魔法少女リリカルなのは〜原作介入する気は無かったのに〜 第百五十五話 最後の大妖怪現る
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 〜〜優人視点〜〜

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 俺は現在海鳴駅で電車を降り、全力で走っている。

 自分の住む高宮市で緋鞠を探していたら突如、遠くの方で妖力を感じたからだ。

 結構な距離があるのにも関わらず、邪悪でいて…それで毎日と言っていい程、俺の側にいたヤツの妖気。

 緋鞠……。

 ここ数日探していたアイツがようやく行動を起こした。

 しかも場所は高宮市じゃなくて海鳴市。

 それも俺が通う風芽丘学園のある方角だった。

 

 「くそ!こんな大きな妖力を解放するなんて!!」

 

 現地では大変な事が起きてる……そう確信していた。

 

 「緋鞠……」

 

 俺は焦燥感に駆られていた。

 海鳴市にはくえすや各務森姉妹、後勇紀の知り合いの退魔師の人達が滞在している。

 各務森姉妹は先の一件で緋鞠の事を俺に任せてくれてるけど、他の面々はそうでもないかもしれない。

 高宮市にいた俺ですら感知した程の巨大な妖力の大元を放っておくとは思えない。

 下手したら俺が着く前に緋鞠が討伐される可能性が……。

 

 「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 急がなきゃ!

 静水久や加耶、文さんに言ったんだ!『緋鞠は必ず連れ戻す』って。

 だから……。

 住宅街を駆け、徐々にだが風芽丘学園が視認出来る距離にまで来た所で俺は走っていた足を止めた。

 止めざるを得なかった。

 俺の前に1人の男が立っていたからだ。

 まるで待ち構えていたかの様に。俺をここから先に行かせないとでもいうかの様に。

 目の前の男は以前、鬼斬り役の会合の際、各務森飛白と共に俺の知らない所で緋鞠を勝手に討伐しようとしていた。

 それ以来、俺はこの男と各務森姉妹にはあまり良い感情を抱いていない。

 

 「…また俺が見てないところで解決かよ。二度はねーよ」

 

 俺は目の前の男――――土御門愛路にそう告げた。

 

 「君の手に余るから我々が動くのだ。事が終われば後は好きに恨んでくれていい」

 

 「アイジさん。アンタはもうちょっと話せる人だと思ってたけど…」

 

 「鬼斬り役を纏める立場だ。((身内|・・))の不始末には厳格に対処する」

 

 身内……ね。

 

 「じゃあ子供の駄々と思われるかもしれないけど、この件は俺がやらなくちゃいけないんだ」

 

 「……………………」

 

 土御門愛路の鋭い眼光を受けるが、俺は目を逸らさずに受け止める。

 

 「下がれ下郎!!最早お前の出る幕では……」

 

 「はあい、そこまで♪」

 

 土御門愛路の部下の言葉は最後まで続かなかった。

 

 「くえす!?」

 

 部下の背後を取ったのは同じ鬼斬り役のくえす。

 

 「同じ女として貴女をDeathりたくありませんの。大人しくしていて下さる?」

 

 くえすの掌から強力な力を感じる。

 多分充分に溜めた魔力をいつでも放てる様になっているんだろう。

 

 「志土!?」

 

 もう1人の部下がくえすに背後を取られた部下の名を呼ぶ。

 そこへまた新たな第三者が姿を現す。

 

 「君達はホント、融通がきかないねぇ。ボクはさ、主役不在のバッドエンドやデウス・エクス・マキナ的手法による結末が一番好みじゃないんだよねぇ」

 

 「夜光院、お前まで」

 

 第三者……柩も土御門愛路のやり方を否定する。

 

 「くひひ……(もっともこの主役に当て嵌めるのが天河少年ではなく、長谷川少年なら止めるつもりはなかったんだけどねぇ)」

 

 これで彼の部下は迂闊に動けなくなった。

 後は…

 

 「…………良いだろう天河優人。君に何か出来ると言うのなら遠慮はいらない。((君自身|・・・))が示して見せろ。ただし時間に余裕は無いから私は歩みを止めるつもりは無い。もし君が私に一撃でも入れる事が出来たなら君にこの件を全面的に任せよう」

 

 「それはまた随分な余裕ですね」

 

 当たり前か……俺とあの人じゃ鬼斬り役としてのキャリアが違う。

 けどどんな手を使ってでもここを通り抜けてやる!!

