤退するのだが、なのはの未来への可能性をかけてシグナムだけを残していく。なのはの全快か俺達がこの地球圏から旅立つ。そのどちらか片方が達成した時に返却してもらう予定だ。
まあ、今後使徒なんぞ来てほしくないのだけれど学校帰りにケンスケとトウジと一緒にやってくるシンジ。リニス目的でやってくるアスカから聞く話ではエヴァの調整やシンクロ率のテストなどを行っているらしい。それ即ち使徒襲来を予言しているのではないかと思われる。今でこそ全世界で妖鬼人が大量発生して警戒状態だ。新たな使徒が来たとしてもそこの国の防衛隊が連絡を寄こしてくれるはずだ。妖鬼人だけならその国の軍隊だけでもどうにかできるが使徒と応龍皇が出た際にはガンレオンが赴くことになっている。てか、妖鬼人って食べきれないだろうか?とくにあのウツボカズラ。あの顔は気に喰わないがあの身はブリッとしていて鍋の食材に使えばこのセカンド・インパクト後の地球に新たな食材として重宝されるかもしれない。残りのやつは、まあ、美味しそうでああるんだけど、あの調理済み七面鳥な妖鬼人。あれの中身が毒って感じの色だからなぁ・・・。
話がそれた。まあ、そんな珍味そうな対抗できそうなのがデバイスの能力を高めることができると思われるヴァイサーガ。レヴァンティンという強力な剣に更なる刃を積み込み、D・エクストラクターのバリアジャケット。とは言っても彼女の騎士甲冑に青いラインが入っただけだがこれで二重のバリアジャケット羽織ったことになる。それをつけているシグナムはやや体が重くなった気もすると言うがそこらへんは俺との模擬戦で何とか掴んでもらう。
『二人、いや三人とも準備OKかな?』
『オッケーでーす』
シグナムの持つレヴァンティン・ヴァイサーガ。もうRVでいいか。
それが起動した事を確認し何度か素振りを繰り返したあと、お互いを見つめ合う。
「こっちはいつでもオッケーだ」
久しぶりに纏う人サイズのガンレオンの肩を回しながら答える俺に、自身の騎士甲冑に起こった些細な変化は気にせず、自分の愛剣を覆うような無骨な暗く青い両刃にシグナムは心躍らせていた。
「こちらも万端だ。では、いくぞ!」
彼女は根っからのバトルジャンキーだった。新たに得た力を手にしてガンレオンの操者である俺とも戦えるという事もあったのだろう。嬉々として責めてくるシグナム。ああ、世界は違えど、シグナムはシグナムなんだなと感じた。
予め知らされていた事だがレヴァンティンにヴァイサーガを追加すると彼女とその相棒に何らかの異常をきたすかもしれないと注意しておいたが模擬戦をしている限りその異常は見られなかった。
それから鋼の剣と鋼の体がぶつかり合う音だけが鳴り響いた。周囲の人から見ればそう見えたかもしれない。それはガンレオンを目にも見えないスピードで叩きつけるシグナムだ。どこから打ちこまれ、どこを打たれたぐらいしかわからない。
フェイトクラスのスピードに、ヴィータのパワーが加わったような斬撃。それに対応できる奴は普通じゃない。だけど・・・。
俺はそれ以上のやつと何度も戦ったことがあるんだよ!
数十回ほど全身をレヴァンティン・ヴァイサーガ。略称RVの斬撃を受けた俺だが、受けた斬撃の数が八十を越えそうになった瞬間にRVの刀身とシグナムの腕をガンレオンの鋼鉄の手で掴み力づくで地面に組み敷き、勝負はガンレオンの勝ちで幕が下りた。
もちろんお互いにリミッターをかけた状態で戦ったので本当に勝負がついたわけではないのだが、俺の場合はマグナモード。シグナムの場合はリミッター解除すれば使徒のATフィールドを破ることは可能だろうという成果が出来た。
「・・・私の負けだな」
「早々負けてたまるか、こちとら魔力とD・エクストラクターというかスフィアを併用して十年以上戦ってきているんだ早々負けねえさ」
まあ、それでも戦闘技術ではなくガンレオンのパワーによるごり押しでもぎ取った勝利なのだが・・・。
「私の剣戟を知っていたようにも見えたが、あちらの私とも手合せをしたのか?」
「何度もね、向こうのシグナムさんとも何十回とも模擬戦をしたよ」
その言葉を聞いてシグナムさんの戦闘本能が刺激されたのかピクリと体を震わせ、また模擬戦を申し込んできた。こちらとしてもまだ見ぬスフィアリアクターとの戦いに備えて対人戦闘経験は積みたいから了承する。
「感謝しちゃったりします」
・・・ん?