 俺はこんな所で立ち止まる訳にはいかないんだから………。

 

 

 〜〜優人視点終了〜〜

 

 教室を飛び出してから約10分経過。

 俺と九崎は今、野井原の張った結界内の何かをちょっぴりだが体験している。

 い、いや……体験してるのにまったく理解を超えているというか何というか……

 

 「あ…ありのままに今起こっている事を話すぜ。俺と九崎は野井原のいる場所を目指し上階へ向かう階段を上りきった筈が、上った先は俺や九崎のクラスがある階……つまり階段を上る前のフロアなんだ。な…何を言ってるのか分からねーと思うが、俺自身何が起きているのか分からねーんだ。頭がどうにかなりそうだ。催眠術とか超能力とかそんなチャチなモンじゃ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を現在進行形で味わっているぜ」

 

 「……えっと、長谷川君。誰に向かって言ってるの?」

 

 「……いや、気にしないでくれ九崎。言ってみたくなっただけなんだ」

 

 「???」

 

 九崎の疑問に俺は返す。てか俺自身、誰に向かって現状を説明してたのか全くもって謎なんで答えようが無いんだ。

 ただ、台詞の内容がアレンジされているとはいえ、このセリフを言えたのは少し嬉しく、ちょっとばかり満足感を感じている。

 いつかまた禅と会う様な事があれば、今回の事について自慢しよう。

 それはさて置き、俺は改めて上階に続く階段の前に九崎と共に立っている。

 今俺達の身に起きているのは先程俺が言った通り、階段を上りきっても上の階に行けず、同じフロアに戻ってくるというものだ。

 そう……あの有名なありのままタイムみたいな体験をしている最中であり、ポルナレフ状態になっているとも言える。

 

 「しかし不思議よね。降りたらちゃんと下のフロアに出れるのに……」

 

 九崎の言う通り、下の階には降りれるのに何故か俺達の教室のあるフロアから上のフロアに行く事が出来ない。

 

 「これってやっぱり緋鞠の力のせいかしら?」

 

 「どうだろうな。野井原が結界内にこんなトラップ張れる程綿密且つ繊細に妖力の制御出来るとは思えねえんだけど」

 

 こんなRPGゲームにありがちな無限ループを大きな結界を張ったのと同時に設置できる程、アイツ器用じゃないというのが俺の見解。

 だとしたら野井原の傍にいる九尾の部下達の仕業か?

 けど以前屋上で対峙した時、こんなトラップを用いる様なタイプの妖には見えなかったんだけどなぁ。

 

 「いずれにせよ、こういうのは正しいルートを通れば抜けられるってのが王道的な展開だよな」

 

 「正しいルート……分かるの?」

 

 「分かってたら無限ループなんてさっさと抜け出してまさぁ」

 

 「ですよねー」

 

 何ら特徴的なヒントは無いし、見聞色の覇気で見極めるのなんて無理だし。

 かと言っていつまでも同じ場所をグルグルしていては現状を打破する事もままならない。

 

 「(((乖離剣|エア))使えば結界ごとブッ潰しちまうしなぁ)」

 

 対界宝具だと威力は高過ぎるし、結界壊して現実空間にも影響を及ぼしちまう。

 はてさて、マジでどうしたもの――――

 

 「緋鞠!!」

 

 ――――か?

 俺が顔を少し下に俯かせ、思案し始めた矢先に九崎が野井原の名を叫んだ。

 何事かと思い顔を上げると

 

 「…………おいおい」

 

 俺達の目の前の階段の上、つまり上階のフロアから俺と九崎を見下ろしている野井原の姿があった。

 

 「……わざわざ大元が出向いてくれた?…………いや」

 

 上にいる野井原からは生命力が感じられない。

 感じられるのは妖力のみ。

 

 「……妖力で編み出した分身体ってとこか」

 

 聴力を魔力で強化してみたが、心臓の鼓動音も聞こえない。

 つまりアレは野井原の偽物って訳だ。

 ついでにあの偽野井原が持ってる刀も本物じゃないな。妖力で編み出された偽物だ。

 

 「……………………」

 

 一言も発さない偽野井原は

 

 タンッ

 

 上階からコチラ目掛けて飛び下りてきた。

 

 「九崎!」

 

 「えっ?…きゃっ!」

 

 俺は九崎の手を取り、来た道を引き返して階段から距離を取る。

 偽野井原が俺達のフロアに着地した音を聞いたのと同時に俺は九崎を自分の後ろに退避させると同時に自身の周囲に魔力弾を20個ほど生成する。

 戦場となる場所はこの真っ直ぐに伸びた廊下だが

 

 「見た目が野井原でも偽物なんだ。手加減する必要は無いな」

 

 狭い戦場でも気にせず俺は宝物庫も開く。

 俺の背後からは1本の鞘に収められた西洋剣が現れる。

 

 「こ、これが長谷川君の((能力|チカラ))?」

 

 九崎の声が後ろから聞こえる中、俺は剣を鞘から抜く。

 抜き出した剣は――――――――鍔から先、刃の部分が((無かった|・・・・))。

 

 「……って、刃が無いじゃない!!」

 

 九崎が叫ぶ様に大声で言うが、その認識は誤解である。

 

 「九崎、この剣は刃が無いんじゃない。((見えない様にしてるんだ|・・・・・・・・・・・))」

 

 鞘のみを一旦宝物庫内に戻し、両手で柄を握って中段に構える。

 

 「……………………」

 

 偽野井原も刀を構えるが

 

 「先手は貰うぞ!!」

 

 一斉に20個の魔力弾――――アルテミスを偽野井原に差し向ける。

 偽野井原はいくつかのアルテミスを斬り落とし、そのまま俺に突進してくる。

 

 「ふっ!」

 

 偽野井原の動きに合わせ、俺も剣を振るう。

 

 ガキイインンンンッッッ!!!

 

 偽野井原の刀と俺の西洋剣がぶつかり、金属同士がぶつかり合った甲高い音が鳴る。

 妖力で編み出された偽物の刀なのに金属音は鳴るのか。

 

 「(凝ってるなぁ)」

 

 何て事を考えていた。

 偽野井原は更に力を込め、俺に迫ろうとするが

 

 「全てのアルテミスを対処しなかったのは間違いだぜ、偽者さんよぉ」

 

 偽野井原の背後から残ったアルテミス全てが追撃し、全弾が後頭部や背中、足に至るまで命中する。

 そのせいで偽野井原がバランスを崩すと、俺は偽野井原の刀を剣で弾き飛ばし

 

 「消えろ」

 

 そのまま偽野井原の首を躊躇無く刎ねた。

 斬り落とした首と胴体が廊下に落ちると同時に、それらは消滅して跡形も無く消えた。

 所詮は偽物か。

 本物の野井原と比べても明らかに動きが雑だし、プレッシャーも感じない。

 

 「よ…容赦ないのね長谷川君」

 

 振り返った先に見た九崎は頬を引き攣らせていた。

 

 「優人だったら偽物だと分かってても躊躇するだろうけどな」

 

 「あー……その意見には納得」

 

 「本物相手だったら流石にここまではやらん……と思う」

 

 「思うだけ!?」

 

 「野井原がどこまで堕ちてるかによって対応の仕方は変わるからな」

 

 まだ救えると思える段階なら野井原を助けるのに尽力するが、もう手遅れだと思うぐらい闇に堕ち、染まりきっていたなら…………殺めざるを得ないだろう。

 

 「けどそれは最後の最後……優人でも野井原を助けられなかった場合の時だがな」

 

 「……長谷川君は優人が緋鞠を救えると思う?」

 

 「さあ……だけど野井原を救うのは優人だけだろうし、アイツが人間と妖の共存を本当に願うならば今回の件は決して避けては通れない道だ」

 

 そして野井原を救えなかった場合、アイツは鬼斬り役として、天河家の当主として野井原を裁かなければならない。

 果たして優人はその最悪の結末に直面した時、その手で野井原を手に掛ける事が出来るのだろうか?

 

 「…どうしてもアイツが無理だというのなら、俺が野井原を斬る」

 

 そうなれば俺と優人はもう親友ではいられなくなるな。例え、斬り伏せるのが正しい選択だったとしても優人はそこまで割り切れないと思う。

 それだけ優人にとって野井原緋鞠という存在は大きなものだと俺でも((理解出来て|わか))るから。

 

 「……私としてはそんな未来来てほしくないわ」

 

 「それはあくまで最悪の未来だ。回避するためにはまず優人が来なけりゃ始まらないんだが…」

 

 アイツは今何処にいるんだ?

 これだけ邪悪で巨大な妖気なら感知して今頃はコッチに向かって来てるとは思うけど。

 それとももう学園前に来てるけど、結界内に入れないとかいうオチじゃないだろうな?

 

 「携帯は……通じないわよねぇ」

 

 「そりゃ外部と簡単に交信は出来んって」

 

 「あ、じゃあ長谷川君のソレを使えば?」

 

 九崎は俺の((腕輪|デバイス))を指差して言う。

 

 「いや…もう優人の携帯にはメールで送信済みだし。なぁダイダロス」

 

 「勿論だよ」

 

 我が相棒は言葉や念話にせずともちゃんと意を汲み取ってくれている。

 まあ、向こうは普通の携帯だろうからメールを返信しようにも結界で阻まれて届かないのだろう。

 

 「っ!!長谷川君、アレ!!」

 

 九崎が廊下の奥の方を指差す。

 

 「……しつこいなぁ」

 

 そこには再び妖力で生み出された偽野井原が。

 けど、このまま校舎内の無限ループを突破しないと偽野井原と戦い続ける羽目になる。

 そうなればいずれ力尽きちまうかもしれない。

 俺は投信が不可視状態の西洋剣を構え、偽野井原を見据える。

 

 「《ダイダロス、くえすの携帯にもメール送っといてくれ》」

 

 「《内容はどうするの?》」

 

 「《『優人を見付けて早く風芽丘に連れてきてくれ』って内容で》」

 

 「《了解だよ》」

 

 この無限ループ、優人がいなきゃどうにもならないかもしれん。

 優人が来るまでに俺は何回偽野井原を斬り伏せる事になるのだろうか。

 メンドくせえと思いつつ、俺はコチラに駆けてくる偽野井原を迎え撃つのだった………。

 

 

 

 〜〜くえす視点〜〜

 

 ズガガガガッ!!!