「これは一体全体どういうことでごわすか?!」
「・・・シグナムがバグった」
まあ、うん。一言でいうならそうなる。何か知らないけどシグナムの言葉遣いが変になったのだ。
「シグナム。体に異常は感じないのよね」
「体には異常を感じることはない。言葉遣いも変になるのもたまになのだが…。プレシア女史これは一体全体どういうことなのですわ?」
ぶはぅっ。と、笑ってはいけないのに思わず吹き出すのはシグナムの口調の所為だ。彼女自身は真面目なのにどういったわけか丁寧語などを使おうとすると口調が変になる。これってあれかな?レヴィに合わせて作ったヴァイサーガを無理矢理レヴァンティンにくっつけた所為でシグナムの口調が変になったとか?フェイトの持つバルディッシュの真面目な人格がフェイトたんはぁはぁみたいに変化しちゃったみたいな?
「私も何とかしたいのだけれど、それを直そうとすると完全に分離してパワーアップは見込めないのよね」
「・・・なん、だ、と」
シグナムさん絶句。というか、いつからD・エクストラクターはボン太君システムになったの?言語障害を受け持たないとパワーアップしませんとか。
「それに殆ど融合しているような物だから取り外すのも困難だし、外そうとしたら膨大な費用と時間を要するの。貴方も承知の上でしょ。どんな障害も乗り越えてみせるといったのはあなたでしょう」
「さ、左様でござるが」
どうしよう。シグナムがどんどんおかしくなっていっている。
本人は深刻そうなのだが彼女の主、同僚の守護騎士達は笑うのを必死にこらえている。この場に事務処理に追われているフェイトやリハビリ中のなのはがいないのが不幸中の幸いだろう。そんな後ろではシンジは苦笑い。トウジとアスカは大笑いをし、ケンスケは口とお腹を押さえて必死にこらえている。
「だからあれは僕が一番使えるって言ったのに〜」
「いやいや、一応あれは使徒迎撃装備に改造された物だからな一個人、子どもに渡すにはふさわしくないと何度も説明されたであろう」
レヴィはシグナムの事をニヤニヤと見ながら言うが、ディアーチェの言う通り。あれは兵器で子どもに渡すものじゃない。そもそもゲンドウを殴りつけている時点で俺は否定的だ。だからこそ魔導師であってもフェイトやはやてにD・エクストラクターを貸し出さずに大人で戦闘能力の高いシグナムに渡したのだ。
七号機で使ったシュテルの『インフェルノ・ブラスター』。ユーリの『無限パンチ』も否定的だ。俺達がいなくなった後の事を考えると本当に不味いんだって。ディアーチェもその事をは十分に理解してくれていると思うが、プレシア曰く彼女用のモードがあるらしい。一応それは戦闘用じゃないが現代兵器と併用すればとんでもない事になるらしい。そんな物は消せと言いたかったが一応秘密裏に修理しているアースラに必要な機能らしい。そう言われると否定のしようがないのだが。そうならない為にも俺自身が強くならなければいけない。
「そ、それでもこれでは日常生活に支障が出ちゃったりでなかったり」
「・・・シグナムさん。こうなったらいっそ手記で会話してみては?」
「紙とペンです」
バグったシグナム。バグナムをあまりに不憫に思ったのかシュテルとユーリがバグナムに紙とペンを渡した。
「それだ!」
十秒後。
『この言葉遣いをどうにかしてくださいよ(´;д;`)』
バグナムさんの女子力の上昇を確認した。
顔文字か、やるなぁ〜。
orz状態になったバグナムさん。と、同時にNERVから使徒の発見を確認にしたとの知らせを受けた。バグナムさんのおかげで力を抜いた状態で出撃できるのだが、大丈夫かなバグナムさん?
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バグナムさん笑ったw(rean) | ||
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