 

 「ぐあああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」

 

 鬼斬り役序列第壱位、土御門愛路と天河優人の一騎打ち。

 天河優人は土御門愛路の周囲に浮かぶ5枚の護符の迎撃を耐えきって、接近戦で一撃入れようとしたのでしょうけど、彼の目論みは失敗に終わった。

 何故なら――――

 

 「――これは術式の十四『五閃の舞』と言ってね。式1枚につき刹那に((5発|・・))、計25撃を繰り出す護法陣だ」

 

 天河優人の予想は裏切られたから。

 天河優人は25発の内5発しか防がず、残り20発の連撃をまともに浴びてしまった。

 光渡しで己の肉体強化を行い、防御力が上がっていようとも相当のダメージを受けてますわ。

 

 「(これは勝負ありましたわね)」

 

 地面にうつ伏せに倒れた天河優人を見てそう結論付けた時

 

 〜〜♪〜〜♪

 

 私の携帯から着信音が鳴りました。

 相手は――――誰かしら?

 見知らぬアドレスに疑問符を浮かべながらも私はすぐさまフォルダ内に届いたメールを開きます。

 内容は

 

 『優人を見付けて早く風芽丘に連れてきてくれ』

 

 ――と。

 

 「これって……ゆうちゃんかしら?」

 

 というかゆうちゃんですわよね。

 全く知らないアドレスからって事はゆうちゃん、アドレスを変えたのかしら?

 けど、どうしましょうか?

 ゆうちゃんのお願いならすぐにでも聞いてあげたい。

 しかし今このメールの内容を実行するなら天河優人を強引に連れ去って行かなければ。

 そうしたらそうしたらで後々土御門から何らかの処罰が下されそうですわね。

 

 「くひひ……愛しい彼からのメールかい?」

 

 「……だったら何ですの?」

 

 隣に来た柩に視線を向けずそっけなく返す。

 

 「(立ちなさい天河優人。貴方が猫を救いたいと本気で言うのなら寝てるヒマなんて無いでしょう)」

 

 天河優人が土御門愛路からこの件を任される条件として『土御門愛路に一撃でも入れる事』が提示されている。

 もし条件を満たしたなら私の転移魔法で学園前まで送って差し上げますわ。

 風芽丘学園を含むこの辺り一帯は土御門による人払いの法や公安の情報封鎖、交通規制によって一般人が紛れ込まない様になっている。

 だから転移先に人目に付く事も無い。

 

 「君は『一撃で良い』という私の言葉に甘えてしまった。一撃というのは相手を全力で倒す気概をもって初めて当たるものだよ」

 

 「………………言って…………くれますね」

 

 背を向けた土御門愛路に対し、ゆっくりと立ち上がるボロボロの天河優人。

 

 「――――骨の4〜5本は折れる音を聞いた。無理はするな」

 

 「ごほっごほっ……ぐっ……」

 

 咳き込み、胸を押さえ、膝がガクガクと震える天河優人の状態は誰が見ても病院直行ものの重傷だと理解出来ますわね。

 これじゃあ、土御門愛路に一撃を入れ、私が学園前まで送ったとしても猫の元まで行くのは至難ですわ。

 

 「確かに俺は甘ちゃんッスけど、トドメをささないアイジさんも同じッスよ」

 

 天河優人が指をパチンと鳴らすと

 

 「っ!!」

 

 土御門愛路の足元から霊力の反応が。

 これは――光渡し。

 

 「……やりますわね」

 

 地面から発せられた光渡し。

 天河優人の霊力に土御門愛路の護符が過剰反応して迎撃しようと足元の霊力に向かって動きます。

 

 「あああぁぁぁぁっっっ!!!」

 

 その隙をついて天河優人は土御門愛路に向かってナイフを投擲し、自身も彼に向かって走り出す。

 

 「ちっ!」

 

 土御門愛路はナイフを弾く事は出来ましたが

 

 バキイッ!!

 

 「ぐうっ!」

 

 天河優人の渾身の一撃を防ぐ事は叶わず、左頬を殴られて地面に倒れます。

 

 「アイジ様!」

 

 私が牽制していた部下が彼の元に駆け寄り、私も手に溜めていた魔力を霧散させます。

 

 「なんと……」

 

 もう1人の部下も目の前の光景に驚きを隠せず、柩だけが笑みを浮かべながら言います。

 

 「天河少年についての報告はちゃんとしていた筈だけど、君達は尚彼の事を過小評価していたようだね。何にせよ、君達は無理に恨まれ役を買う必要は無いって事さ。強引に猫神君を追い込んだ責任はボク等にもあるけどね」

 

 柩、その((ボク等|・・・))に私を混ぜてはいませんわよね?

 

 「はは……やった」

 

 ドサッ

 

 今の一撃で力を使い果たした天河優人もその場に仰向けで倒れました。

 そんな天河優人に私は近付き手を差し出します。

 

 「天河優人、治療してあげますから寝転んでないで座って下さる?」

 

 「治療かぁ…お願いしたいけど、くえすって治療系の実使えんの?」

 

 「言ってくれますわね。治療の魔術ぐらい使えますわ」

 

 私の手を掴んだ天河優人を引っ張って座らせ、治療の魔術を施します。

 

 「天河殿。見事な一撃だった。手当が済み次第急いで現地に向かっていただきたい」

 

 土御門愛路の部下が天河優hとの健闘を称えました。

 

 「でもアイジさんは…」

 

 「心配は無用だ」

 

 笑顔で部下の人が言い

 

 「天河君。君の貫いた信念……本物と見込む。後詰めは我等が引き受ける。だから……行って来い」

 

 土御門愛路もまた、笑顔で彼にその役目を移譲した。

 

 「はいっ!……痛ててて」

 

 「あーもー。返事するのは良いですけど、せめてキズに響かない程度の音量に抑えなさい」

 

 まったく…治療が長引いてしまったらそれは自業自得ですわよ………。

 

 

 

 〜〜くえす視点終了〜〜

 

 「失せろ!!」

 

 俺の一閃が偽野井原の上半身と下半身を分断させ、床に落ちると共に消滅する。

 

 「これで偽野井原を狩ったのどれぐらいだっけ?」

 

 「49体目。次で50体目突入だね」

 

 ダイダロスは律儀に数えていてくれたのか。

 

 「何て言うか…圧倒的ね長谷川君。私を護りながら緋鞠の偽物と戦って疲れてる様子も無さそうだし」

 

 「これが本物なら九崎を護りながら戦うのはもうちょっと辛いかもしれないけどな」

 

 今のところ、九崎は俺の後ろから俺と偽野井原の戦いを観戦している。

 数の暴力で来られたら本物が襲い掛かる時とまでは言わないものの、もう少し苦労してたかも。

 けど1対ずつしか来ねえもんだし、偽野井原が強くなって出て来る事も無いから、比較的魔力を消費する事も無く済んでる。

 

 「それにしても刀身が視えない剣とか反則過ぎない?間合いが分からないと迂闊に踏み込めない訳だし」

 

 「それこそがこの剣を覆う力……『((風王結界|インビジブル・エア))』の強みだな。この剣もかの有名な騎士王が所有していた聖剣だし」

 

 刀身を見えなくしているこの力こそ、第二の鞘と言っても過言ではない。

 

 『((風王結界|インブジブル・エア))』

 

 風を纏わせ、幾重にも重なる空気の層が光の屈折率を変える事によって覆った物質(この場合は剣の刀身)を不可視の状態にする第二の鞘とも言える対人宝具。

 武器を不可視の状態へ変える事によって相手は間合いを目視で把握できず、迂闊に踏み込めなくなるので接近戦では非常に有能。

 また刀身に纏わせた風を解放し、暴風として放つ『((風王鉄槌|ストライク・エア))』という技も存在する。

 ただ、宝具扱いになっている((風王結界|インビジブル・エア))だが、厳密に言えば宝具ではなく魔術に該当する。

 

 「聖剣?何か凄そうね」

 

 実際凄いッスよ。

 エクスカリバーの真名解放したら((乖離剣|エア))程ではなくとも、野井原が張ったこの結界ぐらいは軽々と突き破っていくかも。

 ま、外界に被害出たら嫌だから真名解放する気は無いがな。

 

 「まあ聖剣の事はさて置き、そろそろ無限ループをどうにかして先へ進みたい」

 

 上階へどうやっても行く事が出来ない現状に僅かな苛立ちを感じている。

 

 「長谷川君、ワープで一気に緋鞠のとこへ跳べないの?」

 

 ワープ……転移魔法の事か。

 

 「こういう時って大抵近道とか出来ないのがお約束じゃね?」

 

 「ゲームだったらそうだろうけど、私達は現実の存在な訳だし、もしかしたらいけるかも」

 

 ふむ……。

 俺は最初から試す事無く『転移は無意味』と決めつけていたが実際はそうじゃないかもしれん。

 九崎の言う通り試す価値はあるな。

 

 「やってみるか。ほれ九崎、掴まれ」

 

 俺が手を出すと九崎が握ってきたので早速転移魔法を発動させる。

 眩い光に包まれ、次の瞬間に俺と九崎は

 

 「…………こうなる訳ね」

 

 校舎の外――――運動場の真ん中に現れていた。

 

 「え?何で外に?失敗したの?」

 

 「いや……転移系統の((能力|チカラ))を発動させたら転移先の座標が強制的に((運動場|ここ))へ変更される仕組みなんだろう」

 

 ホント、よく出来た結界だけどやっぱ野井原がっていうのには納得出来ねえなぁ。

 

 「これで転移系の魔法が使えない事も立証されたし、とりあえず校舎に――」

 

 「侵入成功――――――――って、勇紀に凜子!?」

 

 唐突に背後から誰か来たみたい――――ってこの声は

 

 「優人!?」

 

 九崎が真っ先に振り返って声の主――――優人の名を叫ぶ。

 

 「おー、重役出勤ご苦労さん」

 

 「それ程でも――――って、重役出勤言うな!」

 

 いや事実じゃん。

 実際ならもう昼休み前よ?

 

 「てか優人、アンタ何処行ってたのよ!?緋鞠が学校に結界張ってから随分経ってるのよ!!」

 

 「ゴメン。高宮市内でずっと探してたんだ。海鳴市の方で緋鞠の妖力を感じたから来たんだけど、ここに来る途中ちょっと……な」

 

 何か予想外のトラブルにでも巻き込まれたか?

 

 「俺、くえすに連絡したんだけど」

 

 「ああ、知ってる。学園前までくえすに連れて来て貰ったからな」

 

 「そっか。で、くえすは?」

 

 「学園の外、結界外で待機してる」

 

 成る程。不測の事態に備えつつ現状の監視って事か。

 

 「で、勇紀と凜子は何で運動場にいるんだよ?」

 

 「それは学園を覆う結界のせいだな」

 

 この空間内では転移系の能力を使うと外に弾き出される特性があるという事を説明する。

 後、上階へ行く階段が無限ループ状態になっていて野井原の元まで行けない事も。

 

 「マジか……」

 

 「マジも大マジよ。緋鞠の偽物も襲ってくるし」

 

 「まあ、偽者は然程強くないから優人でも油断さえしなけりゃ倒せるぞ」

 

 「……偽物と分かっていても緋鞠に攻撃するのは……」

 

 あ、やっぱ攻撃出来ないのか。

 

 「しょうがない。偽野井原の相手は俺がするから優人は野井原をどうにかする事に集中しろ」

 

 「だ、大丈夫なのか?偽物とはいえ緋鞠相手だと苦戦するんじゃあ……」

 

 「緋鞠の偽物がそれだけ強かったら私も長谷川君もこうして無事な訳無いでしょ。凄かったんだから。長谷川君に手も足も出ず、こうズバーッとね」

 

 身振りを加えながら説明していく九崎。

 

 「……お前、偽物とはいえ緋鞠を斬ったのか?」

 

 「そりゃ抵抗も反撃もしなけりゃこっちが殺されるからな。偽物だって分かってるのに躊躇する理由が何処にあるよ?」

 

 「それはそうなんだろうけど、どうにも納得いかないんだよなぁ……」

 

 お前どんだけ野井原に入れ込んでんだよ。

 

 「心配せんでも本物の野井原は優人に任せるって」

 

 「ま、あのバカ猫に声が届くとしたら優人だけだろうしね」

 

 「ああ!これで緋鞠を助けられなかったら俺が加耶に殺されちまうからな」

 

 マジメ顔の優人の瞳に宿る確かな決意。

 なら俺は九崎を護衛しつつ、優人のサポートに徹しますか。

 俺達は再び校舎内に足を踏み入れる。

 例の無限ループ階段の前までは偽野井原の妨害も奇襲も無く、すんなりと来れた。

 問題はここからッスよ。

 

 「ここが例のポイントか?」

 

 「ああ、例のポイントだ」

 

 ありのままタイムを体験出来る無限ループへの入り口である。

 先程と違うのは優人がいる事。

 

 「じゃあ先頭を優人にして――」

 

 優人、九崎、俺の順で一段一段上っていく。

 一番上に登りきった優人の姿は――

 

 「「ふぁ!?」」

 

 俺と九崎の目の前で消えてしまった。

 

 「は、長谷川君!!優人がききき、消えちゃったわよ!?」

 

 「お、落ち着け九崎!多分アレだ!優人は無限ループを抜けたんだよ!」

 

 そうとしか思えない。俺と九崎が上りきった時はこんな風に姿が消える事は無かった。

 て事はやはりアレだ。優人の存在が無限ループ攻略の鍵だったんだ!

 

 「(やっと先へ進めるぞ!!)」

 

 歓喜で内心を染めながら俺と九崎は優人の後を追う様に一気に階段を駆け上がった。

 その結果――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 元の階に戻っていた――――――――。

 

 「「何でやねん!!!!」」

 

 思わず大声で叫んでしまった俺と九崎だが、決して悪くは無いと思う。

 ふざけんなよマジで!!!!

 ようやく無限ループ突破出来ると思った俺の喜びを返せ!!!!

 クソッタレ!!

 あの無限ループは対象の識別機能も付加されとるんかい!!

 

 「くぬっ!くぬっ!」

 

 九崎も怒りの矛先を廊下に向け、ダンッダンッと音を立てて地団駄を踏んでいる。

 

 「ふ、ふふふふふ…………」

 

 こうなりゃもう手段なんざ選んでいられねえ。

 

 「もう正攻法は止めだ止め!!」

 

 無限ループ、テメエは俺を怒らせた。

 

 「九崎、野井原のいる本陣へ殴り込むぞ」

 

 「くぬっ!くぬっ――――って、……え?」

 

 「無限ループなんざ無視だ無視!」

 

 俺はすぐ近くの窓を開け、我が身を外に投げ出す。

 

 「えええぇぇぇぇっっっっ!!!!?」

 

 九崎が驚くが今更でしょう。

 

 「ほれ九崎」

 

 窓の外からコッチ来いと言い、手招きする。

 

 「え?お、落ちたりしない?」

 

 「一応九崎にも浮遊魔法掛けてやるから安心しろ」

 

 窓の前までは来たものの、一歩を踏み出せないでいる九崎。

 真下を見てやや不安気味の表情を浮かべている。

 

 「踏み出す勇気無いなら一旦下まで降りて外に出てくるか?」

 

 「……ううん。時間が惜しいからここから出る」

 

 フルフルと首を左右に振る。

 よし、と九崎は決意して窓枠に片足を掛ける。

 この瞬間、俺は九崎に背を向けた。

 だって、窓枠に足を掛けるって事はスカートの中のパンツも見えちまうからな。

 背後から『よっこいしょ』と聞こえたので俺は見ないまま九崎に浮遊魔法を施し、宙に浮かせる。

 

 「おお〜!飛んでる!飛んでるよ私!」

 

 飛んでると言うより俺の魔力で浮かせてるというのが正しい。決して九崎の意思で浮いている訳ではない。

 

 「んじゃあ殴り込むぞ」

 

 「おー!!」

 

 見聞色の覇気で感じる限り、優人は野井原のいる空き教室に辿り着いたみたいだし。

 俺と九崎は窓から乱入だぜ。

 これなら無限ループに囚われずにカチ込める。

 俺と九崎が目的の空き教室の窓まで近付いた瞬間――

 

 

 

 グニャッ

 

 

 

 周囲の景色が歪み、次の瞬間俺と九崎は見知らぬ空間にいた。

 

 「「ふざけんなコンチクショー―――――――――――――――ッッッッ!!!!!!!!」」

 

 どんだけ用意周到なんだよ!!

 外から周り込んだら別の場所に転移とかよぉ!!!

 周囲の景色は何も無い。

 完全な異空間である。

 

 「おいおい、少しは静かにしろ。近所迷惑だぞ」

 

 「「ああ゛んっ……………………えっ!!?」

 

 突如背後から聞こえる第三者の声。

 俺と九崎は苛立ちを隠さないまま、振り返り――――固まった。

 そこに立つ――――否、浮いていたのは俺達が良く知る人物だったのだ。

 

 「どうした?鳩が豆鉄砲食らったような顔して」

 

 「な……な……何で…………」

 

 九崎は口を震わせながら言う。

 

 「何でここにいるんですか?」

 

 目の前にいる人物が信じられない様子の九崎。

 それが俺も同感だが。

 何故この人が――――

 

 「(いや――何故も何もこの異空間にいる時点で答えてる様なものじゃないか)」

 

 俺は困惑気味の九崎より少し前に出て静かに構え、目の前の人物を見据える。

 

 「俺達を――――」

 

 俺達をこの空間に転移させたのは貴女なんですね――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――((如月先生|・・・・))。

 

 「正解だ長谷川。まあこんなのは分かって当たり前の事だがな」

 

 俺の言葉に目の前の女性、去年の俺のクラス担任であり今年は優人達のクラス担任である如月先生は笑みを浮かべて答えてきた。

 

 「ちょ!?冴ちゃん!?え!?」

 

 未だに困惑且つ混乱してる九崎。

 が、それを放置して俺は話しを進める。

 

 「先生が異能の持ち主だとは思いませんでしたし、気付きませんでしたよ」

 

 「まあその辺の隠し方は上手いと言う自負があるしな」

 

 「……で、俺と九崎を転移させた理由は?」

 

 「決まってるだろ?ソッチの九崎はともかくお前をこの件に関わらせないためにだよ長谷川」

 

 「……………………」

 

 「お前が関わるとこの一件、簡単に片が付くだろ?それだと困るんだよ。私は天河がどういう((未来|こたえ))を導き出すのか、それを見届けたいからな」

 

 だから、と如月先生は続ける。

 

 「ここでしばらく大人しくしてて貰う。ソチラが仕掛けて来なければコチラからも手は出さんから安心しろ」

 

 その言葉、どこまで信用出来るのやら……。

 

 「ちなみに階段にトラップを仕掛けたのも私だ。あのままあそこで足止めされてくれてたら私自身が動く事は無かったんだが――――まさか空を飛んで直接乗り込もうとするとは思わなかったよ」

 

 「コチラの行動は把握済みだったって訳ッスか」

 

 如月先生もサーチャーのような物をばら撒いて俺達の行動を監視してたと推察する。

 けど俺にすら気付けない様な監視網とか、如月先生相当の実力者だな。

 ていうかさぁ……

 

 「如月先生は人間ですか?」

 

 俺の今の疑問。

 それは目の前の如月先生が人間か否か。

 俺達魔導師の魔力でもなければ那美さんや優人が持つ霊力、野井原や静水久達妖の妖力の様な力が一切感じられないんだが。

 

 「長谷川は私が何だと思う?人間?妖?それともお前も知らない異種族かな?」

 

 「……………………」

 

 聞き返されるが俺としては沈黙。

 

 「ま、こうして姿を見せた以上、隠すのも意味が無い……か」

 

 そう言うと如月先生から滲み出てる力の波長が変わる。

 これは――――妖気!

 つまり如月先生は…………妖か!

 

 「人間に((この名を名乗るのは久しぶりだ|・・・・・・・・・・・・・・))。改めて名乗ろう。人間の名は如月冴。風邪芽丘学園の一教師であり――」

 

 バサッ

 

 そう音が聞こえると共に、如月先生の背に翼が現れる。

 それは鴉のように漆黒の色をしており――

 

 「私の本名は『崇徳上皇』。古来より人の世に忍んで生きる妖さ」

 

 更に禍々しい妖気を解放した如月先生が名乗った名は――――『日本三大妖怪』最後の一匹、大天狗と呼ばれる超常の存在であった………。

 

-2ページ-

 〜〜あとがき〜〜

 

 何故か高校生編に限ってボス戦前に転移される運命にある我等が主人公です(笑)。

 今回は完全にオリ展開です。

 原作だと優人が学校に来る前に凜子は本物の緋鞠と会って会話するのに、この小説ではそれが無かったり、如月先生が立ち塞がったり……。

 如月先生は元々『人間に擬態して人間界で生きる大ボス級の妖』という初期設定があったらしいのですが、原作者の路線変更によってその設定が無くなったという裏話があります。

 ならこの小説でその設定を出してやろうと思い付いたので今回勇紀達のお邪魔役として出しました。

 役は本編でも語った様に『九尾』『鬼』に続く日本三大妖怪最後の一匹『大天狗』です。

 彼女は某霊界探偵の作品に出てくる鈴木さんみたいに妖気の波長を変えたり、妖気そのものを感知させなくしたりと妖気の扱いに関しては九尾や鬼よりも上の設定です。

 よって海鳴市にいる退魔師、鬼斬り役が気付かないのもそれだけ彼女の妖気の扱いが上手い実力者だという事でどうかご理解下さい。

 

説明
神様の手違いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生した主人公。原作介入をする気は無く、平穏な毎日を過ごしていたがある日、家の前で倒れているマテリアル&ユーリを発見する。彼女達を助けた主人公は家族として四人を迎え入れ一緒に過ごすようになった。それから一年以上が過ぎ小学五年生になった主人公。マテリアル&ユーリも学校に通い始め「これからも家族全員で平和に過ごせますように」と願っていた矢先に原作キャラ達と関わり始め、主人公も望まないのに原作に関わっていく…。
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コメント
おぉっと、冴ちゃん先生が玉藻さんや酒呑さんと並ぶ三大妖だったとは・・・これは異空間でバトル不可避Deathかね?それともOHANASHI?いずれにせよ今後の展開に期待です!(海平?)
如月先生が妖怪ですか。彼女を相手に勇紀が如何頑張るのか、楽しみです。しかし、如月先生は勇紀のハーレムに加わらないのだろうか?(俊)
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